早見和真のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ甲子園を目指す高校球児たちを主役とした青春小説。設定だけを見れば過去に何千回と擦られたものだが、この小説が変わっているのは主人公がほとんど試合に出ないこと。作中で公式戦の打席に立つ場面すら数回で、それも全く活躍することはない。
そうした珍しい描写だからか、小説自体も主観とメタの二重構造になっている。つまり、主人公たちは全国屈指の強豪校で野球をする「野球エリート」でありながら、タバコを吸い、酒を呷り、合コンをしまくるという裏の顔を持つ。ここには彼らの「高校球児である前に高校生」という哲学が介在している。
これがメタ的で高校球児をアイドルのように消費する世間へのアンチテーゼになっていると感じた。
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Posted by ブクログ
ー愛すべきバカたちの、爆笑と青春の1ページ。
〈あらすじ〉
高校卒業まであと39時間。岡山まで受験しに行った友達を卒業式に間に合うよう連れ戻すために、勝手に親から拝借した車で、わがばマークを付け、いざ東京から発進!!安全運転励行!友情は裏切らない!行き当たりばったりすぎる展開と大分ツメが甘い彼らは果たして卒業式に間に合うのか!?
〈感想〉
全然知らない作者さんだと思っていましたが、「店長がバカすぎて」「イノセントデイズ」の作者さんでした、、、笑
しかし、本当に爆笑の嵐。
主人公が東京から岡山までの距離550kmを、「意外と近いな、時速120kmで5時間」とザルすぎる勘定をするところは思わず -
Posted by ブクログ
ネタバレ表紙のイラスト、「激情パンク小説」という帯の言葉。お坊さんを目指す若者の葛藤や成長を爽やかに読ませてくれるのかな?…
最後重っ。
篠田節子の「仮想儀礼」、荻原浩の「砂の王国」みたいなカルトが現れた~(T-T) 中心にいるのはいつも女。虐げられたり傷を負った女の集団。祭り上げられる男。コントロール不能になって暴走。テンプレか。
ストーリーも登場人物もよくて、わくわく読み進めた最後にモンスター出て来て、不意を突かれてダメージ大です。ハッピーエンドが見たかった。
宗教を取り巻くリアルは甘くない、ということか。
きっとこれからも、生涯かけて生きるとは、信仰とはを考え続けていくんだな。しんどい生き方選 -
Posted by ブクログ
学生時代にデビューしたがその後は鳴かず飛ばずの作家と小学校からの友達である編集者が一世一代の小説を生み出す話。これが最後と作家が覚悟を決めるまでの葛藤や編集者の熱意、それをサポートする上司や先輩作家など、たくさんの人を巻き込み、たくさんの人が自ら巻き込まれ、傑作を作り出すまでを描いている。
編集者という仕事を知らないこともあるが、作品が生まれるまでにはこんなに熱が必要なのかと驚いた。出版不況といわれて久しく、活字離れも歯止めが効かない中で、なぜ本を書くのか、作るのか。出版業界は大変だろうなと思う。
知らない業界の話なので単純な面白く読める。ライトな感じなので深さはそれほど感じられないが、読後