早見和真のレビュー一覧

  • あの夏の正解(新潮文庫)

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    コロナの蔓延から早3年半。コロナの流行により今までの当たり前がそうでないことに気づいた人も多いのではないか。2020年の甲子園が中止になった時、当時の高校球児たちが何を思ったのかがありのままに書かれており、彼らの状況を容易に想像することができ、思いを馳せることができる作品であった。逆境や苦しみの中で、彼らがもがき苦しんだ姿から、学ぶことはたくさんあった。ただ一つの目標、目指すべき場所が失われた時、自分ならどう気持ちを切り替え行動するか、考えさせられる作品だった。壁にぶつかった時、また戻ってきたいと思う。

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    2022年08月31日
  • 95

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    高校デビューのごくフツーの主人公が、渋谷の黒幕と対等に渡り合い、たったの5人で渋谷を牛耳るという設定自体はあり得ない。
    とはいうものの、高校生という限られた時期に、仲間とここまで濃厚な時を過ごし、想い出を作りまくられたことに対しては、純粋に羨ましく、かつ自分ももう一度青春時代をやり直したい、と痛切に感じた。

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    2022年08月08日
  • あの夏の正解(新潮文庫)

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    2020年、コロナで春のセンバツ、夏の甲子園が中止になった強豪校に密着したノンフィクション。甲子園ファンとして中止決定は「なんて可哀想なんだ」と憤りを感じていたけれど、高校球児達の受け止め方はもっと奥深く、立派で驚きました。一人一人のチームへの思い、強豪校の一員としての立場などが伝わりドラマを感じました。自身も名門校で高校球児だった早見さんの高校野球への感情も興味深かったです。

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    2022年07月31日
  • あの夏の正解(新潮文庫)

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     2020年、コロナ禍一年目。全国の高3野球部を始め全運動部員、吹奏楽部等の文化部員、更には中3の部活動部員も、全国規模の大会・コンクールが中止になったり、修学旅行等の大きな行事も変更・縮小・中止になったりし、最悪・悲劇の世代とも呼ばれました。
     当事者である部員、指導者、保護者がどう受け止め、どう次へ動き出したのか等、野球に限らず他の書籍やTVのドキュメンタリーとして取り上げられ、出版・放映されました。
     本書は、元高校球児である著者が、強豪2校に密着したノンフィクションです。語り手全員が悩み、逡巡しながらも本音を吐露し、それらが丁寧に掬い上げられています。彼等は、決して「かわいそうな子たち」ではなかったと思えます。失ったこと以上に、得たことの方が多かったからに他なりません。

     プロローグの前に記載されている夏の甲子園中止決定直後の著者寄稿新聞コラム(以下一部抜粋)から本書は始まります。これが本書を貫く根幹のテーマであり、著者の痛切な願いとなっています。

     〈選手一人ずつ、その立場や思いによって「あの夏の正解」が違う。ならば、自分自身で見つけてほしい。考え抜いた末に導き出す、想像もできない新しい言葉をいつか聞かせてほしい。〉

     果たして、「どういう夏だったか」との問いに、彼等はどう答えたのか…。当事者たちの声が、より多くの方々に届くことを願います。

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    2022年07月07日
  • かなしきデブ猫ちゃん

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    ネタバレ

    文&絵。愛媛県松山市を舞台にしたデブ猫マルの家出譚。坊ちゃん、マドンナ、道後温泉など、夏目漱石の「坊ちゃん」ネタが混じっていた。家族に対する嫉妬から家を飛び出し、坊ちゃんと呼ばれる猫に会い、出奔中らしい雌猫・マドンナを探しに行くが……。マルは、大きくどっしりしていて、男気ある感じで、たぶん写真家の岩合光昭さんが好んでファインダーに収めそうなタイプ。そんなことを思いながら読んでいた。

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    2022年06月12日
  • かなしきデブ猫ちゃん

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    猫ちゃんのほのぼのしたお話かと思っていたら大間違い。
    デブ猫の「マル」が愛媛県内を大冒険するお話です。
    猫ちゃんといっしょにワクワクしたい方におすすめです。

    デブ猫ちゃん冒険マップも載っていて、親切な作りになっています。
    旅に出たくなりました。

    印象に残ったのは漁師のおじさんの言葉。
    「あれが正しいもんなんか、ワシはわからんけどな。わからんけん、考え続けんといかんと思うんよ。見て見ぬフリするんが一番の悪。そうじゃろ?デブ猫よ。
    成長するには旅。そして恋じゃ。」

    かのうかりんさんの素晴らしい絵も愛媛の良さを十二分に引き立てています。癒されるタッチですが、風景が細かく描かれていてデブ猫ちゃんたちの世界にグッと引き込まれます。

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    2022年05月05日
  • ひゃくはち

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    部活に明け暮れた高校時代、部活の仲間との時間、恋人、親、青春がぎゅっとつまった小説でした。

    高校球児に子供がいる。世間一般はこれに対して違和感を感じるが、何も悪いことではないよな〜。

    仲間をとるか甲子園をとるかで葛藤する高校球児達、甲子園は僕にはわからないくらい壮大で、毎日それに向かって練習してきた高校球児達にとっては何にも変えることのできない場所なんだなと。そんで主人公の父親ちちおやすぎた。

    事件のあった、何年後かにみんなでまた集まって当時と同じようにそれぞれが話していた。
    一緒に甲子園を目指し、学生時代に苦楽を共にした仲間たちの友情の深さ、絆の素晴らしさ感じました。

    今振り返ると思うけどやっぱ高校生は子供ですね、けどまっすぐ

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    2022年04月16日
  • 店長がバカすぎて

    購入済み

    人間臭くてあったかい

    早見さんの作品、初めて読みました!
    普段本をあまり読まないのですが、とても読みやすく楽しめました!
    登場人物も人間味があり、何より店長のキャラが個性的なのが印象的でした。書店員さんの人間模様も興味深かったです。早見さんの他の作品も読んでみたくなりました。

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    2022年02月08日
  • かなしきデブ猫ちゃん

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    デブ猫ことマル。旅を続ける中でどんどんステキな猫になってくる。愛媛のいろいろな地名が出てきて、あー愛媛に行きたいなぁと思った。文庫本だけどきちんと絵本。挿絵もきれい。

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    2021年07月30日
  • かなしきデブ猫ちゃん

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    愛媛県の名所が次々と出てきて県民なら思わずニンマリしてしまう、かなしきデブ猫マルの大冒険。約150ページのうち半分が、かのうかりんさんのかわいらしい絵です。絵本にしては長いけど、小説だと思えばとても短いお話で、1時間もかからないうちに読み終えることができるので、小学生から読むことができそうです。自然の美しさと、自然の脅威。人間の優しさと身勝手さ。旅を通して成長するマルに、思わず自分を振り返ってしまいました。コロナ禍がおさまれば、私も行くあてのない「大冒険」をしてみたいものです。

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    2021年03月30日
  • スリーピング・ブッダ

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    何ともジャンル分けし辛い一冊(^ ^;

    読み始めて割とすぐに
    「人が二人いれば争いが生まれ
     三人いれば派閥が生まれる」
    という言葉がずっと頭に浮かんでいた(^ ^;

    タイトルからも表紙絵からも分かる通り、
    お坊さんが主な登場人物。

    当たり前ではあるが、「坊主として生まれる人」はいない。
    寺の跡継ぎとかで「坊主になるべくして」なる人はいるが、
    みなそれぞれの事情や思惑を抱えて、
    修行をして坊さんに「なる」ものだ。

    そんな、当たり前ではあるが、普段仏教と縁遠い私には
    全く意識していなかった現実を見せられるところから始まる。

    ある者は(順当に)実家の寺を継ぐために、
    ある者は「職業として」安定を求めて、
    本山での修行に参加する。

    本書は、前半の「本山での修行」パートと
    後半の「自分の寺での葛藤」パートに分けられる。
    それぞれに、それぞれの人間関係があり、事件があり、
    悩み、葛藤し、成長し、時に流され、時にやけになり...
    とても「人間的な」ドラマが繰り広げられる。

    何となく、坊さんとか「宗教家」というのは、
    煩悩から解脱した「聖なる存在」と思いがちだが...
    と言うか、私は漠然とそんなイメージを持っていたが、
    どうしてどうして坊主の「現実」は生臭く、
    「表の顔」では聖人ぶっている分一般人よりエグいくらい(^ ^;

    でも、それが現実であり、よく考えれば当たり前か。

    本当に修行ばかりしまくって、
    それこそ霞食って生きてるような人(それは仙人か)は、
    私のような俗物の目に留まることはあるまい。
    我々「一般人」が触れる坊さんというのは、
    「葬式仏教」と言うくらいで、葬式や法事の時くらいで。

    それら「職業坊主」は、仕事として仏事を行っている訳で、
    普通に消費税払って買い物してるし、免許の更新もするし、
    「生活」は我々と何も変わらない(はずだ)。
    まぁ、税金の優遇くらいはあるとしても(^ ^;

    ...と、本の内容と関係の無い感想ばかり書きたくなる、
    それくらい本書の「坊主描写」がリアルと言うことか(^ ^;

    ストーリー中に色々なことが起こるが、
    不思議と「あらすじ」を書きにくい印象(^ ^;
    話の「筋」と言うより、登場人物の心の動きを読む、
    そういう本なのだろう、きっと(^ ^

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    2020年10月13日
  • 95

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    2018034

    なんでもない平凡な高校生活が、仲間たちの出会いで一変する。他校正との対立や恋愛、仲間との友情。

    悪い高校生の見本と言うことで、最初は取っ付きにくい小説だと思ったけど、途中から打算のない、こんな友情も良いなと思えてきました。

    平凡が1番だとは思うけど、その平凡が今や難しい。権力に抵抗するのが、カッコいいと思うけど、いつの間にかその枠にはまっていたり。
    それでも、誰かのために頑張るひとは、みんな格好いい。

    若いときのカッコいいと、大人が思うカッコよさって、何かを護るものが出来ると出来ないとで違ってくるのかなと思う。

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    2018年04月16日
  • スリーピング・ブッダ

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    それぞれの理由から、僧侶を目指す若者たち。
    理想とは全くかけ離れた地点に着地したけれど、なぜか嫌な感じはしません。ここが最終地点ではないから?

    自分もこれから、人生どんな流れが待っているか判らない…。そう気付かせてくれる一冊でした。

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    2018年02月16日
  • マウンドの神様

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    ネタバレ

    野球を愛する人気作家の野球を題材にした小説、エッセイを、集めた短編集。
    どの作品も作家の野球への思いや造詣が伝わってきて面白かった。個人的には「ひゃくはち」の著者早見和真の「あの日、監督がうなずいていれば、僕は-」が「ひゃくはち」の舞台となった高校、監督が登場していてツボだった。

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    2017年07月22日
  • スリーピング・ブッダ

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    ネタバレ

    宗教を扱った小説のレビューは難しい。
    宗教って個人のメンタルの深部に大きな影響を与えているもんやと思っているので、変に評価すると読む人にとって触れたらアカンとこ不用意に触れてしまう可能性もあるし…

    そら、オ○ムみたいに毒ガステロ起こすようなことをする団体は絶対アカンと思うけど…

    ってことで、この本も「宗教ってなんなん?」がテーマなんで、そこ触れずにレビューは難しい。でもこの本読んで考えさせられることはいっぱいあった。

    ラストは秀逸、せやねん。信心って各自が持っているもんで、自分に直接実害を被ることでもない限り、他人の信心を批判とかしたらアカンもんやと思う。

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    2017年01月02日
  • 6シックス

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    ネタバレ

    銀縁くんという神宮のスーパースターが各編のキーワードになっている短編集。
    思いがけずおもしろかった。
    とくに各編の最後にある試合結果がかかれた新聞がよかった。

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    2016年02月02日
  • スリーピング・ブッダ

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    これほどまでに生きること死ぬことを考えながら読む本はない。仏門の奥で犇めく煩悩や欲が人間らしく、考えさせられた。仏門だけどパンク!

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    2015年04月15日
  • スリーピング・ブッダ

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    何だかよくわからなかったが、面白かったかも。
    この題材で最後まで、一気に読ませるのは、かなり傑作ということか?宗教を理解するのは難しい。カルトになるのは、同意できないが。

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    2014年10月24日
  • スリーピング・ブッダ

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    「スリーピングブッダ」って何だ?
    思いつくのは釈迦涅槃図。じゃ、涅槃ってなんだ?
     文庫版のカバーイラストと裏表紙の「青春パンク小説」というコメントが誤解を招くのだろう、ネット上の多くのレビューが「前半は面白いが後半はどうも」、であった。
     この作品はけっして青春パンク小説ではない。かなり深い所をえぐった宗教観と人生観が詰まっているカバーイラストからは連想できない方向の物だ。
    「坊主って安定してる?」という主人公の一人、隆春の言葉が象徴する導入部から前半よりも東北の涅槃寺に入山してからの主人公達とそれを取り巻く人々の生き方の方がこの作品が読者に問いかける部分である。
    人を救うというのはどういう事なのだ、宗教とは何なのだ。答えを求めて悩み続ける。答えの無いこの問いに悩み続ける事が修行であるという事はまず間違いないだろう。

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    2014年09月28日
  • 6シックス

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    高校野球部員を題材に描いた「ひゃくはち」の著者が東京六大学野球を題材に描いた作品。
    高校で全国制覇し、「銀縁くん」の愛称でスターとなり早稲田に進んだ星を軸に彼と関わった、影響を受けた東大、法政、明治、立教、慶応の人物を描きながら秋のリーグ戦が進んでいく設定。
    ただ、各章は試合直前で終わり、試合の描写はされていません。
    各章の最後に新聞記事という形で試合結果がわかるという見せ方は面白いなと思った。

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    2014年03月15日