早見和真のレビュー一覧
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『羽曳野』やら『石川』など身近な固有名詞が出てきて和んでしまう。本作、題名からして感動ものだと想像はできた。
Wikipediaで調べたら著者自身も高校球児だったとか。なので高校野球に関する内部事情のアレコレは当たらずとも遠からずなのだろう。舞台が大阪ということもあって、当初あけすけにものを言うステレオタイプのマダムたちが登場してきて閉口したが、主人公菜々子の鷹揚さと何事にも平常心でぶつかる(少なくともそう思える)息子航太郎の出来の良さに感心させられ最後まで突っ切って読むことができた。
菜々子の足元のグラグラ加減と、反対にまるで保護者のような航太郎の母子関係に少し違和感があるが、まあそれも設定 -
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宗教って真面目にちゃんとやるとなると怖い。
お釈迦さまもイエス・キリストもアッラーも真面目にきちんと極めようとして訳がわからなくなることも。そしてそれがちゃんと勉強して修行している僧侶だったりするんだな。
音楽の夢破れた若き僧侶に、実家のお寺を継ぐためにめっちゃ売れてたバンドを脱退したDJさんを思い出した。
スリーピング★ブッダ。
ふっと頭に浮かぶ人も多い、肘をついて横になっているお釈迦さま。
メインの大切にしなくてはならない人と、プライベートの生活があって、それをちょっぴり過ごしやすくしてくれる存在が宗教なのだと理解。
というか、宗教を信じるということはそれ以上でもそれ以下で -
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ネタバレ2020年本屋大賞の続編
前作で地方に飛ばされた山本猛店長が本店に復帰するところから始まる。物語の背後にはコロナ禍という現実があり、その混乱の中で信頼を失い、結婚を機に書店を去った小柳店長の存在が、シリーズにほろ苦い陰影を与える。相変わらずKY全開の山本店長に内心で毒づく谷原京子の語りは健在だが、本作は「作中で語られている物語が、いま読んでいる本になる」というメタ構造をさらに複雑にした点が印象的だ。架空の小説『ステイフーリッシュ・ビッグパイン』を軸に、視点や真相が反転していく仕掛けはシリーズ随一の完成度だろう。ラストは明確に続編を示唆し、もはや“バカすぎる店長”という枠を超え、書店と物語その -
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ネタバレ2020年本屋大賞
書店を舞台にした“お仕事小説”の顔を借りた、人間観察と価値観の揺さぶりに満ちた物語だ。本が好きという理由だけで薄給の契約社員として働く主人公は、食費を削りながらも本を買い続け、書店員としての矜持と現実の理不尽の狭間でもがく。カスハラまがいの客対応や販売ノルマ、帯やポップを巡る攻防など、業界の生々しさが強いリアリティで描かれる一方、「人は見かけで判断できない」「評価や書評に縛られず本と向き合うべきだ」という静かなメッセージが通底する。バカすぎる店長の存在も、物語後半では意外な推進力となり、伏線が回収されていく展開は小気味いい。仕事とは何か、好きなものを守るとはどういうことか -
購入済み
競馬の話
モノローグ的な語り口は平易で分かりやすくどんどん読み進めることができる。しかしともすれば単調な展開に陥ってしまう危険性がある。しかしこの作品は、「競馬」というドキドキする世界を扱っているせいか、単調に陥ることなく緊張感を持ってストーリーが進んでゆく。しかし、私に競馬に対する知識や興味がないせいで、それほど楽しむことができなかった。
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甲子園を目標に進んでいく1人息子を支える母が主人公というだけで、野球部の子を持つ母はすでに共感が止まらないかもしれません。
甲子園を目指す強豪校、どこを選ぶのかどこなら自分の力を発揮できるのか、監督をはじめとする指導者、父母会の息苦しさ、引き継がれる父母会心得、見えない寮生活、上下関係、その全てに胸が苦しくなったり、モヤモヤしたりしながら読み進めました。
強豪校に入学し、そこでまたレギュラーを勝ち取ること、そして勝ち進む難しさ、全国から集められた球児が、あの舞台に立つために、どんな日々を送って、どんな苦悩を抱きながら前に進んでいるのか、ほんの少しかもしれませんが、垣間見れた気がします。
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ネタバレ2020年本屋大賞の続編
京子の孤独と葛藤:仲間が去り「頑張ってね」と託される言葉に苛立ちと寂しさを抱く。
シリーズ最終章にあたる本作は、書店員・谷原京子が35歳という年齢を迎え、仕事と人生の選択に真正面から向き合う物語だ。仲間の寿退社で反店長派は京子一人となり、孤立と焦りが深まる一方、型破りな店長の施策――児童向けイベントや売場改革――は意外な成果を上げ、京子の視線も少しずつ変化していく。
本作で印象的なのは、「バカな上司」として描かれてきた店長の人間味が浮かび上がる点と、「残ること」を選んだ者の孤独と誇りが丁寧に掘り下げられていることだ。書店小説でありながら、働くことそのものの痛みと希 -
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子をもつ母親の感情がとてもリアル!!親離れしていく子どもにヤキモキしたり、ママ友たちの中で悶々としたり⋯。「分かるー!」と思いながら読みました。
ただ、うまく行き過ぎでしょ!
初めての大阪で親友ができて、監督に盾突いた菜々子はヒーローになり、ピッチャーを諦めた航太郎は甲子園の舞台でピッチャーとして最高の成績を治める⋯⋯んなわけあるかー!!人生そんな甘ないわ!!
思わず大阪弁でツッコみたくなるくらい、菜々子ファーストのストーリーで途中からイライラしてしまいました。むしろ、最後の最後で甲子園のベンチ入りを逃した陽人の母の方がよほど現実です。
この本に関しては自分と重ねて感情移入してしまうところもあ