早見和真のレビュー一覧
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ネタバレエンタメはエンタメなんですけど、暗い感じのエンタメのようでした。ミステリー要素もありました。
「越智エリカ」という女性が主人公で、舞台は「愛媛県伊予市」という田舎の場所です。主人公はこの街でずっとネグレクトを受けてきて「この街から早く出たい」と常々思っていました。しかし主人公の母「美智子」(スナック経営)が主人公を縛り付けます。のちに主人公はとある団地で取り返しのつかない事件を起こしてしまいます。そして懲役12年の実刑判決を受けて服役します。過去を乗り越え、母と娘がそれぞれ違う人生を歩むといったストーリーです。実際あった集団暴行死事件をもとにこの小説は書かれているそうです。
なんか、「親ガチャ」とか「毒親」とかよく言われていますけど読み進めていくうちに母親の支配という印象が強かったです。
面白い作品でしたが、自分はこのような設定の主人公にはなりたくないと思いました。 -
Posted by ブクログ
早見一真さんの作品は個人的に好きな作品が多いため、本作も楽しみに手に取りました。中学生の成長譚が多く見られ、心温まる作品だったかなと思います。
本作は女子校に努める教師を中心とした物語。その教師は春までの命との余命宣告を受けた中、女子中学生の担任を勤めるという物語。
本作は闘病系の作品には珍しく終始、女子中学生の目線から物語が進み、どちらかといえば先生との絡みも少なめといった内容です。しかし要所で先生の言葉が生徒に影響を与える王道な展開も盛り込まれており、その展開を期待してた自分としては満足感はありました。
ただ、本作はほぼすべての女子中学生の成長譚が描かれているため、登場人物の把握に非常に苦戦しました。振り返ってみると、どのキャラを追えば良いか序盤ではつかみ辛く、感情移入もなかなか出来ずに流れてしまい、ようやく終盤に差し掛かると何となく関係性が掴めたかなという感じでした。
ただ、生徒が自ら考える、「自立」をテーマにしていた本作だからこその構成であるとともに、多種多様な人がいる中でどのような思いとどのような成長をみせるかは人それぞれであるというような真理が本作にはあったのかなと思った作品でした。学生時代は色々なものに流されやすく、そのまま成長してしまった大人の1人である私にはドキッとさせられる作品だったかなと思います。 -
Posted by ブクログ
書店を舞台にしたお仕事小説だと思って読み始めたのですが、想像していた方向とは少し違う読後感の一冊でした。主人公・京子さんの語り口がかなり辛辣で、周囲の人たちへの評価も手厳しく、読みながら「本当にそうなのかな…?」と首をかしげる場面が多かったです。
物語が京子さんの一人称で進むぶん、彼女が見ている一面だけで判断しているように感じられ、描かれる出来事が少し偏って見える瞬間がありました。タイトルから店長のちょっとした天然ぶりをコミカルに描く話なのかと思っていたのですが、実際には京子さん自身の不満や苛立ちが中心で、「店長がバカすぎて」というより「現状の不満にイライラしている自分」というように映る場面もありました。
とはいえ、迷惑なお客さんのエピソードだけは「もし本当にいたらこれは大変だ」と素直に共感。書店員さんが日々どんな人たちと向き合っているのか、現場の空気を垣間見るきっかけにはなりました。
お仕事小説として書店の裏側を知れる内容を期待していたので、その点では少し物足りなさが残りましたが、書店で働く人たちの思いや葛藤に触れられる一冊でした。