【感想・ネタバレ】小説王のレビュー

あらすじ

小説をめぐる熱きドラマ、ついに文庫化。

大手出版社の文芸編集者・俊太郎と、華々しいデビューを飾ったものの鳴かず飛ばずの作家・豊隆は幼馴染みだった。いつか仕事を。そう約束していたが、編集長の交代で、企画すら具体的にならないまま時間だけが過ぎていく。やがて、俊太郎の所属する文芸誌は、社の経営状態から存続を危ぶまれ、豊隆は生活すら危うい状況に追い込まれる。そんな逆境の最中、三流編集者と売れない作家が、出版界にしかけた壮大なケンカの行方は!?
小説の役割は終わったのか? 物語に生かされたことはあるか? 単行本刊行時、作家・編集者・書店員の方々など業界の内外をざわつかせた問題作が、ついに文庫化。 『イノセント・デイズ』で大注目の作家が放つ、小説をめぐる、男たちの熱きドラマ!!

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購入済み

店長がバカ過ぎてから

店バカの角川春樹氏との対談で
出てきたので拝読。

確かにおもしろい、泣ける
著中の文化をお借りするなら
ヒリヒリする。

結婚披露宴の種明かしは
どこに琴線があるのか自分で
わからなかったのに泣けました。

初老のオジさん朝から職場で
号泣で困りました。

小説がないと生きていけない
物語を待ってい人です。

#泣ける #エモい

1
2024年11月06日

匿名

購入済み

小説王のタイトルで、コメディタッチな感じかと思っていたら、すごく熱い小説家と編集者の話で何度も胸が熱くなりました。スピード感もあり、読むのが止まらなかった。小説が好きでよかった。あらためて思いました。

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2024年11月16日

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ネタバレ

出版不況のこの時代、若者たちに手にとってもらいたい本。
小説家になりたい、編集者になりたい、だけどホストのバイトをしている。という男の話で始まり、展開が一旦そこから離れてはゆくが編集者が偶然昔馴染みの売れない小説家を応援しながら、自分も周りの人も成長させてゆく。そして、有名文学賞の発表で大団円へ〜とならずに…
私自身も全然、読み取る力無いなぁ。ただ、熱情は伝わってきた。

0
2024年10月04日

Posted by ブクログ

早見和真さん著「小説王」
ここ何作か早見さんの作品を好んで続けて読んでいるのだが題材やテーマの豊富さとその読み応えに圧倒されている。

本作品は小説家である作者が執筆された小説家の物語で、小説家だからこそ描ける小説家としての内面や作品に対しての葛藤や苦悩が凄く読み取れる作品。

友情と家族愛、親子愛も作品に見事に溶け込んでおり物語も凄く高いレベルで面白かった。

特に作者が小説家ならではだなと思わされたのが「エピローグ」と「プロローグ」の今作品内での使われ方。
この「エピローグ」「プロローグ」という2つが本作品の軸になっており、お見事としか言いようがない。

作家さんがタイトルに込める強い意思を感じとれ、その情熱が凄く読み取れる。
当然今まで自分が読んできた数々の作品もこの作品の様に出版社や関係者の方々と綿密な打合せや意見の交錯の上で成り立っているのだろうと改めて感じた。

更にタイトルや作品内の小説だけでなく登場人物の各々にも各々の「エピローグ」と「プロローグ」をものの見事に転写されている。
そして誰しもの「エピローグ」と「プロローグ」は素晴らしいものだった。

先程も書いたが小説家だからこそ書ける物語だと強く感じる。
今後小説家や出版社やそれらに携わる仕事を目指す方々が読めば、凄く仕事に対しての夢や希望がより鮮明になるような作品だと感じた。
また早見さんの作品を今後も読んでいきたい。

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2024年09月23日

Posted by ブクログ

小説も漫画もそれ以外のものでも、ゼロから何かを生み出せる人を尊敬する!
やっぱり好みってあるから好きなジャンルや苦手な話とかってあるけど、でもすごいと思う!

そんな尊敬に値する小説家とそれを支える編集者のはなし。

今は特に手軽にレビューや評価をしやすい時代だから、それによって作り手を悩ますことになり、それがいいのか悪いのかは分からない。。

それらを考えさせられるような作品でのめりこめた!

0
2024年09月17日

Posted by ブクログ

疾走感のある小説で読むことを止めるのが難しかった。何度、通勤電車で目的地を通り過ぎそうになったことか。早見さんが書く主人公の表情、編集者とのやり取りがこちらまで熱くなった。また主人公以外にも魅力的な登場人物がおり小説がより面白くなった。編集長や内山、美咲、晴子など。あと、共感したのが電車の中ではスマホばかりで小説に見向きもしないという項目。小説がいかに面白いものかを証明して欲しい。

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2024年03月29日

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小説家が小説家の小説を書く。編集者と小説家が小学校の旧友であり、2人の小説にかける想いや葛藤。栄光を掴み取るまでの軌跡に触れられる作品。一気読みできます。

0
2022年12月29日

Posted by ブクログ

とても良かった
青臭さ全開で、出てくるキャラクターは既視感があるような気がしなくもないものの、
この手の話の中では創作側の閉じた世界の話にとどまらず
小説が好きな人、物事に救われた事のある人たちをどんどん巻き込んで『当事者』になっていく様がとても良い
出版不況はそう簡単にどうにかなるとも思わないが、希望を孕んだ締め方もとても気持ちいい
満たされた気持ちになる、良い本だった

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2022年06月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何度も心をズキズキさせられ、涙を滲まされ、涙をこぼさせた。
出版、文芸の時代的な厳しさが背景ではあるものの、仕事への向き合い方、人との向き合い方、人生…様々考えさせられた。

2020年がキーワードの一つになっているけれど、この本が書かれた頃には、誰も予測しなかった2020年が過ぎ去った現在、確かに物語は必要かもしれない。

『カラマーゾフの兄弟』読んでみよう。『エピローグ』が読めないのは残念だが。

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2021年06月16日

Posted by ブクログ

面白かった。けど何となく話がありきたり。作家と編集者の関係はよく分かったような気がするけど、内容的にはありきたりで最後は少し飽きてしまったかな。

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2025年07月08日

Posted by ブクログ

ちょっと回りくどいところもありますが、編集者の存在意義を知れて面白かったです
今まで謝辞で編集者に触れているのは社交辞令と思っていたのがひっくり返されました

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2025年06月26日

Posted by ブクログ

「展開は読めるのに、気づけばページをめくる手が止まらない。」
先が想像できるはずなのに、登場人物の熱や葛藤にどんどん引き込まれてしまう。
“物語の力”をまざまざと見せつけられる一冊。

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2025年06月13日

Posted by ブクログ

昔、スピリッツという漫画誌で、土田世紀の『編集王』という漫画編集を舞台とした漫画家と編集者の熱い生き様が描かれた作品があった。これが小説内に何回か出てくる。たぶん作者の早見和真さんがリスペクトしているのだろう。

この『小説王』は出版社の文芸編集者と、デビューを飾ったものの鳴かず飛ばずの作家との絆を描いたもの。小説が世に出るまでの裏側か書かれた異質な小説。

編集者と作家は幼なじみ。そのしがらみと、プロ同士の魂のぶつかり合い。また出版業界のおかれている状況や、小説家側の印税に関することなど、非常に興味深い内容も書かれていた。(書き下ろしは儲からないとか…)

作家が葛藤し、その苦しみの中から小説を産み出していく。そして本は書店に並び、名作とされていく。そのためには情熱を持ち、作家を裏から支える良き編集者や仲間たちが不可欠だ。

小説の最後に主人公が渾身の想いを込め書き上げる作品『エピローグ』。目の前にあったらぜひ読んでみたい。

0
2025年03月01日

Posted by ブクログ

小学校からの友人
大人になり作家と編集者という立場での物語でした
作家も大変だけど編集者も大変な仕事だなと
作家にもいろいろな人がいたり
周りのキャストも楽しめました
作品の中で語られる小説を読んでみたかったです
あの小説をこの著者が書いて出すってのもまた
面白いのではないかと感じました

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2024年10月26日

Posted by ブクログ

エンタメ小説として面白かった。登場人物のキャラが立っており、それぞれが魅力的。作家と編集者が一切の妥協なく、ぶつかり合って作品を作っていく様子は感情移入してしまう。関係者の家族との関係までそれぞれに描いているのは少し欲張りな感じもしたが、その混沌とした部分がリアリティを増してくれてる。

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2024年09月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小柳俊太郎
総合出版社「神楽社」文芸編集部勤務。三十三歳。

加藤耕介
俊太郎の先輩。副編集長。三十八歳。

青島秀一
神楽社に面接に来た大学生。ホストをしていた。神楽社から内定が出ていたから、新興のIT企業〈ストロベリーフィールズ〉に入社した。

榊田玄
文芸編集部編集長。新卒で入社した以来、ずっとマンガ畑を歩んできた典型的な「神楽マン」。KG。

吉田豊隆
大久保のファミリーレストランでアルバイトをしている。キッチン担当。十八歳のときに執筆した『空白のメソッド』が新人の登竜門と呼ばれる「小説ブルー新人賞」を受賞。俊太郎は小学校時代の数少ない友人。

山本香苗
豊隆と同じアルバイト先のホール担当。

竹田仁美
豊隆の中学時代の図書室の司書。

野々宮博
中学二年生で史上最年少で純文学系の「文学世界新人賞」を受賞し、華々しいデビューを飾った。

山根仁史
俊太郎と幼稚園の頃からの友人。

美咲
俊太郎の恋人。大学生の時に子供ができて結婚する。


俊太郎と美咲の息子。

大賀綾乃
映画『空白のメソッド』の主演女優。

引地ココア
中堅女性作家。「小説ブルー新人賞」の選評で豊隆をこき下ろした。

内山光紀
俊太郎の担当作家。代表作の『クラッシュ!』シリーズは累計で五百万部を超え、こな十年の間にめぼしい文学賞をことごとく受賞している。豊隆がデビューしたときの選考委員の一人だった。

晴子
銀座のクラブ〈ケリー〉のホステス。

三浦
青海出版の豊隆の担当編集者。

慶子
銀座ケリーのママ。

〈欅〉のマスター
〈ケリー〉から三分ほどのところにあるバーのマスター。

佐倉千晶
俊太郎と同じ編集部。子連れのシングル。

西谷
神楽社の営業部。

梶原
西谷の営業部の上司。

太田
日本文芸振興会。


銀座〈ケリー〉で晴子お同僚だった。

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2024年07月16日

Posted by ブクログ

⚫︎感想
久しぶりのエンタメ小説。青春、友情、仕事への真摯な思い、子育て、恋愛・・・編集者と作家の熱い仕事ぶりが垣間見れて最後まで面白く読めた。特に女性たちのキャラクターが際立っていて、それぞれ魅力的だったのが良かった。
森絵都さんが解説をされていて、この物語が生まれたエピソードを知ることができた。森絵都さんの本も読みたくなった。

⚫︎あらすじ(本概要より転載)

本の概要
小説をめぐる熱き物語、ドラマ化!

大手出版社の文芸編集者・俊太郎と、華々しいデビューを飾ったものの鳴かず飛ばずの作家・豊隆は幼馴染みだった。いつか仕事を。そう約束していたが、編集長の交代で、企画すら具体的にならないまま時間だけが過ぎていく。やがて、俊太郎の所属する文芸誌は、社の経営状態から存続を危ぶまれ、豊隆は生活すら危うい状況に追い込まれる。そんな逆境の最中、三流編集者と売れない作家が、出版界にしかけた壮大なケンカの行方は!?
小説の役割は終わったのか? 物語に生かされたことはあるか? 単行本刊行時、作家・編集者・書店員の方々など業界の内外をざわつかせた問題作が、ついに文庫化。 『イノセント・デイズ』で大注目の作家が放つ、小説をめぐる、男たちの熱きドラマ!!

【編集担当からのおすすめ情報】
解説は、作家の森絵都さんです!!

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

小説ができて読者に届くまでの過程、作者•編集者の熱の入れようが詳細に描かれていて面白かった。「店長がバカすぎて」もよかったけど、また違うテイストでこれもまたヨシです。

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2024年01月12日

Posted by ブクログ

早見和真さんは信頼できると思った。
著作全部読んでみよう。
この本は女性は描けてると思うけど男尊女卑じゃない?
読みやすい。
1文が割と短いから?

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2023年12月13日

Posted by ブクログ

胸が熱くなった。やっぱり早見さんの書く熱が好き。

こういう本を読んでると自分は本が好きなんだなとしみじみ思う。
人が本を読む意味ってなんだ?なんで物語は存在するんだ?という問いに積極的に向き合っている作品。

「人間なんて本当は種の繁栄にしか生きる目的がないのに、そこに"生きる意味"を持ち込んだのが物語で、あらゆる神話なんかがウソをつき続け、物語によって人間は同じ幻想を抱きながら生きている」

「学校じゃ誰も小説なんて読んでないよ。電車に乗ってたって普通の人はみんなスマホを眺めてる。じゃあ、何を目指して本を作ってるのかなって。もちろん本好きっていう人はいるんだろうけど、それだけなのかなって」

「それでも誰かが必要としてるから何だと思う。絶対に誰かが待ってくれていると信じてるから、俺は本を作ってる」

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2023年12月10日

Posted by ブクログ

一発当てたもののその後くすぶっている小説家。その幼なじみである出版編集者は小説家の再起を願い、再会を試みる。
出版業界が斜陽産業となる中、「物語は必要とされている」という信念のもと、
周囲を巻き込みながら至高の小説を創り上げる話。

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2023年02月14日

Posted by ブクログ

「終戦直後のように、みんなが共有していた指標を一気に失うとき(p.315)」
って、コロナ渦の今みたいな?

それなら、
「焼け野原の時代を最前線で切り拓いていく」
とは、まさにこれから。

小説、ガンバレ!!

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2021年07月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

編集者と共に小説を書くと言うことがどう言うことなのかと言うことがよく分かるお話。
この物語を読むと作家と編集者がいかに深く結びついて一つの作品を生み出す苦労と情熱を共有しているのかがよく分かった。
なまじ自分でもお話を書いているものだから、この関係はすごいなと思う。
けれど、とても自分にはこれは無理だとも思う。
もちろん商業作家と趣味で書いている物書きの間には厳然とした差があると思うし、それ以上に、自分は自分の物語へのダメ出しには耐えられないだろう。そうしたものを乗り越えてそれでも書き続けられるのが作家だと思う。

物語的には一人の作家の成長物語であり、編集者との友情、努力、(表面的にはともかくとして)勝利の物語でもある。
最後には心地よく読み終えた。

ただ惜しむらくは、作中の小説自体を読むことができない読者としてはどんなに言葉ですごい作品だと言われても、はい、そうですかとは納得できない。
その作品を読ませて欲しい。
話はそれからだ^^
ーーきっと読書好きなら誰もがそう思うと確信している。

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2021年06月02日

Posted by ブクログ

羨ましい 小学生時代の同級生と夢を追うことが出来るってのは単純に羨ましいなと思いました。私にも未だに付き合いのある友人はいますが、それぞれの道を歩んでおり、仕事で交わることはありません。仕事を仕事でなく生きる糧として、協力して進めていく姿が羨ましかったです。

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

一気読みした
活力あふれる作品でした

ただ若干男性的ご都合主義にあたる気が…

晴子さんみたいな人いるのかなあ
「女を描けている」だろうか

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

“店長がバカすぎて”から引き続き早見さん
あちらが書店員、読者視点だったとすれば
こちらは、小説家と編集者のバディドラマ

出版社、雑誌の現状
地盤が不安定となった業界の現況
それでも すっごい小説を!
という熱さが伝わりました

コミック化、そしてドラマ化
会話が多いので その方面に向いた作品だと思います
表紙のように 小説を万年筆で書いている雰囲気です

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2025年03月03日

Posted by ブクログ

感想
文芸の世界も大変なんだなぁ。

そういえば小説はいっぱい読むけど、雑誌は読んだことないもんなぁ。

電子小説の存在は知らなかった。


あらすじ
小柳俊太郎は、出版社の文芸に勤める編集者。自身も小説家を目指していた。ある日、小学校の同級生だった吉田豊隆が小説家デビューしたことを知る。豊隆は1作目を書き上げた後に書く理由を見失っていた。

俊太郎はある日、自分が編集者になって豊隆と仕事をしようと約束する。

俊太郎は大御所の内山に雑誌で書いてもらうため、父親殺しについて書いてもらうよう依頼する。豊隆も同じテーマで書くことになったが、どうも吹っ切れない。

豊隆を焚き付けて本気にさせ、作品を仕上げていく。その頃、母体としていた小説ゴットが休刊になる。活路を求めてウェブ小説に挑む。豊隆だけでなく、内山と気鋭の野々宮を巻き込んで、話題になる。

豊隆の新作を話題にすべく、豊隆が元付き合っていた女優に帯をお願いし、これが話題になる。

賞は逃したものの、豊隆の作品は売れた。俊太郎と豊隆が一緒に作り上げた作品が報われたのだった。

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2024年12月14日

Posted by ブクログ

出版業界についての話で、出版されるまでの書き手と書き手を支える人々の物語でした。
自分も仕事をする中で孤独になりがちですが、周りを信じて、周りに支えられて仕事ができてるんだなぁと考えさせらました。

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2023年03月09日

Posted by ブクログ

あとがきによると、ある編集者から小説家と編集者の話を書いてほしいとの依頼から始まったと。解説ではそれはないなと思ったというが、そう感じた。実際の編集者の仕事をよくは知らないが、ドラマチックに、エネルギッシュに、時には自虐ネタまで入れての手前味噌てんこ盛り。こうしたら編集者の姿がよく見えるだろう的な感じがいろいろあって何だかなあの小説。ストーリーは面白くできているが、出版業界の自己満足を見た感じの読後感は最悪に近い。

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2023年02月11日

Posted by ブクログ

学生時代にデビューしたがその後は鳴かず飛ばずの作家と小学校からの友達である編集者が一世一代の小説を生み出す話。これが最後と作家が覚悟を決めるまでの葛藤や編集者の熱意、それをサポートする上司や先輩作家など、たくさんの人を巻き込み、たくさんの人が自ら巻き込まれ、傑作を作り出すまでを描いている。

編集者という仕事を知らないこともあるが、作品が生まれるまでにはこんなに熱が必要なのかと驚いた。出版不況といわれて久しく、活字離れも歯止めが効かない中で、なぜ本を書くのか、作るのか。出版業界は大変だろうなと思う。
知らない業界の話なので単純な面白く読める。ライトな感じなので深さはそれほど感じられないが、読後感はさわやか。

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2021年09月29日

Posted by ブクログ

作家と編集者の話。いろいろてんこ盛りで漫画みたいなわかりやすさがありました。文芸書の読者離れについても触れられているので、普段小説を読まない人たちに向けても面白く読めるように工夫されてるように感じました。

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2021年07月17日

Posted by ブクログ

 小説家が書く小説家の物語。出版不況の現状と、暑苦しくもロマンあふれる創作の現場を描く本書は、小説好きを語る以上は避けて通れない一冊ではないかと。

 小説を書く人、作る人、売る人、読む人。
 その最後にいる私はプロの書評家でもなく、ただ単に本が好きで気の向くままに読みたい本を読み、気軽に感想を書いたりしている一読者ですが、この小説を読んで、小説というのは途方もない忍耐とロマンの塊なのかもしれないと思いました。

 主人公は、10年前に文学賞を受賞して以来鳴かず飛ばずの作家 豊隆と、その幼馴染で文芸編集者の俊太郎。出版不況が叫ばれる中、十数年ぶりに再会したふたりは、日本の文芸界を変える一冊を目指して二人三脚で奮闘していく。

 小説家が小説家を描くというテーマは斬新なものの、ストーリー自体は比較的単調で、主人公の二人が一冊の小説を通して成長する過程やその結末も、そこまで新鮮味のあるものではなかった、というのが正直な感想です。
 ただきっとこの本は、作家や編集者だけでなく、文芸に携わる全ての人を代弁するような小説なのではないかと。だからきっとドラマ化、漫画化までされたのではと思います。

 巻末の解説で森絵都さんも触れられていましたが、この本を読んで一番歯がゆいのは、豊隆と俊太郎がこれほどまでに情熱を注いだ小説『エピローグ』を読むことができないこと。数年前に流行った漫画「響」の『お伽の庭』に対してもそうでしたが、実在しない小説とわかっていながら、作中でその本を手に取った読者に嫉妬してしまいます。

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2019年10月13日

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