あらすじ
「ぼくだけはしっかりしていなければ」。父の事故をきっかけに、両親は別々の神さまを信
じはじめ、家族には〝当たり前〟がなくなった。信じられるのは、一足先に大人になってしま
った親友の龍之介だけ。妹のミッコを守ることでなんとか心のバランスを取るけれど、ま
すます家族は壊れていく。ぼくは自分の〝武器〟を見つけ、立ち向かうことにしたが――。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
子供の感じる世界の狭さというのでしょうか。いい意味でも悪い意味でもその狭さをよく書いてくれていると感じます。
大人の世界に間借りさせてもらっている感覚というのが適切かわかりませんが、子供は親には抗えきれません。その窮屈さと諦めみたいな世界の狭さ。
一方で何もかもが新鮮で、全てが冒険になる世界の狭さ。大人に内緒で秘密基地を作っていたありし日の自分を思い出して、胸がいっぱいになりそうでした。
宗教というセンシティブなテーマが目を引きますが、そんなにどろどろしてません。
爽やかさと、少しの切なさが残るいい読後感でした。
子供に読んでもらって感想文読んでみたい作品でした。
Posted by ブクログ
家庭に性(セックス)と政治と「宗教」を持ち込んではならないとある思想家が言ってあった言葉を時折思い出す。
歪んでいくのだろう。
その歪みを、反面教師として受け入れられた時に彼や彼女の人生が始まるのだろう。
子どもの心情に「宗教」との関わりの気持ちのようなものを描写していっているからか、その息苦しさはリアルであった。
でも、心情的に心理的に分かるなぁと思った。
分かるけれども、「宗教」のカギカッコを外すのは簡単な作業ではない。
Posted by ブクログ
ひょんなことから、父親と母親が別々の宗教にはまってしまい、家族の気持ちがばらばらになってしまった子供のお話。語り部が子供なので、重たいテーマだがそこまで重くならずに読める。主人公には支えてくれるいい仲間がたくさんいてうらやましいと思った。
Posted by ブクログ
早見さん。。多才(笑)
宗教に縛られる子供たちは、親が大好きである時期に悩まなくてはいけない。なにが本当なのか普通なのかわからない。
でも、子供だけでは生きていけないからもどかしい。
大人になるまで。大人になるまで。我慢するのはあんまりだ。
物語にすることによって思いをまとめる。
なにが自分にとって大切か。
「あなただけの武器を持ちなさい。
あなたの大切なものを守ってくれる武器を」
いいなあこの子達。
友達が武器で友達が大切。
家族も武器で家族も大切。
みんなこんな風に大人になれればいいのに
Posted by ブクログ
内容は面白かったが終わり方がジャンプの「俺たちの戦いはこれからだ!」のような形に感じたので少し残念であった。
宗教問題は度々話題として上がるが、人に強要するものは宗教ではないと考える。ただの思想の押し付け。
その内容について子どもの心情について着目されており、自分が変わることで人も変わっていく変化を楽しめる。
Posted by ブクログ
父と母が別の宗教団体にハマり、家庭崩壊や家庭内暴力の問題の中で子供たちは自分の進む道を探し出していく。こう書いただけで面白くなさそう感がありありだし、ツッコミどころ満載で書き込み不足も否めず。スタンドバイミーの話を持ち出して子供の夢を追う姿に重ねるところもイマイチ。取ってつけた子供目線を書くには作者の実力不足か認識甘さか。
Posted by ブクログ
子供が辛い目にあう話と、自分の価値観に縛られて他者の意見を否定する人が苦手です。
だから、この物語は読み進めるのが困難な本でした。
主人公に、良い仲間がいてよかった。
Posted by ブクログ
11月-12。3.0点。
小学生の主人公、父親が交通事故に遭った後新興宗教へ。しばらくすると母親も。。
妹と奮闘する主人公、家族の復活はあるのか。
少しユーモア感のある悲惨さの中で、主人公の頑張りがホロッとさせる。
ラストが少し尻切れトンボだった気がする。もう少し描いて欲しい。
Posted by ブクログ
"世界中の神さまたちに告ぐ。クソ食らえ!"という衝撃的な言葉から始まる、小学生・征人の成長物語。両親が異なる宗教を信仰することで家族崩壊に至り、葛藤のなかで自分の生きる道を見出だす姿を描く。
作品内にあるとおり、他者を認められない神さまに価値はない。世界の紛争の多くは"神の教え"の違いから生まれるもので、別の見方をすれば、人間のエゴを神に押し付けている。