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敬千宗の大本山・長穏寺に2人の若き僧侶が上山した。北陸の古寺の跡取り、小平広也。バンドでプロを目指すも挫折し、「安定」を求めて仏門を叩いた水原隆春。対照的な二人は、厳しい修行を通じてさまざまな現実に直面する。いまだ続く世襲制、先輩僧侶たちのいじめ、欲にまみれた夜遊び……。やがて2人はある決意を胸に行動を起こす。そして待ち受ける衝撃の結末とは。生きる意味を問いかける、熱き男たちの青春パンク小説!
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Posted by ブクログ
裏表紙に「生きる意味を問いかける、熱き男たちの青春パンク小説!」とあり、宗教に関する小説でこの煽りが気になり手に取りました。 若い男たちが僧侶になるために苦しみながら修行に励む姿は美しかったです。 僕は自身を長らくパンクスと自称していたのでこの作品が訴えていることがよく分かります。 人生にも音楽にも...続きを読む宗教にも救いなんて無いんです。 鬱屈した日々を生きて苦しいならライブハウスでパンクロックを聴いてほしい。そこにも救いなんてないけれど、またそこに行くために生きていけるから。 信じるのは仏様や神様ではなく自分です。 手の届く愛する人たちのために生きていきましょう。
なんなんだ?このお話は! 何年間にも及ぶ時の流れの中で、主に2人の人間たちが、どう感じて、どう思って、どう決断して、という感じのお話でした。 圧倒されました。
想像していた物語とは全く違いました が、面白かったです! 海外留学している時に『あなたは何を信じて生きてるのか?』と何人かの留学生に聞かれたのを唐突に思い出しました 答えられませんでした 今も、答えられません
表紙のパンクさとはかけ離れたストイックな話 山寺での修行までを描く前半と山を下りた以降の後半で構成されるが、前後半のギャップの凄さにも吃驚 個人的には前半はわりと展開は凡庸なうえ、古いしきたりや腐敗っぷりに辟易し少々読むのが辛かったが、 後半のある種容赦ない重たい展開は非常に面白かった 爽快感は皆無...続きを読むだが、宗教とは何か?何故必要なのか?というテーマに ただのエンタメとしてではなく、ご都合主義なハッピーエンドにも甘えず、 しっかりと向き合った意欲作だったと思います 正直難しいが、考えさせられた
何ともジャンル分けし辛い一冊(^ ^; 読み始めて割とすぐに 「人が二人いれば争いが生まれ 三人いれば派閥が生まれる」 という言葉がずっと頭に浮かんでいた(^ ^; タイトルからも表紙絵からも分かる通り、 お坊さんが主な登場人物。 当たり前ではあるが、「坊主として生まれる人」はいない。 寺の...続きを読む跡継ぎとかで「坊主になるべくして」なる人はいるが、 みなそれぞれの事情や思惑を抱えて、 修行をして坊さんに「なる」ものだ。 そんな、当たり前ではあるが、普段仏教と縁遠い私には 全く意識していなかった現実を見せられるところから始まる。 ある者は(順当に)実家の寺を継ぐために、 ある者は「職業として」安定を求めて、 本山での修行に参加する。 本書は、前半の「本山での修行」パートと 後半の「自分の寺での葛藤」パートに分けられる。 それぞれに、それぞれの人間関係があり、事件があり、 悩み、葛藤し、成長し、時に流され、時にやけになり... とても「人間的な」ドラマが繰り広げられる。 何となく、坊さんとか「宗教家」というのは、 煩悩から解脱した「聖なる存在」と思いがちだが... と言うか、私は漠然とそんなイメージを持っていたが、 どうしてどうして坊主の「現実」は生臭く、 「表の顔」では聖人ぶっている分一般人よりエグいくらい(^ ^; でも、それが現実であり、よく考えれば当たり前か。 本当に修行ばかりしまくって、 それこそ霞食って生きてるような人(それは仙人か)は、 私のような俗物の目に留まることはあるまい。 我々「一般人」が触れる坊さんというのは、 「葬式仏教」と言うくらいで、葬式や法事の時くらいで。 それら「職業坊主」は、仕事として仏事を行っている訳で、 普通に消費税払って買い物してるし、免許の更新もするし、 「生活」は我々と何も変わらない(はずだ)。 まぁ、税金の優遇くらいはあるとしても(^ ^; ...と、本の内容と関係の無い感想ばかり書きたくなる、 それくらい本書の「坊主描写」がリアルと言うことか(^ ^; ストーリー中に色々なことが起こるが、 不思議と「あらすじ」を書きにくい印象(^ ^; 話の「筋」と言うより、登場人物の心の動きを読む、 そういう本なのだろう、きっと(^ ^
それぞれの理由から、僧侶を目指す若者たち。 理想とは全くかけ離れた地点に着地したけれど、なぜか嫌な感じはしません。ここが最終地点ではないから? 自分もこれから、人生どんな流れが待っているか判らない…。そう気付かせてくれる一冊でした。
これほどまでに生きること死ぬことを考えながら読む本はない。仏門の奥で犇めく煩悩や欲が人間らしく、考えさせられた。仏門だけどパンク!
何だかよくわからなかったが、面白かったかも。 この題材で最後まで、一気に読ませるのは、かなり傑作ということか?宗教を理解するのは難しい。カルトになるのは、同意できないが。
「スリーピングブッダ」って何だ? 思いつくのは釈迦涅槃図。じゃ、涅槃ってなんだ? 文庫版のカバーイラストと裏表紙の「青春パンク小説」というコメントが誤解を招くのだろう、ネット上の多くのレビューが「前半は面白いが後半はどうも」、であった。 この作品はけっして青春パンク小説ではない。かなり深い所をえ...続きを読むぐった宗教観と人生観が詰まっているカバーイラストからは連想できない方向の物だ。 「坊主って安定してる?」という主人公の一人、隆春の言葉が象徴する導入部から前半よりも東北の涅槃寺に入山してからの主人公達とそれを取り巻く人々の生き方の方がこの作品が読者に問いかける部分である。 人を救うというのはどういう事なのだ、宗教とは何なのだ。答えを求めて悩み続ける。答えの無いこの問いに悩み続ける事が修行であるという事はまず間違いないだろう。
宗教って真面目にちゃんとやるとなると怖い。 お釈迦さまもイエス・キリストもアッラーも真面目にきちんと極めようとして訳がわからなくなることも。そしてそれがちゃんと勉強して修行している僧侶だったりするんだな。 音楽の夢破れた若き僧侶に、実家のお寺を継ぐためにめっちゃ売れてたバンドを脱退したDJさんを...続きを読む思い出した。 スリーピング★ブッダ。 ふっと頭に浮かぶ人も多い、肘をついて横になっているお釈迦さま。 メインの大切にしなくてはならない人と、プライベートの生活があって、それをちょっぴり過ごしやすくしてくれる存在が宗教なのだと理解。 というか、宗教を信じるということはそれ以上でもそれ以下でも辛くなるんだろう。 ビバ!無宗教!! ねんねのお釈迦さま、いい夢見てね。
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スリーピング・ブッダ
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早見和真
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