あの夏の正解(新潮文庫)

あの夏の正解(新潮文庫)

小説・文芸
649円 (税込)

3pt

2020年、新型コロナ感染拡大により春のセンバツに続いて夏の甲子園も中止。愛媛県の済美と石川県の星稜、強豪2校に密着した元高校球児の作家は、選手と指導者に向き合い、“甲子園のない夏”の意味を問い続けた。退部の意思を打ち明けた3年生、迷いを吐露する監督。彼らは何を思い、どう行動したのか。パンデミックに翻弄され、日常を奪われたすべての人に送る希望のノンフィクション。(解説・山本憲太郎)

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あの夏の正解(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    おりしも夏の甲子園真っ只中。観てても観てなくてもテレビは高校野球。小さな頃からそんな夏休み。絵日記はほとんど高校野球(笑)
    1人で甲子園も(笑)おばさんおじさん。
    とにかく感動するのよ。
    あのコロナのときには、医療従事者としては致し方ないと思いつつ働いてたので、改めてこの本を読んでずんときた。
    あの夏の正解は私達にとってもある意味、正解ではなく、人として成長した夏。
    私はこの監督2人にはワクワクするので、掴みかオッケーすぎて申し訳ないが、甲子園どうこうより盛り上がってしまった。
    スポーツってさ、負けられないとかになると金縛りになったように動けなくなる。楽しかったことが辛くなる。辛くても目指すものがあれば乗り越えていけるのかもだけど、この時の高校球児はそれが無くなった。何を目指せばいいのか、みんながみんな彷徨う。作者も彷徨う。その経過がちゃんとインタビューという形で、書かれていたノンフィクションで、最後は正解も無くったっていいやってなる。いや~いいな早見さん(笑)ひゃくはち読んでみよう。
    あ、プロ野球見てたらこの本の中にインタビューされていた選手が。1人上がる(笑)
    で、今度は、9回制か、7回制か。やっぱり9回かなあ

    0
    2026年08月11日

    Posted by ブクログ

    このノンフィクションを読んで、チームとは何かを考えさせられた。チームが一つの目標や課題に向かって行くためには、全力を尽くすことが必要だし、それが達成感に繋がり、達成感できなくとも満足感に繋がる。そういう意味で、高校野球で最後の年に三年生を優先的に起用すれば、それはチームが全力を尽くしたとはいえない。ここはブレてはいけないところだろう。そして、目標にしていたものが突然無くなってしまった場合でも、やはり全力を出し切るようにベストを尽くす必要がある。一人ではできなくとも、チームならできることも増える。そんな熱いチームプレーには魅力がある。しかし、チーム内で、自分の存在意義を見出せていないと、なんだか冷めた気持ちになってしまうのではないだろうか。著者の「自分はこんなにも恋焦がれ、思いも、プライドも、時間も、何もかも捧げてきたのに、相手は最後まで振り向いてくれなかったという、つまりは逆恨みだ。」という言葉。屈託したままという点で、私にも似たところがあると思った。何かを一緒にやり遂げたということをメンバー全体で共有できなければチームじゃない。そこにチームの許容性が有ればいいが、目標のためには切り捨てなければならないときもある。チームの目標と各メンバーの存在意義。人間関係はやはり難しい。

    0
    2026年03月22日

    Posted by ブクログ

    コロナで甲子園の夢が絶たれた高校球児と、その監督がその事実にどう向き合うかを綴った本。
    答えのない難しい状況で、甲子園だけを目指してきた生徒を導かないといけない監督の葛藤を思うと心が苦しくなった。
    そして、チームの雰囲気を作り上げた星稜のキャプテン内山の考えの深さが特に印象的だった。一つ一つ自分なりの考えを持っていて、どうすればチームのみんなが最後やり切ったと思えるのか、どうすればみんなに共通の思いを持たせられるのか、考え方の一つ一つに恐れ入ったし、見習いたいと思った。

    0
    2026年01月21日

    Posted by ブクログ

    コロナ禍ではさまざまなことが起こった。もちろん命が一番大事なことはわかっているが、夢を奪われた若者はどうなってしまうのか…
    2020年の夏、夏の代名詞とも言える甲子園での高校野球全国大会が中止となった。

    この本はノンフィクション。神奈川の桐蔭学園で高校球児だった作家の早見和真さんは、愛媛県の済美と石川県の星稜、強豪2校に密着し、彼らに〝甲子園のない夏〟について問いかけた。

    幼い頃から甲子園を夢見て、全てを犠牲にして頑張ってきた子どもたち。高校生である3年間しか、チャンスは無い。しかしその夢は試合では無く、どうしようもないパンデミックで絶たれる。野球に素人の僕でさえ気の毒に思うし、彼らの虚しさやるせなさについてはきっと計り知れないものと想像できる。高校球児当人はもちろん、家族や指導者までも夢を失い、路頭に迷うような気持ちになるだろう。『どうしようもない』この言葉が残るだけだ。

    2020年の夏に三年生だった高校球児は特別な学年として、『甲子園』を今後も手の届かない場所として思い続けるだろうけど、夏の甲子園中止が止むを得ないこととして、今後の人生についても糧にしてほしいなあとは漠然と思う。

    『青春は密なので…』これは2022年に夏の甲子園で優勝し、インタビューを受けた仙台育英の須江監督の言葉だ。この本を読み、再度このインタビューをYouTubeで探して聞いてみたら泣けてきた。

    コロナ禍を記録する書籍としても素晴らしい本でした。

    0
    2025年09月22日

    Posted by ブクログ

    甲子園への道を失った球児達、指導者と向き合って綴ったノンフィクション。
    2020年は特別な年だった。新型コロナ感染で社会が揺れ、一人一人が出口のない状況でもがいていた。
    私も、職場で闘っていた。「かわいそうな」年にならないよう必死だった。
    星稜高校と済美高校の三年生と指導者たちを巡るノンフィクションは読み進めるほど、胸が熱くなっていった。
    早見さんも桐蔭で高橋由伸選手を目の当たりにしていた球児だっただけに、インタビューもぐいぐい内面に迫っていく。
    最後の最後に、背負っていたものをおろし、ふっと野球を楽しむことができたという内山壮真(星稜)選手。
    山田響(済美)選手は、自分が懸けてきたものに挑戦さえできない辛さを味わったと語る。でも、最後に仲間から、「山田(キャプテン)と高校野球をやり遂げられてよかった。」という言葉をもらう。
    この経験を奇跡的な経験ととらえる山田選手は、これからどんな困難も乗り越えられる自信を刻み込む。
    そうなのだ。かわいそうなコロナ世代ではない。
    きっと他の世代ではできない経験ができた世代でもあるのだ。
    思い出したくもなかったコロナ期の自分にも向かい合えるようになってきた。
    早見さんのインタビュー力、筆力には脱帽。読み応えがあった!

    0
    2025年07月01日

    Posted by ブクログ

    これは数年後、数十年後に、きっと“あの夏の”と形容される高校生たちの物語だ。

    ──そしてとうに熱い夏を終えている大人たちの物語でもある。
     
     

    第4回 YAHOO!JAPANニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞 候補作。

    本作は桐蔭学園出身の元高校球児でもある、作家早見和真氏が書き下ろした、ノンフィクションルポです。

    2020年5月20日、新型コロナウイルスの蔓延に伴って、高校球児たちの夢の舞台“夏の甲子園”は中止となった。

    その夏、夢の舞台に挑戦することすらできなくなった高校球児と指導者。その当事者となった石川県の星稜高校と愛媛県の済美高校。
    この2校にスポットを当てて追いかけた2020年の夏。

    彼らの苦悩、葛藤、それらを乗り越えた先に見えたこと、感じたことの数々。コロナ禍だから気がつけた“野球が出来ることの楽しさ”と“決して当たり前なんかじゃなかった日常”。
    選手たちや指導者にとっても経験したことのない事態の数々。

    この夏を経験した当事者にしか語れない想いの数々に対して、それらを読む中で感じる、胸が締め付けられるような感覚。

    辿り着いたその先で、選手たちと指導者、そして作者の早見氏自身が振り返る“あの夏の正解”を綴った物語でした。
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    コロナ禍で甲子園が中止になった夏。
    夢を奪われた選手と指導者はどう行動したのか。

    「このまま終わっちゃうの?」
    2020年、愛媛県の済美と石川県の星稜、強豪2校に密着した元高校球児の作家は、彼らに向き合い、〝甲子園のない夏〟の意味を問い続けた。退部の意思を打ち明けた3年生、迷いを吐露する監督……。パンデミックに翻弄され、日常を奪われたすべての人に送る希望のノンフィクション。

    0
    2025年04月20日

    Posted by ブクログ

    自分が、自分の子が、受験生だったり新入生だったりしないタイミングでよかった、と、やはりどこかひとごととして過ごしてしまったあの時間とあらためて向き合うこととなり、息を詰めるようにして読んだ。

    あのとき高校3年生だったということ、しかも甲子園を「具体的な(実現可能な、というべきか)」目標としている強豪野球部にいたということ、あるいは、その野球部を導かねばならない大人だったということ、いずれも自分からは遠い存在なのだが、自分ならどうしたろうか?を考え続けた。不安、緊張、絶望、そして切実さが胸に迫り、本を途中で置くことができなかった。

    同時に、野球というスポーツの核にも触れていったように思う。個人で戦うスポーツしかしてこなかった自分には、特異にも神聖にも感じられる部分が多くあった。甲子園で映される高校球児、プロの野球選手への見方が変わると思う。

    想像したことも経験したこともない現実に直面したとき、それでも、考えて考えて選んでいくこと、自分もやり抜きたいと思う。「正解」は示されずとも(示せるはずもない)、苦い思いも含めて、どこか爽快な読後感だった。

    0
    2025年03月05日

    Posted by ブクログ

    野球をしない自分にとって、プロ野球とも違う、高校野球の「絶対」感は、いつも不思議だった。
    だから、夏の甲子園が中止された2020年を取り上げた、このノンフィクションを読んでみようと思った。

    「中止」によって、本来登場することのなかった三年生も含めた〝楽しい野球〟。
    その中で、それはホンモノじゃない、本気の勝負ではないと訝るメンバーもいて、楽しさから、少しずつチームの何かが違えていく過程が、読んでいてとても印象に残った。
    監督もまた、三年生の起用やチーム運営について、逡巡する。
    本来なら、そうした揺れを外部に見せたくないと思いそうなのに、よくこのインタビューを受けてくれたなぁと思った。

    練習というハードな過程、結果へのこだわり、学校の名前や背番号を背負うことのプライド、チームという集団の雰囲気。

    結局、人としての器、人間の力を鍛えるってなんなんだろう……。読み終わっても、選手たちが野球から見出している、それが何なのか、私にはハッキリと分からずにいる。

    漫然と、どの夏もあったというのではないのだろう。2020年でなくとも、自分にとって「あの夏」と呼べるものがあるのか。
    そして、そこに、何を思うのか、なのだろうか。

    0
    2022年07月10日

    Posted by ブクログ

    2020年コロナ禍で大会中止を余儀なくされた
    高校野球。。。球児、監督、保護者など………

    愛媛県済美さんと石川県星稜さんへの作者自身が
    インタビューしてまとめたノンフィクション本。

    ベンチ入りメンバーとベンチ外メンバーの葛藤………
    中止となってからの球児の心の変化………

    俺も高校野球は大好きで毎年一回は甲子園球場へ!
    (あの生のアルプス応援団や歓声はプロ野球とは)

    やはり色々問題はあるやろけど………
    高校野球は是非『甲子園球場』で9回戦で!!!

    0
    2026年07月08日

    Posted by ブクログ

    コロナ禍で中止となった甲子園で強豪校の監督、選手たちの思いを知ることができた。
    この頃の3年生は「可哀想な世代」と一括りにされることが多い。しかし甲子園が中止になったから勝たなくては行けないというプレッシャーがなくなり、忘れかけていた本来の野球の楽しさというのを取り戻せた選手が多くいたことが印象的だった。
    「可哀想な世代」ではなくまさに「貴重な体験ができた世代」だと感じた。
    10年後、20年後「あの夏」について聞いてみたいと思った。

    0
    2026年03月19日

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