あらすじ
家族の気持ちがバラバラな若菜家。その仲を取り持ってきた母の玲子の脳にガンが見つかった。突然の出来事に狼狽しつつも玲子のために動き出す父と息子たち。だがそんなとき、父が借金まみれだったことや、息子たちが抱いてきた家族への不満が露になる……。近くにいながら最悪の事態でも救ってくれない人って何? 家族の存在意義を問う傑作長編。
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今回も期待裏切らない
良作でした、先にイケナイ癖で皆さんのレビュー拝見してしまったので
良作の想像はついたんですが、泣くところまでには至らず。。。
家族を持つとはこう言うことですが、中々難しい
上手く助かる現実ばかりでは残念ながらない
でも小説の中くらいハッピーエンドでいいと思わせてくれました。
匿名
母親の病気から始まる家族の物語。借金だらけの夫婦、酷いと思ったけれど、子供達の支えもあって、乗り越えてゆく。こんなに素晴らしい息子達に育ったのは、父母の子供を愛してる気持ちがあったからではないかと、思いました。それぞれの視点から物語はあり、みんな優しい人達です。
Posted by ブクログ
こんな、ある意味「ベタな話」で泣かされるとは(^ ^;
物忘れが酷くなってきたな...と思ってたら、見る間に言動が怪しくなる母親。医者に行ったら脳に腫瘍が見つかり「あと一週間」などと宣告され... この大事件をきっかけに、バラバラだった家族が協力し合うようになり...と、あらすじを書くとホンマにベタやな(^ ^;
ドラマや小説などでは、何十年も前から繰り返し取り上げられてきたであろう題材で、敢えてバラしてしまうがハッピーエンドなストーリー展開。だが本書には、そんじょそこらの薄っぺらなドキュメンタリーを凌駕するような、圧倒的なリアリティがある。
誰一人スーパーヒーローは出て来ない。むしろ問題から目を背けてばかりいる、欠点だらけの人間しか出て来ない。家族の中だけではなく、社会的にも「成功者」とはとても言えない面々だし、斜に構えてたり嫌味ったらしかったり、人間的にだって魅力的だとは言いがたい。
それでも、一つの目標に向かってそれぞれがそれぞれの道で、方法で、解決に向けて足掻き始める。ある種「都合のいい」奇跡に助けられたりするも、その「奇跡を運んでくる人々」にもそれぞれの歴史とストーリーがあり... そう、本作は主役の一家「以外の」人々がとても魅力的である。
文庫版巻末の解説が秀逸だが、「昭和的な家族観」などとっくの昔に崩壊している...ということを、若い作者が見せつけてくる一冊。それでも、家族ってのはやはり、良くも悪くも「特別な」存在で。そして決して「安定した」ものではなく、だから今を笑って生きなければ、という力強いメッセージが底に流れている。
病気になった母親の、若い頃の台詞に「幸せかどうかなんて、死ぬ瞬間にならないと分からない」という一節が出てくる。若い女性が口にするには、何か達観したような、らしくない言葉に見える。が、この台詞が、この考え方が、実は後からじわじわと効いてくる。
私自身、身近に「壊れた人」を見たことがあるからか、「他人事」として読むのは難しかった。私自身「最近物忘れが激しい」し(^ ^;
本書は、誤解を恐れずに言えば「ある意味『宗教が与えてくれる救い』を得られる」一冊である。ホントに、人生変わる読者が出て来ても不思議ではない。それだけの「力」がある話である。
Posted by ブクログ
物忘れから始まった母親の不調、そこから上辺だけで繋がっていた家族が、ぶつかり合って苦しみながら団結していく。そこでもがいて素直に前を向けるのは、やっぱり家族としての基盤がちゃんとあったからなんだと思う。すごく心に刺さる内容だった。
Posted by ブクログ
最後まで一気読みさせられて、清々しい爽快感を感じた。冒頭から中盤まで相次ぐ苦難に見舞われるが、一致団結というわけではないが、それぞれがそれぞれの想いを持って戦いに挑む。
家族ってこんなに簡単に、こんなに明け透けにすべてを曝け出せるものではないと思うけれど、だからこそそうできる、そう変われた彼らを羨ましいと思う。
Posted by ブクログ
とても面白かった。
やや甘い感じもありましたが、構成も良かったし。序盤の緊迫感、それぞれの家族の心境、最終章の流れ。とても良かったです。
早見さんは2作目になりますが、とてもよみやすいですね。読後の印象もとてもよく、また別の作品も読みたいです。
Posted by ブクログ
母の病気をきっかけに家族の隠れていたものが明らかになるお話
視点が母、兄、弟、父と移りながら物語が進行する
最近物忘れが多くなった母
認知症ではないかと自分で疑うが、そうではないという思いも
しかし、兄夫婦の妊娠を祝う席での言動を訝しんだ家族の勧めにより受診したところ、1週間が山との診断が本人ではなく家族に告げられる
しっかりものと思われている兄の過去と現在の想い、へらへらとだらしのない生活をしているように見えて実はリアリストな弟、場当たり的な対応で自分で責任を持った選択ができない父
今まで表に出てこなかったそれぞれの想いに気づく
「砂上のファンファーレ」で発売したものを改題して文庫化したものらしい
砂上のファンファーレの方が物語をよく表していると思うけど、「ぼくたちの家族」も響き的にはいいんじゃないかと
一番心に響いたのは、お母さんの言葉
「幸せかどうかは、いつか死ぬときにしかわからないんだと思う」
確かになーと、今だからこそ思う
人生の中で浮き沈みってあるわけで、その時々で幸せだったとしてもそれが不幸の呼び水になってたりする場合もあるし、その逆もまたある
なので、本質的な人生の最後にしか幸せの評価ってできないんだろうね
幸せな人生だったと思って死にたいけど、できるだろうか?
先日、娘と話していて「寂しくない?」って聞かれたけど
今のところは全く寂しくないし、今後もそう思わないと今は思うんだけど
20年後とかどうなってるかわからないなぁ
ま、そんなに先のことを考えても無駄と言えば無駄なんだけどね
そのときもまだ独り身で生きてそうな気がするんだよなー
あと、家族って何なんだろうな?とも考えた
作中は親の方が借金まみれだけど、僕はこの歳になっても親に金銭的な事で迷惑をかけてるし、それ以上の迷惑をかけてきたからなぁ
何というか、申し訳ない気持ちでいっぱい
そして、そんな家族とあと何回会えるんだろう?とも思った
前に読んだ小説でも似たような事考えたけど、盆と正月を合わせても3ヶ月~半年程度しか一緒に過ごさないんだよね
そう考えると、家族というものが何とも言えないものに思えてくる
ちなみにこの小説は最初は映画を見て知って
読書会でも紹介されたので読んでみたら、映画の結末よりも先まで描かれていてよかった
ちなみに映画は
父・克明(長塚京三)
母・玲子(原田美枝子)
長男の浩介(妻夫木聡)
次男の俊平(池松壮亮)
あと、俊平の元カノで市川実日子もほんのちょびっと出てる
そうだ、市川実日子を見たくて映画を見たんだった
小説だと京子ちゃんと俊平の関係も詳しく書かれていて、そのエピソードも含めて俊平という人物に好感が持てるんだよな
ヘラヘラしているように見えてリアリスト、そして愛嬌もあるっていいキャラしてるせ池松壮亮
Posted by ブクログ
ちゃんとしてて当たり前の母親が壊れてそれに奔走する家族の話。
こういうシチュエーションは娘の立場から見たものが多いと思うが 2人とも息子。
夫があまりいいところがなかったが、お兄と弟がそれぞれのキャラで気持ちを切り替えていくのが興味深かった
「幸せかどうかは、いつか死ぬときにしかわからないんだと思う (中略) 一つ一つ積み重ねて、たとえそれが何歳のときだったとしても、私は最期に笑って死んでいきたいな」
好きな作品。
Posted by ブクログ
突然の母の発病、多額の借金、サラ金と最悪の状況から始まる。きれいごとでは済まない、それぞれの思い、そして長男の嫁の深雪の気持ち。冷たい嫁、と感じるよう書かれているが、そりゃそうだろう。自分の母だったら、自分が母だったら、など思ったが深雪に限りなく肩入れしてしまった。夫の親の借金1200万円返済のため、夫はうまく転職でき年収を上げクリアできたが妻の立場なら全く面白くない。相手の親を含め家族になることが結婚、理屈は分かるが、食欲増くらいでは収まらないと思う。
母の若葉玲子がノートに書いた「とっても、しあわせな、じんせいでした」私はそれを書ける自信がない。確かに玲子は幸せだ。
リアルでは難しいかもしれないが、最後は穏やかに着地してよかった。
Posted by ブクログ
絶望的な状況の割には、綺麗すぎるとは思うけど、それでも子どもサイドの話になった時に苦しくてでも止まらなかった。
正直、深雪さんの気持ちがわかるけど、でもそれは恵まれたから言えること言葉で。結婚って本当に相手の家族のこと含めて責任を負うんだなって思いました。
Posted by ブクログ
親のことを思い出させる内容だった。
いきなりがんの告知で余命も極めて僅かな状況で、家族が一つにまとまって行く。
後日談ではほのぼのした内容になっているものの、入院直後のストーリーはリアリティ溢れる内容。
Posted by ブクログ
どこにでもいる普通の家族。夫婦と息子二人。長男は社会人(既婚)、次男は大学生。(まるで我が家とだいたい一緒!)
しかし、母親が突然脳腫瘍の病に倒れ、記憶もままならぬ状態に…各章が家族それぞれの視点から描かれている。
息子たちが医療費などのやりくりを考えていると両親には住宅ローン、カードローン、サラ金をはじめ多額の借金があることがわかる。
長男の嫁からは生まれてくる子供のために貯金は使いたくないと言われ、家族は途方に暮れる…父親が自己破産する旨を義娘(嫁)に打ち明け、こんな父親だけど息子を見捨てないでくれ…と懇願するシーンはちょっと胸を熱くした。
母親が重い病気になったことで、家族があらためてひとつになるのは悲しいが、実際のところもそうなのだろうなあ。
この小説は『僕たちの家族』というタイトルで2014年に映画化もされているので、U-NEXTで観てみた。母親役は原田美枝子、父親に長塚京三、長男は妻夫木聡、次男は池松壮亮でした。キャスティングからもわかるが映画は長男(妻夫木聡)が主役。内容は小説を先に読んだので、ダイジェストのように思えた。少し重かった。
人はいつか死んでゆくものだが、家族に迷惑はかけたくない。それは当たり前の感情だが、なかなかそううまくはいかない。せめて僕も息子らに負担をかけないように…そんなことを考えた。
Posted by ブクログ
感想
読みながら家族は大事にしないとなぁとしみじみ思う。
何かあった時に団結出来る家族はすごいなぁ。
あらすじ
若菜玲子は、夫と子供二人がいる主婦だ。子供は兄の方がサラリーマン、弟は脛齧りの大学生だ。戸建てを買うも夫の離職により、家計のやりくりは火の車。悩みが絶えないある日、脳腫瘍と診断される。
兄の浩介は医者から母が1週間の命と言われ、混乱する。それから母親の借金などが明らかになり、家族は崩壊しそうになる。
兄は妻の家族のことで悩み、弟は決心して母の病気を治せる病院を探す。父親は頼りない自分にケリをつける。父親の破産と母親のガン保険、病院の受け入れ先が見つかり、家族も本音で話せるようになって形を取り戻していく。母親も症状が改善し、容態も安定した。
Posted by ブクログ
ローン月25万はキツい、年に300万?
おそらく金利も高かったんだろうから元本もあまり減ってないとか、嫌すぎる
バブル期にローン組んだらそうなってたらしい
一人の視点じゃなくて、家族それぞれの視点が切り替わって進む
どう決着つけるかわからなかったけど、最終的に収まるところに収まった感じ
安心して読めた
Posted by ブクログ
母の物忘れからはじまり、どたばたと家族が追い込まれていく。
なんだかすごくリアルで読みすすめながら怖くなったけど、家族のありかたを考えさせられた。
俊平の明るさにだいぶ救われた!
Posted by ブクログ
同作者の著作を読むのは3冊目ですが、どれもぐいぐい引き込まれますね
今作は特に、1章の母がおかしくなっていく描写の怖さに釘付けに…
どんよりめの前半から、爽やかな後半のギャップはなかなかで、
少々トントン拍子に上手くいきすぎじゃないか?とも思うものの、
人を美化しすぎないラストはほっこり
とても面白かったです
Posted by ブクログ
読みやすかった。
もう1回読んでみたい
人はいつも死と隣り合わせに生きている。
だから、生きている間ぐらいは幸せでいる。
家族との関係は避けられない運命
完璧な家族なんていない
Posted by ブクログ
家日和、こちらの事情、と読んで、家族シリーズ第3弾、今回は短編集ではなく長編(長くもないが)小説でした。でも登場人物ごとに違った視点で物語が進んでいくので、飽きずに読めました。
物語のあらすじとしては、母親の病気をきっかけに再生していく家族の物語…そう書くとチープでありきたりな題材にも思えます。私は本を読み慣れていないので目新しく思えたのもあるかもしれませんが、そこかしこに散りばめられている仕掛けや伏線を拾い集めていく過程はとてもワクワクドキドキ、自分の家族にも重なる部分があり何度も涙してしまいました。
家族って綺麗事ではないし、外からは見えないドロドロとしたもの、鬱々としたものがあるのも事実。でも家族にしかできない、家族でしか見えないこともある。そんなことを改めて気付かされた本でした。
Posted by ブクログ
みんなバラバラだと思ってた家族が母親の病気をきっかけに動き出した。
でもそれくらいの大きな事がなければ人って変わらない気がする…
息子2人のキャラが全く違って、感じ方が全く反対だけど、ちがう角度から同じことを見てるんだって思う瞬間が何度もあった。
Posted by ブクログ
早見さんの家族物語
お母さんの病気から家族が結束する。
簡単に言ったらそんなお話。
もがくお母さん
頑張る長男
チャラい次男
人の良さそうなお父さん
皆、最初はどうしようもない。
かに、見えたが、少しずつ変わる。
それは、ちゃんと育てた両親のおかげとなんだろうな。叱咤激励しながら纏まる家族は頼もしい。
早見さん自身も向き合った事だと言う。
だからこそリアルだ。
一気に読み終わってしまった。
Posted by ブクログ
読み初めは若菜家の父・克明に良い印象はなく、玲子も文句が多く、子どもに甘すぎると感じていた。
弟・俊平もだらしないな〜と思っていたけれど、母の病気を境に家族が協力し、弟の明るさ、軽さが良い方向にいき、支えていくのが良かった。
兄・浩介の引きこもりがあっけなく解決したのに、?と感じたけれど、まぁ〜いいか。
お嫁さんの義母に対する感情が私と同じで、反省してしまった。
Posted by ブクログ
最初に感じたのは『逞しい家族だなぁ』です。
なかなか無いような気がします、特に息子達があそこまで奮闘するなんて奇跡かも…と感じたかなぁ。
現実にはどうなんだろう…と考えさせられた。
Posted by ブクログ
ありふれた家族が母親の病気によりあらためて家族を見つめ直すお話
リアルな話だった
長男 次男の性格もとてもリアルで 確かにこんな感じだなぁと
嫁たちもとても良い人達 理想の家族でした
Posted by ブクログ
序盤、あまりにも怖くて(年齢からリアル)読み飛ばしたくなりました。
家族の温かさ…のような平和な着地でしたが、なんとなくザワザワした読後感です。
Posted by ブクログ
気持ちがバラバラだった若菜家
突然母に脳の癌が見つかる
母の病を気に息子たちが奮闘するが、
父親が借金だらけなことに気づく。
母の病、父の借金…
まだ大丈夫ってみんな思って
お互いやりたいようにしていたが、
母の病をきっかけに家族が一つになっていく
家族って近いから甘えてしまうところあるよね
でも大切だから、ここぞの時にがんばれるんだな
Posted by ブクログ
家族がバラバラで兄弟の仲も決して良くはなかったが、母親の突然の病気によりみんなのベクトルの向きが一方向になった。
そして浩介も俊平もたくましくなった。
母の病気について、
やっぱりセカンドオピニオンは大事だということか?とか、
そんなこと(小説に出てくるような病気の展開の仕方)ってあるのか?など、
病気を扱う小説に求めがちなリアリティーさってどうなんだろうと思ったが、解説を読むと作者の実体験に基づいているらしいから、まぁこういう展開でもいいのだけど・・・
。
Posted by ブクログ
母親の病気発覚から様々な家族の裏側が明らかになっていく。家族とは何か、を真正面から捉えた本作。誰もがいずれ当事者になる可能性のある物語。その時、何を考え、どう行動するのか。
10数年前の自分に起きたことが苦々しく思い起こされる。浩介のようにも俊平のようにもできなかった自分...。ただ、後悔だけはなかった。なんの説得力もないものに寄りかかって今日も生きていくだけ。