早見和真のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一対一の対峙で、作家が丹念に藤島ジュリーという人物を掘り下げていく過程が興味深い。あの企業はなぜあれほど巨大化したのか?なぜあのような事件が起きて、あれほどの被害者が出たのか?そういったことはこの本を読むだけでは分からないけれど、その渦中に放り込まれた藤島ジュリーが、必死に問題解決を図ろうとしていたことは伝わる。私が1番感じたことは、日本の報道は作られたストーリーと結論ありきで報道しているのだなぁということ。あの悪魔のような人物に加担し、見逃していた多くのマスコミに気持ち悪さを感じた。嵐の活動終了ライブに向けジュリーさんが、何かしら気持ちの区切りがつけられるよう願わずにいられない
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Posted by ブクログ
学生頃は家業がある人っていいなって思ってた。特に女性はとりあえず自分のやりたいことやって、ダメだったら実家で働けばいいんだしなんて浅いこと思ってた。
本を読んでみて、ジュリーさんは大きなプレッシャーと共に生きてきたんだろうな、そんな甘っちょろい状況じゃなかったんだなと他人ながら思った。
著者も記載している通り、あくまで裏どりはしてないジュリーさん目線の話。一部今まで自分が見聞きしていた情報と異なるところもあるから、決して全てが正しいとは思わないが、親の血を継いだ高圧的な暴君的イメージからはだいぶ離れたイメージだった。
問題発覚の時は、皆んな騒いで手のひら返ししてと思っていたが、所詮自分も情報に -
購入済み
かなり重い
そして暗い、少し引きずる
店長が馬鹿過ぎてから著者さんを知り
小説王でファンになり、アルプス席の母で
確実なファンになったけど、これは堪える
誰もレビューしないのも納得
愉快な文章は一文なし、実際の事件が題材って
知ってからは更に重い気持ちになります
エンターテイメントとかを求めるのでしたら
失礼ながらオススメしません。
心して読むべし! -
Posted by ブクログ
2025/06/15
相変わらず店長は変な人だが、京子さんは前作ほどガルルっとはなっておらず、なぜか安心した。新しく出てくる登場人物も個性的で、よかった。特に山本さん。京子さんと周りの人たちの会話の噛み合ってなさには、つい声を出して笑ってしまった。
また、第五話の仕掛けには驚かされた。
最終話でリニューアルオープンの準備が終わったときは、グッときて涙が出そうだった。働くことのよさがあのシーンに詰まっているような気がした。
アラサー女性の悩みって、仕事に結婚にお金にと、、無限にあるし、上を見たらキリがないけど、自分の好きなものだけは見失いたくないと思った。
働くことって辛いことが多いけど、た -
Posted by ブクログ
誰が「笑うマトリョーシカ」なのか?
清家一郎は「ニセモノ」なのか「ホンモノ」なのか?
幼い頃、習い事の教室にマトリョーシカ人形が置いテあった。
よく取り出したりして遊んだが昼間に皆で見ていたからか可愛らしい人形というイメージである。1番小さい人形がどんな顔をしていたかは覚えていないが少なくとも不気味な印象はない。
これが夜一人でいる時に目が合ったり、大人になった今見たら違う印象を受けるのだろうか。
物語はハヌッセンになりたい大人たちの視点から清家一郎との日々が語られていく。誰も清家一郎がわからない。
私たちは分からないモノが不気味で、勝手に真実なるモノを探してしまう。必ず真実があると追求