早見和真のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2026.8.28
言葉にトゲがなくなったからこそ、よりすごみを増したと言えそうです。
『お前はこわい顔で仕事しすぎだ。馬に緊張を与える態度を見せるな。ウソでも笑ってろ』
自分が何かを成し遂げたわけではありません。ただ成功者のそばにいるだけです。そんな当たり前のことを自分に言い聞かせていなければ、一般のお客様よりずっといい席にいられることを勘違いしてしまいそうな予感がありました。
そもそもそのうしろめたさ”の正体こそが、まさに楽しさ”なんじゃないですか?
僕はたくさんのものを背負っていらっしゃるオーナーが好きなんです。いや、それはべつに馬主に限りませんね。たくさんの人の思いを引き受けている人間が好きなんです。意外と少ないですからね。背負っているふうの人はたくさんいますけど、きちんと背負えている人ってあまりいない。
目の前の何かを心から楽しんでいる大人ってカッコいいじゃないですか。こんなふうになりたいって思わせてくれる稀有な人 -
Posted by ブクログ
競馬に全く興味がなく何の知識もない私でも、相当な引力で惹き込まれてイッキ読みでした。
競馬=ギャンブルのイメージしかなかった。
でも、一頭の馬の生産から調教、レースへと、様々な人がたくさんの思いを込めて関わっているのですねぇ。
みんな「馬の物語」に惹かれるのだなぁ…
競馬が愛される理由がわかった気がする。
どんな世界でも生まれ持った才能を備えている人がいるけれど、その才能を支える人がキーパーソンであることは多い。
競馬の世界でも馬も人もその才能を見抜くことができる人やその人をどれだけ支えられる人がいるかで、彼らが見ることができる景色は大きく変わるものなのだろう。
クリスというマネージャーから語られる口調で小説は展開するけれど、彼の支えがあってこその物語だった。
そして、競馬界というものが山王耕造のように、自分の能力やお金を馬やその周辺で働く人達の幸せのために使うことのできる人によって支えられているということも驚きだった。
単純に金儲けだけの馬主もいるのかもしれないけど。
継承がテーマの小説。
一章の山王耕造と二章の息子耕一。
競走馬が種馬となってその子ども達がレースを継承していく。
そして馬主も継承される。
耕一は、父を超えることを目標にしていたけれど、負け馬の将来までを考えて、レースへの出場を算段して馬を守ることができたことが何より父を超えていたのではと思う。
なかなか勝ちに行けない馬をハラハラしながら読み進めて、勝てないままラストまで持って行くあたり、早見和真さんはなかなかだなぁ。
最後の競走成績一覧を見てものすごくホッとしてしまった(笑) -
Posted by ブクログ
馬主である大企業の社長に振り回される秘書の主人公が競馬を通じて人と人との繋がり、親と子、旧世代と新世代の継承の様を美しく、熱く表現された小説。
競馬をしているためかすごく読みやすく、面白く、泣ける内容だった。
おそらくドラマの方が映像や音楽がある分面白く、感動すると思う。小説ではレースの結果がものすごく簡単に書かれていたり、あれだけ求めていたG1制覇をにものすごく短く簡単に描かれていたり物足りない感じもあったが、小説の中でクリスが涙を流してしまうシーンは感情移入してしまい感動した。
継承の様(本編では結局旧世代が新世代に譲らない形になるが(笑))は心に来るものがあった。
競馬している人は絶対にオススメな本