早見和真のレビュー一覧
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小説の編集者と小説家の関係がわかりやすい。
小説家だけで、小説は売れない。「小説家は一人では完成しない。」編集者はその小説を客観的に評価して、売り出すことで成り立つ。
「編集者の役割の一つって、作家さんや漫画家さんを勘違いさせることじゃないか」と言い切る。
そのために、ホストと同じで、ホストしている間は「あなたが世界一価値ある女性」だということを訴えてきた。雑誌『編集王』の時代から、誰も出版の未来について甘い夢を見ていない。
吉田豊隆は、小説家で、デビュー作で大きな賞を受賞したものの、その後は鳴かず飛ばず。清掃のアルバイトをしながら、世間に忘れ去られかけている「小説家」である。物語を書く -
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さすがの面白さ。『アルプス席の母』では母と息子のストーリーだったけど、こちらはどこにでもいるような家族、しかも幸せそうな家族の話。小学生の女の子が主人公なのだが、お父さんが苦手らしい。
年齢的には父母のほうが共感できるはずが、お父さんが苦手って思う気持ちや、お母さんの言いなりになりたくないっていう反抗期的な気持ちに入り込みやすかった。
十和はわがままな子だという視点もできるけど、私は自分の思春期の頃を思い出して、苛立ちに共感できた。
当初は普通の家族の物語で、受験を通して家族仲が深まる感じのストーリーなのかと思ったら、実はちょっとした仕掛けがあって…。
受験記としても面白いと思うが、本筋は -
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ネタバレ店長シリーズ終わってしまったか。好きだったなぁこの話。強烈なキャラクターの店長と、店長と犬猿の仲の京子の掛け合いが面白かった。
今回は、京子が店長を意識する場面もあったりして、まさかこのまま店長とくっついてしまうのか...!?とかなりびっくりな展開だったが、そんな訳なかった(笑)そりゃあ、そうだよね、店長に「恋愛」とか「結婚」とかいう言葉は全く結びつかないもんな。
それでも、京子が選んだ人は店長と何だか似た人で...という展開も驚いた。なんとなくだが、京子はこのまま一人、店長と時に言い争いしたり意気投合したりしながら、武蔵野書店で働いていくのだと思っていたから。
店長に関してもこれまた予想を -
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今は大学生になった子供たちが中学受験をしたので、いろいろ思い当たる節があって感慨深かった。
お父さんが受験のサポートを必死にやっている姿はまさに!という感じ。志望校の過去問に類似した問題を探したり、国語の現代文で出題されそうな小説を入手したり、塾のテストの振り返りを一緒にやったり。いま考えると、特殊な世界にどっぷり浸かっていたなー。
でも我が家では、受験が終わったとき、主人公の十和みたいに感謝してはくれなかったような…。そして私も、十和の両親のように子供に寄り添い、適切な言葉をかけてあげられていたのだろうか、とひたすら反省。
まあ、それでも、目標に向かって頑張ることの大切さ、頑張っても届かな -
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好きな翻訳家さんのブログに出てきたので手に取りました。
ジャニーズ関連の事柄に疎く、性被害のニュースは知っていたけど、藤島ジュリーさんがどういう立ち位置の方かわからないような状態で読み始めました。
大きな柱となるテーマは母子関係、「家業」と向き合わざるを得ない業であると読みました。
重いテーマではあるけれど、世間を席巻したいろいろなグループの成り立ちや裏話が織り込まれていることで、同じ時代を生きてきた世代の娯楽的な読み物として楽しめる部分もあります。
構成の中心を対談形式にして本人の言葉を逡巡や口癖も含めて書き起こしているのは、これまでパブリックイメージが一人歩きしてきたことに対抗し、より