早見和真のレビュー一覧
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小学6年の十和は「家族の幸せの形」がわからない。
嫌な家族ではないのに、家族といると心が荒む。
家族と離れて大阪にいる祖母と暮らすため、
十和は中学受験をすることを決める。
中学受験は長い人生の中のほんの一部の出来事。
でもその人生のほんの一部の時間が
きっと自らを大きく成長させ、
ここでの経験がこれからの人生を歩む時の自信や糧になっていくんだろう。
受験生の十和、それを支える家族。
父の優しさ、母の見守り、妹の応援。
バラバラになりかけていた家族が
受験を通してひとつになっていき、
「家族の幸せの形」は何かを見つけ出した
十和の答えにとても賦に落ちた。
受験のように答えが決まっ -
Posted by ブクログ
山王耕造の人生を亡き父に重ねながら読みました。私の父も馬主というものにはまり、その為に命を削って生きていたのかなとも思います。クリスさんが病に冒された山王耕造に「もし生まれ変わったとして社長はまた馬主になりますか?」と問います。その答えは「次の人生はもう少し長く生きたいんだ。もっとリラックスして生きてみたい。こんなふうに緊張を強いられる人生はまっぴらだ」きっと私の父が同じことを問えばそうに答えるのではと思えました。ほんとに太く短くの人生。のんびりもう少し長く生きて欲しかったです。競馬のことはわかりませんが、そういう意味で感慨深い一冊でした。
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ネタバレただのミステリー小説だと思って読み始めたがそこには犯人にしたてあげられた死刑囚の悲しい過去や人生に疲れきった死刑囚の悲しい思いが描かれていた。
人は目の前の報道や誰かの噂話ですぐにこの人はこういう人だと決めつけてしまう。その人の過去やその人が本当はどう思っていたのかも知らないのに。この本は人をしっかりと内側から見てあげないといけないという思いにしてくれる作品であった。
田中幸乃に死刑が執行されることを望まない人達が懸命に動いている一方で、はやく死刑執行がくだされないかと待ちわびる本人、最終的には無実なのに刑が下されたことに喪失感を覚えると共に本人が望む結果になったことで本人は幸せだったのではな -
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実際の事件をモチーフに描かれた本作は、一人の女子高校生が同世代の子どもたちから暴力を受け、命を落とすという痛ましい結末へと向かう物語だ。しかし物語は単なる事件の再現ではない。加害側に連なる一人の女性、さらにその母や祖母へと時間を遡りながら、世代を超えて受け継がれる「負の連鎖」を丁寧に描き出していく。
本作の核心は、暴力そのものよりも、それを生み出してしまう土壌にある。家族は仲良くあるべき、親には感謝すべき、分かり合えなくてはならない——そんな日本社会に根付く“暗黙の了解”が、登場人物たちを静かに追い詰めていく。誰もが苦しさを感じながらも、その枠組みから抜け出せない。抜け出そうとしなかったのか -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わってから実際にあった事件をモチーフにしていると知りました。
なんて悲しい話しでしょう。
とても重いお話で、この本を貸してくれた友人も
『落ちてる時に読んだらダメだよ』
と念をおしてくれたことも頷けます。
虐待の連鎖…。
虐待ではない?けれど母娘の歪んだ関係。
母が娘に依存してがんじがらめにしてしまい結局娘も同じ人生を歩んでしまう。
そして起きた事件…。
最後にこの母娘四代にわたる連鎖を断ち切るのは四代めの娘。
お腹に娘を宿している。
どうぞ本当に断ち切れますように。
このお腹の子供はそんなことを知らずに育ちますように…と願わずにはいられません。
重くて読むのがしんどいけれど読