中山祐次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は、タイトルに違わずがん外科医の真摯な「本音」が綴られた一冊である。世には「本音」「裏側」「医者だけが知っている」といった扇情的な惹句で読者を誘う書籍が溢れているが、本書がそれらと一線を画するのは、その記述が徹底して「現実的」である点だ。
著者は、将来多くの人が直面するであろう過酷な現実を、安易な夢や希望で飾ることなく提示する。がんの予防、治療、予後において「魔法のような奇跡」を語らず、地味ではあるが最も信頼に足る「標準治療」の重要性を説く。情報の参照先として国立がん研究センターを挙げる点も、エンターテインメント性を排し、情報の妥当性を最優先する著者の姿勢の表れと言えるだろう。
科学的 -
Posted by ブクログ
外科医としてすっかり成長した隆治は、毎日の生活がいつもの繰り返しで、今までのようなドキドキや達成感がない。後輩の凛子も一人前になった。そんな時、大学の同期の伊佐の訃報をテレビのニュースで目にする。彼は、福島の復興のために奮闘している志半ばで交通事故に遭ってしまう。彼の生き様を見て悶々とする隆治に今度は福島の病院の院長が急死して、後継者がいず、地域医療が立ちいかなくなることを案じたニュースが目に入る。周囲の反対を押し切って、彼は福島に向かう。そこで出会った、理事長の三春、看護師の冴子など個性的で明るい人たちに支えられて、紙カルテを使って、アナログな病院で、院長として頑張る隆治。そんな時、冴子は病
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Posted by ブクログ
本書はタイトルの通り、現役医師の「本音」を飾らない平易な言葉で綴った一冊だ。内容は多岐にわたり、一般人が抱く素朴な疑問から、薬・手術・病院経営の舞台裏、さらには医師の日常生活や「命の在り方」という重いテーマまで、幅広いトピックが網羅されている。
特定の結論に向かって論理を積み上げる構成ではないが、それゆえに一節一節が独立しており、文量の少なさも相まって非常に読みやすい。専門家特有の難解さを排し、共感を得やすいエピソードを交えながら語られる内容は、医療を身近なものとして再認識させてくれる。
特筆すべきは、本書を読むことで、医療の現場に存在する「医師と患者の視点の差」が浮き彫りになる点だ。私個