中山祐次郎のレビュー一覧
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泣くな研修医シリーズの最新作。幼い子を持つ親として読んでいてツラくなる場面もあった。
物語の中では、「自分の選択は正しかったのか」「もっとできることがあったのではないか」といった葛藤が丁寧に描かれる。その揺らぎは医師という特殊な現場に限らず、仕事や日常の判断にも通じる普遍的なものだと感じる。自分にも似た思いが少なからずあり、読みながら自然と考えさせられた。
印象的だったのは、「病気と闘いたいのか、人を救いたいのか」という問いである。医療現場の話ではあるが、自分の仕事に重ねても大切な問いだと思う。大局的なことに目が向きがちで、そうであることが重視されがちであるが、向き合うべきはあくまで“目の前 -
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中山祐次郎さんの大好きな「泣くな研修医」シリーズ7。女性ならではの外科医としてのキャリアとワークライフバランスの難しさに焦点を当てている。癌末期患者の外科医がまた素晴らしい人物。彼が主人公にした問いかけ。「外科医にとって1番大切なことは?」に対して「それは手術の技術」と答えた主人公に「患者さんと真に向き合うこと」と答える。こんなお医者さんいるの〜?と思いたくなるくらい素敵。
そして何故だか著者中山祐次郎さんとこの外科医のキャラが被るような気がしてならない。
自分が大腸癌に罹るようなことがあったら、現役医師でもある中山先生に手術してもらいたい。 -
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ネタバレ「泣くな研修医」シリーズ、なんだかんだでもう8冊も出たのかー!すごいな。
雨野先生、ついに福島の病院の院長として赴任しました。すごい決断だよね。もう完全に、著者の分身だから、このあと結婚して父親になるところもずっとフォローしていきますよ。楽しみ楽しみ。
目の前に困っている人がいる。福島で困っている病院がある。誰かが行かなければいけない。
そんなときに「じゃあ自分が」って思える、そういう人でありたいけど、人はみんな、「でも〇〇だから…」「自分じゃなくても」と、行動しない理由を探してしまう。
実際に行動した中山祐次郎さん、っていうか雨野先生?っていうか両者とも、本当にすごい決断をして、その結果中山 -
購入済み
新刊の通知が来てすぐに購入、待ってました。
医療に対する自分の理想と、時にはどうにもならない現実が衝突して、自分はなんて無力なのだろうと思わされる、そんな医師の苦悩がよく描かれていたと思う。
30代の若さで過去に培ってきた経験や知識を駆使して、被災地でもある地方の小さい病院の院長になろうと決心した雨野先生の勇気には感動した。
外来から治療方針の決定から経営まで、どんなことも自分が主となって決断していかなきゃいけない環境、想像を絶するものがあるんだろうな。
命のはかなさ、医療の限界、理想と現実、そんなことについて深く考えさせられる内容でした。 -
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医師作家9人によるアンソロジー作品。
どの作品も50頁程なので、スピード感がある。
研修医 精神科医 救急医療 現場医療 研究者 認知症等 医療1つとってもジャンルが違い、心理描写の加減に手に汗握ってハラハラしたり、淡々と読み進めたり、一冊で何度も美味しい読み応えのある本でした。
医師(著者)が実際に経験しているであろうリアリティがそこにある。
認知症対応を生業としている身としては、何度も見た光景で「あーー大変さの中に、いくつも希望が見いだせるんだよ」「怒ったらダメダメ」と逆の意味でハラハラさせられた。
現代はサービスが揃っているので、抱え込まず使える手段を利用していくのがお互いの -
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泣くな研修医シリーズ2作目!
今回も涙腺うるうるでした。
研修医を終え、新人外科医となった主人公雨野。ひたすらに真面目な仕事ぶりに自分も頑張ろうって思えました!そして、前作同様最高な登場人物たち。少し楽観的な同期の川村にしごでき研修医の凛子。敏腕先輩の佐藤に久々に連絡をとったはるか。全員にそれぞれの良さがあり、今後が気になりまくりです!
個人的には水辺さんのシーンが一番危なく、「もう…刺すなよ……肺……」で目が熱くなりました。そのあとの話も雨野先生頑張って良かったですねって声をかけたくなってしまいました。
そして「ヘン」と言われてしまった雨野先生。医者を始めて3年経った今回、少し雨野