中山祐次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シリーズ7作目にして、常にクールな佐藤先生のスピンオフ。口数の少ない美人執刀医の胸の内を、見たくないような見たいような複雑な思いで読み進めました。
というかやっぱり見たくなかったー。
とか言って、中盤にさしかかる前にはかじりつくようにページをめくってました。
女医さんだから、というテーマに深くこだわらず(本人はそれなりに悩むけれど)これぞ泣くな研修医と言わんばかりの職人っぷりに、職種を超えた「仕事」そのものに対する姿勢、生き様みたいなものが激しく揺さぶられます。
自分は果たして、世の中にはたらきかけられているのだろうか。
とか読後も長く思考が止まらなくなりました。
人の、あるいは自分自身の -
Posted by ブクログ
【弱い自分を受け入れることを、勇気と呼ぶ】
研修医をおえたが、まだまだ知らない事ばかり。
そんな、地に足着いたようで着いていない
主人公 雨野隆治のこころの葛藤に感情移入して
見入ることができた今作。
できることが増えた分、できないことの輪郭が
よりハッキリ見えてもくる。
無力だなと、情けないなと、悔しいなと毎日思う。
医療現場なら尚更、ね。
そんな雨野の姿がありありと目に浮かび
ドキっと、そしてホロッとさせられた。
この泣くな研修医シリーズほど、スルスルと
読みすすめられる本はないなとぼくは思うし
主人公に憑依できる本も、ほかにないと思う。
ぜひ、いろんな人に読んで欲しい。
もんく -
購入済み
研修医シリーズで一番泣いた。
涙なしには読めなかった。
ひよっこ時代の自分を育ててくれた師匠のような人を自分がオペして自分が看取るっていうのはどんなに胸がつぶれる思いがするのだろうか。
また、女性として医療の世界(特に外科)で生きていくことの難しさや葛藤、女というだけで男よりも考えなければいけないことが多く、色々自分なりに悩み抜いた結果、外科医として人生を歩むことを決めた佐藤先生は本当にかっこいい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本作は、
◯救いたくない命
◯午前4時の惜別
◯医学生、誕生
◯メスを擱いた男
◯白昼の5分間
◯患者名・剣崎啓介
の6編からなる連作短編集です。
前作『俺たちは神じゃない』で活躍していた、麻生中央病院で中堅外科医として働く剣崎・松島コンビが、本作でも活躍する作品でした。
王道の医療系エンタメ作品ですが、王道故にわかりやすく面白い。著者の中山祐次郎氏自身が現役の外科医ということで、医療行為の描写にリアリティを感じられるのも、作品を面白くする一つですね。
そして、前作は所謂“バディもの感”が強かった剣崎・松島シリーズですが、本作はチーム感が強くなりましたね。
それもあってか、物語に横の広が -
Posted by ブクログ
よかったー!
前々作で、あぁ、ついにあめちゃん先生も染まってしまったか。。。と寂しい気持ちになったのもつかの間、今回の島編で、また医者として色々考えさせられて初心を取り戻しつつあり、元の雨ちゃん先生らしさが出てきてほっとした。
この作者さんは、医者が、医療が抱える問題を、それはわかりやすくテーマにしてくれるから、本当にすごいと思う。
あー、あのドラマ化だけが心残り。
これ、映像化したらすごく良いのにと調べたら、すでにされていてビックリ!さらに、観ていた自分にもビックリ!
だって、全然こんな感じじゃなくて、刺さらなかったんだもん。
ちゃんと本に沿った人選と内容で作ってくれたら、もっとヒットし