中山祐次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
外科医6年目の雨野隆治は、患者の心と人生に寄り添い、人の死に慣れることなくその度に心を痛める。
外科医という高い志を持ちながら、普通に悩んだり悲しんだり落ち込んだりする30歳で、その優しさが痛いほど伝わってくる。
22歳の癌患者の葵とどうなっていくのか、恋人のはるかとはうまくいくのか、後輩の凛子や上司の佐藤さんとは…と、4作目となると、隆治が歩んできた人生を私自身そばで見守ってきた気分だ。
外科医として独り立ちしたとはまだ言えないけれど、自分の執刀によって人の命が左右されることに、もがき苦しみ這い上がっていくところも、読者に勇気を与えてくれる。
専門用語が多くて理解するのに頭が追いつかないとこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ新米研修医が気づいた真実、引きこもり患者を救う精神科医、無差別殺人犯への緊急手術、友人の脳腫瘍に向き合う脳外科医、深夜の出産に奔走する医療チームなど、医師作家9名がそれぞれの知識と経験をもとに描く医療小説アンソロジー。
医療小説としてのドラマ性だけでなく、診療の段取り、医師同士の距離感、病院という組織の空気、患者や家族とのすれ違いが自然に描かれている。医療者が読むと「わかる」と思う場面が多い。
使命感、判断力、患者を助けたい気持ち。
一方で、自己正当化、権威性、論文や業績への欲、組織内の空気の悪さ。
医師という職業を美化しすぎず、かといって冷笑しすぎてもいないところが読みやすい。
精神科 -
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。
6編からなる短編集。
泣くな外科医シリーズが有名だが、出版ペースが少ないこのシリーズも、主人公の剣崎や松島の凄腕外科医コンビの掛け合いがいい。
現役の医師が書いているので、専門用語はかなり多いが、他のシリーズでも見られるように、決して綺麗事では終わらず、救いのないラストも現実味があっていい。
今作では普通に通院してる人には知られていない医療連携室の業務にも触れていたり、新しくデータセンターを設立したりと、いつもと違う視点もたくさんあり、読み応えがあった。
そして、何よりも泣くな外科医でお馴染みの佐藤玲の登場は中山ファンにはアツかったのではないだろうか? -
Posted by ブクログ
定年後勤めだした仕事が少なからず医療に関係しているので、一つ現役医師の小説家が書いた小説を読んでみようと思い、手始めに新潮文庫にある『夜明けのカルテ』という9人の医師小説家の短編を集めたアンソロジーを読んでみた。収録されていたのは下記の作品である。
牛島志季『研修医ヒナノの洞察』
朝比奈秋『魚類譚』
春日武彦『パイナップルのある光景』
中山裕次郎『救いたくない命』
佐竹アキノリ『春に綻ぶ』
久坂部羊『闇の論文』
遠野九重『言葉が消えるまえに』
南杏子『空中テント』
藤ノ木優『峠を超えてきた命』
それぞれ主人公が外科医だったり産婦人科だったり研究職だったり患者を抱える家族だったり。自分に身近 -
Posted by ブクログ
ネタバレ東京の病院を辞めて、福島に行くことを決めた雨野先生にびっくり!
実際、著者の中山祐次郎先生は、福島原発から22キロにある高野病院の院長が亡くなられて、直後の2ヶ月間を36歳で院長を務められたという(幻冬社plusの「高野病院日記」で日記が読める)。
福島で誰かが頑張ってくれているという遠い出来事ではなく、悩みながら奮闘してくださっている医師や看護師、技師さん、栄養士さん達がいることが以前より身近に感じられた。
管理栄養士さんのお仕事次第で、患者さんは食欲が湧いて、前向きになれる力があることを本作で知った。めっちゃ大切なお仕事だった。
頼もしい看護師冴木さんや明るい管理栄養士米衣さん、今回も本の