中山祐次郎のレビュー一覧
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若き外科医が現場の経験から感じた死生観についてつづった一冊。その「一刻も早く伝えたい」というタイトルと若い医師が筆者ということで興味関心がわいたので読んでみた。34歳というほぼ同世代の方が、自分の想い・考えを力強く語っていることに感銘を受けた。「一刻も早く伝えたい」という気持ちがまっすぐ伝わってきた。とても、心に響いた一冊だった。
・「死を想え。死を想うことで今生きていることを実感し、喜び、自身の生き方を今一度考えよ」(P12)「人は誰もが、いつか死んでしまう。それもしばしば突然に」(P30)…ついつい忘れがちになる「死」という存在を考えるきっかけになる。いきなり死の宣告をされることも日常茶飯 -
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4年目外科医の雨野隆治は、前作より外科医として腕を上げ成長していた。
研修医の西桜寺凜子に教える姿も頼もしくて、成長を見守っている読者としても嬉しく感じる。
21歳の末期癌患者、向日葵(むかいあおい)が隆治の当直の救急外来に運ばれてきて、隆治と凜子が担当することになる。
患者に入れ込みすぎないようにと言われていたのに、隆治と凜子は葵とどんどん距離が縮まっていく。
もう長くは生きられない葵の願いである富士山登頂に凜子と隆治も付き合うことになり、後半、3人が富士山に登る過酷な描写はすごかった。
山頂に登ってくる朝日の様子は圧巻で、それを目にすることができたなら、人生変わるかもしれないと思ってしま -
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泣くな研修医シリーズ第6巻。
半年の任期で離島の診療所に派遣された31歳の隆治。
設備の整った病院なら落とさない命がここでは助けられないこともしばしば起こることに隆治は納得できない。
そんな時にこの診療所で30年医師を続けている所長はこう諭す。
年に5人は搬送が間に合わずに死ぬ。
救える見込みが薄いのに、いたずらに手術をするのが正しいとは思わない。
島に来て島で暮らす。ここの住民は、この豊かな島で、都会とは違う時間の流れの中で、ゆっくりと過ごすことを選択しているんだ。都会のど真ん中のような医療は受けられないことを承知の上でね。
しかしこの所長も隆治が無理矢理手術に踏み切ったことで助けた命を見て -
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麻布中央病院の中堅外科医剣崎啓介と盟友松島直武の活躍を描くシリーズ第2弾。
前作に続き、現役外科医である作者本人の経験を活かし、臨場感ある施術場面や医療者たちのリアルな心情が追体験できるのは、「泣くな研修医」シリーズとも共通。
生真面目で優秀な主人公と手技に優れ豪放な松島のコンビ、研修医、外科部長、看護師などそれぞれに個性的な面々が連なる。
現役の外科医でありつつの一連の作品の質の高さには、いつもながら驚きを禁じ得ない。
松島の元同僚医も犠牲となった無差別殺傷犯の救命、鬼コーチだった恩師との別れ、剣崎の手を焼かせた問題児の医学部合格の知らせなど、各編ともに印象深いが、最終編「患者名・剣 -
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中山祐次郎『俺たちは神じゃない』シリーズ第3弾。
麻布中央病院の凄腕外科医コンビ・剣崎と松島。
麻布中央病院にやって来る患者たち…
チェーン店の花屋の元社長、食を愛する麻布中央病院の管理栄養士、地域医療の連携を担う麻布中央病院の地域医療連携室の係長、麻布中央病院・臨床研究データセンター長の妻、世界的天才シンガーソングライター…
剣崎・松島のコンビでの活躍は少なめ。
シリーズとしてのつながりや、周りのメンバーの個性も出てきたような。
剣崎にも元患者で弁護士・さとみとのロマンスが…
地域医療連携室の上田や、臨床研究データセンター長の相馬が新たな麻布中央病院のスタッフとして、登場。
地域医 -
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『医者ってさ、いい人だけどウデが悪い人と、やな奴だけどウデがいい人、どっちがいいと思う?』研修医を経て外科医となった一年目の隆治は、医者としての経験を積むほどに人としての優しさをなくしていってるような感覚になっている。
毎日人の死に向き合っていくうちに、人の死に慣れ痛みに鈍感になっていくのか。
隆治のように患者とその家族の苦しみ悲しみを背負ってしまう優しすぎる医者は、割り切れない思いにせめぎ合うのだろう。
シリーズ2作めは、研修医の明るくてコミュニケーショ上手の凛子と、癌患者の水辺が、物語に良い味を加えている。
そして以前合コンで会ったはるかとまた連絡をとり始め、良い感じになっていく。
人に弱