中山祐次郎のレビュー一覧
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ネタバレ鹿児島出身の主人公(この本の著者さんがモデル)が、医師になっていく過程でさまざま患者と出会い、成長していく姿が描かれている。
研修医は、患者としての視点と医師としての視点を同時に持ちうる唯一の存在である。医療に精通していない人が医療行為に対して感じるものは、やはりプロである医師とは違ったものである。
患者を無機質なモノとして捉え、症例に対してどうするのが最善かを考えることも大事である。だが、患者を1人の命、人間として感情を共有しようとする謙虚な姿勢は、一人前になっても忘れてはいけないと思うし、それができるのが本物のプロであると思う。実際、主人公を取り囲む駒込病院の看護師含むスタッフ全員が「プ -
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女性にはハンデがある。自分の子を持ちたいと願えば、夢をあきらめざるを得ないこともある。結婚し出産し子育てを望む人には、外科医という夢や技術を高めたいと望むことは無理なことなのか。男性ならそんなことはないだろうに。
佐藤玲はその選択にも迷うことなく、手術を選ぶ。
「私は私の生きたいように生きればいい」
その姿にかっこよさを感じつつも、性によって、どちらかをあきらめなければいけない現実に理不尽だなーと思う。
泣くな研修医シリーズで、クールビューティーでさっそうとしている佐藤先生だと思っていたけど、悩んだり迷ったり、人間味あふれる先生だった。
10年付き合っていた恋人の渋谷とは、佐藤先生にとってどん -
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ネタバレシリーズ4作目。
外科医として確実に成長しながらも、まっすぐで真面目であるがゆえに悩みも尽きない雨野。
彼女と上手くいかず別れることになったり、手術に失敗したり…上手くいかないことが続きもう外科医をやめようかと考えたりもする。
医師とはいえ一人の人間であり、迷うときもあるという当たり前のことに気付かされる。
もし自分が患者だったら、何かあったときに駆けつけてくれる医師の方が安心できるだろう。
でもその安易な考えの裏には、プライベートを犠牲にしている医師の姿があるんだということ、当たり前のことなんだけど患者視点だとつい忘れがちだったかも…とハッとさせられた。 -
Posted by ブクログ
泣くな研修医★3.7
消化器外科医の中山裕次郎先生の代表作。若手医師の葛藤を描いた物語。自分の立場と重なる部分もあり共感できた。主人公の雨野りゅうじは強い正義感と理想の医師像がはっきりとしている人物で、QOLを重視する同期とぶつかる事もある。大学の同級生にも同じタイプの友人がいた。ずっと一緒にいるとしんどいけど、医者として本当に尊敬できるし自分が病気になったらそういう先生に診てもらいたいと思ったのをよく覚えている。
雨野は自分のなりたい医師像とまだ何も出来ない自分との差に打ちひしがれながらも少しずつ成長を重ねていく。十年後、二十年後この初心を忘れないことが大事だ。中山先生のそういうメッセージが