あらすじ
日本全国にファンを持つシンガーソングライターの柏木誠一が、剣崎啓介のもとに現れた。他の医師に命と引き換えに失われると言われた声を残してほしいのだという。故郷長崎で亡父に新曲を捧げたいと語った柏木。最も困難な手術が、そして始まる――。剣崎・松島の凄腕外科医コンビと彼らを支える麻布中央病院の精鋭たちを描く6作品を収録。ますます充実の医学エンターテインメント、第3弾。(解説・遠野九重)
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Posted by ブクログ
麻布中央病院外科シリーズの3冊目です。『俺たちは神じゃない』→『救いたくない命』→今作の順番に読むとより楽しいと思います。
今回も良かった。剣崎先生にロマンスが???ってワクワクしながら読みました。
自分が体調を崩したら、剣崎先生のように患者さんに真摯に向き合ってくれるお医者様に出会いたい。
Posted by ブクログ
中山祐次郎先生の「俺たちは神じゃない」シリーズ第3弾。麻布中央病院の剣崎先生の物語です。
今回、興味深かったのが、難しい症例に直面した剣崎先生が、同じ症例の論文を見つけ、牛の町病院に問い合わせるという場面が出てきた!問い合わせ先は、なんと、「泣くな研修医」シリーズに出てくる佐藤玲先生!わおー!おもしろい!中山祐次郎ファンならにやにやしちゃいますね。
あと、これは私の勝手な考えだけど、実際の医療現場では辛くてうまくいかない厳しい現実ばかりだから、中山祐次郎さんの小説ではだいたい、ハッピーエンドというか、苦渋の決断の結果上手くいくとか、たいていポジティブな結果になって、読んでいてストレスがたまらないようになってる。
本作も、同じ病院の研究者と対立しそうになるんだけど、結果的には協力して新しい医療の可能性を見出していく、というストーリー。
声を失うかもしれない、というミュージシャンの手術もなんとかうまくいき、彼の再起を可能にする。
このシリーズと泣くな研修医シリーズが交錯するとは思わなかったので、またまたこれからも楽しみです!
Posted by ブクログ
外科医の話だが華やかさではなくリアルな現場
小さな患者の思い、小さな患者の願い、小さな患者の不安、それはもしかしたら直接命に繋がるとてつもなく大きなものなのかもしれない。
そんな思いは全てが医師に通じるわけではないだろう。だが医師とて人間。ただただ手を動かし手術をするわけではない。
剣崎、松島コンビは優秀な医師が温かい生身の人間であることを自然に伝えてくれる。きっと彼らは今日もそうやって日常を紡いでいるのだろう