中山祐次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
作者は男性だけど、すごく女性の気持ちに寄り添われていてなんだか不思議な気持ちになった。きっと誰かモデルとか取材した人がいるんだろう。
東凱先生はかっこいい。どう見てもかっこいい。スキのないかっこいいキャラとして描かれている。流れるような手技、後輩への接し方、教え方。すべてが成立している。
ワイルド系で医者だったらモテないはずはないし、女性の部下と接するときも相当気をつけるんだろうな。
医局という護送船団方式に乗りながらも、客観視して自分の生き方を貫くということ。
世間的にも医者はすごいし、価値のある仕事であることは間違いない。でもすごい業績を残していなくても、自分の人生を生きたい、そう思うのは誰でもあるはず。
「生きたいように生きたらええ。誰も先生の人生に責任を持ってくれる人なんておらんからな。」いや、その通り。どっちの人生が価値があるか決める権利なんて、誰にもないのだ。ただ、そこに落ちている何かを必死に集めて生きているだけ。
ここからは自分と重ね合わせた話になってしまうが、
本には、自分がかつて言われた言葉がちりばめられていた。仕事を続けて、自分の向き合い方だったり価値観を理解してくれる人と結婚したい。そう思っていた。
それは、そうではなかった。結婚するには当然何かを
変えなくてはいけないのだ。何かを譲歩するのはいやでできなかった。仕事と天秤にかけられるものは、家庭しかなかった。そこまでかけられる人には出会えなかった。それだけ。
けれど、自分の持っているものから一番良いと思える選択をして、これからもぐちゃぐちゃしながら生きていく。
「あの人の背中は何を語っていますか?」背負うとか重いとか、今時全然はやらなくて、そんなことより羽が生えたような軽い動きがいいのかなと思うけど、自分からは見られていることが見えないその背中で、それを向けてくれたことをずっと覚えている。それが誰かの支えになることを信じながら。 -
Posted by ブクログ
本書は、タイトルに違わずがん外科医の真摯な「本音」が綴られた一冊である。世には「本音」「裏側」「医者だけが知っている」といった扇情的な惹句で読者を誘う書籍が溢れているが、本書がそれらと一線を画するのは、その記述が徹底して「現実的」である点だ。
著者は、将来多くの人が直面するであろう過酷な現実を、安易な夢や希望で飾ることなく提示する。がんの予防、治療、予後において「魔法のような奇跡」を語らず、地味ではあるが最も信頼に足る「標準治療」の重要性を説く。情報の参照先として国立がん研究センターを挙げる点も、エンターテインメント性を排し、情報の妥当性を最優先する著者の姿勢の表れと言えるだろう。
科学的根拠のない情報に翻弄される患者に対し、忸怩たる思いを抱えながらも、あくまで冷静に科学的見地を述べようと努める筆致には強い共感を覚える。また、自身の思考にバイアスが生じる可能性を否定せず、それをいかに回避し客観性を保とうとしているかを論理の随所に挟み込む姿勢も、専門家として誠実である。
本書を読み終えた今、自分や家族ががんに直面した際にも、過度な動揺を排し、理性的に向き合えるだけの指針を得られたと確信している。情報の氾濫する現代において、真に「地に足のついた」医療リテラシーを授けてくれる良書だ。