作者は男性だけど、すごく女性の気持ちに寄り添われていてなんだか不思議な気持ちになった。きっと誰かモデルとか取材した人がいるんだろう。
東凱先生はかっこいい。どう見てもかっこいい。スキのないかっこいいキャラとして描かれている。流れるような手技、後輩への接し方、教え方。すべてが成立している。
ワイルド系で医者だったらモテないはずはないし、女性の部下と接するときも相当気をつけるんだろうな。
医局という護送船団方式に乗りながらも、客観視して自分の生き方を貫くということ。
世間的にも医者はすごいし、価値のある仕事であることは間違いない。でもすごい業績を残していなくても、自分の人生を生きたい、そう思うのは誰でもあるはず。
「生きたいように生きたらええ。誰も先生の人生に責任を持ってくれる人なんておらんからな。」いや、その通り。どっちの人生が価値があるか決める権利なんて、誰にもないのだ。ただ、そこに落ちている何かを必死に集めて生きているだけ。
ここからは自分と重ね合わせた話になってしまうが、
本には、自分がかつて言われた言葉がちりばめられていた。仕事を続けて、自分の向き合い方だったり価値観を理解してくれる人と結婚したい。そう思っていた。
それは、そうではなかった。結婚するには当然何かを
変えなくてはいけないのだ。何かを譲歩するのはいやでできなかった。仕事と天秤にかけられるものは、家庭しかなかった。そこまでかけられる人には出会えなかった。それだけ。
けれど、自分の持っているものから一番良いと思える選択をして、これからもぐちゃぐちゃしながら生きていく。
「あの人の背中は何を語っていますか?」背負うとか重いとか、今時全然はやらなくて、そんなことより羽が生えたような軽い動きがいいのかなと思うけど、自分からは見られていることが見えないその背中で、それを向けてくれたことをずっと覚えている。それが誰かの支えになることを信じながら。