中山祐次郎のレビュー一覧
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「泣くな研修医シリーズ」第3弾。
雨野隆治29歳。医師になって5年目。カンファレンスでのプレゼンも板についてきた。
外科は嫌だと言っていた研修医の凛子が、やっぱり外科に戻ってきて、雨野といいコンビ。
21歳で末期の胃癌患者・向日葵、肛門にスプレー缶を挿入して救急搬送されてきた松田、憩室炎で絶食なのに寿司を食べて穿孔を起こした高飛車な議員・柏原と今回も様々な患者相手に奮闘する雨野たち外科医の姿が描かれる。
そんな中、クールビューティーな先輩医師・佐藤の女性医師としての悩みが見ていて辛い。
男性医師ならキャリアか結婚かの2択に迫られることはほぼないだろう。だけど今だに女性は、出産という問題を抱 -
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久坂部羊、小松亜由美、中山祐次郎、七尾与史、南杏子『謎解き診察室、本日も異状あり』幻冬舎文庫。
5人の医師作家による医療ミステリー短編アンソロジー。
中山祐次郎と南杏子は初読みの作家。七尾与史が医師作家だとは知らなかった。
七尾与史の『患者は二度死ぬ』がピカイチで、後は並以下の出来だった。
久坂部羊『悪いのはわたしか』。そういうオチであったかと納得するも、真実は一体何処にあるのかと頭の中が混乱した。新聞で人生相談の連載を持つジャズピアニストにして精神科医である女性医師の元に怪文書が届く。怪文書が届いてから女性医師は次第に精神的に弱っていくのだが……
小松亜由美『半夏生のトルソー』。瓢 -
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3年目ってすごく微妙な時期。一人前成り立てほやほやで、仕事は一通りできるようになるけどまだ余裕はなくて、でもできる後輩が入ってくると焦ったりする。すごくリアリティを感じた。
医者だって人間だから、初めから全部完璧にできるわけではないから、失敗もする。たくさん経験して練習して上手になっていくわけだけど、他の仕事とは比べものにならないほどの責任が伴う。本当に本当に大変なお仕事。自分も頑張ろうと思った。
ただ、はるかに関しては全然好きになれない…。
デート中に突然帰ろうとするし、実家に電話した方がいいと言っておきながら公園歩こうかとか言い出すし。普通そういうこと相手に言われたら気が気じゃなくなると -
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仕事柄たくさんのドクターと関わりますが、あの先生も、この先生も、通ってきた道なのか…と思うと不思議…あの先生やこの先生の医学部時代の話を聞いてみたいと強く思いました。
しょーもない医師もたくさん見てきたけど、みんなこれほど猛烈に勉強して難しい試験に合格してきたんだよな…と想像しながらやっぱり不思議な気持ちに。
雨野先生はいいね。愚直、と言うか。
素直で飾らない素朴な人柄が好きです。
ただシリーズ全部読んできてこの巻で急に気になったんだけど、女性の外見について書かれた場面がちょっと多くない?美人だ可愛いだ、顔立ちに関して「ここでその詳述いる?」となるポイントが目について、なんかじんわり嫌な気持 -
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泣くな研修医シリーズの2作品目。前回研修医だった隆治が3年目の消化器外科に進んでおり、3年目ならではの苦悩が描かれている。初期研修を終えたとはいえ、3年目の隆治はまだ外科医としては新米でやれることも限られている。そのもどかしさが伝わってきて自分もこの道を通るんだなと思った。患者の家族にに蘇生をするかどうか聞くのと、自分の家族の蘇生をどうするか聞かれるのでは全く感覚が異なる。やっぱり家族には出来る限りのことはしてほしいという考えがある一方で医者からの立場ではやってもどうしようもない場合もあるのは事実。ここら辺がうまく伝えれるようにならないと大変だなと。あと技術があって愛想ない人か、技術なくて愛想