中山祐次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ9人の現役医師による医療小説アンソロジー。
医師作家でしか表現できないと思われる臨場感あふれる詳細な描写、ヒューマンでミステリアスなストーリーが魅力の作品集だ。
1〈研修医ヒナノの洞察〉
上司からパワハラを受けている研修医が患者の膠原病を見つけ上司を見返す痛快な話
2〈魚類譚〉
封建的で理不尽な医大の内部構造、詳細な手術シーンにミステリーとホラーの要素を取り入れた作品
3〈パイナップルのある光景〉
同じような引きこもり系の精神疾患でも、一方は入院治療、一方は家族による対処という示唆をする精神科医。専門的な見解が押し付けなく、ふわっと伝わってくる秀作
4〈救いたくない命〉
救急外来に運び込まれて -
Posted by ブクログ
雨野先生も三十歳。
オペもだいぶこなしてきて、難しい手術にも参加する機会も増えてきた。
前作までは、医者だけど医者らしからぬ面をもち、患者や家族の立場にたって考えようとする、ある意味医者になりきれていないあめちゃん先生が、どうかすれていきませんように、、、と思っていたが、そんなあめちゃん先生にも、末期癌の友達、葵ちゃんをみても「医者らしい」視点から見てしまったり、慎重だったオペでも、慢心からか、ありえないミスをしてしまう。
付き合っている彼女の誕生日を忘れていたり連絡をしなくても、「しょうがないじゃないか、忙しいんだから」と、自分の事しか考えられない。
さて、この次のあめちゃん、どっちの方向 -
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Posted by ブクログ
泣くな研修医シリーズ。
久しぶりに手にしたシリーズだなー。
読みながら、過去の3作を思い出していく。
今回は、「死」というものが結構でてくる。
遠くのように感じるが、ものすごく身近にいるものなんだよな。
その近さに気づいた時、患者は、不安を覚え、生きていたいと切に希望したり、その逆の反応を示すものもいる。
つい最近、それを肌身で感じたばかりなので、彼らの気持ちが痛いほどわかった。
まあ、自分の場合、そこまで深刻ではないのだが、医者が脅すし、自分に余計な知識が豊富だから。。。苦笑
医療者は、死に慣れてしまっているように感じる。
丁寧ではあるが淡々と話す医師の姿に、そう思っていたが、あめちゃん