山内マリコのレビュー一覧

  • 東京23話

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    東京23区(と、武蔵野市)がそれぞれ一人称で町の歴史を語る。もともと2013年から2年にわたりどこかの雑誌で連載されていたものだそうで、当時の流行やニュースも存分に盛り込まれている。2015年の単行本化から2017年の文庫化までの2年間でも、東京事情は目まぐるしく変化しており、作者によるあとがきでのフォローも2019年の今となってはまたもアップデートを要する状態に。

    しかしこれが東京。

    本編の各区のお話も、本当にどれもひとつひとつとっくり語り合いたいくらい面白かったが、『いまむかし東京町歩き』の著者(とかいって私は未読ですが面白そう)川本三郎さんによる解説も良かった。

    『京都や奈良のよう

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    2019年02月10日
  • かわいい結婚

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    家事ができなくて奮闘する「かわいい結婚」にしろ、
    朝起きたら当然女になっていた「悪夢じゃなかった?」にしろ、一見コミカルで笑えるけど女性として生きる私たちの人生に確実に潜んでいる絶望をひしひしと感じました…。笑
    悪夢じゃなかった?なんかは女性であることの不憫さを気持ちがいいくらい投げつけてくるので、男性が読んだらふつうに恐怖を感じそう。もはやホラー。
    絶望の中にギリギリの、でもしっかりと希望を見出しているところが山内マリコさんの大好きなところだなと改めて思いました。

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    2018年08月23日
  • 2030年の旅

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    未来がどんなん?に興味があったのと、恩田陸につられて購入。
    いろんな作家の短編集なので、好き嫌いはあるかも知れないけど、
    恩田陸 逍遥
    支倉凍砂 AI情表現
    山内マリコ 五十歳
    喜田喜久 革命のメソッド
    が面白かった。

    2030年にもなって、ヘイSiriとか言ってるのは、かなり時代遅れらしいw

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    2017年11月29日
  • 皿洗いするの、どっち? 目指せ、家庭内男女平等!

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    ほぼ彼氏(夫)への愚痴なんだけど、わかる~っていうのが多くて、それだけで自分のストレスも発散できる感じ。
    軽快な文章でどんどん読めるし、すごく面白かった。
    初めて読んだけど、この方ってこういう文章を書く方だったのねぇ。。。
    他のも読んでみたくなった。


    結婚って、超ハッピー?それとも地獄?男の実態、女の言い分を30代女子の人気作家が痛快レポート!同棲→結婚でわかった、甘くて苦い男と女の真実。

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    2017年09月19日
  • 皿洗いするの、どっち? 目指せ、家庭内男女平等!

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    私は子どもが3人いるし、フルタイムで働いていないので、また違った状況ではあるけれど、共感できる部分が多々ありました!!

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    2017年04月21日
  • アズミ・ハルコは行方不明

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    閉塞感漂う地方都市に起こった小さい奇跡と大きな奇跡。男子は相も変わらずで、女子はやっぱり元気だという快作。
    デビュー作の『ここは退屈迎えに来て』の女性たちがどちらかというと受け身だったのに対して、本作に登場する女性たちは、希望を喪う寸前ながらも流されることなく本当の生き方を見つける。女神のような存在の今井さんの神々しさが眩しい。前作の椎名くんとの違いが面白い。

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    2015年12月10日
  • 選んだ孤独はよい孤独

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    当事者が書いたかと思うほど怖いリアルな物語たちだった。
    どろっとした生々しさではなく、なんとなくユーモラスさを感じるのが良い。
    特に好きなのは、「男子は街から出ない」「さよなら国立競技場」「ぼくは仕事ができない」「一九八九年から来た男」でした。

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    2025年12月04日
  • 選んだ孤独はよい孤独

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    短編でどれも主人公は男性。
    男性も女性も生きづらさを抱えているが、それを男性側から見た話。

    p179「写真はあればあるだけよい。」
    写真を撮るのも写るのも嫌いな私。
    親しい存在を亡くす前に、知りたかった
    自分の記憶がどれだけ曖昧で、いい加減なものか。
    写真で残すことの重要さを。
    私の家にもニコンがいてくれれば良かったのに…

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    2025年12月04日
  • ここは退屈迎えに来て

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    ロードサイド小説、というものを意識して読んだことがなかったけれど、あまりの解像度の高さにグサグサ刺されながら読んだ。
    地元の、大きな国道に家電量販店やニトリやファミレスが並ぶあの光景が眼前に蘇る。

    少し車を走らせればなんでも揃っている、けれども退屈。じゃあ都会に行けば全てが叶うのかと言われればそうでもなくてみじめな思いをすることもある。自分が生きていく街、生き方を模索しながら24号線に思いを馳せる。

    この本を読まなかったら絶対思い出さなかったであろう記憶がわんさか出てきて、退屈だと感じていたあの頃あの場所も案外悪くなかったな、と思った。地方で育ち東京で働き、これからまた地方都市に戻ろうとし

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    2025年12月02日
  • 一心同体だった

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    『「選ばれる側から選ぶ側」へ廻ろう。』
    女性だからこそ自立することの大切さ。女性ならではの嫌なところもいっぱい詰まってるけど、ハッとさせられる文章もたくさんあった。

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    2025年11月28日
  • New Manual

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    めちゃくちゃオシャレな一冊。目が眩むような。読んでてテンション上がる。アンソロジーとあるけど雑誌みたい。写真も文章も装丁も、完成度高すぎた。

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    2025年11月26日
  • 選んだ孤独はよい孤独

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    山内マリコさんの本初めて読んだけど面白かった!
    全部男性目線で物語が進んでいくけど、著者女性だよね?ってなるほど男性社会の解像度が高くて凄い…

    『心が動いた瞬間、シャッタを切る』好きでした
    あと個人的に最後の一文グサっときた

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    2025年11月23日
  • あのこは貴族

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    読む前は東京育ちの女性と田舎育ちの女性の恋愛中心の物語かと思っていたのですが、実際は違いました。

    東京育ちの華子は、世間知らずで良くいえば箱入り、悪くいえばずっとぬるま湯に浸かり続けている人生で、自分というものがあまり無く、その言動に共感出来ず、一方の田舎育ちで上京してきた美紀は、苦労人だったが故にしっかりしていて、美紀の言うことは共感出来ることが多かったです。
    物語も、このまま終わるのかと思いきや、意外な華子の決断によって、思わぬ展開へ。

    最終的には、二人とも自立した素敵な女性になっていったので、読後感はすごく良かったです。

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    2025年11月10日
  • 世界は団地でできている 映画のなかの集合住宅70年史

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    映画で描かれた団地から集合住宅の歴史を語る。日本映画の巨匠からアニメ映画までジャンルは幅広い。否定的な見方もあれば、団地で生まれ育った人ならではの視点など多様な解釈。
    本書はライブトークが元ネタという。同好の士が集まったマニアックなおしゃべりから広がった団地の歴史。

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    2025年10月29日
  • あのこは貴族

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    ネタバレ

    まず、私はどちらかと言わなくても美紀側の人間です。
    閉塞感のある田舎が嫌になり、東京に憧れて出てきたのが何年前か…。
    なんとか東京にしがみついていたい、そんな気持ちがわかる、わかる。
    華子たちの何気ない言葉にグサリときたり。

    華子や幸一郎のような恵まれた家に生まれた人はいいな〜と思う反面、読み進めていくうちに息苦しさみたいなものも感じていたので
    終盤で美紀が自分が部外者であることに自由を感じているのが、なんだかすごくしっくりきた。

    といっても、東京で実際に生活してみないとわからなかったことだとは思うけど。

    華子に対しては、大事にされるのが当たり前で自主性のないところが何だかなぁと思ってい

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    2025年10月29日
  • あのこは貴族

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    金持ちは金持ちで大変なんだなー。
    青木は嫌いだな。
    ちょっとでも華子のような人生を生きてみたいよ。
    お金があってなんぼだよな、この世は。

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    2025年10月18日
  • ここは退屈迎えに来て

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    ネタバレ

    リア充は地方でも退屈しない
    地方にいて日常に退屈を求める女の子たちの話

    都会にいて仕事していたら
    日本じゃないどこかの国にいきたくなったりするのと同じなのかなあ

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    2025年10月09日
  • 一心同体だった

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    育休中で、ふと昔の友達を思い出す機会があり、そこで出会った本。物語を通して感じたのは女友達って実は自分が思っているよりドライなのかな〜ってこと。
    大学生の頃は「男は一瞬、女友達は一生だよね!」なんて言って、友達と絆を確かめあったりしていたあの日々。その友達とは今はすっかり疎遠…

    でも、本のラストにもあったが、女友達とはその時その時を一緒に乗り越えてきたって事実はある。それは忘れないし、忘れたくない。

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    2025年09月28日
  • ここは退屈迎えに来て

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    8話の短編で各話主人公は違うが、同じ世界で登場人物達が繋がっている。1話進むごとに少しずつ過去に戻る構成が面白い。

    地方で育ち、都会に憧れて出ていった私には他人事と思えない話が多かった。

    「田舎が嫌いだけど、都会にも馴染めなかった」
    この人たちの居場所ってどこなんだろう。自分もどこかで諦めて地元に戻っていたらこうなっていたのかな?と考えさせられた。

    だけど、Uターンすることなく都会で暮らし続ける私からすれば「迎えに来て」と受け身な考えをする人は絶対都会には合わない。そんなモヤモヤがこの作品の面白さだったのかもしれない。


    地方都市で暮らす人達の心情がすごくリアルで刺さった。山内マリコさ

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    2025年09月26日
  • 一心同体だった

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    ネタバレ

    花いちもんめとか体育の時間のペアを組みましょうはすごく苦手だった。だって私も選ぶ側ではなく、選ばれる側だったから。
    学生時代それぞれ楽しかったはずだけど、今でも繋がってる人って片手で数えられるくらい。
    みんなどこに行ったのだろうか。
    小学生の時はフルネームで親に紹介していたな。

    女性は差別される側だと書かれていたけど、それでも自分の人生を諦めたくない。
    仕事も頑張りたいし、子育ても頑張りたい。

    登場人物がリレーのようにお話を紡いでいって、最後元に戻ってきたと分かった時はすごくすかっとした気持ちになった。

    各年代で共感ポイント多すぎるし、年代や人によって書き方が違っているのももっと読みたい

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    2025年09月21日