山内マリコのレビュー一覧
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心のコアな部分が抉られまくった、締め付けられた。
自分じゃ言葉に出来なかった自分の心を言語化してくれてるような本だった。
『昔は繊細すぎて生きることにいつも疲れていたし、神経が過敏で人づきあいの幅が極端に狭かった。音楽に頼ってイヤホンなしでは外を歩けず、友達にしょっちゅう長い手紙のようなメールを送っていた。永すぎた思春期を漫然と引きずる、あれが自分だと思っていたけど、その自分はもうどこにもいない。あの子たちの側から、もっと世慣れた大人のフェーズに、いつの間にかスライドしていたのでした。』
いまの自分の人生、たのしくはあるけど結構生きるすべてがつらくて泣きたくなることだらけだけど、いつの間にか大人のフェーズにスライド出来るのかなー。
中学生の頃の自分を慰めてあげられた22歳の自分みたいに、30歳の自分が22歳の自分をなぐさめてあげてほしい。帰り道の自転車で深夜高速やマイラークを聴いて泣きながら帰った日々たちを、この辛くて苦しむ日々さえも愛おしく思いたいからとにかくひたむきに懸命に、なんのために生まれてきたのかを一通り試してみる時間を、もう若くないと思えるようになるまでつづけてみよう。 -
Posted by ブクログ
あの頃は親友だった、今はもう会うことのできない子達を何人も思い出した。
女性同士の友情をテーマに、10歳から40歳までを、各話で主人公を変えるリレー形式で描いた本作。前の話で最高潮に達した友情が、時間が経過した次の話ではあっさり下降していくのが現実的すぎる。ライフステージの変化とともに価値観がずれ、心が離れていくことは、避けられないけど寂しい。
だけど本作で描かれる友情のきらめきは、同じ形を保てなくなっても、あのときお互いが大切だったこと、一緒に過ごした時間が尊かったことに変わりはないのだと教えてくれる。これからも大切な人との別れや新たな出会いを繰り返して老いていく自分の人生で、どんな変化があっても大丈夫と思わせてくれる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
これ私が書いたっけ?!?!と錯覚するほどの共感の嵐だった。
結婚して約1年、20代最後の歳というこのタイミングで読むことができてほんとうによかった。これからの人生のバイブルになること必至。
そうなんだよな~~結婚して幸せが2倍になるのはその通りなんだけど、人間がひとり増えることで、ストレスも必ずや発生する。それがどんなに好きな人であろうと避けられない。相手と衝突することを厭わず、ひとつひとつ丁寧に解決してきたマリコさんのことを尊敬する。
とはいえ重い雰囲気はまったくなく、友達とカフェで長々としゃべり続けるような気軽さで、読み物としても心から楽しめた。きっとチチモがいたことも夫婦関係にいい影響をもたらしていたんだろうな。私もこうして穏やかに、でも強かに生きていきたい。 -
Posted by ブクログ
親の期待を背負って地方から東京の大学に進学したものの、コロナ禍で大学の2年間を棒に振り、それでもゼミでマリリンモンローのセックスシンボルとしてのイメージと本人の実際の行動から紐解いたフェミニストアイコンとしての人物像を紐解く研究をしていく。
後半は主人公杏奈の研究内容と、現実の大学生活と行き来する形で書かれて、興味のある分野だったので、とても面白かった。
特に印象に残った描写を記録のために2つ
▪️新木流星に強くつっこまれ、瀬戸杏奈は首をすくめて照れたように誤魔化し笑いをした。おかげで場の空気は、ほのぼのと和らいだものになった。
それを見て松島瑛子(2人のゼミの先生)は、こんなことを思っている。
ああ、日本にいるの何気ない会話でも、女子はこうやって小さくバカにされて、そのたびに笑顔を見せながら、謝ったり遠慮したり譲ったり、させられるものなんだ。
そのわきまえた仕草は骨にまで染み付いていて、女の子たちを知らず知らず侵食していく。女の子たちはおとなしくなっていく。飼い殺されていく。自信なんか持てるはずない。傍からみていてとても苦しそうなのに、苦しいことすら自覚できていない。….. (単行本P199)
▪️(場面)ワーホリについて調べた杏奈がお母さんにワーホリに行きたいと相談し、自分でできる限り調べて希望の持てる方法としてそうしたいと思っていることがわかった時、そして、自分でお金を貯めて自立しようとしていることがわかった時、援助はすると伝えるのと合わせて言った言葉。
「杏奈に、東京の大学に行きたかったけど親に反対されたこと、よく話してたじゃない?それをあんなが叶えてくれて嬉しかったよ。けど、もしそれが、重荷になってたら、ごめんね」
「杏奈には自立してほしい。でも人が自立するには、ものすごくたくさん、時間もお金もかかるものなの。杏奈はまだ、時間とお金をかけてもいい歳だよ。だってまだ子供だもん」(単行本P218〜) -
Posted by ブクログ
人生の節々に落としてきたときめきや諦めは今も手を伸ばせば拾える距離にあるのだと、そのどれもが私の欠片となる宝物なのだと思い出させてくれた。
特に青木さんのエピソードは自分の高校時代に感じていたシスターフッドが瞬間解凍されたように蘇ってきて泣いてしまった、純粋な友情の中にいた自分が好きだった、そのことを忘れていた。
今20歳なので25歳以降のエピソード怖すぎた。
閉塞的な田舎で生きる女性の緩やかな絶望と色彩を失い誰かのものになっていく人生を書くのが上手すぎる、その中で抗う姿に心打たれた。
リレー構造が女性の自由を求めて戦ってきた人々が世代を超えて渡してきたバトンのモチーフであると気付き見事だと感心した。
あの子は貴族、も買ってみた。映画が有名なのは知ってたけど最初に触れるのは原作で!って決めてたんだ、今がその時おんぷ(絵文字が使えない) 二章目あたりで私の好きな作家リストに山内まりこがダイブしてきたけどその中でも特に文章が上手いように感じる、構造も面白いし総合点が高い -
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大山 顕 佐藤 大 速水 健朗 稲田 豊史 山内 マリコ 妹尾 朝子
何だか怪しいタイトルで期待してなかったんだけど、
面白かった。深かった。
日本の経済成長の歴史の縮図に、団地がある。
都市に人口が集中し、住まいが不足し、山を切り開き、
団地ができる。
そこに住むのは若い夫婦と子供が二人。
いまだにこの4人家族を標準家族と思っている人がいるのはこのせいか。
夫は仕事に出、妻は家を守る。団地を守る。
もて余す時間が「団地妻 昼下がりの情事」へと発展する。
女を縛る団地。
団地住まいの子はやばい、という言説も生まれる。
そして団地ができて50年、今や団地は独居老人の終の棲家、、、
大雑把に言えばそんな流れを、
多くの映画に団地が取り上げられていることから話を膨らませる。
家族ゲーム、ヱヴァンゲリヲン、小津作品、下町の太陽、
藤子不二雄は団地に否定的だったり、
ジブリの「平成狸合戦ぽんぽこ」と「耳をすませば」が
団地に対して両極端な見方をしていたり。
さらにNHKBSの「団地のふたり」まで。
団地の取り上げられ方は様々。
住まいの影響は大きいよなあ、、、
私自身は団地に住んだことはない。
物心ついたころから一軒家。近所に「公団」があったっけ。
建て直しの時だけアパート住まいだったな。あと赴任時代か。
そして最近のドラマでは
「しあわせは食べて寝て待て」がよかったな。
団地も肯定的な扱いだった。
この本はなぜかとりあげてないけど。
いずれにしても「日本」の縮図になっていた。
楽しく読めた。
序章 団地の誕生
第一部 団地はなにを映してきたか?
第一章 団地映画の誕生と高度経済成長の終焉 1961年~
第二章 社会のダークサイドの象徴として 1978年〜
第三章 団地ルネッサンスの夜明け 1994年〜
第四章 アフター『団地ともお』の世界線で 2003年~
コラム1 団地と「地霊」の物語 大山顕
第二部 団地はなにを作ってきたか?
第五章 団地と女の60年
コラム2 「団地」もまた物語を産み出す「場」――「侵入」と「脱出」 佐藤大
コラム3 漫画「団地で育ったヤバい私」 妹尾朝子 (うめ)
第六章 なぜ世界的映画監督は団地で映画を撮るのか