山内マリコのレビュー一覧
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「古い価値観・固定化されたイメージからの脱却を促す力が小説という形を通して自然と湧き上がってくる」と思った小説
内容は、コロナ禍に見舞われた大学生活の中、孤独を感じていた杏奈がとあるきっかけによってマリリンモンローという人間について触れていく話。
"マリリンモンローが時々でアドバイスをして、現代に生きる悩める学生を導いていく"、そんな展開になるのだと読む前は勝手に想像していたのだが、主人公である杏奈が実際にマリリンと会話をしているかのようなシーンはほんのわずかだったのは意外だった。しかしそのちょっとした出来事がきっかけで、パブリックイメージとしてのマリリンではなく、一人 -
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ネタバレ◾️record memo
人間は、男らしさも女らしさもひっくるめて持っているものです。自分にとって自然な、男らしさ・女らしさのバランスが、「自分らしさ」ってことなんでしょうね。
いずれにせよ大事なのは、他人が自分をどう思っているかじゃなくて、自分が自分をどう思っているか。自分で自分を「いいね!」と思える、それがなにより最高で、最強です。
わたしも20代の渦中にいたときは、けっこうギスギスした気持ちでした。若さは重荷でしかなかった。若さを目いっぱい謳歌しなきゃいけない、そんなプレッシャーと、そうはできていない現実とに、常に引き裂かれているような感じで。しょっちゅう、すねたような、やさぐれ -
Posted by ブクログ
ネタバレホンマもんのお金持ちってこうなんだ。
ナチュラルにおばあちゃま呼び、、
私は華子でも美紀でもないけど、理解できたのは美紀のほう。
学校の日吉も住んでる新丸子も「東京」ではないんだけどさ。それは置いといて。
慶應行けたのに家の事情でバイト詰めになって、結局はそっちに流れ着いてしまう、
たくさん努力してきたのに、お金によって未来が変えられてしまった、、夢もあったのに。違う未来があったのかなと思うと切ない。
そんな子がいる一方で、生まれた時からお金持ちで、狭い世界で生きすぎてて悪気もなく視野が狭い、仕事を辞めてもなんの不自由もないような子には正直イライラしか感じなかったけど、
これはこれで苦労が -
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・「女のあるある100連発」って感じで面白かった!けどちゃんと、あるあるの列挙に終わらずに物語に引き込んでいるのが最高に良かった
・東京 だけが女性の住みやすい場所になって良いのかという疑問
=(「逃亡するガール」の言葉を用いるなら)「逃亡先」が東京しかないって、あまりにも窮屈すぎないか
・ニコイチじゃない、友情のあり方ってどうすれば良いんだろう、親密な関係てありえないのかな??
・女友達はその子の人生にはすべてのっかれない(結婚制度という基盤をもつ夫の代わりにはなり得ないので)てやつ、そしたらどんな場合ならその子の人生にのっかれるのかな?例えばセクシュアリティが同じもの同士しか一緒に住めな -
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登場人物たちほどの田舎に住んでいる訳では無いけれど、神奈川の、閉塞感のある街でわたしは十九年間生きている。かつて浴びせられた暴言と行動を無かったことにできるほど強くはなれなくって、愛憎混じる感情を地元に向けて抱えている。そんなわたしに気付きもしない小・中学校の同級生たちは今日も楽しく地元の人間と遊んでいる。当たり前に、限界を知って、その絶望から来る地獄に落ちなければ、自分の住む町への憎悪というものは生まれない。きっとわたしにも悪いところはあった、でも、どうしてこんなにもつらい思いをしなきゃあいけないの?時折、本当の自分を許容してくれる世界に飛び込まないと、頭がどうにかなりそうなのは今も変わらな
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買い物がしたくなる本。
試着の時は良くても改めて履くとなんか違うジーパンなど、読んでいてわかるわかる、という気持ちになる。
連載を文庫化しているため、一つの章が短く読みやすい。
よく旧Twitterなどで流れてくるwhat’s in my bagなどを見るのが好きな私にとっては、他人のお気に入りのものを背景も含めて知るのはとても楽しい。私自身が買って良かったものってなんだろうと思った。
年末ということもあり、断捨離しながら必要なものについて整理して書いていくのもよさそう。
気になって調べたが、ナオト・インティライミみたいな名前のランジェリーブランド「シュット!インティメイツ」は2024年 -
Posted by ブクログ
ネタバレ◾️record memo
いつか社会と折り合いをつけなきゃいけない日が来るかもしれないけど、できるだけ抗って生きてくれ。
30代からの買い物テーマ、値は張るけどいいものをちょっとずつ買い集めていくのは、とても楽しい。
この5000円はときめき代だ。
あれから3年、わたしは変わった。一日の大半をパソコンに向かって仕事する、働く女性になったのだ。
なぜ急にオーガニックに凝るようになったかというと、これはおそらく、原始的にできているわたしのヤワな体が、男性仕様のタフな社会に適応して働くうちに、自然を欲するようになったんじゃないかと分析している。たとえるなら、シベリアンハスキーや土佐犬向け -
Posted by ブクログ
読んで良かった…。
コロナ禍。時代も国も越えて、あのマリリン・モンローと電話で語り合う大学生の杏奈。セックス・シンボルにもなっているマリリンの本当の姿は?
ジェンダー社会論のゼミに所属する杏奈の日々を描きながら、マリリン・モンローという女性を通してフェミニズムについて描かれています。
物語を通して、男性優位社会での女性を取り巻く問題が浮き彫りになっていく。
ゼミでの議論シーンや杏奈の思考に、共感が止まらない!
コロナ禍の入学と学校生活、修論、就活。
不器用ながらも一歩一歩ゆっくり成長していく杏奈と、一緒にいるような感覚。
マリリン・モンローについて描写は、新鮮な気持ちで驚きとともに読みま