【感想・ネタバレ】マリリン・トールド・ミーのレビュー

あらすじ

友達なし、恋人なし、お金なし。上京直後にコロナ禍に見舞われた大学生・瀬戸杏奈。孤独を募らせる彼女のもとに、ある夜、伝説の大女優から電話がかかってきて――。運命突破系青春小説!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

うう~、いい小説だった。ずっと泣きそうになりながら読んでいた。
コロナ禍で大学生になった女の子のもとにある夜、あの「マリリン・モンロー」から電話がかかってくる。
最初は戸惑いながらも、少しずつマリリンとのおしゃべりを楽しめるようになる主人公と、イメージとは違う、静かで少し茶目っ気のあるモンローとのやわらかなやりとりがとてもよかったし、ずっと男によって作られたイメージ、男によって語られてきたマリリンが本当はどんな女声だったのか、生きていたらどんな俳優になって、どんな生き方をしていたのか。
もしかして彼女こそがフェミニズムの先駆者なのではないか。ずっと口を塞がれてきたマリリン・モンローに主人公が懸命に手を伸ばして、現代にも存在する女性差別に気づいていく話はあたたかさと甘さがあると同時に爽快で、あまりこういう読み味になる小説はなかった気がする。
マリリン・モンローのイメージがどれだけ彼女の実在からかけ離れていたのか、彼女が受けた屈辱を想像し、掘り返し、もっとあなたのことを教えて、私に伝えてという感情が行間からにじみ出る。『マリリン・トールド・ミー』。
同じように男に口を塞がれ、勝手なイメージを流布された女性はマリリンだけではない。今語られている彼女たちの姿は誰か物語ってきたのか。何が伝わり、何が伝わっていないのか。彼女たちの周囲にいた女性はどんな関係を築いていたのか。
問い直し、語り直されてほしい女性たちがいっぱいいる。

0
2026年08月01日

Posted by ブクログ

山内マリコは相変わらずいい話を書くなぁ
そして私も頑張ろうと思わせてくれる

マリリンがじつは真面目で繊細で頑張り屋だったことは今日ではけっこう知られていることだし、もっと知られててもいい

0
2026年05月13日

Posted by ブクログ

親の期待を背負って地方から東京の大学に進学したものの、コロナ禍で大学の2年間を棒に振り、それでもゼミでマリリンモンローのセックスシンボルとしてのイメージと本人の実際の行動から紐解いたフェミニストアイコンとしての人物像を紐解く研究をしていく。

後半は主人公杏奈の研究内容と、現実の大学生活と行き来する形で書かれて、興味のある分野だったので、とても面白かった。

特に印象に残った描写を記録のために2つ
▪️新木流星に強くつっこまれ、瀬戸杏奈は首をすくめて照れたように誤魔化し笑いをした。おかげで場の空気は、ほのぼのと和らいだものになった。
それを見て松島瑛子(2人のゼミの先生)は、こんなことを思っている。
ああ、日本にいるの何気ない会話でも、女子はこうやって小さくバカにされて、そのたびに笑顔を見せながら、謝ったり遠慮したり譲ったり、させられるものなんだ。
そのわきまえた仕草は骨にまで染み付いていて、女の子たちを知らず知らず侵食していく。女の子たちはおとなしくなっていく。飼い殺されていく。自信なんか持てるはずない。傍からみていてとても苦しそうなのに、苦しいことすら自覚できていない。….. (単行本P199)

▪️(場面)ワーホリについて調べた杏奈がお母さんにワーホリに行きたいと相談し、自分でできる限り調べて希望の持てる方法としてそうしたいと思っていることがわかった時、そして、自分でお金を貯めて自立しようとしていることがわかった時、援助はすると伝えるのと合わせて言った言葉。
「杏奈に、東京の大学に行きたかったけど親に反対されたこと、よく話してたじゃない?それをあんなが叶えてくれて嬉しかったよ。けど、もしそれが、重荷になってたら、ごめんね」
「杏奈には自立してほしい。でも人が自立するには、ものすごくたくさん、時間もお金もかかるものなの。杏奈はまだ、時間とお金をかけてもいい歳だよ。だってまだ子供だもん」(単行本P218〜)

0
2025年12月23日

Posted by ブクログ

コロナ禍で大学生活を送った身としては大共感したし後半にかけてぐんぐん良すぎて夜更かしして読んでしまった

0
2025年12月09日

Posted by ブクログ

「古い価値観・固定化されたイメージからの脱却を促す力が小説という形を通して自然と湧き上がってくる」と思った小説

内容は、コロナ禍に見舞われた大学生活の中、孤独を感じていた杏奈がとあるきっかけによってマリリンモンローという人間について触れていく話。

"マリリンモンローが時々でアドバイスをして、現代に生きる悩める学生を導いていく"、そんな展開になるのだと読む前は勝手に想像していたのだが、主人公である杏奈が実際にマリリンと会話をしているかのようなシーンはほんのわずかだったのは意外だった。しかしそのちょっとした出来事がきっかけで、パブリックイメージとしてのマリリンではなく、一人の人間としてのマリリンのことを自分自身で調べてどんどん知るようになり、言葉は交わせないが、まさに時代を超越したシスターフッドものの連帯感を味わうことができる。

コロナ禍を描いた小説としても読みごたえがあり、大学の様子やマスクなどの細かい描写、1年目、2年目とコロナ禍の様相が激しく変化していく中で杏奈が感じていることなど、あの時代・あの世代が奥底に詰め込んでいた違和感を一つひとつ実感のこもった文章で書かれているのが良かった。

私自身もマリリンモンローについては勝手に抱いていたパブリックイメージの印象で止まっていて、彼女の人生について調べようともしなかったので、まさに杏奈が電話で話した出来事のようなマリリンを知るきっかけがこの小説になった。古い価値観からの脱却、かつて低評価に甘んじてきた人々に新たな視点を与えることの大切さに気付かされる小説としてもたくさんの人に読んでもらいたいと感じた。

0
2025年07月06日

Posted by ブクログ

・すんげえ良かった。
・特に前半のコロナ下の生活の様子。そうだった。こんなだった。こんな気持ちだった。自分はもう働いていたけど。よるべない夜に可愛い固定電話でマリリンと話す主人公の様子に涙が出そうになった。
・後半のそれこそ時代を超えて女性が共闘していこうとする様子にも胸が熱くなった。
・「ラスト・ナイト・イン・ソーホー」の一場面を思い出したり。

0
2024年12月21日

Posted by ブクログ

自身のジェンダー感を上書きできた気がする。

母、ジェンダー学の先生、脇を固める登場人物もよかった。

0
2024年12月17日

Posted by ブクログ

コロナについて書かれた本で、今まで読んだ中で一番リアリティがあった。
主人公の大学生もめっちゃリアル。
マリリンモンローの再解釈という論文もよく書けてたし、担当教員はさぞや嬉しかったろう、と感情移入。
閉塞感漂う日本だけど、大学生、優しい子多いよね。みんな幸せになってほしい。

0
2024年12月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

仕事を得たくてセックスの求めに応じた女性を非難するのではなく、セックスを要求する権力者男性にこそ非があるのだから。

という部分、ほんとそれ!

0
2024年10月30日

Posted by ブクログ

コロナの学生と、マリリンモンロー、なぜこの組み合わせにしたんだろう?全体的にスルスルと読めた

私は女性だけど、フェミニズムの本質を正しく理解できてるのかわからないし、距離感ってとても難しい。
女性だから悔しいこともあったけど、
女性だからこその幸せもたくさんある。

#metooを題材とした映画があったのを思い出したので見てみることにした!

0
2026年08月23日

Posted by ブクログ

マリリンモンローと電話が繋がるっていうあらすじだから、もっとファンタジーで可愛らしい物語だと思ってたら全然違った。

立派なフェミニズム小説だし、しっかりゼミの討論のシーンが描かれていて実際にそこに私も出席してる気分だった。卒論もすごく興味深く読んだ。
今の大学生ってこんなしっかり考えてるのかな。私が学生の時はサボりまくってたから恥ずかしい。
また学生をやりたくなった。

0
2026年07月30日

Posted by ブクログ

全体的にフェミニズムをテーマにした話。

マリリンという一人の女性について知ることができて、特に卒論の内容も面白くて、読み応えがあった。自分の卒業論文ももっと真剣に、取り組むべきだったのではないかと少し反省。笑

恥ずかしながら、マリリンがセックスシンボルとして認識されていたことをこれまでよく知らなかった。けど振り返ってみると、大学の講義でそのように紹介されていたような気もする…

私自身も、高校の終わりと大学の始まりをコロナ禍の中で迎えた。あの時は閉塞感あって息苦しい時間だったけど今振り返るとあの時間も一つの思い出かも。

修学旅行とかいろんなイベントがなくなって、本来であれば当たり前に経験できたはずのことができなかった。そうした学生に対して、国としてもう少し補償や配慮があってもよかったのではないがなって改めて思った。

0
2026年04月25日

Posted by ブクログ

いや、これは素晴らしい!
思わず読み終わってから本に向かって拍手してしまいました!
コロナ禍の大学生のドキュメンタリーとしても価値ある一冊!

0
2025年08月27日

Posted by ブクログ

タイトルとあらすじから、少女漫画のような話かなと思っていたが(ミルモでポン的な…)、良い意味で裏切られました。
コロナ禍で過ごす大学生活は本書に書かれていること以上に大変なこともあったでしょう。
杏奈がこれから先、人との関わりから得られる経験を存分に得ることを祈ります。
ご多分に漏れず私もマリリンのことは知っているけどご本人がどのような人物だったか知りませんでした。現代の価値観で再評価される人物、作家にも言えるところがちょっと皮肉ですね(著者はそんなつもりで書いてないかもだけど)。
あと杏奈のママがすんごい良いママ。

0
2025年08月16日

Posted by ブクログ


マリリン・モンローを題材とした、フェミニズム・フェミニスト?をテーマにした本。
最後までずっとマリリンと電話するのかな?と思いきや、電話しておしゃべりしたのは最初だけで、後は杏奈ちゃんの大学生活を通してマリリンの生涯を見るという感じでした。
マリリンとの“相互理解”で緩やかに成長していく杏奈ちゃんの姿は、まさに松島先生がいっていた大学生なんだなぁと。今まで読んだことのない分類の本で、新鮮でした!

0
2024年11月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コロナ禍に大学入学のために上京し、一人暮らしを始めた女子大生のもとに、ある日マリリン・モンローから電話がかかってきて……というお話。
あらすじを読んだ時点では、もっとマリリンとの交流がメインで描かれるのかなと思っていけど、いい意味で裏切られた!
主人公の杏奈が所属するジェンダー論ゼミでのやりとりがとても解像度が高く描かれていて、一緒に授業に参加してるような気分で読めた。
ゼミの学生もさまざまな性別や年代の人がいて、それぞれの立場からの意見が描かれているのもとてもおもしろく読めた。
私自身はジェンダー論に関心があるほうなのでこの本を手に取ったけれど、知識がない人が読んでも学生たちと一緒に疑問に向かうことができて、とてもいいのではと思った。

0
2024年11月18日

Posted by ブクログ

フェミニストとは。
現代の問題とマリリンが立ち向かっていた問題がリンクして、とても面白かった。
コロナ禍の葛藤や寂しさ、窮屈さを抱えてながら誰しもあの頃を過ごしていたな。。。と改めて思い出させてくれた。
強い女性は素敵だと思えた希望ある本

0
2024年10月28日

Posted by ブクログ

とても読みやすい文章でした。
フェミニズムの本。
マリリンモンローについても興味が湧いてくる。
こんなに立派な文章が書ける大学生と自分の文章力のなさを比べてちょっと凹みました笑
大学生って皆こんな感じなんですか?強いですね。

0
2024年10月26日

Posted by ブクログ

山内マリコ先生さすがです…
今作もとってもよかった…

表紙かわいい〜!タイトルおしゃれ〜!大学生の青春小説か〜!!と思って軽い気持ちで手に取ったけど、予想に反して超社会派の作品でした
「あの子は貴族」の時も思ったけど、山内マリコの作品は「女の子頑張れ」っていうメッセージ性が強い気がする
(マリコさん自身がジェンダーやフェミニズムに関心のある人なのかな?)
で、それを女の子が女の子に言ってるイメージ
なんだか女子大にいたあの頃の感覚を思い出す

コロナ初年度、主人公:杏奈は大学最初の年だったわけですが、私は大学最後の年でした
おかげで就活が全部一旦止まったり卒業旅行ができなかったりという負の側面はもちろんあったけど、片道1時間半超えのゼミや就活がオンラインで済んで、私はそれを恩恵だと捉えてた
そう思うと、大学1年生だった子達の方が私達よりもずっとグロかったんだなあと自分のコロナ初年度と比較しながら読む面白さもあった
230ページを使って杏奈の大学生活4年間を綴った物語りなのに、コロナにごっそり潰された大学1〜2年生の期間がたった50ページしかないのが空白だったその期間を如実に表してると思った

0
2026年09月08日

Posted by ブクログ

自分だったら…と投影せずにはいられない話でした。
ゼミのテーマが似ていたからかな。大学生活を思い出したりして。

ただ、違うのは、コロナ禍であるということ。無かったことにされる空白の2年。
あの時、私は3人家族で、不安も3倍だったけれどステイホームは心強かった。
ふと思い出したのは、一人暮らし初めての冬にインフルエンザに罹ったこと。コロナ禍は、その比じゃない孤独だろう。

女性の生き方、日本の在り方。

0
2025年10月28日

Posted by ブクログ

問題提起やその理解を深める作業において、かなりリアルでアグレッシブだったのに、結論がワーホリ、、、?ってなってしまった。

0
2025年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コロナ禍で人との出会いとか学びの選択肢とか人生の貴重な時間にぽっかり穴が空いたような感覚は自分も同じく持っていたものだから杏奈に共感した。
マリリンモンローのこと 全然知らなかったのでマリリンの人生を杏奈を通して少しだけ知ることができて面白かった。最近SHE SAIDを観たのでハリウッドや映画界に蔓延っていた抑圧や女性差別的なことと結びつきながら読めたし、本当にまだまだ社会って変わってないなーってつらかった。杏奈の卒論研究の準備の段階とかで同い年や先輩後輩との議論の場面、こういう活発な意見交換とか自分の考えをしっかり持っている学生のことが羨ましい。わたしはなんとなくずっと怒っててでも知識とか何にもなくてこうやってディベートできる人すごいなって思った。杏奈も本当にすごいよ。

杏奈の母が杏奈のことをちゃんと思って考えてくれる人でよかったし、松島先生があえて生徒と距離を置くことができる大人だったのがよかった。杏奈が新木流星に強めにツッコまれて誤魔化し笑いをしたところで「女の子はこうやって小さく馬鹿にされて、そのたびに笑顔を見せながら、謝ったり遠慮したり譲ったり、させられるものなんだ。」「そのわきまえた仕草は骨にまで染みていて、女の子たちを知らず知らず侵食していく。」ということを先生が思っている場面が印象的だった。小さなことでもそうやって女の子はバカにされても許されるような雰囲気が今でもずっと残っていることを示唆していて胸が苦しくなった。

0
2025年05月25日

Posted by ブクログ

コロナ禍で大学生をスタートさせた瀬戸杏奈。対面授業はなし、オンラインばかり…思い描いていた大学生活とは程遠い。先が見えない生活の中、いきなりマリリンモンローから電話がかかってくる…

0
2025年05月24日

Posted by ブクログ

物語はこれから大学の新生活スタート!と同時にコロナ禍に…確かに、あの頃は色々と制限され、惰性やモヤモヤした気持ちに共感。
そんな中、マリリン•モンローとどのように結びつくのか?と思いながらも、ファンタジー要素がありつつ、彼女の生い立ち、時代背景などについて改めて考えさせられた。

0
2025年05月22日

Posted by ブクログ

コロナ禍とフェミニズムが合わさったテーマ。主人公のようにコロナ禍に翻弄された大学生はたくさんいるんだろうな…悩みながらも卒論に打ち込み最後は自信を持って進路を決められたのがよかった。マリリンの生い立ちもこの小説で初めて知った。

0
2025年05月16日

Posted by ブクログ

主人公は2020年春に大学に入学した女性。読み始めは、あらゆる活動を制限された大学生活を送る主人公の孤立感や息苦しさを扱った作品だと思っていた。途中から、女性差別の問題について、マリリンと共闘しているような話になった。マリリンと電話で話さなくなってからは少し退屈だったけど、主人公が成長したってことかな。読後感は良い!表紙が可愛い!

0
2025年05月15日

Posted by ブクログ

マリリンモンローを題材にしたフェミニズム。
コロナ禍の大学生活はなんだかリアルで体験した世代はすごく刺さるんだろうなと思った。山内さんの実話ですか?って思うくらいリアル

0
2025年02月26日

Posted by ブクログ

コロナ禍の大学生、ゼミの雰囲気、卒論の進め方、何をとってもリアルで、山内マリコさん体験した!?と勘違いしそうだった。4年間を通していろんな会話と経験、そして学びを経て、自分の道を探して行こうとする主人公、杏奈。マリリンがジェンダー観のいいアクセントになっていたり、ゼミでの議論も本格的で、ジェンダー学の本としても優秀。

0
2025年01月07日

Posted by ブクログ

内容知らずに以前読んだ作品が面白かったので、別の作品も読んでみようとしたところ、マリリンモンローを通してのジェンダー問題。最近ジェンダーの作品多いな。自分が実際の生活している中で疑問にも思わずスルーしていることが、差別につながることもあるなあと、気付きも多くて勉強になった。

0
2025年01月02日

Posted by ブクログ

私が学生の頃は女性論と呼ばれていた。
今はジェンダー論と呼ばれいてる。
議論は盛んになり、意識は深くなっても、それは社会全体で見れば、ごく一部にとどまっている気がする。
私はこの小説をとてもよくまとまっていて、それこそジェンダー論の課題図書に推薦したいけど、読んだ人が同じ想いを抱くのかは自信がない。
作中、主人公杏奈のゼミの指導教官が学生へのはなむけに語る言葉に共感できるのは、ここまで生きてきて、いろんな想いを抱えてきたからだ。
ああ、もどかしい。
私自身も分かった気になってるだけで、視点を変えたら何一つ理解してなかったかも。
マリリン・モンローの描写と杏奈のママが語る部分にはっとさせられた。

0
2026年09月12日

「小説」ランキング