【感想・ネタバレ】マリリン・トールド・ミーのレビュー

あらすじ

友達なし、恋人なし、お金なし。上京直後にコロナ禍に見舞われた大学生・瀬戸杏奈。孤独を募らせる彼女のもとに、ある夜、伝説の大女優から電話がかかってきて――。運命突破系青春小説!

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Posted by ブクログ

「古い価値観・固定化されたイメージからの脱却を促す力が小説という形を通して自然と湧き上がってくる」と思った小説

内容は、コロナ禍に見舞われた大学生活の中、孤独を感じていた杏奈がとあるきっかけによってマリリンモンローという人間について触れていく話。

"マリリンモンローが時々でアドバイスをして、現代に生きる悩める学生を導いていく"、そんな展開になるのだと読む前は勝手に想像していたのだが、主人公である杏奈が実際にマリリンと会話をしているかのようなシーンはほんのわずかだったのは意外だった。しかしそのちょっとした出来事がきっかけで、パブリックイメージとしてのマリリンではなく、一人の人間としてのマリリンのことを自分自身で調べてどんどん知るようになり、言葉は交わせないが、まさに時代を超越したシスターフッドものの連帯感を味わうことができる。

コロナ禍を描いた小説としても読みごたえがあり、大学の様子やマスクなどの細かい描写、1年目、2年目とコロナ禍の様相が激しく変化していく中で杏奈が感じていることなど、あの時代・あの世代が奥底に詰め込んでいた違和感を一つひとつ実感のこもった文章で書かれているのが良かった。

私自身もマリリンモンローについては勝手に抱いていたパブリックイメージの印象で止まっていて、彼女の人生について調べようともしなかったので、まさに杏奈が電話で話した出来事のようなマリリンを知るきっかけがこの小説になった。古い価値観からの脱却、かつて低評価に甘んじてきた人々に新たな視点を与えることの大切さに気付かされる小説としてもたくさんの人に読んでもらいたいと感じた。

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2025年07月06日

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・すんげえ良かった。
・特に前半のコロナ下の生活の様子。そうだった。こんなだった。こんな気持ちだった。自分はもう働いていたけど。よるべない夜に可愛い固定電話でマリリンと話す主人公の様子に涙が出そうになった。
・後半のそれこそ時代を超えて女性が共闘していこうとする様子にも胸が熱くなった。
・「ラスト・ナイト・イン・ソーホー」の一場面を思い出したり。

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2024年12月21日

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自身のジェンダー感を上書きできた気がする。

母、ジェンダー学の先生、脇を固める登場人物もよかった。

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2024年12月17日

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コロナについて書かれた本で、今まで読んだ中で一番リアリティがあった。
主人公の大学生もめっちゃリアル。
マリリンモンローの再解釈という論文もよく書けてたし、担当教員はさぞや嬉しかったろう、と感情移入。
閉塞感漂う日本だけど、大学生、優しい子多いよね。みんな幸せになってほしい。

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2024年12月04日

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ネタバレ

仕事を得たくてセックスの求めに応じた女性を非難するのではなく、セックスを要求する権力者男性にこそ非があるのだから。

という部分、ほんとそれ!

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2024年10月30日

Posted by ブクログ

読んで良かった…。
コロナ禍。時代も国も越えて、あのマリリン・モンローと電話で語り合う大学生の杏奈。セックス・シンボルにもなっているマリリンの本当の姿は?

ジェンダー社会論のゼミに所属する杏奈の日々を描きながら、マリリン・モンローという女性を通してフェミニズムについて描かれています。

物語を通して、男性優位社会での女性を取り巻く問題が浮き彫りになっていく。
ゼミでの議論シーンや杏奈の思考に、共感が止まらない!

コロナ禍の入学と学校生活、修論、就活。
不器用ながらも一歩一歩ゆっくり成長していく杏奈と、一緒にいるような感覚。
マリリン・モンローについて描写は、新鮮な気持ちで驚きとともに読みました。

女性には共感性が高く刺さる作品だと思う。
これは多くの女性に読んでみてほしい。

『 Don't worry, you'll be fine !! 』
元気と勇気をもらえるストーリーでした。


『「減るもんじゃないし」という言葉で、女性は反論を封じられてしまう。だけどそれは減るのだ。男性たちの想像が及ばないレベルで。致命傷になるほど女性たちを損なうこともある、暴力なのだ。』

『ああ、日本にいると何気ない会話でも、女子はこうやって小さくバカにされて、このたびに笑顔を見せながら、謝ったり遠慮したり譲ったり、させられるものなんだ。(中略)女の子たちはおとなしくなっていく。飼い殺されていく。自信なんて持てるはずがない。』

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2024年10月07日

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いや、これは素晴らしい!
思わず読み終わってから本に向かって拍手してしまいました!
コロナ禍の大学生のドキュメンタリーとしても価値ある一冊!

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2025年08月27日

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タイトルとあらすじから、少女漫画のような話かなと思っていたが(ミルモでポン的な…)、良い意味で裏切られました。
コロナ禍で過ごす大学生活は本書に書かれていること以上に大変なこともあったでしょう。
杏奈がこれから先、人との関わりから得られる経験を存分に得ることを祈ります。
ご多分に漏れず私もマリリンのことは知っているけどご本人がどのような人物だったか知りませんでした。現代の価値観で再評価される人物、作家にも言えるところがちょっと皮肉ですね(著者はそんなつもりで書いてないかもだけど)。
あと杏奈のママがすんごい良いママ。

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2025年08月16日

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杏奈が飛行機乗ってるところで思いがけずすこし泣いちゃった。
去年でた本ですが、もしわたしが大学生のころ、もしくはコロナ期に出ていて読んでいたらエグい刺さりかたしていたと思う。それくらい孤独感や閉塞感、他人との距離をどうとっていいのかわからないことへのもどかしさとか悩みとかに身に覚えがあった。そのなかで出会った救いみたいなイマジナリーフレンド。
杏奈が話していたマリリンは過去からの霊的なものかもしれないし、孤独感がうみだしたタルパとかイマジナリーフレンドかもわからない。でもそれをきっかけに、マリリン・モンローの、ノーマ・ジーンの軌跡をつぶさに追いかけていく。
大学生たちがフェミニズムついていろいろ語らうところがとても好き。
もうマリリンから電話はかかってくることはないけれど、生きていくうちで杏奈は何度でもマリリンに出会うんだろうな〜。
はじめて読む著者だったんだけれど、とても読みやすくて他の本も読みたくなりました。
すごくよかった。

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2025年02月23日

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マリリン・モンローを題材とした、フェミニズム・フェミニスト?をテーマにした本。
最後までずっとマリリンと電話するのかな?と思いきや、電話しておしゃべりしたのは最初だけで、後は杏奈ちゃんの大学生活を通してマリリンの生涯を見るという感じでした。
マリリンとの“相互理解”で緩やかに成長していく杏奈ちゃんの姿は、まさに松島先生がいっていた大学生なんだなぁと。今まで読んだことのない分類の本で、新鮮でした!

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2024年11月26日

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ネタバレ

コロナ禍に大学入学のために上京し、一人暮らしを始めた女子大生のもとに、ある日マリリン・モンローから電話がかかってきて……というお話。
あらすじを読んだ時点では、もっとマリリンとの交流がメインで描かれるのかなと思っていけど、いい意味で裏切られた!
主人公の杏奈が所属するジェンダー論ゼミでのやりとりがとても解像度が高く描かれていて、一緒に授業に参加してるような気分で読めた。
ゼミの学生もさまざまな性別や年代の人がいて、それぞれの立場からの意見が描かれているのもとてもおもしろく読めた。
私自身はジェンダー論に関心があるほうなのでこの本を手に取ったけれど、知識がない人が読んでも学生たちと一緒に疑問に向かうことができて、とてもいいのではと思った。

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2024年11月18日

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フェミニストとは。
現代の問題とマリリンが立ち向かっていた問題がリンクして、とても面白かった。
コロナ禍の葛藤や寂しさ、窮屈さを抱えてながら誰しもあの頃を過ごしていたな。。。と改めて思い出させてくれた。
強い女性は素敵だと思えた希望ある本

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2024年10月28日

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とても読みやすい文章でした。
フェミニズムの本。
マリリンモンローについても興味が湧いてくる。
こんなに立派な文章が書ける大学生と自分の文章力のなさを比べてちょっと凹みました笑
大学生って皆こんな感じなんですか?強いですね。

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2024年10月26日

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コロナ禍の大学生の姿とか、仕事で女性らしくと言われることを嫌がりながらも好きな人の前では女らしさを存分に発揮する人とか、わかるわかると思うところがたくさんあった。
マリリンモンローにスポットを当てているところもおもしろかった。

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2024年09月27日

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コロナ禍のあの数年はみんな大変だった。今も終わった訳じゃないけど…
わたしの周りにはいなかったが、特に親元から離れて知らない街で生活を始めた学生は尚更キツかったんだなとこの物語を読んで改めて思った。
本来ならあったであろう青春の一部を、強引にもぎとられたようなもの、その辛く、戸惑いの中で主人公の瀬戸杏奈が、ある不思議なきっかけでマリリン・モンローに深く引き込まれていき、成長していく姿にわたしも深く惹きつけられた。

ごめんなさい、わたしもマリリンの事大きく誤解してました。

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2024年09月19日

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今の世の中を、本を通して客観的に捉えることができた。また自分自身が女性という立場で、無意識的に押さえ込んでいる事も気付かされた。
もっとのびのびと自由に生きたい。
大学時代から自由を模索しているけれど、結婚して、子供を産んで、改めて自由とは何かを考えさせられる本だった。

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2024年09月17日

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自分だったら…と投影せずにはいられない話でした。
ゼミのテーマが似ていたからかな。大学生活を思い出したりして。

ただ、違うのは、コロナ禍であるということ。無かったことにされる空白の2年。
あの時、私は3人家族で、不安も3倍だったけれどステイホームは心強かった。
ふと思い出したのは、一人暮らし初めての冬にインフルエンザに罹ったこと。コロナ禍は、その比じゃない孤独だろう。

女性の生き方、日本の在り方。

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2025年10月28日

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問題提起やその理解を深める作業において、かなりリアルでアグレッシブだったのに、結論がワーホリ、、、?ってなってしまった。

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2025年09月12日

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ネタバレ

コロナ禍で人との出会いとか学びの選択肢とか人生の貴重な時間にぽっかり穴が空いたような感覚は自分も同じく持っていたものだから杏奈に共感した。
マリリンモンローのこと 全然知らなかったのでマリリンの人生を杏奈を通して少しだけ知ることができて面白かった。最近SHE SAIDを観たのでハリウッドや映画界に蔓延っていた抑圧や女性差別的なことと結びつきながら読めたし、本当にまだまだ社会って変わってないなーってつらかった。杏奈の卒論研究の準備の段階とかで同い年や先輩後輩との議論の場面、こういう活発な意見交換とか自分の考えをしっかり持っている学生のことが羨ましい。わたしはなんとなくずっと怒っててでも知識とか何にもなくてこうやってディベートできる人すごいなって思った。杏奈も本当にすごいよ。

杏奈の母が杏奈のことをちゃんと思って考えてくれる人でよかったし、松島先生があえて生徒と距離を置くことができる大人だったのがよかった。杏奈が新木流星に強めにツッコまれて誤魔化し笑いをしたところで「女の子はこうやって小さく馬鹿にされて、そのたびに笑顔を見せながら、謝ったり遠慮したり譲ったり、させられるものなんだ。」「そのわきまえた仕草は骨にまで染みていて、女の子たちを知らず知らず侵食していく。」ということを先生が思っている場面が印象的だった。小さなことでもそうやって女の子はバカにされても許されるような雰囲気が今でもずっと残っていることを示唆していて胸が苦しくなった。

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2025年05月25日

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コロナ禍で大学生をスタートさせた瀬戸杏奈。対面授業はなし、オンラインばかり…思い描いていた大学生活とは程遠い。先が見えない生活の中、いきなりマリリンモンローから電話がかかってくる…

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2025年05月24日

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物語はこれから大学の新生活スタート!と同時にコロナ禍に…確かに、あの頃は色々と制限され、惰性やモヤモヤした気持ちに共感。
そんな中、マリリン•モンローとどのように結びつくのか?と思いながらも、ファンタジー要素がありつつ、彼女の生い立ち、時代背景などについて改めて考えさせられた。

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2025年05月22日

Posted by ブクログ

コロナ禍とフェミニズムが合わさったテーマ。主人公のようにコロナ禍に翻弄された大学生はたくさんいるんだろうな…悩みながらも卒論に打ち込み最後は自信を持って進路を決められたのがよかった。マリリンの生い立ちもこの小説で初めて知った。

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2025年05月16日

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主人公は2020年春に大学に入学した女性。読み始めは、あらゆる活動を制限された大学生活を送る主人公の孤立感や息苦しさを扱った作品だと思っていた。途中から、女性差別の問題について、マリリンと共闘しているような話になった。マリリンと電話で話さなくなってからは少し退屈だったけど、主人公が成長したってことかな。読後感は良い!表紙が可愛い!

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2025年05月15日

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マリリンモンローを題材にしたフェミニズム。
コロナ禍の大学生活はなんだかリアルで体験した世代はすごく刺さるんだろうなと思った。山内さんの実話ですか?って思うくらいリアル

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2025年02月26日

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コロナ禍の大学生、ゼミの雰囲気、卒論の進め方、何をとってもリアルで、山内マリコさん体験した!?と勘違いしそうだった。4年間を通していろんな会話と経験、そして学びを経て、自分の道を探して行こうとする主人公、杏奈。マリリンがジェンダー観のいいアクセントになっていたり、ゼミでの議論も本格的で、ジェンダー学の本としても優秀。

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2025年01月07日

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内容知らずに以前読んだ作品が面白かったので、別の作品も読んでみようとしたところ、マリリンモンローを通してのジェンダー問題。最近ジェンダーの作品多いな。自分が実際の生活している中で疑問にも思わずスルーしていることが、差別につながることもあるなあと、気付きも多くて勉強になった。

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2025年01月02日

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人が人を揶揄するとき、その裏側には必ず満たされない自分が
存在していると思うのです。最近見た事例だと
・20歳で子供を産むのは馬鹿すぎる
→自分が若い時期に恋愛でモテずにいたことへの当てつけ。
・あの人は恩義よりも金でチームを選んだ
→経済的に十分満たされたおらず、稼げる選択をした人への軽蔑。

っと私たちは自分を満たすことにもっと集中すべきだと思う。
それこそが誰にもとやかく言われない過ごしやすい社会になるのかなって。
その自分を満たすというのも難易度が高いという件はあるのだが、
たとえ失敗しても向き合って、挑戦し続けて、手を伸ばし続けた先に
挑戦する前とは違った感情が生まれるのかなって思います。

すいません。本書の本筋からそれまくりですね。

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2024年12月30日

Posted by ブクログ

コロナ禍に入学した大学生杏奈の話。
ファンタジーかと思っていたらだんだん現実に。
何か大きな出来事があるわけではない。だからこそ日常の誰かの発言とか態度が異常に気になってしまう。どうしていいかわからないながらも手探りで少しずつ進んでいく様子がいい。
ちょっとしたきっかけでマリリンモンローに興味をもつ。いろいろ方面から調べる。思った以上に深い。昔の話で済まされることではないのだ。

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2024年10月09日

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友達なし、恋人なし、お金なし。上京直後にコロナ禍に見舞われた大学生・瀬戸杏奈。孤独を募らせる彼女のもとに、ある夜、伝説の大女優から電話がかかってきて――。運命突破系青春小説!

私はコロナ禍が始まったときすでに学生は卒業していたが、ある意味若くて仕事にプライベートに満喫したい場面で職業柄最も我慢を強いられたし緊張の連続でストレスはすごかった。だから杏奈の閉塞感は痛いほど分かるし、ましてや一人暮らしの学生ならなおつらかっただろう。マリリンからの電話というファンタジーから始まるものの、後半は学術論文に着地するので結構硬派だ。もう少し二人の会話を楽しみたかった気持ちもある。フェミニズムに対してどんな立ち位置で論じるべきなのか、私自身は迷いがあるが、過去の有名人を色眼鏡で見てしまうことは彼らを二次的に貶めている可能性があるという指摘にははっとした。

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2024年10月06日

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ネタバレ

主人公の大学生、瀬戸杏奈が
コロナ渦に大学生になって上京し、
一人暮らしの部屋に置いていた
電話からなぜかマリリンモンローから
電話がかかってきた。
そこからマリリンモンローに興味が沸き、
論文のテーマにマリリンモンローを起用する話。

フェミニズムとか、いろんなテーマが盛り込まれていて
個人的には少し根本的なストーリー展開が
見えなかった印象。

マリリンモンローは本来は世間に知られているような
セクシー路線?を希望していなかったとのことで
わずか36歳で亡くなっていたんだということも
知らなかった。

芸能人や有名人って、本来の自分の姿をは異なる
偽りの姿を世間に見せているものなんだと思う。
なかなか闇だな。

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2024年10月02日

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