山内マリコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
うわぁ…好きだなぁ。って久しぶりに思えた作品。
物語の舞台や主人公の境遇、感じ方など、少し自分と重なる部分があり、今の自分が求めてたストーリーってこういうのなんだなって。
「何者にもなれる」って本気で信じていた頃に持っていた感受性や繊細さは歳を重ねる度にだんだん心から消えていくもので、しかしまだ、その頃の気持ちが残っているうちに何か成し遂げたい、と思い続けるのが人生なんじゃないかと私は感じた。
「大人になる方法」や「遊びの時間はすぐ終わる」などでは特に、自分と重なる主人公たちによる『何者にでもなれる』と思い続けた青春時代にとても共感して、胸が締め付けられた。
まだ小さい時にあんなにも輝 -
Posted by ブクログ
山内マリコは一貫して、田舎のくすぶってる欲求不満の若者、やるせない倦怠感、反逆する女の人を、あくまでキャッチーに書いてくれる。少女ギャング団、アズミ・ハルコ、どちらの語感も発想も好き。
なんとなく、松田青子の「持続可能な魂の利用」を彷彿させた。時代遅れな固定観念をもつ男性や暴力や性的な男性集団を排除して、女性のみで楽園をつくる。女子高生とおじさんの相性ってバツグンに悪いよな!
いつまでも思春期恋愛を引きずるのは心地いい。自分の青春が、まだ終わっていないような気になるから。恋愛だけじゃなくて、自分の可能性が丸々残されているような気さえするから。(p119)
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購入済み
あの欲求のことと、純粋さのこと
時々読んで、前の方は忘れてしまったけれど、
ちょっと素敵で、でも平凡な椎名君が
たしか女の子のアドバイスもあって
前より硬い、真面目に取り組める職に就いたな
と思い出す。だんだんセックスの話も多くなって
興味もあった。こんなに簡単にしてしまうのか
と思ったり、性欲とか冷めた気持ちとか
のぞき見してる感じだった。
ピッタリ気持ちが合うというのはなかった
ように思う。
その中で椎名君の妹は
それとは無縁のようだったし、
夢で一番輝いている椎名君を保存している
女の子にとっての椎名君、そういう
汚れてない気持ちも響いた。
文化的に平凡な中で、特にそんなに取り柄がなく
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Posted by ブクログ
25歳女性へのメッセージ的なやつ。
分かる分かるよ、と思いながら読んだ。
20代のファッション事情
流行りにものりたいけど、その流行りはワンシーズンで終わりと思っても買ってしまう服…
→その頃、私の経済事情には高すぎるブランドがあって
でも欲しくてお金貯めて買ってたなぁ。でも高いだけあって生地も丈夫だしデザインも全然廃れない…
そのブランドの服だけ買いなと当時の私に言ってやりたい。
ある時期から、街で20代の子を見ると全員可愛く見える
→まさしく!
20代でなくても学校の制服着てるだけで可愛いく見える。その答えが、もう自分がそこにいないから、のん気に思える。ほんと、それ!笑
職場でも若い -
Posted by ブクログ
山内マリコさん作品記録1
「あのこは貴族」で
山内マリコさんのことを知り、
表紙かわいい…!と
思わず手に取りました。
地方の寂れた商店街を
姉妹が盛り上げようと奮闘する物語ですが
わたし自身、
18歳で地元を離れ上京した立場なので
まるで自分の地元の物語を
読んでいるかのような気分でした。
青春時代を過ごした地元のことは
嫌いではないけれど
一生過ごしたいとは思わないなあ…と
これまでそんな気持ちでいましたが
読み終わった時には何だか地元に対して
申し訳ない考えをしていたかもしれない
と思うようになりました。
マンスリーショップとして
最初に選ばれた地元工芸品のバイヤーを
やっている女