山内マリコのレビュー一覧
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東京生まれでいいとこの子として大事に育てられた華子と地方の漁師の子として育ち大学で上京して東京で揉まれた美紀の対比が面白かった。
東京が地元でありそれ以外の土地を知らないって田舎出身の自分からすると逆に不幸なんじゃないかと思ってしまう。東京は確かに刺激的で面白そうだけどずっと住むには疲れそう。
テーマである階級社会も克明に描かれていて良かった。上流階級は同じ階級同士でコミュニティをつくりその他を知らないまま生きていく一方で美紀のように上京して生活する地方の人とは相容れない感じが東京という土地を表していてるのか。華子のように大事に育てられてもレールに引かれて生活してきたせいで自分を表現できず視野が狭くなり結婚もうまくいかない人は多いのか。
美紀と華子で青木幸一郎を取り合う形かなって思ってたけど都合のいい女扱いを自覚していた美紀があっさり引いてドロドロした感じには発展せず逆に読みやすかった。 -
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たくさんの女性が読みながら陽子さんに頷き、陽子さんと一緒に怒り、陽子さんを応援したくなるのではないでしょうか。
時代はまだまだ、やっと、転換期。
私の子供たちが成人する頃には男も女も呼吸しやすい日本であってほしい。
娘にも息子にも、自分で考え、勇気と自信を持って選択する力と、1人でも生活できる力をつけてもらいたいと思います。
こういう女が目覚めて立ち上がる話(闘うのではない。これまでにもう十分闘って、諦めや無のフェーズに入っているはずなので)を男の人はどう感じるんだろうと前から気になっているのですが、この連載はオレンジページなので、目に留まらなそうで残念です。
男は男でこうあるべきという価値観に縛られているのでしょうね。
妻や家族を養うのは嫌だとか、妻に養われたいとか、仕事より家のことをしたいとか、色々あると思うんですよね。
あまり表に出てこないですが、そういうのも堂々と言える世の中だといいなと思います。 -
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元カレをテーマに4人の作家によるアンソロジー。
人気作家さんばかり、山内先生は初めましてですが、青山さんと一木さん目的でチョイスしました。
青山美智子『姉ちゃん』
今話題の俳優として注目の姉ちゃん。有名になると元カレも増えるらしい‥
短編だけど青山さんらしい、キャラの魅力や暖かみのある感情の交差、独語の余韻も良き。
一木けい『三月なんて前世』
小麦アレルギーの主人公と米粉パン職人として成功した元カレとの思い出とは‥
一木さんの言葉には艶が有りますよね。恋愛の始まりと終わり表現は秀逸。
町田そのこ『すべてはカーテンの中』
元カレとキッパリ別れられずに、ズルズルとセフレの関係に。偶然出会った同級生は過去に事件を起こしていて‥
町田さんらしく、クズ男の解像度が高くて、ぞわぞわする作品。終わりはそうくるかぁ‥
山内マリコ『二つ年上』
今まで元カレに流されて生きてきた主人公、別れを機に心機一転、着物ショップで働く‥
読後の余韻も素敵で好きな作者かも。もう少し読みたかった。
元カレがテーマと言う事で、結構ドロドロした物を想像していましたが、いい意味で裏切られました。
男は元カノの事を引きずる事が多いですが、女性って結構バッサリというか、前向きなイメージなのかな?というのが各物語を読んだ感想です。サクッと読めて、おすすめです。
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ネタバレ近ごろ鏡を見る習慣がなくなった陽子さん。
愛息子の洸太郎が巣立ってから、夫の和彦と二人暮らしである。
ずっと専業主婦だった。それが今の時代では少々時代遅れであるとは思っている。
息子が連れてきた「彼女」によって目から鱗の新しい考え方に触れる。
自分は、家事に口うるさい夫にダメ出しをされないように、先回りしてこまめな掃除もした。まるで家事ロボット。
陽子さんが再び鏡を見るようになったことに、まずは小さな喝采を送りたい。
ここで「鏡を見る」というのは自分と向き合うことの象徴だろう。
陽子さんは私より少し年下だ、多分。でも・・・男の子の親(母親)って、こんなにちょくちょくLINEを入れるんだ〜?と、ちょっと引く。
息子が彼女を連れて来たら、結婚するものと思い込み、嫁という形で女の子を得ることができることに陽子は舞い上がる。
そしてしつこく食事にいらっしゃいと誘い・・・
これもどうかなあ〜
その「息子の彼女」から聞いた胸の内。
「夫」を改造するには時間がかかるのである。面倒なことには手を出さない、というのも一つの選択。
夫も妻も、「この辺が落とし所」を見極めるのが大事。 -
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ネタバレ次が気になりどんどん読み進めたけれど、自分にはよくわからない話だった。
東京のお嬢様であっても、地方から出てきて東京で生きられるようになった女の人であっても、女の人は男に頼らず地に足をつけて生きていけばよい!という話? いや、それではオチが簡単すぎか。この話の流れをそのまま受け入れるなら、女の人にとって結婚は残念なもので終わってしまう。
男側の青木幸一郎はお坊ちゃまで、本当にそうなのかは知らないけれど、イメージ通りのお坊ちゃまの行動。こちらの行動も庶民の自分にはわからなかった。幸一郎は「好かれて悪い気がする人はいない王子様」で、自分はそうではない。
と言うことで、自分にはよくわからない話だった。次が気になり読み進めた気分を0.5足して、★3.5。 -
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『姉ちゃん』青山美智子
有名俳優になった"姉ちゃん"との話。青山美智子さんらしい言葉と、優しい雰囲気が素敵な話。
「あの頃の私を知っていて、愛してくれた人って、すごく特別なポジションなんだよね。」
『三月なんて前世』一木けい
「人生をあらすじにされるって厭なものだね」
元カレが、自分をきっかけに米粉パン職人になったことを知る。自分との出会いをプラスの経験に変えられるの嫌だなと思った。出会わなければ良かったと思われている方がいい。いい経験にするなよ。
『すべてはカーテンの中』町田そのこ
「恋人って、カーテンの中の関係なんだよね。」
本当にそうだと思う。周りは好きなように解釈するけれど、本人たちにしか分からないことばかり。そしてそれらは、人には説明できても理解は不可能。
『二つ年上』山内マリコ
二つ年上の恋人に頼り切って、道を整備してもらうことが当たり前になっていたことに気づく。対等な立場でいること、そうでないと長くは続かないこと、わかるなぁと思った。 -
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「陽子さん」という人は、もしかしたら自分自身かもしれないし、姉妹や母親、友人かもしれない。それだけこの日本にはありふれている「女性」の姿のように思う。
彼女が文句ばかりを言われながら褒められることなく日々こなしてきたこと、なんとか受け流してきた酷いことばは、それは確かにこの世界にあって、わたしも何度も何度も耳にしてきた。
側から見たら酷いと思えることも、陽子さんは当たり前だと思ってやり過ごしてきた。それでも、人との出会い、対話を通してこれまでの当たり前を揺るがされ、変化していく。
現実はそんなに上手くいかないかもな、とわたしの身近な現実に思いを馳せつつ、それでもこの物語のような作品が世の中に増えていくことはとても素敵なことだと思うし、多くの人に読まれて欲しい。とても読みやすい作品だった。