山内マリコのレビュー一覧

  • あのこは貴族

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    現代の華族とも呼ぶべき名家に生まれた主人公華子と、対比の存在として田舎に生まれ東京に憧れて東京に染まりたい全く出自の違うもう一人の主人公美紀が交錯し、お互いに影響し合っていく成長の話、と読みました。ただまあ読んでいくうちに、主人公が結婚する相手の同じく名家に生まれ、自然な傲慢さを発揮する幸一郎を通じて、男として普通に育つと身につけてしまう傲慢さやどんなに装っても今の(今までもだが)男性が持ちうる不公正な優越感みたいなものを思い知らされるのが読んでいてやや辛かった。

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    2025年09月10日
  • 一心同体だった

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    私たち、なりたいものに全然なれなかった世代だからな、という思いに答えてくれてる感じ。
    1980年代生まれの方に、刺さる内容で、心を整理してくれた。あんまりまとめすぎてないところが、自分の人生を投影できる余白がある感じがして、良かった。

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    2025年09月09日
  • あのこは貴族

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    階層が違う女の話というのは大体なんとなくイヤ〜な感じが出がちだけど、この作品はそれが全くない。
    読みやすくて良かった

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    2025年09月05日
  • あのこは貴族

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    華子と美紀、相楽さん、対立関係にあっても女性ってこういう風に本音で話したり出来て、友情生まれたりするよねとその部分がリアルで良かった。女性ならではのコミュニケーション。あぁ友人はそういう風にして出来るのかと思ったりした。幸太郎とのエピローグも良く、悪者をつくらずに主役の登場人物それぞれの人生をうまく描いていて良かった。

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    2025年08月30日
  • マリリン・トールド・ミー

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    いや、これは素晴らしい!
    思わず読み終わってから本に向かって拍手してしまいました!
    コロナ禍の大学生のドキュメンタリーとしても価値ある一冊!

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    2025年08月27日
  • 一心同体だった

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    短編連作集(ストーリーテラーが、友達→友達に次々とバトンが渡されていく)、初読の作家さん。作家さんは1980年生まれということで、同世代の読者にはもう1段面白く読めると思います。(さらっと入れてくる情報が懐かしく、当時の流行りのブラントやお店、社会現象など鮮やかに)
    友だちって?というお話。当時私は言葉にしなかった、いや、できなかった心理描写も見事だし、そうだったんだと今更発見できたこともあれば、わかるなぁとウンウン頷きながらも読んでました。

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    2025年08月23日
  • 一心同体だった

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    こんな子いたな〜自分もこう思っていたな〜
    子供から大人まで一気に振り返るようで面白かった。

    社会性、身だしなみ、恋愛、就職、結婚、妊娠、子育て。年代ごとに変わっていく悩み。
    今だからこそ読んでよかったって思えるけど、改めて文で読むと女の子の心の成長って目まぐるしい。

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    2025年08月22日
  • 一心同体だった

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    性別女とされる人たちが盛り沢山。
    全部に思い当たる節がある。(自分がそうであるということではなく。)

    話の紡ぎ方として、リレーが続いているのでどう終わるかと思ったら、ラストに鳥肌。

    ただ、解説の人が苦手でマイナス1。
    そうか、この本はフェミ扱いになるのか。

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    2025年08月19日
  • マリリン・トールド・ミー

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    タイトルとあらすじから、少女漫画のような話かなと思っていたが(ミルモでポン的な…)、良い意味で裏切られました。
    コロナ禍で過ごす大学生活は本書に書かれていること以上に大変なこともあったでしょう。
    杏奈がこれから先、人との関わりから得られる経験を存分に得ることを祈ります。
    ご多分に漏れず私もマリリンのことは知っているけどご本人がどのような人物だったか知りませんでした。現代の価値観で再評価される人物、作家にも言えるところがちょっと皮肉ですね(著者はそんなつもりで書いてないかもだけど)。
    あと杏奈のママがすんごい良いママ。

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    2025年08月16日
  • あのこは貴族

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    ネタバレ

    第3章からがとても好き!

    閉塞的な世界でぬくぬくと生きてきた華子が自分の意思で一歩を踏み出す物語。
    一定の世界に留まることはその環境が恵まれていようがいなかろうが、感覚を鈍らせてしまうんだなと
    思わされた。
    よく政治家が一般庶民の感覚を全くわかっていない発言をして批判の的とされるが、こういったことが背景にあるんだろうな、と。
    周りの人間が自分と同じような価値観だからこそ、思考停止してその場に安住してしまう。だからこそ違う世界の人間は受け入れられない。日本は格差社会ではなく、階級社会という作中での言及はとてもしっくりきた。

    しかし、逆に言えば違う価値観を受け入れて一歩踏み出すだけで見える世界

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    2025年08月08日
  • あのこは貴族

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    小学校から聖心・慶應に通った富裕層と、地方から慶應に入った一般人それぞれの視点が、らしくていい。美紀が「地方では裕福な家の子」だと、もっと心理的格差や複雑な感情が描けて面白かったのではないか。
    最後は女同士の理解・友情みたいになってたけど、これは明らかにフィクション。逸子は「友達のため」といって男女に関しても分かったような口を聞き、旧友の三角関係をエンタメとして楽しむ嫌な女ね。美紀は、都合のいい女になる人あるあるの妙なサバサバ感はリアル、でも現実だとこういう人は圭一郎をバッサリ切れなくて水面下で連絡返しちゃうだろうね。華子は離婚の決断ができないんちゃうか…?そんなツッコミを入れながら女友達と話

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    2025年08月08日
  • あのこは貴族

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    松濤にある病院の箱入り娘華子と、大学受験で慶應に入り上京した美紀
    ふたりを繋ぐのは幸一郎というとんでもない名家のボンボン
    女同士のどろどろとした場面は一切なく、立場は違えど悩みやコンプレックスを持つ登場人物たちの世間の分析がおもしろかった

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    2025年08月02日
  • 一心同体だった

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    様々な年代の女の子・女性たちの友情と生き方がテーマ。その時々で熱中していたものや降りかかってくる問題が"あのころの私たち"的目線で描かれていてどこか懐かしい。

    当時はあんなに仲良かったのに気付けば疎遠になっていたり、価値観や話が合わなくなったり。お互い自分の人生を歩んでいたら当然のことでもあるけど、いつから?どうして?と寂しくもある。

    ライフイベントによって、男性よりも人生が大きく変わりやすいのが女性。ある一定の年齢になると女性たちは自分が差別される側であることに気づく(=若いうちは、母親やいろんな人が盾になって、肩代わりしてくれていた)。←ここは結構はっとした。


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    2025年07月31日
  • あのこは貴族

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    女は女同士仲良くできないようになってる、男がそうなるような考えを植え付けてくる
    →老化に対するマイナスな価値観を植え付けるもの(おばさんいじりみたいな)はある 最近はそれが嫌でしょうがない……自分も歳をとるのに、自分が必ずなる未来が世間から当たり前に下に見られている風潮はなんなんだ

    既婚者が無意識にもつ、自分は選ばれたんだという優越感
    →これを最近実感してるところ
    恋人の有無とかも近いものがある気がするんだ
    自分もうっすらそうだったんかなと思ったり

    男が嫌いなのに男との結婚という後ろ盾を得たい矛盾

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    2025年07月04日
  • あのこは貴族

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    1章は華子の視点で進むんですが、意外なところでつながっていた美紀が2章の主人公に切り替わって、登場人物たちが関わっていく展開がすごくスリリングでした

    終章ではそれぞれの「その後」が描かれていて、読んだあとには救われた感じがありました

    思わず「若いって、実は大変だったよね…」ってつぶやきたくなるような、ほろ苦くて優しい余韻が残ります

    ジェンダーの視点もさりげなく描かれていて、女性が社会の中でどう生きていくかを、押しつけがましくなく自然に考えさせてくれる作品でした

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    2025年07月03日
  • 選んだ孤独はよい孤独

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    ネタバレ

    俺が逃してるやる、ニコンの話が1番好きだった
    女の人の生きづらさを描いた小説やドラマはたくさんあるけど、男の人にフォーカス置いた物語って少ないよね 
    男らしくいることが求められて、はみ出たら社会から抹殺されて逃げ場がなくなるから大変だな

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    2025年06月29日
  • ここは退屈迎えに来て

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    読みながら、なんでこの本に惹かれているのかなあって思った。好きなタイプのものでもないけど、読み進める手は止まらない。解説を読んで納得した。『居場所や役割を実感しきれずに「ここではないどこか」を夢見たくなる人』あぁ、わたしだなあ。って。夢から覚めた気分だった。

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    2025年06月22日
  • 買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて

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    買い物ひとつひとつも振り返ってみればこんなにも面白いエッセイになるんだなぁという発見。「イヤァオ!!!」、「高級バター&バターケース」、「本のバカ買い」。

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    2025年05月31日
  • 選んだ孤独はよい孤独

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    こーゆー男、いそう〜。こーゆーこと、ありそ〜。って思いながら読むのが楽しかった。身近な人に重ねてしまったり。男の人も男の人で大変だー、でも女の人の方がもっと大変だぞーと女性目線で思ってしまったり。いろんな感情になれて楽しかった。考え方が凝り固まってしまっていたり、これはおかしいって決めつけたりしてる大人には面白くなさそう。「俺が逃してやる」はかっこ良すぎた。御神籤ブックで偶然手に入った本だったけど、大当たりでした。

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    2025年05月24日
  • 買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて

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    お洒落な文章だが、ひとつひとつの物で話が区切ってあるので軽く読める。
    物の購入の仕方や物についての価値観も考えさせられた。

    カラーの挿絵と文章も相まって、上品な本という印象を受けた。

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    2025年04月20日