山内マリコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ第3章からがとても好き!
閉塞的な世界でぬくぬくと生きてきた華子が自分の意思で一歩を踏み出す物語。
一定の世界に留まることはその環境が恵まれていようがいなかろうが、感覚を鈍らせてしまうんだなと
思わされた。
よく政治家が一般庶民の感覚を全くわかっていない発言をして批判の的とされるが、こういったことが背景にあるんだろうな、と。
周りの人間が自分と同じような価値観だからこそ、思考停止してその場に安住してしまう。だからこそ違う世界の人間は受け入れられない。日本は格差社会ではなく、階級社会という作中での言及はとてもしっくりきた。
しかし、逆に言えば違う価値観を受け入れて一歩踏み出すだけで見える世界 -
Posted by ブクログ
小学校から聖心・慶應に通った富裕層と、地方から慶應に入った一般人それぞれの視点が、らしくていい。美紀が「地方では裕福な家の子」だと、もっと心理的格差や複雑な感情が描けて面白かったのではないか。
最後は女同士の理解・友情みたいになってたけど、これは明らかにフィクション。逸子は「友達のため」といって男女に関しても分かったような口を聞き、旧友の三角関係をエンタメとして楽しむ嫌な女ね。美紀は、都合のいい女になる人あるあるの妙なサバサバ感はリアル、でも現実だとこういう人は圭一郎をバッサリ切れなくて水面下で連絡返しちゃうだろうね。華子は離婚の決断ができないんちゃうか…?そんなツッコミを入れながら女友達と話 -
Posted by ブクログ
様々な年代の女の子・女性たちの友情と生き方がテーマ。その時々で熱中していたものや降りかかってくる問題が"あのころの私たち"的目線で描かれていてどこか懐かしい。
当時はあんなに仲良かったのに気付けば疎遠になっていたり、価値観や話が合わなくなったり。お互い自分の人生を歩んでいたら当然のことでもあるけど、いつから?どうして?と寂しくもある。
ライフイベントによって、男性よりも人生が大きく変わりやすいのが女性。ある一定の年齢になると女性たちは自分が差別される側であることに気づく(=若いうちは、母親やいろんな人が盾になって、肩代わりしてくれていた)。←ここは結構はっとした。