山内マリコのレビュー一覧
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可愛い表紙に惹かれ手に取り、著者紹介から著者の山内マリコさんは自身と同郷であることを知り、これは何かの縁なのでは...!と思い購入。
同郷を嬉しく思い購入にいたったが、家庭内の日記エッセイとのことで、その話が出てくることは期待していなかった。しかし、時折現れる“富山”の文字に心が躍った。ただ出身が同じというだけでこんなにも親近感が湧くのかと、思いがけず自分の地元愛を感じる一冊であった。
家事分担について家庭内の男女平等をめざしした作者とパートナーとの日々が日記形式で書かれた本書。春闘の毎日が目の前で起きているかのような分かりやすい文章と、コミカルな言葉選びに、スラスラと読み進めることができ -
Posted by ブクログ
これは、女性と自立、そして階層と分断の物語だと思った。
けれど読み終えて真っ先に私の頭に浮かんだのは、華子でも美紀でもなく幸一郎だった。物語の中で、最後まで不自由だったのは彼だからだ。
ラストシーンは、華子と幸一郎が初めて対等になれた瞬間であり、華子の著しい成長が見える場面でもある。だが同時に、「置いていかないでくれ」と懇願する、幸一郎の悲壮と諦観のにじむ声が聞こえた気がした。
似た形の別々の鳥籠に入れられた二羽の鳥——。
一羽は、籠の中こそが世界のすべてだと受け止め、飼い慣らされていることにも気づかず、優雅に囀る。
その姿を「なんて愚かで幸せなのだろう」と眺めていた、もう一羽の鳥。
しか -
Posted by ブクログ
短編小説やエッセイ、コラムなど多様なかたちで書かれたお話が詰まった、女性による女性に捧げる本。
昭和〜令和に生まれ、生きる様々な女性が登場し、「女性とは」という世間からの呪縛を解き放って生き生きと、でも時には悩みながらも前へ進んでいく姿が描かれていてすごくワクワク出来る本だった。
特に、昔のフランス映画や雑誌などに登場するファッションスターへの憧れをもつ女の子の話が度々出てきて、自分がどうだったかというよりは、そういうキラキラした憧れを胸に秘めている女の子って可愛いな、大人になってもあのトキメキを忘れないでいられたら、きっと前を向くことにビビらずにいられそうだな、と読みながら笑顔になれた。 -
Posted by ブクログ
ロードサイド小説、というものを意識して読んだことがなかったけれど、あまりの解像度の高さにグサグサ刺されながら読んだ。
地元の、大きな国道に家電量販店やニトリやファミレスが並ぶあの光景が眼前に蘇る。
少し車を走らせればなんでも揃っている、けれども退屈。じゃあ都会に行けば全てが叶うのかと言われればそうでもなくてみじめな思いをすることもある。自分が生きていく街、生き方を模索しながら24号線に思いを馳せる。
この本を読まなかったら絶対思い出さなかったであろう記憶がわんさか出てきて、退屈だと感じていたあの頃あの場所も案外悪くなかったな、と思った。地方で育ち東京で働き、これからまた地方都市に戻ろうとし -
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Posted by ブクログ
ネタバレまず、私はどちらかと言わなくても美紀側の人間です。
閉塞感のある田舎が嫌になり、東京に憧れて出てきたのが何年前か…。
なんとか東京にしがみついていたい、そんな気持ちがわかる、わかる。
華子たちの何気ない言葉にグサリときたり。
華子や幸一郎のような恵まれた家に生まれた人はいいな〜と思う反面、読み進めていくうちに息苦しさみたいなものも感じていたので
終盤で美紀が自分が部外者であることに自由を感じているのが、なんだかすごくしっくりきた。
といっても、東京で実際に生活してみないとわからなかったことだとは思うけど。
華子に対しては、大事にされるのが当たり前で自主性のないところが何だかなぁと思ってい -
Posted by ブクログ
8話の短編で各話主人公は違うが、同じ世界で登場人物達が繋がっている。1話進むごとに少しずつ過去に戻る構成が面白い。
地方で育ち、都会に憧れて出ていった私には他人事と思えない話が多かった。
「田舎が嫌いだけど、都会にも馴染めなかった」
この人たちの居場所ってどこなんだろう。自分もどこかで諦めて地元に戻っていたらこうなっていたのかな?と考えさせられた。
だけど、Uターンすることなく都会で暮らし続ける私からすれば「迎えに来て」と受け身な考えをする人は絶対都会には合わない。そんなモヤモヤがこの作品の面白さだったのかもしれない。
地方都市で暮らす人達の心情がすごくリアルで刺さった。山内マリコさ