あらすじ
そばにいても離れていても、私の心はいつも君を呼んでいる--。都会からUターンした30歳、結婚相談所に駆け込む親友同士、売れ残りの男子としぶしぶ寝る23歳、処女喪失に奔走する女子高生……ありふれた地方都市で、どこまでも続く日常を生きる8人の女の子。居場所を求める繊細な心模様を、クールな筆致で鮮やかに描いた心潤う連作小説。
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今自分が生きている場所と、そこからあまりにも遠い憧れの場所。
何かの主人公として生きていくにはあまりにも平凡な女の子たちが、
憧れとほど遠い現状を打破しようと、時に恋愛や性に走ろうとするものの、
うまく夢中になりきれず、でもその中で
もがいたりしながら生きていく連作短編集です。
彼女たちにとって、ふたつの場所をつなぐ存在が「椎名」というひとりの男。
エピソードによっては半端ないイケメンにも、
ごくごく平凡な、どこにでもいるバカな男子にも見える不思議な魅力が
登場人物、そして読者である私たちを惹きつけます。
時々、それぞれの短編でリンクしているところもあるので、
気づいてちょっと戻ったりするのも楽しいです。
クラスにひとりはいた、やたら輝いていて自信に満ち溢れていた同級生を思い出しながら
読んでみてはいかがでしょうか?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
山内さん、あなたは何人分の人生を生きているの…
細かい設定が本当にその人生を生きてきた証みたいだ。
女の子ってやっぱり心のどこかで王子様を待っているのかな。自分を迎えにきてくれるだけでなく、面白い場所に連れて行ってくれる王子様。
女の子達の渇望感は都会に住む私にとって感じたことのない思いだった。
Posted by ブクログ
登場人物たちほどの田舎に住んでいる訳では無いけれど、神奈川の、閉塞感のある街でわたしは十九年間生きている。かつて浴びせられた暴言と行動を無かったことにできるほど強くはなれなくって、愛憎混じる感情を地元に向けて抱えている。そんなわたしに気付きもしない小・中学校の同級生たちは今日も楽しく地元の人間と遊んでいる。当たり前に、限界を知って、その絶望から来る地獄に落ちなければ、自分の住む町への憎悪というものは生まれない。きっとわたしにも悪いところはあった、でも、どうしてこんなにもつらい思いをしなきゃあいけないの?時折、本当の自分を許容してくれる世界に飛び込まないと、頭がどうにかなりそうなのは今も変わらない。登場人物たちと同じように、外に、東京に、夢を見ている、環境を変えるだけですべてが変わるなんて、そんなことあるわけないのに。今日も、そしてこの先数年間、わたしは地元を嫌だ嫌だと言いつつそこから逃げ出すことは無いだろう。完全に新しい場所に身を置く体力も精神力もわたしは持ち合わせていない。いいないいなの繰り返し。でもそれでいいのかとも思う。完全に自分の存在を肯定してくれる場所なんて夢の中だけの話で、本当には存在しない。ちょっとした東京への憧れを持っている現状こそ一番に幸せな状態なのだと、わたしはこの十九年間で何となく知った。こうしてひとつずつ諦めていって、わたしたちは大人になるのだ。憧れに諦めをつけて、映画を観たり本を読んだりして、わたしは自分の中だけの桃源郷を作る。「ここは退屈迎えに来て」と、声にならない声で叫び続けながら。
Posted by ブクログ
都会に住む田舎出身者、都会に憧れる田舎者の感情がリアルに描かれていて、個人的に共感出来るポイントがかなりありました。特に、「都会の喧騒にごたまぜになれば、それなりに格好がついて見えた。」という一文には、自分と重なる部分がありました。パッとしない“自分”という存在を認めつつも、素直に認めきれない自分が確かにいて、そういうの全てひっくるめて、日々の満員電車や早歩きで行交う人々の中で、自分のちっぽけさ、惨めさが掻き消されていく感覚、それを思い出しました。
Posted by ブクログ
映画の予告編で知った原作。地方生活者データのレポートでも紹介されていて、気になって原作を購入。買ってから半年が経ち、ようやく読めた。
手元についてから読まなかったのは、自分も「この作品を読むのが怖かった」(解説より)から。自分は東京から電車で1時間くらいのニュータウンで生まれ育ち、東京で働いていたが、疲れて地方に引っ込んだ身分。それでもやっぱり東京の文化的環境の豊かさには今でも感謝をしていて、たまに東京に帰るたびにその凄さを再確認し、そしてあくまで東京をホームタウンだと思うようにしている。そして、「地方のダレた空気や、ヤンキーとファンシーが幅を利かす郊外文化を忌み嫌って」いる点では、カメラマンの須賀さんと近いのか。
直視したくない自分の感情を見せつけられる感覚はやはり思った通りで、あまり気分の良いものではないなと感じたり、あきらめの中で落ち着くべきところに落ち着いていく出演者たちに哀れみのような気持ちを持ったり、なんとも鬱屈した感覚で読み進んだ。それでも最後まで読み進められたのは、端々に描写される、平成前期のティーンエイジャーたちのファッションやテレビの話題が、まさに自分が通ってきたものだから。自分の思い出のイメージを投影し、まさに映画のように読むことができ、当時の確かに楽しかった思い出も同時に蘇えらせられたことで、不思議と嫌な感覚ではなかった。青春時代の思い出は、布団の中で叫びたくなるような恥ずかしいものも多い。その過去を呼び戻させられるのも、読む前は怖かったんだと思う。
そう言った恥ずかしいもの、思い出したくないことを含めて、今の自分だと思えば、やっぱり退屈なのは田舎だからではなくて、これまでの自分が退屈なだけだ、ということなのかも。
あの欲求のことと、純粋さのこと
時々読んで、前の方は忘れてしまったけれど、
ちょっと素敵で、でも平凡な椎名君が
たしか女の子のアドバイスもあって
前より硬い、真面目に取り組める職に就いたな
と思い出す。だんだんセックスの話も多くなって
興味もあった。こんなに簡単にしてしまうのか
と思ったり、性欲とか冷めた気持ちとか
のぞき見してる感じだった。
ピッタリ気持ちが合うというのはなかった
ように思う。
その中で椎名君の妹は
それとは無縁のようだったし、
夢で一番輝いている椎名君を保存している
女の子にとっての椎名君、そういう
汚れてない気持ちも響いた。
文化的に平凡な中で、特にそんなに取り柄がなく
でも普通に輝いて、生きていくために
それなりに取り組んでいたりして
そういう中で、自分も感じるのと同じような
気持ちがいろいろ書いてあって
離れていて、また読み始めるというふうにして
面白く感じながら読み終わりました。
匿名
面白かった!
女性なら誰しもがどこかで共感できる内容で、特に婚活にあたっての話は、学生時代は結婚なんてしたくないと思っていたのに20後半にさしかかると結婚願望に支配されている、なんて思い当たることが多かったです
結婚したいと焦りつつもこの気持ちはただの生理現象だよと吐き捨てる気持ち、分かるな~
共感を楽しめる一冊でした
Posted by ブクログ
ロードサイド小説、というものを意識して読んだことがなかったけれど、あまりの解像度の高さにグサグサ刺されながら読んだ。
地元の、大きな国道に家電量販店やニトリやファミレスが並ぶあの光景が眼前に蘇る。
少し車を走らせればなんでも揃っている、けれども退屈。じゃあ都会に行けば全てが叶うのかと言われればそうでもなくてみじめな思いをすることもある。自分が生きていく街、生き方を模索しながら24号線に思いを馳せる。
この本を読まなかったら絶対思い出さなかったであろう記憶がわんさか出てきて、退屈だと感じていたあの頃あの場所も案外悪くなかったな、と思った。地方で育ち東京で働き、これからまた地方都市に戻ろうとしている身としては本当に共感まみれの1冊だった。女の子同士の刹那的な友情の描写もリアル。
Posted by ブクログ
リア充は地方でも退屈しない
地方にいて日常に退屈を求める女の子たちの話
都会にいて仕事していたら
日本じゃないどこかの国にいきたくなったりするのと同じなのかなあ
Posted by ブクログ
8話の短編で各話主人公は違うが、同じ世界で登場人物達が繋がっている。1話進むごとに少しずつ過去に戻る構成が面白い。
地方で育ち、都会に憧れて出ていった私には他人事と思えない話が多かった。
「田舎が嫌いだけど、都会にも馴染めなかった」
この人たちの居場所ってどこなんだろう。自分もどこかで諦めて地元に戻っていたらこうなっていたのかな?と考えさせられた。
だけど、Uターンすることなく都会で暮らし続ける私からすれば「迎えに来て」と受け身な考えをする人は絶対都会には合わない。そんなモヤモヤがこの作品の面白さだったのかもしれない。
地方都市で暮らす人達の心情がすごくリアルで刺さった。山内マリコさんの他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
読みながら、なんでこの本に惹かれているのかなあって思った。好きなタイプのものでもないけど、読み進める手は止まらない。解説を読んで納得した。『居場所や役割を実感しきれずに「ここではないどこか」を夢見たくなる人』あぁ、わたしだなあ。って。夢から覚めた気分だった。
Posted by ブクログ
地方出身というテーマが通底する短編集。
年代と地方出身なのが自分も一緒で、わかるわかるというとこが多かった。
一方自分は地方から出たままの身なので、地元に戻ったらこんな感じだよなというのも想像でだけどよくわかり。
自分にとって目新しいテーマで面白かった。「地方都市のタラ・リピンスキー」が好きだった。
Posted by ブクログ
なんと素晴らしいタイトル! これだけで勝ち、だが、中身もなかなか面白かった。
「ファスト風土を生きる若者たちの……」とかまとめちゃうと魅力が伝わらないような気がする。どこに生きていても、だれと生きていても、青春時代は渇望しているし、疎外感を感じてる。それを生々しく思い出した。だんだんトガっていく著者のスタート地点かな。
Posted by ブクログ
ドキュメンタリーぽさもあり良かった
今はベッドタウンや地方も魅力的だと思うけど、若者から見たら一定数このように東京に憧れる人たちもいるんだろうなぁと思った。実際にありそうな人間関係や心情が描かれていてよかった。
Posted by ブクログ
地方出身のワタシ
椎名君みたいな子いるよなあというのが1番の感想。そして、学生時代には当然椎名君的男子とは興味はあるくせに距離をとってたなあと苦笑いして読み終えた
Posted by ブクログ
地方都市に住む、「ここではないどこか」を夢見る少女たちの短編集。
スクールカースト的に恐らく中か中の下くらいの子たちが出てきて、若さゆえの痛々しさとかが共感性羞恥心働いて辛い笑
そして、本編全部に登場する、スクールカースト上位に君臨するイケてる男、椎名一樹。椎名という名字がもうオシャレ感でてる。
Posted by ブクログ
「ここで楽しくやってたら最初からどこにも行ってねーよバーカ だから俺にラーメン食わせろ!今すぐ俺にラーメン食わせろ!」
リア充はサブカルチャーを必要としないって、極端だけど一理ある。常に今いる場所と環境で居場所を見つけられる椎名のような人には必要のない世界な気がする。自分も地方出身だったら退屈から抜け出させてくれるアイデンティティを求めて東京に行っただろうな
Posted by ブクログ
読み始める前、軽く書評を読み、失礼ながら、あまり期待をせずに読みましたが、想像以上に面白く、スルスル読めました。
田舎育ち若者特有のコンプレックス、話題、不便さ…
あぁ、分かる分かる!と懐かしさを感じました。
男性や都会育ちの方には共感は得られにくいかな。
短編集で各話なんとも言えない終わり方をする。それもまた良かったです。
期待値を上げたり下げたりすると、読んだ時の印象は変わりますが、何も情報を入れず、本を購入する事も勇気がいるので、どうしたものかなぁ…。
Posted by ブクログ
山内マリコさんの小説は『あのこは貴族』で初めて読んだ。山内さんは主人公の心理描写が上手い。主人公と私では境遇がまったく違うのに、私自身も同じ経験をしたことがあるかのような錯覚に陥る。1話では上京し田舎に出戻りした女の子の話で、私にそんな経験はないが、なんとも言えない「わかる」感覚がある。どの話にも登場する「椎名」、私の過去にもそんな人がいた。
そして、ここまで書いたところで解説を読み、ハッとする。ロードサイドの「リア充」と「退屈」、私がこの短編の主人公たちにどこか共感してしまうのは、私自身が後者にカテゴライズされる学生だったからだ。
Posted by ブクログ
田舎特有の閉鎖感がものすごくリアルに書かれてて自分が昔田舎に住んでた頃を思い出し、重ねながら読み進めていました。田舎は比べるものが少ないから他の人と比べて嫉妬したり安心するけど東京は比べるものがありすぎて自分という存在が埋もれて何もなし得ない自己嫌悪に陥ってしまうんだよな〜とか。ついつい自分の生活と比較してしまうような一冊でした。
椎名くんが憎めない人していて個人的に好きでした。
Posted by ブクログ
読書でしか味わえない体験を得られる3章が特に素晴らしい。映画化されているが、3章はどうやって映像化したのか気になる。
地方在住の自分が特別だと思いがちな女の子、何か痛いけど共感できてもぞがゆいきもちになった。
Posted by ブクログ
田舎に住んでくすぶっている感じがリアルだった。
世代的に近いところがあってより身近だったからおもしろかったかな。
ときたまキュンとするところがあって甘酸っぱい気持ちになった。
Posted by ブクログ
自分が育って住んでいる所はこの物語よりももっと田舎だけど、国道沿いの景色も、この街から中々抜け出せないことから強まる都会への憧れも、30歳間近の仕事や結婚に対する焦りも、処女を捨てたかった学生時代も、手に取るように共感できた。未だに自分の中にも「ここではないどこか」へ行きたい気持ちがまだ捨てきれていなかったんだと気付かされた。
そしてやっぱり何処にも「椎名くん」みたいなポジションの人っているんだなぁと思った。
ほどよい
恋愛ものの短編集ということで購入しましたが、よくあるような恋愛ものではなく全て一捻りあるようなお話でした。
次はどんな展開なのかが気になりぐんぐん読んでしまいました。
Posted by ブクログ
ここに収録されている8編の物語はどこかしら『あなた』の物語かもしれない。地方都市に住む男女の悲喜こもごもを見事なまでに描き出していると思います。こういう話はいつの時代もあるのかもしれませんが…。
ここに描かれているのはある地方都市に住む男女の『悲喜こもごも』を8つの物語に収めた連作小説集です。それぞれがものすごいリアリティがあり、正直なところ、自分自身と物語世界との『距離』を測り損ねていたく難儀してしまいました。
なんと言ったらいいのか…。この吹き溜まり感や、地方都市独特の『けだるい』空気。出てくる登場人物たちの『行き場のなさ』が全体を覆っておりました。ここでは主に女性の登場人物たちが物語の中心で、『3・11』の震災を機に10年にもわたる東京生活に見切りをつけて地方でライターをやっていたり、10代の頃は読者モデルとしてちやほやされるも、20代になって、徐々に仕事がなくなり、地元でスターバックスの店員をしながら婚活に勤しむ女性。
さらには性転換をして、高校時代のあこがれた男の子に思いを打ち明ける大学院生。大阪の大学の寮室でアメリカの地方都市から来た女子留学生。年齢の離れた男性と逢瀬を重ねる女子高生。そして、16歳で処女を捨てようと躍起になる女の子…。
これらの物語を読みながら、僕は学生時代のクラスメイト(現在ではすべて関係が絶たれて久しい)の顔を思い出し、
「まぁ、彼女たちも多かれ少なかれここに出てくるようなことを経験して今ではいいオッカサンになっているんだろうなぁー」
と、そんなことを考えてしまいました。
本書は連作集なのですが、物語全体を貫く存在として、椎名一樹なる男性キャラクターの存在があります。彼は子供の頃から学校の人気者で、サッカー部の花形選手という、まさに『日陰者』のような学生生活を送ってきた自分とは真逆というわけですが、それが高校を卒業して、実業団に入り、それがなくなってしまうと会社を辞めて遊びまわるようになり、大阪へと行ったり、地元に戻ってきてゲームセンターの店長になったりと、少しずつ彼の存在が色あせていくのです。
それを読んでいると
「あぁ、こういうことってきっとあるんだろうなー。実際」
と考えながら椎名君のことを思い浮かべ、
「あいつとアイツとあの野郎を足して割ると、丁度椎名一樹のようになるんだろうなー」
ともう二度と会うことはないであろう。もしくは顔を合わせたとしても口すら利くこともない昔の同級生のことを考えておりました。
結局の所椎名一樹君は自動車学校の教官という安定した職業に就き、結婚し、子供を作る…。そんな彼の10代から30代にかけての『軌跡』が描かれているのです。
個人的には、椎名一樹の存在と彼の人生は、本書の持つもう一つのテーマではないかと勝手にそう思っております。かつて小説に『田園の憂鬱』と『都会の憂鬱』というものがありましたが、本書はその現代版ではないかと確信しているのです。
Posted by ブクログ
27歳になり、田舎、地方都市に住んだからこそ、各話の主人公達の気持ちがわかる気がする。
どの話にも出てくる椎名君は、話を追うごとに若返っていくが変わらない。しかし、その年代ごとの女性達の視点は結婚、恋愛、自立、セックスなど変わっているから椎名君と比べる事ができ面白い。
学生時代は自分と友達で忙しかった。同じ時女性が考えていた事を少し垣間見て、改めて男は子供だったんだと感じて面白かった。
解説でも書いてあったが、地方出身で地元を出た人、逆に東京大阪で、田舎に行ったことがある人は読むと面白い本だと思った。
Posted by ブクログ
山内マリコの短編はひととおり読んだが、どれもとりたてて私の心には残らなかった。しかし、彼女の観察眼とリアルな人物描写、日常の小さな痛みを拾い上げる力はすごい。
Posted by ブクログ
地方のロードサイドから「ここではないどこか」を夢見る女の子たちの物語。
東京で生まれ育ったわたしには想像でしかないけれど、会おうとしないと会えない学友なんてなかなか少なくて、みんなの近況はうっすら耳に入る距離感で。でもすれ違った時に○○じゃん!って気付いてもらえるほどの存在感を放って生き続けるのってきっとなかなか難しくて。みんな椎名になりたいけど、そんな椎名だって特筆した何かになれるわけでもなく、街を形成する一部に溶け込んでいく。ここではないどこかなんて、ほんとはどこにもないのね。思春期的な夢想と感じるかもしれないけれど、わたしはいまでも退屈なここから連れ出してくれる誰かを待ち望んでる。
Posted by ブクログ
山内マリコさんらしい本だなと感じた。
モラトリアムな時期にある?(と思われる)様々な女性の繊細な心の揺れ動きの描写が絶妙。皆多かれ少なかれ共感出来るところはあるのではないかな?
Posted by ブクログ
途中で、
あれ、これってもしかしてとんでもないクズ男の話?
と思ったり、
山下南っていったい全体どんなステキな女性なんだ?
と思ったり、
最終的には、
中学高校時代、どんなに憧れていた人も
年を取れば普通のおじさんになっちゃうってことだな〜と
女の子の夢は夢でしかないんだなぁなんて思ったり、、
おもしろい
連作小説ってこーいうこと?!
2節目から止まらなくなって、どんどんシーナに興味が湧いて
読み進めました
ひとりの人を、別々の時期に別々の視点から切り取ったお話
いろんな女の子に読んでもらって、感想を言い合いたい!
大人になって家族もできたシーナの、目を逸らさなきゃいけないほど胸を締め付けられるような切ない姿ってなんだったんだろう