山内マリコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
3つのお話の短編集。さらさらっと読めて面白かったけど、やっぱり山内マリコさん。深い。フェミニズムやジェンダーにからめた問題提起を描いていて。
1話目の「かわいい結婚」。好きな人と結婚して専業主婦になったはいいけど、ぜんぜん家事ができない。女の人はみんなどうしていつの間に当たり前のように家事ができるようになるのか不思議に思う主人公ひかり。わかる。え、いつ習ったっけ?なんでみんなできるの?って私も思ったわ。そしてひかりは気づく。旦那さんのお世話をするってその人の分の家事をするってことだったのか、一生!?それが私の任務?!うわぁ騙されたぁ!とコミカルなんだけど、なんか真理を突いている。私、今でもたまに思うもん、私は一生 家事担当なのか?と。
2話目の「悪夢じゃなかった?」も面白かった!ある朝目覚めたら女性になってしまった裕司。女性になって初めてわかる女性の大変さ、自分が無自覚にしてきたひどかった言動の数々。これまたコミカルだけど、わかりみが深い。そしてエンディングが最高でした! -
Posted by ブクログ
タカちゃん何かやってくれそうとワクワクし始めた途端にショーコが帰ってきた(笑)。
私の地元にも同じような商店街があったなぁ。お休みの日なんて、人を避けて通らないと行けないくらい、お祭りでもないのに大賑わい。映画館とかもあったし。そして、やっぱりマクドナルドはマストだな(笑)。小さい頃はそこに行くだけでワクワクしたし、ちょっとお姉さんになった気分になったし、学校の友達なんかに会うと、お互い背伸びした格好にちょっぴり気恥ずかしかったり。でも時間がたてば、街自体の人口の減少や、大型ショッピンセンターが出来たりして、あの頃の商店街の賑わいは嘘のよう...。久々に里帰りするたびに、寂しくなって...。
放蕩って改めてどういう意味なん?って検索したら、「自分の思うままに振る舞うこと。やるべきことをやらず、飲酒や遊びにうつつをぬかすこと。」って書いてあった。そんな放蕩娘だったショーコが周囲の人を巻き込んで、おもしろ楽しく、突拍子もなく、商店街への愛だけで突き進む姿はよかったなぁ。それに共感しながら、商店街への愛を注ぎ込むタカちゃんや周囲の人達も面白い。
ちょっと何気に商店街の復活を期待する地元の人みたいな気分になれて面白かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「昔の話を聞かせてよ」「孤高のギャル小松さん」「人の思い出を盗むな」らへんが好き。「遊びの時間はすぐおわる」は特に良かった。
「ここは退屈むかえにきて」といい「可愛い結婚」といい田舎に対する思いは山内さんの書く女の子たちと通ずるものがある。山内さんは富山県出身、大学で大阪に進学したらしい。やっぱり。
だからなんとなく読んでしまうのかも。自分がこうなるかもしれなかった人たち、地元の友人たちがいるようだから。
ありさのように自分がたぶらかしてるつもりで相手から軽んじられていたこと、その人が自分を特別なものにしてくれてここから連れ出してくれると思っていたこと、さよちゃんのように自分は可愛いと自分を許すために恋愛をしたことが、誰にだってあるでしょう。誰にももうあまり言いたくない過去のことがあるでしょう。
いろんなものが、そんなふうにして消えていった。引越しのたびに減っていった靴や洋服。自分が何を持っていて、いつなにを失くして今に至るのか、どんどん忘れていく。記憶は曖昧になって、なにが本当に起こったことなのかもわからなくなる。(「遊びの時間はもう終わり」)
いつか好きだった人とのこと、いつか心を通わせた人とのこと、もうあまり連絡をしなくなった友人のこと、地元を出たいとここには何もないと、言い切っていた私のことを思い出した。