土方奈美のレビュー一覧
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目指すべき目標と、その達成状況を示す主要な結果であるOKR(Objectives and Key-Results)。
OKRを組織の隅々にまで浸透させるためのCFR(Conversation, Feed-back and Recognition)。
本書はその2つを軸に、なぜその手法が好ましいのか実際の事例を交えて紹介されている。
数年前に出版された「How Google Works」では比較的あっさりと紹介されていたOKRだが、
本書を読む限りはGoogleの信じられないような発展の原動力であったことがうかがえる。
巻末の付録にあるガイドラインはとても実用的。 -
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LBO(プライベートエクイティ)業界の変遷がとてもよくわかりました。
面白いのは、時代の流れ(と業界が世の中にどんな風に見られているか)と共に、ビジネスモデルが変わってきている事で、ジャンク債による資金調達に始まり、シンジケートローンによる複数金融機関による資金調達、シンジケーションと証券化のハイブリッド(これが今だと一番主流)による資金調達と、夫々の時代に於けるエリート金融マンたちによって新たな金融商品が開発され、その調達規模感と共にプライベートエクイティの買収案件規模も大きくなってきていることがわかります。本自体が2010年頃に書かれているのでその後の業界の変遷については言及されてないです -
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SNSに登録した個人データや日々更新するつぶやきやいいね等、全てのデータはSNS会社によって収集されビックデータとして利用されている。
公開していない個人情報は、SNS会社も含めてプライバシー権によって保護されていると思っていたが、とんでもない勘違いであった。
また他人のデータからも友達情報やたまたま写ってしまった写真などによって、自分のデータが吸い上げられていく。
もはやインターネット上でプライバシーはないものと考えて行動する必要がある。
その際に重要なことは、個人情報を提供することと、それによって得られるメリットは比例するということだ(お勧め情報がより志向に合ったものになる等)。
・訳者 -
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「今まで得た資産のことは問わない。だから今後、政治には口を
出すな」とオリガルヒ(新興財閥)を集めた円卓会議で凄みを利かせ、
未払い賃金の支払いに同意する書類になかなかサインをしない
オリガルヒに「君のサインがまだのようだが?」と脅してサインさせ、
野党が提出した文書を目の前でビリビリにする。
かと思えば、楽しそうにワンコと戯れ、どこかぎこちないけどピアノを
弾いてみせ、テニスや乗馬や釣りをしている姿を公開し、バイカー・
ギャングを従えて大型バイクで夜の街を疾走する。
突然、ロシアのトップになってから色んな顔を見せて私を魅了する
プーチン大統領。本書は映画監督オリバー・ス -
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主にテクノロジーが関わる未来予想をどう構築するか?
著者はユダヤ系の日本通だが、それは直接はこの内容とは関係はない。
最先端でも周縁部でもあるテクノロジーの限界を試している人たちがいる。それらの動向がトレンドになるか?を判別するために、関係する研究、関係者、テクノロジーをリストアップし結びつける。その際にCipherという基準を使う。Contradiction, inflection, Practice、Hack, Extreme, Rarityという観点から行う。例えばウーバーは不景気とスマホの圧倒的普及という矛盾あるいはタクシーの限定的な免許数と利用者数という矛盾あるいは慣行(規制)、スマ -
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アメリカ人のみならず、立候補表明時には誰もが泡沫候補だと思った
ことだろう。立候補した本人以外は。
ドナルド・トランプである。アメリカ人の大富豪は、並み居る共和党候補者
を次々と撤退に追い込み、民主党のヒラリー・クリントンとアメリカ大統領
というVIP中のVIPの座を目指している。
私にしては珍しく旬の読書なのである。だって、大統領選前に何故、彼が
多くの批判を受けるのと同じくらいに、多くの支持を得ているのかを知り
たかったのだもの。
しかも、調査報道は得意中の得意の「ワシントン・ポスト」取材班。これは
読み逃すわけにはいかないでしょう。トランプ自身も取材班のインタビュ -
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不条理に見える組織というものの実態に不満を抱く従業員は少なくない。だらだら続く会議、現場をわかっていない管理職など。組織というもののシステムに幻滅し、背を向ける前にどうしてそうなっているかという考察はやってみる価値はある。その意味でテーマ&視点としてはとても面白い本と思う。
リーダーの役割とは何か。それは明文化できない、組織の方向性を決定する事であったりルールではない文化を醸成する事にある。その為一見非効率な会議に出席する必要がある。CEOの仕事はあえて会議を通じて情報を集め、メッセージを発信する。
またピラミッド型のヒエラルキー組織ではトップに行くにつれて現場の情報が失われていく。
仕 -
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[架空の実金]ある者はインターネット以来の最大の発明と賞賛し,またある者はいかがわしいシステムとして懐疑の眼差しを送る貨幣通貨。その中でも代表的なビットコインとその初期の参画者に焦点を当て,ドキュメント風に貨幣通貨の実体化までを綴った作品です。著者は,ニューヨーク・タイムズ紙の記者として活躍するナサニエル・ポッパー。訳者は,日本経済新聞の記者を務めた後に独立した土方奈美。原題は,『Digital Gold: Bitcoin and the Inside Story of the Misfits and Millionaires Trying to Reinvent Money』。
本書から -
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自分の人生を生き抜くための永遠の課題と捉えている、物事を予測すること。
この問いに対し、心理学的な側面、資質、予測のプロセスについて、実際に米国で研究・検証したケーススタディをベースに、種々解説しております。
巻末に、超予測者になるための心得として、10箇条の要約が明記されております。
心理学的側面では、社会心理学や行動経済学でも登場する、バイアス・ヒューリスティックなど、客観的な視点を歪ませる人の心理が丁寧に解説されてます。
予測のプロセスにおいては、やはりというか緻密で且つ客観性を保持することの重要性を主張しております。「永遠のベータ」であれといういい響きの言葉をいただきました。
なお、様 -
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新聞、雑誌、テレビなどで様々な予測を目にすることは多く、中には、株式投資のように、その予測に影響を受けた行動をとる人もいることだろう。しかし、そのような予測は、プロ野球の順位予想など一部を除けば、その当否が検証されることはあまりない。
本書は、予測を検証する方法論、優れた予測を行う人の存在、そうした超予測者が行う予測の方法などについての著者の研究成果が紹介されている。こうして見ると、かなりマニアックな内容のようにも見えるが、実際には、エビデンスベースの医療が導入されるまでの歴史とか、予測の失敗例と成功例として取り上げられたケネディ時代のキューバ問題とか、このような予測問題に対して批判的なブラッ