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プライベートエクイティ投資会社は「招かれざる乗っ取り屋」「企業価値の破壊者」などという誤解を持つ人がまだまだ多い。しかし、プライベートエクイティが米国経済に果たした役割は大きい。そのことについて具体例を交え明らかにしたのが本書だ。
◆ファンドが果たす役割を実例で学べる
アメリカのブラックストーン・グループは、プライベートエクイティや不動産、クレジット、ヘッジファンドに投資する巨大企業で、本書は、同社の事業展開と、その経営者に焦点を当てて描かれたノンフィクションである。
プライベートエクイティという、私たち日本の一般人にはまだなじみの薄い、プライベートエクイティの仕組みと米国投資ファンド業界の80年代から金融危機を経た、25年余りの米国金融業界の変遷が詳しく描かれている。
さまざまな企業への投資の成功事例、失敗事例など具体例が多く盛り込まれているので、投資をするとはどういうことなのか、誰の役に立つのか、また、金融システムの中でファンドが果たす役割がどういうものなのかを理解するのにうってつけである。
◆知的好奇心を揺さぶる内容
金融や投資に関しての基礎知識を勉強中の読者には、本書で次々と登場する金融用語は新鮮そのもの。そしてそうした金融用語の多さは、アメリカの金融・投資業界が急速なイノベーションを起こしていることの証しだともいえる。
アメリカの金融・投資業界は、古いビジネスモデルがどんどん色あせ、新規参入者が新しい手口で登場するという、きわめて熾烈な競争環境下にある。
その根底にあるアメリカの投資文化が、アメリカ経済を動かすためには不可欠な要素となっていることを、本書では述べている。
金融、投資に関心を持つ読者にとっては、アメリカのけた外れの巨大買収と巨額報酬の裏側なども知ることができ、知的好奇心を揺さぶる内容である。
Posted by ブクログ 2018年08月21日
LBO(プライベートエクイティ)業界の変遷がとてもよくわかりました。
面白いのは、時代の流れ(と業界が世の中にどんな風に見られているか)と共に、ビジネスモデルが変わってきている事で、ジャンク債による資金調達に始まり、シンジケートローンによる複数金融機関による資金調達、シンジケーションと証券化のハイブ...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年04月13日
プライベートエクイティの雄、ブラックストーンの設立から2010年までのノンフィクション。
その当時の金融情勢も含めて丁寧に書いてありディールの詳細も分かりやすく、またこの会社やLBOのマーケットに大きく貢献した銀行員や投資家の存在が手に取るように分かるような書き方がしてあり、物凄く面白かった。
この...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年12月30日
PE業界の最大手の一角であるブラックストーンを通して、PE業界の歴史とその手法の変遷について知ることができる大著。シュワルツマンという強烈な人物を通してブラックストーンを知ると同時に、他のプレイヤーについても詳しく書かれている。
アメリカの産業の歴史、景気の変動に対応して変革してきた自社の力が克明に...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年04月19日
プライベート・エクイティという存在をご存知でしょうか。
プライベート・エクイティとは、大雑把に言うとLBOと言う、自身の資本に他から調達した資金を追加して企業を買収する手法を用いて企業買収を行い、買収した企業を転売して利益を得る金融グループの事です。
もしかしたら、PHSキャリアのWillcomを買...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年05月22日
アメリカ経済強いては世界経済をけん引してきたPE業界の雄、ブラックストーンの栄枯盛衰のノンフィクション。元リーマンブラザーズのピーターソンとスティーブシュワルツマンが1985年10月1日に設立した。ドイツ語で「黒」を意味するシュワルツとギリシャ語で「石」を意味するピーターをとって社名が作られた。プル...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年04月11日
PEファームの雄「ブラックストーン」の設立から現在までを、
プライベート・エクイティ業界およびLBOの歴史とともに、
ブラックストーンと創業者のシュワルツマンを軸に描いている。
バブル~リーマンショックまでの約30年間を、
金融を絶対悪のように描くルポや小説も多い(ほぼ100%)中で、
PEファー...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年03月23日
世界最大の投資ファンド運用会社の設立から現在いたるまでの記録。
投資ファンドというあまりいいイメージがないが、経済にダイナミズムを与えているさまが描かれていた。訳者のあとがきにもあったが、日本でこのようなプレーヤーが活躍できている土壌があったなら、失われた20年はちがっていたものとなっていたかもしれ...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年02月12日
恥ずかしながら、プライベートエクイティって何?というレベルで読んだけど、むしろ非常に興味深く読めました。
どうもイメージで「乗っ取り屋」とか、「短期的利ざや稼ぎ」のように勝手に決めつけがちだけど、実際に投資先のうち2年以内に売却されるケースは全体の12%しかないことや、58%のケースでは保有は5年...続きを読む
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