【感想・ネタバレ】超予測力 不確実な時代の先を読む10カ条のレビュー

あらすじ

「専門家の予測精度はチンパンジーのダーツ投げ並みのお粗末さ」という調査結果で注目を浴びた本書の著者テトロックは、一方で実際に卓越した成績をおさめる「超予測者」が存在することも知り、その力の源泉を探るプロジェクトを開始した。その結果見えてきた鉄壁の10カ条とは……政治からビジネスまであらゆる局面で鍵を握る予測スキルの実態と、高い未来予測力の秘密を、米国防総省の情報機関も注目するリサーチプログラムの主催者自らが、行動経済学などを援用して説く。《ウォール・ストリート・ジャーナル》《エコノミスト》《ハーバードビジネスレビュー》がこぞって絶賛し、「人間の意思決定に関する、『ファスト&スロー』以来最良の解説書」とも評される全米ベストセラー。

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Posted by ブクログ

非常に参考になった。

全く知らない事柄に対して予測する際に、
 自分の知っていることとに細切れにして、その一つ一つを予測していく手法は面白い。

世の中には、全く知らないことについて常に予測をしているような人たちがいるのだ。

某国の情報機関の予測より正確だという。面白い。

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2020年10月25日

Posted by ブクログ

本書は予測力の高い人達の思考方法や行動原理の共通法則を、エビデンスに基づいて整理した画期的な本。本書で紹介している法則は、予測力だけでなく、学問的にも企業活動的にも仮説を立てるにあたって活用すべき思考方法として非常に有効な方法ではないかと思う。研究者、コンサル、行政や企業の企画スタッフ、そしてマネジメントの職にある人たちにとっての必読書。

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2019年09月26日

Posted by ブクログ

すごく面白いです。未来予測の本であるし、リーダーシップの本でもあるし、投資の本でもあるし、確率論の話でもあるし、機械学習に通づる話でもある。書き口も平易ですごく読みやすい。

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2018年12月12日

Posted by ブクログ

自分の人生を生き抜くための永遠の課題と捉えている、物事を予測すること。
この問いに対し、心理学的な側面、資質、予測のプロセスについて、実際に米国で研究・検証したケーススタディをベースに、種々解説しております。
巻末に、超予測者になるための心得として、10箇条の要約が明記されております。
心理学的側面では、社会心理学や行動経済学でも登場する、バイアス・ヒューリスティックなど、客観的な視点を歪ませる人の心理が丁寧に解説されてます。
予測のプロセスにおいては、やはりというか緻密で且つ客観性を保持することの重要性を主張しております。「永遠のベータ」であれといういい響きの言葉をいただきました。
なお、様々に集めた情報を「シンセシス(統合)」することの重要性を感じました。この部分が、予測(結論)する上で、最も重要で且つ必須スキルであると思います。
予測に関する書籍を読み漁っていますが、ここの部分について、詳細に綴られているものはなく、ここが形式知化できないコアな部分であると、あらためて感じた次第です。

翻訳書特有の米国人の言い回しの分かり難さで、-0.5点です。

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2017年05月07日

Posted by ブクログ

あらゆるテーマに関して予測が高確率で当たる人とそうでない人の違いを研究した本。
著者はブラック・スワンのNNタレブとは予測可能性に関して意見を異にすると言っているが、書いてある主な内容としてはブラック・スワンで語られている不確実性を極力排除した上で意思決定を行う方法をより体系的にわかりやすく解説した感じになっている。
ネイトシルバーも出てくるし割と個人的に好きな人たちの名前が多く挙がっている本。
要は、予測の精度を上げるためには、バイアスを自覚しできるだけ多くの変数を考慮する必要があるという話。

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2017年03月19日

Posted by ブクログ

ポイントは
質問分解
類事例の発生確率を基準に
対立する見解を考え統合
新しいエビデンスに従いアップデート
結果を検証

例にもよく登場するように株価予測に役立つと思う。

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2017年02月06日

Posted by ブクログ

新聞、雑誌、テレビなどで様々な予測を目にすることは多く、中には、株式投資のように、その予測に影響を受けた行動をとる人もいることだろう。しかし、そのような予測は、プロ野球の順位予想など一部を除けば、その当否が検証されることはあまりない。
本書は、予測を検証する方法論、優れた予測を行う人の存在、そうした超予測者が行う予測の方法などについての著者の研究成果が紹介されている。こうして見ると、かなりマニアックな内容のようにも見えるが、実際には、エビデンスベースの医療が導入されるまでの歴史とか、予測の失敗例と成功例として取り上げられたケネディ時代のキューバ問題とか、このような予測問題に対して批判的なブラックスワンの著者の意見など、幅広い事象が取り上げられていて、非常に刺激的であった。
本書を読んだからといって、自分が超予測者になれるとは思えないが、ここで紹介された色々な物の見方はいかにも有用そうで、今後、なるべく生かしていきたいと思わせるものがあった。
一つ気になったのは、様々な面でタブーを物ともしないような鋭い切り口の著者であるが、第二次大戦を戦ったドイツ国防軍のシステムや思考方法を賞賛した後で、これについて弁明めいた追記をしているところ。アメリカでは、今も、ヒトラー政権下のドイツ軍に関することを賞賛するのは、よほど政治的に正しくないことなのだろうか。

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2017年01月15日

Posted by ブクログ

予測できることとできないことを明確に
 長期的な問題に関する予測はほぼ無理
問題を明確に
 自分に都合よく解釈しない
  認識のバイアス
 大きな問題は小さな問題の集合に分割して考える
  フェルミ推定
類似事例をもとにベースとなる確率を設定しそこから予測確率を調整
 新たな情報を得た場合は予測を調
  情報の重要性を考慮
 他者の意見も予測に反映
  自分の考えに固執しない
予測内容は具体的に検証可能な状態で
 予測対象、期間、予測結果の指標
  どうすれば結果から予測精度を検証できるか
 検証時は後付けバイアスに注意

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2020年01月25日

Posted by ブクログ

あとがきより
「本書『超予測力』の土台となっているのは、『ソ連で赤軍がパレードをしていたロナルド・レーガン政権時代』から一貫して予測力を研究してきたペンシルバニア大学教授、フィリップ・テトロックの研究成果である。テトロックの率いる研究チーム『優れた判断力プロジェクト(GJP)』は、2011年から15年までアメリカ国家情報長官直属の組織であるIARPAが主催した予測トーナメントに出場、圧倒的な成績を収めた。…GJPの予測の正確性は他大学の研究チームはもちろん、CIAなどの諜報機関で働くプロの情報分析官のそれさえも上回った。原動力となったのが、テトロックが『超予測力』と名づけた一群のボランティアだ。
 超予測力はどのような人々か、彼らはどのように予測を立てるのか、徹底的に分析した結果、テトロックがたどり着いた結論はこうだ。『予測力は生まれつき備わった神秘的な才能などではない。特定のモノの考え方、情報の集め方、自らの考えを更新していく方法の産物である。知的で思慮深く意志の強い人なら、だれでもこの思考法を身に着け、伸ばしていくことができる』。」

以下、本編より
■典型的な超予測者像まとめ
・モノの考え方の傾向
慎重 確実なことは何もない。
謙虚 現実はどこまでも複雑である。
非決定論的 何が起きるかはあらかじめ決まっているわけではなく、起こらない可能性もある。

・能力や思考スタイル
積極的柔軟性 意見とは死守すべき宝ではなく、検証すべき仮説である。
知的で博識 認知欲求が強い 知的好奇心が旺盛で、パズルや知的刺激を好む。
思慮深い 内省的で自己を批判的に見ることができる。
数字に強い 数字を扱うのが得意である。

・予測の方法
現実的 特定の思想や考えに固執しない。
分析的 鼻先越しの視点から一歩下がり、他の視点を検討する。
トンボの目 多様な視点を大切にし、それを自らの視点に取り込む。
確率論的 可能性を多段階評価する。
慎重な更新 事実が変われば意見を変える。
心理バイアスの直観的理解 自分の思考に認知的、感情的バイアスが影響していないか確認することの重要性を認識している。

・努力についての考え方
しなやかマインドセット 能力は伸ばせると信じる。
やり抜く力 どれだけ時間がかかろうと、努力しつづける強い意志がある。

■超予測力をめざすための10の心得
(1)トリアージ 努力が報われそうな質問に集中しよう。
(2)一見手に負えない問題は、手に負えるサブ問題に分解せよ
(3)外側と内側の視点の適度なバランスを保て
(4)エビデンスに対する過少反応と過剰反応を避けよ
(5)どんな問題でも自らと対立する見解を考えよ
(6)問題に応じて不確実性はできるだけ細かく予測しよう
(7)自信過少と自信過剰、慎重さと決断力の適度なバランスを見つけよう
(8)失敗したときは原因を検証する。ただし後知恵バイアスにはご用心
(9)仲間の最良の部分を引き出し、自分の最良の部分を引き出してもらおう
(10)ミスをバランスよくかわして予測の自転車を乗りこなそう
(11)心得を絶対視しない

※外側の視点から始めよ
 …統計学で基準率と呼ばれる。ある事象が母集団のなかでどれだけ一般的かを示す。ダニエル・カーネマンはもっと想像力をかきたてるような呼称をつけた。「外側の視点」である。対義語は「内側の視点」で、特定の事例の詳細な情報を表す。…
 われわれはどうしても内側の視点に引っ張られる。内側の視点は具体的で、ストーリーを組み立てていくのにうってつけな興味をそそる情報が詰まっている。反対に外側の視点は抽象的で無味乾燥で、ストーリーをつくるのに不向きだ。…
 なぜ外側の視点から始めるべきなのか、疑問に思うかもしれない。…理由は「安価リング」と呼ばれる基本的な心理学の概念だ。…
 …予測を立てる際に内側の視点から出発すると、あまり意味のない数字に影響を受けるリスクがある。外側の視点から始めれば、分析は意味のあるアンカーから出発することになる。質の高いアンカーが有益なのは明らかだ。

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2021年08月08日

Posted by ブクログ

面白かった。
予測力が飛び抜けて優秀な人は、いわゆる超能力があるわけではなく、やるべき手順を知っていて、それを遂行できる能力がある。
数学が抜群にできなくてもよいが、ある程度の力は必要。この辺はなんとかなる。

ある程度なら自分もできそうではあるが、実際にやれるかは意志の強さが求められる。なかなか難しい。

本書に出てきた、期限を切らず数値で基準も示さず批判する輩には腹がたつ。責任も取らず言いたいことだけ言う人々。そうはなりたくないものだ。

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2017年03月27日

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超予測力を持つ人を、見つけ出し、要因を探る大規模実験。実験内容は秀逸。結局もって生まれたものが大きいという悲しい現実が。。しかしいくつか為になるチップスもあり、予測力を磨く必要がある人間としては読んで良かった。
・超予測者は数学に強い。
・超予測者はこまめに予測を更新する。
・超予測者はニュース、本で知識を貪欲に吸収。
・チームで協働することで各個人の成績も良くなる。

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2017年02月27日

Posted by ブクログ

先を予測することに長けた超予測者から、予測を行う心得がわかる。○か×の二項対立ではなく、確率で表そうとする点が「シグナル&ノイズ」に通ずる点を感じた。そして、世界で起きる様々な事象をもとにその予測をアップデートしていくという点が面白い。フェルミ推定も取り上げられており、テクニカルな部分でも興味深い。

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2017年02月08日

Posted by ブクログ

予測に関する本

メモ
・超予測者を目指すための10の心得
 トリアージ 
 一見手に負えない問題は手に負えるサブ問題に分解せよ
 外側と内側の視点の適度なバランスを保て
 エビデンスに対する過小反応と過剰反応を避けよ
 どんな問題でも自らと対立する見解を考えよ
 問題に対して不確実性はできるだけ細かく予測しよう
 自信過小と自信過剰、慎重さと決断力の適度なバランスを見つけよう
 失敗した時は原因を検証する。ただし後知恵バイアスにはご用心
 仲間の最良の部分を引き出し、自分の最良の部分を引き出してもらおう
 ミスをバランスよくかわして予測の自転車を乗りこなそう
 心得を絶対視しない

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2023年12月26日

Posted by ブクログ

予測を定量的に評価しようというお話。一発、ワンショットで未来を宣託するのではなく、変化していく状況などの影響因子を評価して数字(確率)で未来を見通す。だから予測も漸近的に推移していく。そと精度を評価していくところが面白い。そして評価の高い予測者とはどんな組み立てをするのかを定性的にまとめているのが参考になるかも。
それにしてもCIAの分析官や天気予報士などプロの予測者でも自身の予測について外れることへの逃げ道を残す表現を使う習性があるところが人間くさいもんだ。

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2020年05月11日

Posted by ブクログ

とにかく冗長。結論はシンプルで「永遠のベータ」すなわちダーウィニズム同様変化に常に対応できる「一貫して一貫性のない」人に予測力は高くそなわるというもの。

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2018年11月22日

Posted by ブクログ

・超予測者にとって「自らの意見とは死守すべき宝ではなく、検証すべき仮説にすぎない」
・運命論的思考をする人ほど、予測の正確性は低くなる傾向がある。確率論的思考をする人ほど、予測の正確性は高い
・優れた予測と立てるために、超予測者の多くが踏んでいる手順。まず質問を分解する。知りえる情報と知りえない情報をできるだけ明確に選別し、すべての仮説を吟味する。外側の視点に立ち、問題を固有のものではなく、一般的現象の一つの事例として相対的に見る。それから内側に視点を転じ、問題固有の情報に焦点を合わせる。さらに、自分と他人の見解を比較し、類似点と相違点を検討する。とりわけ予測市場など、群衆の英知を引き出す仕組みに注意を払う。こうして得られた多様な見解を、トンボの目のような鋭い単一の視点に統合する。最後に確率を1%単位で示すなど予測はできるだけ精緻に表現する
・思い入れを強く表明するほど、変化への抵抗も強くなる
・優れた予測をするための魔法のような必勝法など存在しない。たくさんのただし書き付きのざっくりとした原則があるだけだ
・特定分野での予測能力を高めたければ、それを繰り返し練習すること、そして、間違えたら、その原因を学ぶ姿勢が大事
・「自分の頭で考えよ」。必要とあれば、命令に異を唱えよ。批判しても構わない。そしてどうしても必要と思ったら逆らうことも厭うな(正当な根拠がないと後々困ったことになるが)
・不愉快な話にも進んで耳を傾けようとする姿勢と、誰もが都合の悪い話を安心して上司の耳に入れられるような文化を組織全体に醸成する必要がある。「型にはまらない因習打破的な発想ができる人材は守り、育てていく必要がある」
・優れた予測に必要な謙虚さとは、自己疑念ではない。自分を卑下する感覚ではなく、知的謙虚さである。つまり現実はどこまでも複雑で、物事をはっきりと理解することが仮にできたとしても、それには不断の努力が必要だ。だから人間の判断には過ちがつきものだ、という認識である

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2018年11月04日

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