川内有緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
川内有緒さんの作品を読むのは、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』『晴れたら空に骨まいて』に続き3作目になります。読みやすくて飾らない文章で、親しみが持てて結構好きな作家さんです。
この作品は、娘のナナちゃんのために小屋づくりに家族一丸となって小屋づくりに取り組むというエッセイです。川内有緒さんの人脈ってすごいですね…様々な立場の人たちが、もてる専門分野を活かして手伝ってくれます。多分、私が小屋を建てたいって言っても、なにふざけてるの??って本気にしてくれなさそう…!!まぁ、ウチは田舎なんで、子どもたちのために小屋を建てようとは思わないけど(笑)。
小屋づくりのノウハウ的なものより、読んでいてナナちゃんの成長が垣間見えるのがよかったなって思いました。台風やコロナの時期、何よりも仕事をしながらの小屋づくりはとっても大変そうでした。この作品が出版されてから1年ちょっと、小屋は完成したのでしょうか?そして、ナナちゃんはどんなふうに成長しているのか…気になります。 -
Posted by ブクログ
題名から、パリで美味しい料理を食べ歩くようなストーリーかと思ったら、いい意味で全く違った…!
パリでその日の飯を食うために、苦しんだり、悩んだりしながら、順調ではない人生を目一杯生きる人たちの物語はとても面白かった。
その人にとっては普通の人生かもしれないけど、2つとない人生は、自分も含めて誰の人生でも魅力的で特別なものだと思えた。
将来のために頑張ることも大事かもしれないけど、今の自分のために一生懸命生きるのもいいのかもしれない。
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僕は経済的なものは残してやれない。
父親として残してやれるものは、記憶と経験だけです。(P.92)
僕たち二人しか親になれる人はいないから。
子どもが最後にしがみつける場所、安心できる場所は家族じゃないですか。
そういう場所をユリオに絶対に作ってあげたかった(P.94)
そのためなら、もう恋愛はしないと言い切れる潔さ、思慮深さ、愛情の深さに、この人たちはすごいと思った。
人は本当にどう生きてもいい。
時間やお金に縛られながらも、安定して生きるのも一生。
サクレ・クール寺院を眺めながら、好きなことをして生きるのも一生。(P.288) -
Posted by ブクログ
ネタバレ田舎を持たない小さな娘のために、自然の中に小屋を建てる、という体験記。
モノを買う以外の選択肢、としてまずDIYした机に続く、第二弾が建物!
3年ほど?の時間をかけて、途中、コロナ期も経ての、大作業でした。
シンプルな小屋を建てるにも、
作業工程は季節を考慮する必要があること。
箱モノの前に、まず土台が本当に重要で千問技術を要するものなのだとあらためて知る。
そして家にも、壁、窓、など、
一つ一つのパーツがまた大変そうでした。
トイレ、井戸はナイスチャレンジだったのだろうと思います。
小屋も家も、物理的にはいつどうなるか分からないけれど、
確かなことは、ここまでの時間の積み重なりだということも書かれていました。
一つ一つ記録していったということもあるだろうけれども、
手足身体を動かして何かを行う、その手応えを一時一時感じて取り組まれてきた姿勢がとても伝わります。
そして、人を呼び寄せる力、体力、気力も感心して読んでいました。 -
Posted by ブクログ
本書は、経済的に余裕のある人が小屋づくりに挑戦した単なる趣味的なDIYエッセイではなく、困難な時代を生き抜く力があふれる6年間の軌跡です。
不器用な著者が、なぜ小屋造りへと突き動かされたのか? そのきっかけ、経緯、完成までが詳細に記録されています。
しかし本書の肝は、その小屋が出来上がっていく物理的な変化以上に、娘の成長の記録であり、周囲を巻き込んで一つ一つ困難をクリアし、行きつ戻りつしながら親も成長していく記録、まさに人生の縮図を著している点にあると思います。
シンプルに「娘に心の原風景を与えたい」という想いから、よくぞ頑張ったなと感心します。
これこそ「生きる力」ですね。変化の激しい今の時代に、生活をより豊かにしていくためにどうするかという課題へ、自ら考え、判断し、行動を起こして学んでいく‥、思い描く幸せの実現こそが、導き出した答なんですね。
ダンナさんとの関係性や娘さんへの接し方も素晴らしいですし、周囲に気心許せる仲間が多くいるのも魅力的で羨ましいです。
あやかりたいなと思いながら、一歩踏み出せない自分がいます。悲しい‥。
それでも、DIY(自分でやろう!Do It Yourself)をさらに進め、D(どうなっても) I(いいから) Y(やろう)という前向きな姿勢が、私たちに大きなヒントを与えてくれる一冊でした。