岡田尊司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
これを読んで、私は「失敗したくないし恥をかきたくない。恥をかくくらいなら最初から挑戦しない方がいい」という考えが自分の根底にあったのだと気づいた。負けそう、傷つきそうだと少しでも感じた勝負からは逃げ、絶対に勝てると確信できるものだけを選んできた。その結果、他人からは“優秀な人”として見られるようになった。しかし、自分の一部だけを見せて他の側面を隠して生きることで、知らないうちに自分自身を欺いてきた。優秀でなければならないという自己縛りは失敗への恐れをさらに強め、人生を楽しむことを難しくしていた。
自分は承認欲求に溺れたタイプではないと思っていたが、実際には「優秀だと思われたい」という承認欲求に -
Posted by ブクログ
■愛着の安定性が最もよく表れるのは母親がいなくなったとき以上に、母親と再開するとき。愛着が安定した子供では、母親との再開を素直に喜ぶ(「安定型」)が愛着が不安定な場合には、母親に対して激しく怒りをぶつけたり、抱っこしようとするのを拒んだり、ときには母親を叩いたり蹴ったりする。かと思うと、母親が入ってきたことにも無関心で、自分の遊びを続けている子供もいる。前者のように素直でない反応を示し別れることに過剰な不安を示すタイプを「抵抗/両価型」、後者のように母親に対して関心や反応が乏しく、近づこうともしないタイプを「回避型」と判定する。両者を合わせて「不安定型」と呼ぶ。
子供の中には両方の反応が無秩 -
Posted by ブクログ
家族関係で悩んでいて、親子、夫婦を多角的に関係を見てなんとか解決や克服できないかなぁと様々な本にあたって見つけた一つがこの本。我が家は子供と決定的に親子関係が悪い。反抗期の重症レベルで肺炎拗らせまくり!?みたいな状態かも(我が家のヤバさをなんとかお伝えしたい)。夫婦関係もイマイチなのかな。まぁ我が家はわりと個人主義で家族の会話が極端に少ないし、みんなが行動を共にする場面がきわめて乏しい。子供ながらに気を遣われていたんだなぁ、と情けなくも反省する。まさにinsightにあふれていて、そうかぁだから問題だったのかとだいぶ理解できた。それと同時に家族システム論という影響関係を多角的に考えるアカデミッ
-
Posted by ブクログ
夫の愛着スタイルは安定-回避型だと思われる。だから、私との関係を大切にしてくれているが、あまりベタベタすると鬱陶しがられる。また、愛情表現はあまりせず、私が落ち込んでいたり困っていたりしても気にかけてくれない。
私は基本の愛着スタイルは不安定-不安型で、友達や元カレ、夫の支えのおかげで、愛着スタイルが安定しつつあったのかなと思う。高校生の時まで、友達にべったり依存して、不安な気持ちを慰めてもらっていた。大学生の時は彼氏に依存していた。大学卒業後、元カレと別れてから夫と付き合う以前に関係をもった人たちに対しては、誰かに必要とされたくて認めて欲しくて愛を求めていたんだけど、心を開かず、体の関係だ -
Posted by ブクログ
ずっと自分が発達障害のグレーゾーンにあてはまるのではないかと思っていて、関心があったテーマ。
よく聞くADHDやASDを含む発達障害について、得意なこと・不得意なことを中心にくわしく知れて勉強になりました。
国内外の有名人のエピソードが取り上げられていて、凸凹を抱えていても人生に希望が持てるような書き方になっていたのもよかったです。
また、自分は聞き取りが苦手で、「ワーキングメモリが弱いのかも」と気づけました。
本書のような本を読んで発達障害についての知識を身につけることが、正しい自己理解のために大事なんだと思います。
同著者の『発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン』も読んでみたいです。 -
Posted by ブクログ
パーソナリティ障害は精神病が放置された結果として現れる症状というよりも、病名のついていない心理的な傾向といった側面が強いものという印象を受けた。
本書では、子供時代の親からの愛着が発症の原因となる、といった語り口だったが、社会に出ても日常生活でのパートナーの不在やトラウマ、継続的な問題から逃げ出す気性などで発症し、そのまま悪化し続けるケースもあるのではないかと思う。
筆者の他の著作と比べ、非アカデミアの一般読者にとって読みやすい内容と感じた。「自分の周囲の人や芸能人はこのパーソナリティ障害の傾向が明らかにあるのではないか」とか「自分にどんな傾向があるか振り返るきっかけにする」とか、身近かつ顕在 -
Posted by ブクログ
風邪をひいた場合などの体調不良時には、初期の段階で治療や策を講じる人がほとんどだろう。だが発達障害やグレーゾーンが疑われる場合に、風邪と同様に行動に移せる人はそう多くないと思われる。自分勝手な考えではあるが、まだまだ各種障害への過度な偏見や、マイナスイメージが付いて回っているのだろうと思う。
精神科や心療内科に行くことに抵抗やためらいのようなものを感じている方には、ぜひ本書を手にとってもらいたい。適切な介入や治療、またはトレーニング次第で社会生活での困難さを感じる場面を減らすことにつながっていくはずだ。
本書には、具体例を豊富にあげ、障害についての理解を深められるように分かりやすく記載が -
Posted by ブクログ
自分が恐れ・回避型に当てはまることを改めて確認するために読んだ。でも多分、今ってまあまあ少なくない割合の人がうっすらこんな感じな気もする。安定型に育つのって難しそう。本来親がその役割を担うべきはずだった“安全基地“を大人になってからもフラフラ求め続け不毛な恋愛をしてそうな人とかごまんといるし。
幼少期というのは人格形成において一番重要な時期で、そこを失敗すると本当に本当に予後が悪い。子どもの心は乾く前のセメントと言うが正にその通り。
乾いてしまってからの修復作業、克服作業はとても簡単なものではない。生半可な覚悟では変われない。それでも不可能ではないのだということも分かって良かった。まずは傷を認 -
Posted by ブクログ
備忘録
・SADは有病率10%以上
・回避行動をとる傾向がある
・障害を自覚しにくく、誤認しやすい
・心理教育
→SADのメカニズムや治療法を理解し治療への納得を得る
・初期アセスメント
→ 不安の強さや回避パターンを尺度(例:LSAS-J)で評価し、治療目標を明確化
・認知修正
→ 歪んだ自動思考を、現実検証を通じて修正する
・曝露療法
→ 人前での話し・視線を浴びる等の不安刺激に段階的に慣れることで、不安の減衰を図る
・ソーシャル・スキル訓練(SST)/アサーション訓練
→ 挨拶・相槌・アイコンタクト等、具体的な対人スキルを練習し、対人不安を軽減
リラクゼーション法
→ 筋弛緩法・呼吸 -
Posted by ブクログ
私の母は傍から見ると愛情があり、面倒見がよく、行動力も人脈もあって、よく友達からも羨ましがられる人だったけど
私は母とは絶対に分かり合えないと感じていて
最近10年振りに共同生活を送るようになってから、またその気持ちが大きくなってきたのでタイトルに惹かれて読んでみました。
小さいころから、なんとなくモヤモヤしていた感情が、私のペースを乱し、上手くコントロールしようとされていたことに気づくことができて、心がスッキリした感覚になりました。
また、本著では親子関係に焦点を当てて書かれていますが、パートナーや友達、職場の人間関係なども改めて考えさせられ、また自分の弱みも知り、モヤモヤが少しずつ言