岡田尊司のレビュー一覧
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■「数学不安」という専門用語がある。数学ができるかどうかには数量処理や作動記憶といった認知的能力のほかに問題を解く際の不安が関わっている。この不安が「数学不安」。
・数学不安が強いと解けないのではという不安や恐怖に圧倒され、肝心の問題に集中することができず実力以下の成績しか取れない
・数学不安は単に数学が得意か苦手かということだけでなく就職や職業における成功を左右する
・数学不安が強い人は解けないのではないかという悪い結果ばかりを考えてしまい自分の足を引っ張ってしまう
・最近の研究で、この数学不安が愛着安定性と関係していることが明らかとなった
■人を幸福にする生物学的な三つの仕組み
①おなか一 -
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新聞の書評で関心を持って読んだのですが、タイトル、オビで書かれていることは確かに本文中の重要な内容なのですが、最終章の第9章へと読み進むに連れて、この本が本当に伝えたかったことがなんだったのかが分かってきました。それがなんであるのかは、どうぞ、自ら読んで確かめていただければと思います。198ページにクライマックスの一つが、そして、205ページから207ページを読み進むにつれて、なぜか胸が熱くなった。ページをめくって、「おわりに」となったときに、なぜか、ふっと夏の日が急に終わって、ひとりで、静かな海辺か、木々のこずえの隙間から遠くの山々を見てるか、なんか、そんな印象を受けました。
1人でも多くの -
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回避型人間 ⇔共感型人間
幼少期に親からの愛着(応答性や共感性)が乏しいことが原因
成人の3割(引きこもりは1%)、日本人の若者の過半数?
自閉スペクトラム症
回避型より強い障害レベル、遺伝要因のほか環境要因も。晩婚化。
成人の4~5%
アスペルガー症候群
自閉スペクトラム症の中でも知能や言語の能力の低下がないもの
「ホモ・デウス」ユヴァル ノア ハラリ著
人類の進化、1万年前から異変が急増、
神:秩序をもたらすために人類が作り出した共同幻想「虚構」
「人間至上主義」危険で間違いのもと
「データ至上主義」AIを管理する支配階級
ホモサピエンス
農業革命:血縁を超えた -
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・”愛着障害(不安型)の人は、両価的な傾向を抱えやすいです。ここでいう両価的とは、求める気持ちと拒絶する気持ちの両方が併存している状態を指します。”
・”愛着障害(回避型)の人は、距離を置いた対人関係を好みます。親密さを重荷とし回避して、心理的にも物理的にも距離を置こうとします。”
・”愛着障害(恐れ-回避型)の人は、対人関係を避けて引きこもろうとする人間嫌いの面と、一人でいると不安で仲良くしたいと思うけれど親密になることで強いストレスを抱いたり傷ついたりするという矛盾を抱えています。信じたいのに信じられないというジレンマを抱えています。”
【安全基地となる人の条件】
①安心・安全が保 -
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私が機能不全家族の介護に関わる中で、ずっと「おかしい」とモヤモヤ感じていたことを明確にしてくれた本です。
きっかけは、要介護者のために行政や包括支援センター、介護事業者や家族が集まった会議の中で、家族以外の人(他人)が「(要介護者の言動について)絶対におかしいわ~」と発言されたこと。ずっと私は「おかしい」と感じていたことが、やっぱり他人も「おかしい」と感じているものだと。
ネットで要介護者の「おかしさ」をキーワード検索し、ようやくこの「パーソナリティ障害」にたどり着きました。
精神科医ではない人(私)が病名を決めつけることはできないと分かっていますが、この本に書かれていることの大半が当てはまる -
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同著者『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』同様、愛着障害の概要について具体例を挙げながら解説しており、さらに最新の知見を踏まえている。特に、近年パーソナリティ障害、摂食障害、子どもの気分障害、大人のADHDなどが急増しているが、それらの根底には愛着の問題があり、酷い場合「死に至る」ことが強調されている。
本作では、愛着障害がオキシトシンに及ぼす影響についてかなりのページが割かれている。これは、脳の視床下部から放出されるホルモンであり、「安らぎホルモン」とも呼ばれるように、痛みや傷つくことによるストレスから身を守る働きがある。愛着に問題があると、オキシトシンの機能が低下し、苦痛ばかりが感じられ -
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愛着を重視する共感型人類が多くを占める中で、愛着を重視しない回避型人類の発生を論じている一冊。
小さな進化となるのか、共感力の欠如が目立つ現代への一時的適応の形となるのか。
回避型は障害ではなく、環境に合わせた生物の反応に思えてなりません。
社会と技術によって愛着を不要とする回避型人類の生存と繁殖は維持されているため、共感型人類と同数に近づいた暁には共存か排除の選択を迫られるでしょう。
既存の人類でも格差の問題があり、AIとの共存の問題もありますが、更に新人類との軋轢も生じてしまうのでしょうか。
しかし、私は個人主義を悪とは思いませんし、少しは回避型人類の気持ちがわかります。
我々はホモ・サピ -
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アスペルガー症候群と一言で言っても、症状は様々であり、程度の差も大きく、また環境的影響もやはり大きいようである。
実体験としてアスペルガー症候群と思われる方とも仲良くしていましたが、他の人から拒絶されているなと感じる場面は何度も目にしました。
その知人は問題行動と捉えられるような行動をすることも多々あり、その行動自体は問題だと私も思いましたが、必ずしも悪気があってしている訳ではないですし、何を言っても変わらないという訳でもないので、こういった本を読んで一人でも理解がある人が増えればなと思いました。
アスペルガー症候群っぽいから、なるべく関わらないでおこうではなくて、アスペルガー症候群のこういっ -
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■対話をスムーズに成立させ,それが人を動かす力を持つためには,関心を共有することと本人の主体性を尊重することが重要な鍵を握る。
■対話が主体的な変化を生み出す上でもう一つ重要なことは気持ちを共有するということ,つまり共感。
・共感的な関わりが不足すると対話も対人関係もうまくいかなくなる
■共感は「頭でわかる」認知的共感と「気持ちで分かる」情動的共感の二つの要素から成り立つ。
・両者は頭の中で働く領域が異なることも分かっている
■変化を引き起こすうえで重要な三つの要素をロジャーズは「正確な共感性」「非支配的な温かさ」「誠実さ」だと述べている。
・三つの要素で表されるような受容的な雰囲気が人の心を -
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カサンドラ症候群に陥る環境としては、一方のパートナーがアスペルガーである場合が多いが、そこまで極端ではなくても、回避型愛着スタイルの夫と不安型の妻の場合もその症状が出やすいということが書いてあった。
おそらくこの構図に近い環境で過ごし、20年以上の時間の中でじわじわと健全な関係や精神がが浸食されているような気がしていた自分としてはとても納得のいく説明であった。
ただ、高名な医師やカウンセラーにはなかなか治療を受けられないし、今すぐ何とかしたい問題はどうしたらよいのか。
問題点がわかることと、その問題が消滅することは同じではなく、どこかで何かを変えることでしか救われることはないのではないか。 -
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アスペルガー症候群、カサンドラ症候群 の本を何冊か読んだが、アスペルガーの異常性とその影響を受けたカサンドラという一方的で画一的な内容が多く、すんなりと自分に当てはめることができなかった。その点、本書は、妻側の理解や努力の欠如についても記載されており、十分に納得できる内容となっている。特に、回避型愛着スタイルの夫と不安型の妻というギャップの大きい夫婦が、カサンドラ症候群を産み出していること、カサンドラに陥った人は自身の親との関係がうまくいっておらず気軽に頼れるような存在ではないことが多いことなど、まさに自分の状況に当てはまることが多く書かれていたので非常に驚いた。親との結びつきが弱い不安型の妻