岡田尊司のレビュー一覧
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■感覚プロフファイルと4つの因子
①低登録
低登録とは感覚の閾値が高く反応が起きにくい傾向
⓶感覚探求
新しい刺激を求める傾向
・感覚過敏
感覚の鋭敏さという意味以外に感覚的な刺激に対し能動的な回避行動を行わず、それを受動的に甘受する傾向も併せ持つ
④感覚回避
不快な感覚刺激を避けようとして行動する傾向
・我々の人生がうまくいっているかどうかのバロメーターといえる3つの指標、社会適応度、生きづらさ、幸福度という観点で見ても、これら4つの因子は比較的ゆるやかな関連しか示さない
・低登録や感覚過敏、感覚回避は社会適応度や生きづらさ、幸福度と比較的軽度の相関を示す
・もっとも強い相関は感覚過敏と生きづらさの間に認められるが決定的に左右するほど強い結びつきではなかった
■過敏な人に最も特徴的な認知の傾向はネガティブな認知ではなく全部良いか、全部悪いかのどちらかになりやすい両極端な認知の傾向、即ち二分法的認知
・二分法的認知は全か無か、白か黒かの認知
■低登録が高い状態は感覚調整障害の一つであり神経学的レベルの障害によって起きるというのが一般的な理解。
■成人において低登録の傾向が顕著なタイプは大きく二つに分かれる。
・一つはシゾイドと呼ばれるタイプで他人のことに無頓着で誰とも積極的には交流せず別にそのことを苦にも思わず十年一日のごとく日々を過ごすタイプ
・もう一方のタイプは虐待を受けたり心理的なトラウマを抱えた愛着障害のケース。情緒不安定な傾向を伴っていることも多く慢性的なうつや気分の波、自傷行為、不安定な家族との関係に苦しんでいるタイプ
こちらのタイプは切実に親密な支えを必要としているが拒否されたり傷付くのが怖くて自分からアクションを起こせなかったり自分に自信がなく愛着不安も強いため安定した関係が築きにくい面を持つ
■不安の根源は幼い子供が母親から離れるときに感じる分離不安に由来している。それは愛着不安と言い換えることもできる。愛着するがゆえに愛着した存在から離れることに不安を感じる。
■過敏さとどう付き合うか
①刺激量を減らす
刺激は外からだけではなく自分の頭の中からも生み出される。人はいくつもの心配ごとや課題、期限を抱えているとそれが雑念にもなりやすい。未解決の問題や感情的なわだかまりを引きずっていると、そこから沸き起こる怒りやいら立ちが強い刺激を心の中に生み出してしまう。
どうすれば心配ごとや様々な雑念を減らすことができるか。役に立つ有効な方法は頭で考えるのをやめて書き留めるということ。頭で考えていると思考や感情というものは際限なく堂々巡りを繰り返しやすい。心配ごとややらなければならない課題が思い浮かび、漠然とそのことを考えていると歯止めが利かなくなりやすい。雑記帳でも雑念帳でもいいので、そこに思い浮かんだ懸案事項を書き出し、そしてそれに対する自分が取れる対策や方針を書くと頭の中でその場面が繰り返されるということを防ぐことにつながる。
⓶刺激を予測のつくものにする
生活や活動を構造化して予測がつくように整理し、それを習慣化すること。過敏な人にとって同じ刺激でも突発的で予想外の刺激ほど強く不快に感じられる。秩序が保たれ予測できるようになると同じことが起きてもその苦痛は半減する。
課題に取り組む場合も時間や順番を決め決まった儀式のように行う。スポーツ選手などもこの儀式的方法を試合の前に取り入れる人が少なくない。
③安全限界を超えない
刺激が閾値を超えてしまいそうになったらその手前でとどめること。限界を超える前に生じるかすかな兆候を見逃さないこと。イライラや疲労感、集中力の低下は限界を超えつつある兆候として最もよく見られるもの。これまで楽しかったことが楽しくなくなったり重荷に感じられたりするのも負荷が限界に近付いていることを教えてくれる。
■うつ病を改善したポジティブ・トレーニング
有望な結果が出たのは二つの方法。
一つは人生において良いことを三つ書いてもらうという取組。
もう一つは自分の強みとなることを新しいやり方で生かすことに取り組んでもらうこと。
この二つの方法や取組の間気分や意欲が改善しただけでなく、その後6か月間にわたってうつの改善が持続し幸福感の高まりが認められた。 -
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5年ぶりに無職となった。それではこの5年間何をしていたかというと、サラリーマンをやっていた。意に染まない生き方ではあったが、自分の中身が空っぽ過ぎて労働をすることぐらいしか、人生を埋める方法が思いつかなかったのだ。5年間必死で頑張ったが、結局精神障害を患ってしまい、休職から退職に追い込まれてしまった。
そんなこんなでこの本に辿り着いた。思ったことは、気分障害というのは何かしら原因があってなる場合が多く、その人にとって適応できない環境や、ライフスタイルが、その引き金になることもあるのだ、ということだ。つまり、当たり前のことなのだが、やりたくないことをやっていると、心の病気になるよ、ということではないだろうか。
あるいは世間の常識というものがあって、それに自分を当て嵌めようとした時に、上手く当て嵌らずに、自分を、無理矢理型に押し込める。そうやって無理をした分、心が壊れるよ、ということなのではとも。
自殺者が毎年3万人いて、気分障害を患う者も年々増え続けている現状を考えると、世間の常識が現実とそぐわなくなっているのではないかと思えてしまう。自分の中に存在する常識に殺されてしまう人も多いのではないか。
つまり、現代は世間の常識など既に崩壊してしまっている社会なのだ。そこで大事なのは世間の目や、常識などを一度取っ払った上で、自分の適応を知るということだ。自分には何ができて、なにができないのか、また、自分はどこに向かっていけば幸せになれると思うのか。等身大の自分を知ることで、社会とのミスマッチはある程度減らしていけるはずだし、そうすることで、心を病む機会も減るのではないか。
精神医学関連の本を読んでいると、ん?結局肝心なところは何もわかってないんじゃないの?と感じるところがある。そんな時に、「語り得ぬものについては沈黙せざるを得ない」というヴィトゲンシュタインの有名な言葉を思い出すのだが、この本を読んでいる最中にも何度かその言葉を思い出した。
それでも著者の心を病む人達にこの本を有効に使って欲しいという気持ちは節々に感じた。特にマックスウェーバーや著名人達のエピソードは面白く、人生色々だなとも思えた。
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パーソナリティ障害は10タイプもあることを初めて知りました。それぞれの特徴と対処法がとても分かりやすく書いてあり、参考になります。
「うまくいかないことがあったとき、他人のせいにするのをやめてみるといい。うまくいかないことがあったときこそ、自分を強くするチャンスなのだ。失敗と挫折のストレスに耐えることが、その人を強くする。」
「そこそこの年になれば、人は自分のパーソナリティに対して責任があると思う。その年になれば、親や不遇な環境のせいにばかりはできないのだ。いかに生きてきたかが、その人のパーソナリティには、顔に刻まれた皺のように刻まれている。」
長年、人付き合いでモヤモヤすることが多かったのですが、この本で解決しました。
手元に残しておきたい名著だと思いました。 -
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■相互的関係(応答性)の障害
・自閉スペクトラム症(ASD)に特徴的な症状の一つはコミュニケーション自体が乏しいことであるが必ずしもそうでない場合がある。コミュニケーションの量よりももっと決め手となるのは質的な特性。
・本来のコミュニケーションは相手の反応に応じて、やり取りするという相互応答性を備えているが、自閉スペクトラム症の場合、やり取りがスムーズに成立しない。
・相互性が大事という意識が乏しい。
・応答性の回路が未発達。
■ASDでは幼い頃に言葉の発達に遅れが認められることがよくある。ことに会話言語(話し言葉)の発達が遅い傾向が見られる。文字言語の習得はむしろ早いという場合もある。言葉が遅くても最終的に高い言語能力を獲得することもある。
■非言語的コミュニケーションが乏しく適切に行えない。
・表情が乏しい。
・身振り手振りが少ない。
・声の調子が単調。
・非言語的な意味に気付かない。
■相手が急いでいて話を切ろうとしても相手の言葉の調子の変化や表情などに気付かない。直接説明されてようやく状況に気付く。
■自分の話の方にばかり集中してしまい相手の反応に注意を向けることを忘れてしまう。
■目が合わないことはASDの最も特徴的な症状の一つだといってもよい。
■言語と非言語がちぐはぐ。
■社会的スキルが乏しく他人と親しい関係になったり関係を維持したり相手や周囲の反応に応じた状況にふさわしい対処がうまくできない。そうしたスキルに対する関心自体が乏しい。
■ASDのトレーニングを邪魔する大敵はテレビ、コンピュータ、ゲーム機、スマートフォンなど様々な情報通信機器。
・子供との情緒的なつながりや社会性を育む上ではしばしば阻害要因になる。
・自閉症の傾向がある子供たちは情報機器に吸い寄せられやすい。
・自閉症の改善には、まずテレビのスイッチを切ることが必要
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私は機能不全家族で育ち、愛着形成に難を抱えてきた。
過去にいわゆる二次障害で鬱を発症した際に、「発達障害」と診断名がついていたのだが、その後数年に渡り認知行動療法を受けたこと・愛情深いパートナーに恵まれた影響からか、先日改めて心理検査をした所「発達障害ではない」との診断を受けた。
「貴方の場合、やはり養育環境要因が大きかった」と。
自身の経験からも、発達障害は後天的要因の影響がかなり大きく、適切な治療を受けることができれば改善されるケースが多いと確信していた中で、本書を読み、改めて養育環境の及ぼす影響の大きさと、心理療法の重要性を認識した。
遺伝子要因のADHDではなく、養育環境要因の偽ADHDだと診断されることで、適切な心理療法を受けられる人が増えれば、今現在も生きづらさに悩む多くの人が助けられると思う。
今後、愛着障害の重大性や治療法がもっと広まってほしい。 -
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ネタバレ回避性、依存性、強迫性、妄想性、シゾイド、失調型、演技性、自己愛性、境界性、反社会性の各パーソナリティ障害について、解説、および、その人にどう接すればよいか、あるいは、その人がどう克服していくかについて解説された本。
さすが新書だけあって、非常に分かりやすく整理されている。
身近にいる人が、パーソナリティ障害なのかどうかはさておき、こういう傾向あるなあと思い当たるふしもあるし、その人にどう接すれば良いかも書いてあるので大変参考になる。
なにより、自分のことが良く分かった(分かってしまった)。まあ知ってたけど。過去のトラウマに起因するもので、簡単には克服できないものなんですが、まあボチボチやっていくしかないですね。 -
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時間をおいて何度でも読み返したい
人は大なり小なりのマインドコントロールを受けて生活をしている、常に情報や状況を疑ってみることを忘れずに、ですね
しかし誰かの洗脳を解くのは文字で理解するより遥かに困難を極めるでしょう
頑固な身内がいるが、あれを疲れるまで説得しようとしても、真っ先にこちらが疲れて潰れてしまう
相当な切れ者をぶつけない限り、非力で知能レベルが知れてる家族には、相手の思考力を奪うほど矢継ぎ早な論破などいくら愛があっても無理
書いてある通り、犯罪でもおかさなきゃ放っておくほうを選びますね
しかし現代のインフルエンサー的なやつの構造も危険だよね、少なからず扇動されてる心当たりもあるし -
ネタバレ 購入済み
解説書であって実践書ではない
私自身が冷たい義務的な養育(実母)で育てられ
さまざまな「生きやすい条件」が揃っているにも関わらず
非常に生きにくく、辛い現実の中にいます。養育すべき子供もおり、子の心を健全に育みたい一心でカウンセリング等受けています。この本はカウンセラーさんから紹介されて買いました。
共感性を育むことで自身の愛着問題を解決できる、とありますが…
ペットを飼う実例もありますが…
わかりやすくオキシトシン不足のストレスホルモン異常、アレルギー体質で、ペットを飼うのはとても難しいです(涙)
仕組みやパターンなどわかりやすく
自分がどのパターンなのかを考えながら読みました。
けれども実践書ではないので
非行少年の改善プログラムも紹介はありますが具体的な方法はありません。
次はその方法を探したいと思います。
とにかく今の自分の課題は
共感性を育むことだと思いました。 -
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特に「大人のADHD」と呼ばれるものは、その9割が本来の"発達"障害ではないと言う。
※だからといって当事者の苦しみ自体が偽りであるということではない
この本では、ADHDの診断の現状や、ADHDの原因について詳しく解説されている。
未診断だが疑いのある状態の人も含めたADHD当事者はもちろん、そうでない人にも広く読まれてほしい良書。
ADHDの診断と薬の処方が、これほどまでにいい加減に行われているものだとは知らなかった。
著者である岡田先生は、きちんといくつかの検査をしてその結果を踏まえた上で診断しているとのことだったが、てっきりどの先生も同じようにしているものなのだと思っていた。
これについて根拠はない。思い込んでいただけだ。
私自身はADHD当事者ではないが身近な人にいるので、他人事とは思えず複雑な心境である。
社会全体が、物質的なことだけでなく心にも正しくフォーカスしていく流れを生み出せないものかと、素人ながらに考えてしまう。 -
Posted by ブクログ
■社会性やコミュニケーションの最も原初的な段階は、母親と目を見つめ合わせ、表情でコミュニケーションするということ。母親が笑いかけると笑いだす。いないいないばーに反応して面白がるといった反応は情緒的応答というコミュニケーションの第一歩が踏み出されていることを示している。
■社会性の発達がうまく進んでいるかどうかは生後9か月頃に、「共同注意」という発達課題がうまくクリアされているかどうかという重要な分岐点を迎える。
・「共同注意」とは他人と注意を共有しようとすることで例えば母親が見つめているものを一緒に見ようとする。母親の注意に関心を払い同じものに注意を払おうとする。定型的な発達を遂げている子供ではそうしたことがこの時期に来ると自然にみられるようになる。
・自閉症スペクトラムの子供ではこの共同注意がうまくいかない。母親の向ける関心には上の空で自分の見たい方をただ見ているか、ぼんやりしている。
・共同注意が重要なのは、この段階がクリアされて初めて他の人と関心を共有するということが可能になるから。そこからコミュニケーションの新たな段階が始まる。
■メンタルの強さを図る(チェック1)
認知の傾向がポジティブ化ネガティブ化をチェックするもの。
①うまくいかないことがあっても成功を信じて進んでいきますか(+1)
⓶幸福に感じる時より不満や怒りを感じることが多いですか(-1)
③人の長所をほめるより悪口や批判をよく口にしますか(-1)
④自分は他人より劣っていると思うことが多いですか(-1)
⑤楽しい話をよくしたり、よく笑いますか(+1)
⑥自分は恵まれた人間だと思いますか(+1)
⑦どうせ自分の人生はうまくいかない、と思うことがおありますか(-1)
⑧現在の暮らしに満足や感謝を覚えることが多いですか(+1)
■メンタルの強さを図る(チェック2)
完璧主義や二分文法的認知の傾向をみるもの。
①できたところよりもできていないところに目がいく方ですか
⓶楽しい気分でいても何か悪いことがあると急に不機嫌になったり落ち込んでしまいますか
③欠点が見えると急に熱が冷めてしまいますか
④一度でも失敗するとがっかりしてもうやる気がなくなってしまいますか
⑤同じ人をとても好ましく思ったりとても嫌に思ったりしますか
⑥中途半端なことをするくらいなら、しない方がいいと思いますか
⑦平凡な人生より特別な人になりたいですか
⑧白黒をはっきりつけないと気持ちが悪い方ですか
■メンタルの強さを図る(チェック3)
否定的な体験にとらわれやすい傾向をみるためのもの。
①辛いことがあっても、すぐ忘れる方ですか(+1)
⓶同じことをくよくよ考える方ですか(-1)
③ケンカをしてもすぐに仲直りしますか(+1)
④何か嫌なことがあると何日も引きずってしまいますか(-1)
⑤人に言われたことを、いつまでも覚えている方ですか(-1)
⑥嫌なことより楽しいことを考える方ですか(+1)
■メンタルの強さを図る(チェック4)
環境変化に対する過敏性や不安の強さを見るためのもの。
①嫌なことがあると過剰反応してしまいやすい
⓶些細なことにも心配や不安を感じやすい
③環境が変わるとなれるのに時間がかかる方だ
④人前や初対面の人に対して緊張する方だ
⑤音や臭いに敏感な方だ
⑥枕が変わるとなかなか寝付けない方だ
⑦急に予定外のことがあると慌ててしまう方だ
■インフルエンザやウイルス性肝炎なども免疫が強く抵抗力のある人の方が症状が激しく劇症化することがある。同様にうつの場合も抵抗力がしっかりしている人の方が症状が激しく自殺にまで突き進んでしまうという場合がある。
■容量オーバー型のうつや適応障害はその人にかかるストレスや負担が対応できる容量を超過することによって起きる。対処できる容量は疲労や睡眠不足が蓄積すると、ますます小さくなる。そのため、ある限界点を超えると急速に容量オーバーが進み自然に均衡を取り戻すことは期待しがたい。できるだけ早く休息をとったり、ストレスから解放されない限り適応障害やうつ、心身症のデッド・スパイラルに陥っていくことになる。
・こなしきれないほどの仕事を抱えている上に、更に期限付きの仕事を押し付けられるという状況が何度も加わって、ついに潰れてしまうというのが典型的。
・一、二週間であればストレス・ホルモンが放出されることにより、脳や体の活動性を高め負荷が増大した状態を乗り越えることができる。しかし、更に長期間同じ状況が続くとストレス・ホルモンが今度は脳の神経細胞を傷害する方向に働き始める。神経細胞は委縮したり死滅したりし始める
・通常は過労と睡眠・休息不足という両面からの負荷が増大することにより、容量オーバーはさらに強まることになる
・疲労によって脳の処理能力が低下するとますます容量オーバーは深刻になり、泥沼に陥る。この泥沼から抜け出すためにはどうしたらよいのかさえ判断がつかなくなってしまう
・容量オーバーが起きてくるとだんだんと疲労が蓄積し始める。疲れが残る、朝がつらい、以前ほど仕事に対して新鮮な意欲や興味が持てないといった状態は容量オーバーが起きている兆候
・集中力や能率が低下する、判断力が鈍くなる、人と顔を合わすのが面倒になる、電話が億劫になる、しなければいけないとわかっていることをつい後回しにしてしまうといったことも重要なサイン
・そうした場合には、無理に仕事を続けるよりも、思い切って早めに仕事を切り上げたり休みを取ってリフレッシュした方が、擦り切れてしまうのを防ぐことにつながる
・容量オーバー型の適応障害やうつを予防する上で一つ大事なことは情報入力を少しでも減らす努力をすることである。脳が容量オーバーを起こしている上に遅くまでテレビやネットをしてしまってはますます情報負荷が過剰になって、容量オーバーを悪化させてしまう。ネット依存の人に起きやすいのも、その要因の一つとして容量オーバーに拍車がかかるためと考えられる。疲労気味な時には音楽、映像などの情報入力を減らして脳を休めるように努める
・容量オーバーが起きやすいシチュエーションの一つは環境や担当が変わったとき
・容量オーバーが起きやすいもう一つのシチュエーションは逆に環境や仕事内容にも慣れて仕事をそれなりにこなせるようになったとき
・仕事というのは仕事ができる人に集中しやすいという性質をもつ。仕事ができるる人はたいてい責任感もある。多少無理をしてでも頼まれた仕事をこなしてしまう。こうしてできる人ほど潰れやすいという悪循環が生まれる
・容量オーバー型の適応障害を避けるためには、自分にかかっている負荷の容量が適正なものか、常に監視しておく必要がある。そのt前には厳格なスケジュール管理、自己管理を行い、どんぶり勘定で何とかなるだろうと仕事を受けてしまわないこと
・容量オーバーになりやすいもう一つの典型的なパターンは部下を使いこなせない、あるいは部下が使い物にならないという場合に起きる。明らかに使い物にならない部下というのもいるが、多くの場合、使い方に問題がある。ありがちな悪いパターンとしては、部下に任せることができず手出し口出しをし過ぎて部下のやる気や責任感を削いでしまうという場合と部下に対する指導や管理が弱すぎるという場合の二つがある。随時ミーティングをして分担や責任を明確化し、進行状況を報告させ、必要な問題解決について具体的な方法やスケジュールを言わせるようにするという手順が不可欠
■その人がその人らしく生きることを妨害(主体性を奪われた)された場合、人は元気でいられなくなる
・自分が一番大切にしていることやプライドを持っていることを踏みにじられるような思いを何か月も何年にもわたって味わい続けていると、その人の心は次第に活力を失っていく
・主体性侵害型の適応障害やうつ、心身症を避けるためには、管理する側と本人の側がそれぞれにペースといったものをできるだけ侵害しない配慮を行い、必ず守るべき手順の部分と本人の裁量で調節できる部分を明確にし、守るべき手順の部分を最小限にすることである
・これだけは守って欲しいという点を伝えた上で、あとは、本人の自主性を尊重し、良い点や努力している点を褒めるという戦略を基本にする
・みんなの前で恥をかかせたり、感情的に怒鳴ったりすることは絶対にしない -
Posted by ブクログ
この世界に溢れる少年犯罪の原因を探ることから始まった。「誇大自己症候群」と聞いて、「ただ自分を大きく見せたい痛い奴のことなのかな」くらいにしか思えなかったが、読み進めていくうちに、「これはそんな簡単な問題ではないぞ」と思うようになった。
自分が学生だった時のことを振り返ってみると、自分を大きく見せようとしている人や、とんでもないビックマウスの人がいたことを思い出す。その人たちの家庭の話を聞くと、「親が家にいなかった」「祖父母に育てられた」といった人が多かった印象を持っていた。当時なんとなくそういうことと関係があるのかなと思っていたが、その関係性について確信を得ることができた。結局は、人は一人では生きていくことができず、適切な愛情を受けながら成長していかなければならないということなのだと思う。愛情を受けずに大人になると、愛着障害がきっかけとなり、誇大自己に拍車がかかってしまう。これが野生動物であったら、自然界に適応できたということで、うまく生き残っていけるのかもしれないが、人間社会ではそうはいかない。やはり人間社会に適応していかなければ人間として生きていくことは厳しいだろうし、周りの人間も被害を受けることになる。
この本を読むことによって、自分の中に隠れていた「誇大自己」に気づくことができた。多かれ少なかれ人間の心の中には誇大自己が潜んでいるのだろうが、その誇大自己を認識できるかどうかが運命の分かれ道になることもあるのかもしれない。そういった意味で、多くの人に一読してほしいと思った。