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Posted by ブクログ
■「数学不安」という専門用語がある。数学ができるかどうかには数量処理や作動記憶といった認知的能力のほかに問題を解く際の不安が関わっている。この不安が「数学不安」。
・数学不安が強いと解けないのではという不安や恐怖に圧倒され、肝心の問題に集中することができず実力以下の成績しか取れない
・数学不安は単に数学が得意か苦手かということだけでなく就職や職業における成功を左右する
・数学不安が強い人は解けないのではないかという悪い結果ばかりを考えてしまい自分の足を引っ張ってしまう
・最近の研究で、この数学不安が愛着安定性と関係していることが明らかとなった
■人を幸福にする生物学的な三つの仕組み
①おなか一杯食べたり異性的な興奮の絶頂で生じるもの。
・エンドルフィンなどの内因性麻薬(脳内麻薬)が放出されることによって生じる快感
・生理的な充足と深く関係し我々が生きることに最低限の喜びを与えてくれる
②報酬系と呼ばれる仕組みでドーパミンという神経伝達物質を介して働いている。
・ドーパミンの放出が起きるのは通常困難な目的を達成したとき
・この報酬系はしばしば悪用される。面倒な努力抜きでドーパミンの放出だけ引き起こし短絡的な満足を与えてしまえば強烈な快感を手軽に得られる。その代表が麻薬、アルコールのような嗜癖性のある物質もギャンブルのような病みつきになる行為もドーパミンの短絡的な放出を引き起こすことで依存を生じさせる
③愛着の仕組み
・オキシトシンの働きに負っている
・愛する者の顔を見たり愛するものとふれあうとき安らぎに満ちた喜びが沸き起こる
■共感性の二つの側面
①気持ちを共有し同調する「情緒的共感性」
②相手の気持ちや意図を正確に理解する「認知的共感性」
・愛着障害の克服においてより重要と考えられるのが認知的共感(メンタライゼーション〔相手の視点で相手の気持ちや意図理解する能力〕と呼ばれる)
■世話をすることによって愛着は育まれ、それは喜びになり、生きる意味になる。それが唯一この世界を意味の喪失から防ぐ方法に思える。
Posted by ブクログ
同著者『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』同様、愛着障害の概要について具体例を挙げながら解説しており、さらに最新の知見を踏まえている。特に、近年パーソナリティ障害、摂食障害、子どもの気分障害、大人のADHDなどが急増しているが、それらの根底には愛着の問題があり、酷い場合「死に至る」ことが強調されている。
本作では、愛着障害がオキシトシンに及ぼす影響についてかなりのページが割かれている。これは、脳の視床下部から放出されるホルモンであり、「安らぎホルモン」とも呼ばれるように、痛みや傷つくことによるストレスから身を守る働きがある。愛着に問題があると、オキシトシンの機能が低下し、苦痛ばかりが感じられ、生きづらさを生む。そればかりか、免疫系にも悪影響を及ぼすため、自己免疫疾患やアレルギーなどの原因の一つにもなるという。
もちろん、何でも愛着の問題として片付けてしまうことは早計である。ただ、表面に見えている問題にばかり囚われず、その背後にある問題にも目を向けることは対人援助職にとってラポール形成から介入まで一貫して基本となる姿勢だと思う。
Posted by ブクログ
うつや発達障害など、近年増えてきた事例の原因ではないかとされる「愛着障害」の仕組みや症状などを例を交えて説明している。
「親の愛がないと発達障害になる」のような非科学的な説明ではなく、オキシトシンというホルモンの働きによるものだと、わかりやすく伝えている。
詳しい治療法は載っていないため、治療法については別の本が必要だろう。
人を幸福にするためには3つの生物学的な作用があり、一つは満腹になったり、性的な興奮時に分泌されるエンドルフィン、二つ目は困難な目的を達成したときに出るドーパミン、三つ目は愛する者(人間やペットでもいいらしい)と触れ合う時にでるオキシトシン。愛着障害になるとオキシトシンに対する感受性が悪くなるために、他の2つで快感を得る他なくなり、例えば過食や性欲を満たしエンドルフィンで満たすか、もしくはひたすら努力してドーパミンで満たすかしかなくなるそうだ。
この仕組みは非常にわかりやすく、納得の行くものだった。
しかし、元にするデータが昔のもので、いわゆる「男は仕事、女は育児」が当然である時代のデータがメインのためか、愛着障害の原因の親が母親しかいないかのように書かれており、例えば母親と別れた父親が子供を一人で育てた場合、十分ケアすれば愛着障害は起こらないのか、それとも母親というものがいない限りは絶対に愛着障害は起きてしまうのか、そこには特に触れられていなかった。本書の説明からすると、男親だろうと女親だろうと関係なく、適切に養育できれば愛着障害は起きないような気はするが。
Posted by ブクログ
人間の幸福とは何かについて考えさせられた。キルケゴールは絶望することが死ぬことだと言っているけど、この本は「愛着障害」が人間が絶望に至る要因の1つだとしている。
愛着障害とはオキシトシンを感じる脳内の受容体がうまく機能していない状態のことで、それによって安心感や幸福感を感じにくなる状態のことだ。
そしてオキシトシンの感じ易さには、幼少期の経験が大きく影響している。
愛情を感じて育ったか、否か。自己肯定感や自己有用感といった自信の源は幼少期の経験が大きく影響している。
オキシトシン、エンドルフィン、ドーパミンという3つの脳内伝達物質が人間に与える影響と、それぞれがどのような時に分泌されるかというのはとても面白かった。充実感や幸福感には感じ方に種類がある。それを言語化できてよかった。
Posted by ブクログ
境界性パーソナリティ障害、摂食障害、ADHDは不安定な愛着の場合発症リスクが上がる。虐待を受けると脳構造自体に異変をきたし、ADHDと同様の症状が出やすくなる。
大人のADHDは遺伝的要因より養育環境によるものが大きい!片付けができないは発達障害より愛着障害を疑え!
→これまでの定説を覆す内容。たしかに実感として親子関係が不安定な子ほどADHDの傾向がある気がする。本書にも書かれていたようにADHDだから親が育てづらく関係不調になるというのもあるだろうが、それだけではないのかも。
14歳頃を境に同じADHDの症状でも遺伝要因の関与が低下し、環境要因の関与が強まる。
→たしかに高学年〜中学生で衝動性がおさまらなかったり、反抗挑戦症のような症状がある子は虐待環境だったり、愛着に問題があったりするな。
生物学的にヒトが幸せを感じるには
①エンドルフィン(脳内麻薬):お腹いっぱい食べたり、性的な興奮など生理的な満足からくるもの。
②ドーパミン(報酬系):困難な目的を達成した時に得られる物質。麻薬やアルコールなどで短絡的にドーパミンを放出させる方法もある。
③オキシトシン:愛着から得られるもの。愛するものと触れ合う安らぎのような幸せ。
の3つしかない。愛着障害からオキシトシン系を得られなかった人は過食やセックス依存で紛らわすかアルコールや薬物依存などでドーパミンを出して代償的な満足を得るしかない。
→なるほど、確かに愛着障害からくる依存症多いのかもと感じた。
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ビジネス・実用
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