岡田尊司のレビュー一覧
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はっきり言って私自身が、
境界性パーソナリティ障害だと思う。
自分でその性質を自覚し、うまく付き合っていくと決めるようになってからは軽快したのではないかな?と思っているが、
多くの人がこの著書を読めば、「自分もそうなのではないか?」と、認めざるを得ないフシがみつかると思う。
そのくらい、過剰な期待にこたえることが求められる、多様性とはいいつつもその実、画一でしか認められない現代社会。
普通にかかわっている友人や知人には、
一つの、精神病であることだなんて、なかなか認めてもらえないと思う。
でも、もし身近な誰かの激しい喜怒哀楽や自傷行為がひとつの病気だとしたら?
誰より一番苦しんでいるの -
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さすが岡田先生、とてもわかり易かった!!察してもらえないこと、わかってもらえないことがこんなにも心に悪影響だとは…
p.55 妻のYさんの方は、心配性と世話焼きで、自分が心配しても始まらないとわかっていても、先のことまで取り越し苦労したり、最悪の事態まで考えて悩んでしまうところがある。こうした行動は「強迫的世話」とも呼ばれ、世話や心配を市内では居られないという一つの特性である。この強迫的世話は、子供の頃、不安定な親の顔色を気にしながら、子どもの方が親をなだめたり、機嫌をとったりして育ったという人によく認められる。
p.58 イエローサインで危険を知らせる
お互いの不機嫌や披露の波が重なった -
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生き抜くために必要なのは、学問としての哲学ではなく現実の苦難を生き抜くための哲学であり、それは生々しい一人の人間の叫びや、言葉にはならない生きざまの中にある
本書はいくつかの例を提示していく中で、自身の哲学を感じ取るうえで手がかりを与えてくれる
東大の哲学科に在籍していただけあって他の著書でも哲学を根底においた考え方は垣間見えているが、この本では一貫して哲学を語っているのが特徴的だった
哲学と言われるとなんだか固いもののように捉えてしまうが、誰の心の中にも哲学はある
ただ多くの人はそれに気づけていないのではないか
著者も言うように生きるための哲学など必要ない人は幸福である。
しかし、自分 -
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パーソナリティ障害は、一言で言えば、偏った考え方や行動パターンのため、家庭生活や社会生活に支障をきたしている状態
(支障が出てなくとも特性がある場合はパーソナリティと呼ばれる)
大きな特徴は、自分に強いこだわりを持っていることと、とても傷つきやすいこと
パーソナリティ障害は本書では10に分類されており、それぞれの特徴や克服方法、また当事者との関わり方について説明している
ちなみに1つだけのパーソナリティに当てはまるケースは意外にも少なく、2.3個の特性を持つ人の方が多いそう
障害の診断まではいかずとも多くの人に特性はあって
その特性について知ることは、自分や他人との向き合い方におけるヒ -
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発達障害は生物学的基盤によって起こる中枢神経の機能的発達の障害とされ、遺伝要因が強いことがわかっている。
しかし、遺伝要因が強いはずの「発達障害」と診断されるケースが近年急増している
その背景には、第二の遺伝子とも呼ばれる"愛着スタイル"が関与していると考えられる
生育史上の問題は、心理学的な問題だけでなく、生物学的、生理学的なレベルでも影響を及ぼしていることがわかってきた
ここで引き起こされる症状が、発達障害の症状に類似するのだ
そのため、専門家は発達障害と愛着障害を見極める必要がある
ところで、「障害」という診断は子どもにくだしてもいいのか。
前向きに乗り越えれ -
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アスペルガー症候群とは知的障害、発達の遅れを伴わないASDのこと
(ASDは「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」の総称)
アスペルガー症候群の傾向を持った人でも、診断基準をきちんと満たすのは一般人口の0.5%程度
それよりもはるかに多いのが、診断基準の一部を満たす特定不能の広汎性発達障害である
どちらの場合にせよ、大人になるにつれ診断名が変わるか、なくなる場合さえあるらしい
ASDは自閉症スペクトラム障害とも言われるように、軽度/重度といった線引がなく、スペクトラムの中には「健常」も含まれる
つまり、自閉症スペクトラム障害にみられるような特徴は、実は程度の差こそあれすべての人 -
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境界性パーソナリティ障害は、性格に関係なく発症する。
ただ、原因は長い時間をかけて用意されている。きっかけは、たまたま最後のひと押しになっただけなのである。
診断基準は割愛するけど、つまりは以下のようなメカニズムで起こるらしい。
人は思春期を迎えるまでは親から与えられたものをそのまま鵜呑みにして、自分を形成する
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思春期頃から自己意識が育ってくるにつれ、今まで自分だと思っていたものが、実は親から押し付けられたお仕着せにすぎないことに気づく。
それに抗おうと、それを一旦葬り去り、自分の手で自分を作り直そうとする。
この時期に親に嫌悪感を抱くのはこういった心理状況が反映されるかららしい。
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「症状」が真の問題ではないっていうのは本当にその通りで、そこが精神科の難解さの所以の1つだと思う
この本の著者みたいに、自分も誰かの世界を広げられる人でありたい
✏傷つきやすい傾向を抱えた人は、過去には実際に傷つけられた体験をしていることが多く、さらにはその「自分を傷つけた人」が、本来であれば自分を一番に守ってくれるはずの親であったことも多い。
また、親が意図的に傷つけてきたというよりも、親にはそのつもりはなかったが、結果的に傷つけてしまったというケースも多い
✏愛着障害によって問題行動を起こしたり、発達障害のような症状が現れることがある。
ここで、親が自分の基準から外れた子を「悪い子」 -
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同著『愛着障害』の中で取り上げられている"回避性愛着障害"にスポットを当て、更に深く掘り下げて解説されている
人と親密になるのを避ける、一人のほうが気楽、責任や束縛を嫌う、失敗を恐れる、、といった特徴は回避性パーソナリティと呼ばれるタイプの典型である。
しかし、このような特徴は、一見社交的で人生をエンジョイしている人や、社会で活躍している人たちにも幅広く認められるようになっている。その背景を探っていくと、根底に愛着が希薄な回避型愛着スタイルが広がっていることが浮かび上がってくる。それが社会適応に支障を来すレベルになると、回避性愛着障害と呼ぶべき状態になる。
私すぎる…
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社交不安障害とは、人の関わる場面において、不安や緊張が強いために、社会生活に支障が出る状態
これまで重要視されてきたのは、人そのものが怖いというよりも、人から受ける「否定的な評価」が怖く、人を避けるようになるというメカニズムである。
しかし、こうした神経症的メカニズムによってのみ起こるわけではないと著者は考えている。
人の評価など気にしてなくても、対人緊張が強く、人前に出るのを避けたがるケースとして
①自閉スペクトラム症など、遺伝的・発達的要因が強いケース
②養育の問題で起きた愛着障害のケース
③トラウマ体験が原因となり、人間に対する恐怖感や強い不信感をもっているケース
の3つのタイプに分 -
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精神医学の視点からHSPが解説されている
過敏性は大きく「神経学的過敏性(感覚過敏など)」と「社会心理的過敏性(人の言葉に傷つきやすいなど)」の2つに分けられる
前者は、一般に遺伝要因や生まれ持った生得的要因が強いと考えられており、
一方、後者は、養育要因や社会的体験ら愛着対象との関係などが強く影響していると考えられている
別の本で5人に1人は生まれつきHSPの特性があるって書いてあったけど、後天的にHSPになった人もそこに含まれてるってことかな
後天的になったケースだと発達障害や愛着障害といった複雑な背景が絡んでくるから、判別が難しいらしい
✏過敏性には低登録という一見相反する症状が -
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適応障害とは、居場所がない、あるいはプライドを傷つけられら心が折れかかった状態である。
この段階ではまだ復元力があり、不適応を起こしている環境から離れたりストレスが減ると、速やかに回復するのが大きな特徴である。
しかし、そのままにしておくと心がポキっと折れ、すぐには元に戻らない状態になってしまう。
そのため、早い段階で対処することが大切である。
✏適応障害は、元々適応力がとぼしい人ばかりがなるのではない。全く逆に、人一倍前向きで、適応力にも優れていると自他共に認めるような人でも、適応障害になる。
適応力のある人、忍耐呂のある人は、少々過酷な環境でも自分なら耐えられるという過信があり、弱音を吐 -
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極めて異常な状態は、誰にでも見られる正常心理からそのまま連続している
つまり、異常心理は決して特別な人の心に潜むものではなく、誰の中にもある心の状態だということを理解しておかなくてはならない
✏完璧でない、不完全な自分に耐えられる力こそ、混乱した見通しのない時代を生き延びるために必要である
✏窃盗癖や過食症は、幼い頃に刻まれた根本的な欠落やそれに対する飢餓感釜存在していて、それを過剰なまでに代償しようという衝動に駆り立てられているということである
✏真っ正直で嘘がつけず誠実な性格というものは、心に二面性を抱えられないという内面的構造の単純さに由来する問題であり、ある種の未熟さを示している -
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■感覚プロフファイルと4つの因子
①低登録
低登録とは感覚の閾値が高く反応が起きにくい傾向
⓶感覚探求
新しい刺激を求める傾向
・感覚過敏
感覚の鋭敏さという意味以外に感覚的な刺激に対し能動的な回避行動を行わず、それを受動的に甘受する傾向も併せ持つ
④感覚回避
不快な感覚刺激を避けようとして行動する傾向
・我々の人生がうまくいっているかどうかのバロメーターといえる3つの指標、社会適応度、生きづらさ、幸福度という観点で見ても、これら4つの因子は比較的ゆるやかな関連しか示さない
・低登録や感覚過敏、感覚回避は社会適応度や生きづらさ、幸福度と比較的軽度の相関を示す
・もっとも強い相関は感覚過