【感想・ネタバレ】回避性愛着障害~絆が稀薄な人たち~のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年09月27日

人との関わり方の傾向を表す愛着スタイルは安定型と不安定型(不安型/回避型/恐れ回避型/未解決型)に分けられる。後者であると人間関係の問題を抱えやすい。乳児期に養育者から充分な反応が得られず適切な愛着が形成されていないと、精神的な安全地帯がないため他者を信頼できず上手く人と関われなくなる。常に不安があ...続きを読むるために被害妄想的に過剰反応したり、自分を守るためにそもそも関わりを避けてしまう。

この回避型の分かりやすい例が引きこもりである。こうなると人生そのものを放棄してしまう。また、一見普通の暮らしができていても家族と心の交流がなかったり、自信満々で傲慢そうでも、家族や子供を持とうとしなかったり、重要なポストを辞退するというような責任を避ける形でも出てきて、総じて能力以下の人生になりがちだという。

こうした回避性愛着障害の行動パターンや内面生活を、有名な文化人などを具体例に解説しつつ、個人的な問題に帰すにはあまりにも増えているため現代社会が抱える病理性に根ざした物でないかとの考察、また、そこからの回復の道を具体的に示唆し、奨励する内容だった。

実は、また子育ての責任を女性に丸投げし男性を無罪放免にするアカデミックなミソジニー「母原病」の悪しき例かと思いつつ読んだ。実際、現代の母親は家事にしばられる時間が減った分趣味や自己実現にうつつを抜かして子供と向き合う義務をおろそかにして回避型愛着障害を量産していやがる的な、そういった文章もなきにしもあらずではあったがメインでなかった。むしろ、都市化の進む現代社会の非人間性の表れとして解釈していらっしゃる。

回避性愛着障害を社会的なレベルでみれば、デジタル思考や人工知能をもてはやす社会の一側面であるのは間違いないと思う。アシモフ『はだかの太陽』を思考実験として読むと、何もかもをロボットにやらせて、自分たちは苦役や細菌から完全にシャットアウトされた快適な孤立生活を楽しみ、再生産のための肉体的接触すらおぞましい義務のように思う未来人の姿は、グロテスクだが現代人が目指している理想の地だ。実際、物語の中では克服すべき悪癖のポジションだったのに心惹かれて仕方がなかったのを覚えている。

テクノロジーが推進する個人主義社会を否定しないかぎり、回避性愛着障害者の群れは消えないし、人との関わりに喜びを感じず、自分だけの宇宙で妄想たくましくする孤立した人間の群れに未来はない。やはり現代資本主義社会のリーダーらが言うテクノロジーの発達による問題解決なんておためごかしにすぎんなと改めて思った。

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Posted by ブクログ 2022年12月30日

飢餓ラインぎりぎりで暮らしていても、家庭を持ち、子どもをつくり続けてきたのである。
ところが、今では、多くの人が、自分一人で過ごす時間や自分のために使うお金を削ってまで、家族をもちたいとは思わなくなっている。それは経済問題とは別のところに原因がある。
そこには愛着が稀薄になり、回避型愛着が浸透してい...続きを読むることが関わっている。われわれの身には、人間から別の種へと分枝していると言えるほどの、生物学的変化が生じているのである。
回避性とは、親密な関係を避ける、責任や面倒を避ける、チャレンジを避ける、傷つくことを避ける、感じることを避ける今こんなタイプが急増している。回避性愛着障害の原因は、ネグレクトである。
子供が泣いても親が反応しなければ、親に期待するのを止めて傷つくのを避けるようになる。そして、正しいことを強要し過ぎる親などから過保護や過剰な支配によって、自分の感情が曖昧で、うわべと本音が乖離し、人を心から信頼できない。
安定した愛着を育む上で必要なのは、安全で安心出来る環境であり、求めれば応えてくれる応答性と相手の立場になって気持ちを汲む共感性。
そのことによって、基本的信頼感を育まれ、気持ちを共有する楽しさを学び他者との関わりを積極的に求める。
だが、共感的応答が不足した中で育った子供は、他者に対して基本的信頼感を抱きにくいだけでなく、共感的応答をする能力が育たない。
回避性愛着障害の症状が出てもやるべきことに集中したり、趣味や関心を共有出来る集まりに参加したり、自分にとっての安全基地を持つことで回避性愛着障害から抜け出す一歩となる。

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Posted by ブクログ 2022年02月17日

同著『愛着障害』の中で取り上げられている"回避性愛着障害"にスポットを当て、更に深く掘り下げて解説されている

人と親密になるのを避ける、一人のほうが気楽、責任や束縛を嫌う、失敗を恐れる、、といった特徴は回避性パーソナリティと呼ばれるタイプの典型である。
しかし、このような特徴は...続きを読む、一見社交的で人生をエンジョイしている人や、社会で活躍している人たちにも幅広く認められるようになっている。その背景を探っていくと、根底に愛着が希薄な回避型愛着スタイルが広がっていることが浮かび上がってくる。それが社会適応に支障を来すレベルになると、回避性愛着障害と呼ぶべき状態になる。

私すぎる…
どこを読んでも私のことが書いてある…

✏回避型の本質は、不安が強いとか消極的ということではなく、親密な信頼関係や、それに伴う持続的な責任を避ける点にこそある。

✏是が非でも結婚したい、子どもを作りたい、という意欲や関心が乏しい傾向が見られる。持続的な責任が生じることを意識したとたんに、愛の情熱さえ冷めてしまう場合もある

✏回避型の人が結婚するパターンの一つに、相手が自分のルールや基準に合致していることが挙げられる。
この場合、パートナーに対する真の愛情や愛着があるわけではない。本当に愛しているのは自分の理想であり、現実の存在ではない。したがって、パートナーから期待外れの側面を見せられると、熱が冷めるのを通り越して、拒否感や嫌悪感さえ抱くようになる。

✏回避型の人が、豊かな人生をもつ上で、同好との交歓の場をもてるかどうかが、一つの重要な要素になる。

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Posted by ブクログ 2021年06月03日

抱えている傷を見つめ、自分の人生と向き合いたい、でも勇気がないし恐れもある...
そんな人に読んでもらいたい1冊。

学術的な内容だけど、背中を押してくれるエール本のような一面を感じました。

辛い経験から自分を守るために、問題を”回避”することは誰にだってある。

大事なことは、その後、自分の人生...続きを読むを取り戻せるかどうか。

自分を回避へと向かわせた外傷的経験と向き合うことは痛みをともなう。
なるべくなら蓋をしたままにしておきたい。

けど、向き合うことで凝り固まり強化された問題が開放され、生きるエネルギー高まることもある。

第6章 回避を克服する、第7章 愛着を修復する、の2章を読んで、前向きに問題と向き合ってみようと思えました。




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Posted by ブクログ 2021年03月04日

とてもおすすめの本です。特に、親との関係や人間関係に原因不明の違和感を感じる方はぜひ読んでほしいです。

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Posted by ブクログ 2023年05月31日

どんなに政府が社会に少子化対策を打っても、人間の種自体がすでに変わってしまっているからそれでは意味がない事が根拠もハッキリ書かれて分かりやすかった。なるほど!の一言に尽きる。
誰が悪い、何が悪いじゃなくて、これも人類の進化の一つなのかぁ。昔の考えではやっていけない。すごく勉強になった興味深い本。

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Posted by ブクログ 2022年12月25日

巻末の診断テストの結果 恐れ回避型の愛着障害。
回避より不安の方が傾向として強いようだ。
確かに人を心から信用することは今までなかった。安全基地の確保は難しそうなので不安型の傾向があると自覚しながら生活していきたい。

不安症状が強くなると人に強く当たってしまうので相手が悪いのではなく自分の特性だと...続きを読む認識して人と関わるようにしたい。

回避型で一人の世界に閉じこもりがちだが勇気を持って他者との繋がりを求めていく方が幸せな人生を送ることができると本書を読んで感じた。

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購入済み

身近な人のために

2022年05月13日

身近な人が回避性愛着障害のようだったので、参考に購入しました。とても為になりました。この本を繰り返し読んで、ちょっとずつその人の力になれたらなと思っています。

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購入済み

対人関係に悩む人向けの本かな。

2022年01月28日

人との関係がなぜうまくいかないのだろう?

そんな疑問を感じた時にこの本を手に取りました。

愛着とは何か?まずそこを知ることから始まり、そこから自分のことを少しずつ知っていく。

そういう本なのだと思いました。

#タメになる

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Posted by ブクログ 2022年01月03日

この本を読んで、自分自身も回避性愛着障害のけらいがあり、その発生要因も何となく心当たりがあることがわかった。

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Posted by ブクログ 2021年02月21日

少し、自分語りをしたい。

小学校のとき、友達同士でハグしたりすることに抵抗感があったり、人と帰り際にバイバイと言われるのがとてつもなく嫌で、またねと言ってくれる人に安心感を持っていた。

親友を持つのが苦手な中学生で、吹奏楽部で女子同士仲良くし、時には大喧嘩をするする姿をみて、あそこまでお互い干渉...続きを読むし合えることを不思議に思っていた。

高校はチャイムギリギリに着き、終わると即刻帰り、学校内ではひょうきんに振舞っていたが、家では引きこもっていた。

大学生になってからは、彼氏が出来ても深い関係になるのが嫌で、かといって自分が告白を断れるほどの人間とも思えなかったので、来る人拒まず去る人追わず状態だった。

社会人になって、家族のために遅くまで働き、休日も社会人サークルや家族サービスに切磋し、それなのに新人の自分にもきちんと接してくれる先輩に、どうやったら人と24時間一緒にいてストレスがたまらないんだろう、逆に裏があるのではないか、、、と穿った見方をした。

私は、人仲良くなり始め、自分の暗い部分やわがままな性格が出そうになると、嫌われるのではないかと不安になって、自分から離れていった。

周囲からは穏やかで誰にでも隔てがなく接していて、お母さん的なポジションだったが、お母さんのような無償の愛情は誰にも抱けず、そもそも自分対その他大勢だと思っていたので、そもそも特別な人も、蔑む人もいなかっただけだった。

人並みの生活は送ってはいるものの、
自分の社交的な部分と内向きな性格のギャップに苦しみ、そのとことを誰にも相談できず、人といても1人でも常に安心感がなかった。

生きる意味が分からず、自死してしまいたいが、ただ振り返るとこれといって大きな壁にぶち当たったこともなく、今の環境も、人も、住むところも、お金も、異性からの対応も「割と」恵まれてて、自分が何故無気力なのか全くわからなかった。

この本を読んで、回避性愛着障害という言葉を知り、
世間の人同士の親密さへの疑問の解消、自分の社交性への苦しみから解放された気がした。

原因は幼少期であっても、自分のこの性格を認めながら生活出来ることも分かった。

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牛乳パックで作った紙を思い出した。
色んなパッケージの牛乳パックを、水で柔らかくしてぐじゃぐじゃにして、型におしこめ、干す。

私の感情も牛乳パックで作った紙のようにいびつだった。

本を読んでいる間、その紙を再度溶かして、ひとつひとつ綺麗に濾しているようなそんな気分になった。



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Posted by ブクログ 2020年08月10日

自分に当てはまることが多かったです。ただ、治そうとするのではなく受け入れることが重要とのこと。本の帯にあるようなことを思ったことがある方は読んで損は無いと思います。

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Posted by ブクログ 2020年08月10日

回避型という物を知り自分に思い当たる点がいくつかあったので読みました。
色んな参考例や実験の結果など具体的に書いていて分かりやすかったです。
こんな自分の性質はおかしいという自覚はあったものの、とても人に気軽に相談できるような内容でもないのでずっと抱えていましたが読んでかなりスッキリしました。

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Posted by ブクログ 2019年08月22日

回避性愛着障害とは何かという観点で読んだ。非常に面白かった。過去の偉業を成し遂げた人の中で愛着障害を経験した人エピソードを沢山紹介しているところが非常に興味深い。これは単純に個性や養育過程だけでなく、今の機能や効率優先の社会の弊害として問題視している。自分の娘も該当する所があり、由々しきことである。

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Posted by ブクログ 2023年06月19日

私は回避型ではなく、不安型だからと思い、気楽に読み始めたのですが、あらあら。他人事としてはとても読めない本でした。最終章で、人生に主体性を取り戻すという文言がありました。はっとしました。そして、知人が回避型を克服しているのですが、やはり自分から面倒事に飛び込んでいく、行動が先、攻めの姿勢の生き方をさ...続きを読むれています。回避型とか不安型とか関係なく、自分の人生には積極的に飛び込む勇気を持ちたいと思いました。最終章、とても感動しました。

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Posted by ブクログ 2023年03月04日

中身は結構難しかったです。。
回避性パーソナリティにもいくつか種類があるっていうのと、それがどういうものか、どう変えていくか、いろんな人のエピソードを交えつつ、といった話だったかと。
ただ、あとがきの手前に書いてあった、結局のところ人は死ぬので、それまでの間どう生きるか。回避し続けるもよし、挑戦して...続きを読むいくのもよし、あなたはどっち?と問われた点はインパクトあった。
一般常識的には、挑戦する人生の方が良いとされてはいますが、それですら人によるわけなんで、どう行動するか読者次第なんでしょう。
自分のことを振り返ってみると、ああいう過去があったから今の自分はこんな感じになってるんだなとか、逆に今の自分のこの性格は、過去のあのことから生じているのかな、と思ったり。とはいえ過去は変えられないので、今後どうするかのきっかけにしていくしかありません。

改めて判定してみたら、回避型15点、不安型12点で結構な感じだった。いろいろやってみるしかないな

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Posted by ブクログ 2023年02月24日

私は岡田先生の他の本で、不安型だと分かっていたので、こちらは参考程度に…と読んでいたのですが不安型であっても回避型も当てはまることが多いし、何より周りに回避型の人が多いのでとても参考になりました。かなり細かく解説してくれていて、克服法もあるので良書だと思います。

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Posted by ブクログ 2023年02月01日

子どもが小さいときの育て方で大事なのは、愛情をたっぷり注いで、安心・安全をしっかり感じられるようにすること。
さまざまな育児本でも言われていることだが、それが将来のパーソナリティに深く関わってくることを改めて感じた。
また、現代ではそれが個人の問題にとどまらず、社会としての傾向にも見られること、不幸...続きを読むな養育環境から生まれた著名な哲学者や文学者、研究者の具体例など興味深い話がたくさんあった。
生物学的に、とか社会学的に、とか多様な角度から愛着障害について語られるが、最後は著者からの「それでも、逃げずに自分の人生を生きよ!」という熱いメッセージ。
10年前に出版された本だが、今もこのメッセージは胸に響く。

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Posted by ブクログ 2023年01月18日

岡田尊司先生の本はこれで2冊目。

幼い頃の親との関わりがその後の愛着スタイルを決めていくんだよなーと思って悲しくなったけど、大人になってからも配偶者や友人達を安全基地にして不安や回避から克服できるとも書いてあって、私も頑張って克服したいと思った。

この本に書いてあることに当てはまる事が多かったが...続きを読む、巻末の愛着スタイル診断テストでは不安型との結果が出た。

次は岡田先生の不安型についての本も読もうかな。

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Posted by ブクログ 2022年04月05日

この著者の愛着障害という本を読み、自身の愛着スタイルが不安定型(恐れ回避)であることに気がついてから、もう10年以上経っておりますが、まだ安定型にはなりきれていないことが確認できました。回避型の愛着スタイルについて詳細に書かれており、とても参考になる本でした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年03月28日

一作目でざっくりとした概要があったが、二作目では回避型愛着障害にフォーカスしていく

こちらも著名人の過去を例にしつつ後半では克服と修正に少し触れる

が、こちらもなかなか

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Posted by ブクログ 2022年03月15日

自己理解を深められた一冊でした。
色々な人のエピソードが載っているので、
参考にしながらも、自分らしく将来のことを考えていきたいと思いました!

また周囲の環境が人に与える影響は大きいのだと
改めて感じました。相手の気持ちを受け止め、自分の気持ちも伝えられる、そんな関係を築けるような人になりたいです...続きを読む

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Posted by ブクログ 2021年06月06日

◯逃げるのではなく、面倒事にも自分から飛び込んでいくという攻めの姿勢に転じることが、回避からの脱却において決定的な意味をもつ。(280p)

◯主体的な転換が起きるために必要なのが、自分の気持ちや考えを言葉にするという作業である。自分が何を望んでいるかをあいまいにせずに明確にして、それを口にすること...続きを読むが大切なのである。(280p)

★私もそうだが回避型パーソナリティの人は多いのではないか。それが親の養育の仕方が原因と言われても、当人にはどうしようもないではないかと、少々うんざりしながら読んだ。だが最終章の「愛着を修復する」は力強い内容であった。結局、覚悟が必要というのは、真理ではあるが難しいようにも思えるが、誰かの安全基地となることで、自分も救われることがあるかもしれないと思えた。またマインドフルネスについても興味深かった。

★エリック・ホッファー、種田山頭火、ヘルマン・ヘッセ、キルケゴール、J.K.ローリング、エリク・エリクソン、井上靖、カール・ユング、鳥羽博道氏、武田双雲氏、トールキン、宮本亜門氏、養老孟司氏、マリー・キュリー、宮崎駿氏といった著名人の事例がたくさん出てくるので、楽しく読める。

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Posted by ブクログ 2020年06月24日

人と絆を育めない回避性愛着障害に焦点を当てた本書。幼少期または大人になってから安定した愛着を育むことができず、様々なことに回避的になってしまう現代の病について取り扱っている。
最近、自分自身に近しい人との関係性に戸惑っていたが、この本を読んで思い当たる部分が多かった。モヤモヤが腑に落ちてすごく助かっ...続きを読むた。
構成としても、他の精神疾患との関係や、パートナーとの関係、仕事など多岐に渡って網羅されており、具体例も盛り込まれて読みやすい良書だった。

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Posted by ブクログ 2020年05月08日

人と関わるのが苦手で親密な関係になれない、傷つくことを極度に恐れる、感情を押さえつける。
自分でもなぜそうしてしまうのか分からない特性に、回避性愛着障害、回避型、不安型などの名前をつけて、明瞭に説明してくれていた。

人がまず一番最初に接する社会は家族と言われるくらい、家族間での関係性はとても重要。...続きを読むその関係性が上手く行かないことによって、人は社会との関わりを恐れたり避けたり、ずれていても気がつかなかったり。

家族、特に母親が"安全基地"であればこそ、人は恐れずにチャレンジすることが出来るようになる。怪我をして痛かったり、お腹がすいたりしていることを訴えれば応えてくれて満たしてくれる。その安心感。

でも実際家族に悪気がなくてもその"安全基地"の役目を全う出来ないこともある。
そんな時に誰が替わりに"安全基地"になるか。親戚、学校の教師、友達…
それでも"安全基地"を持てないまま大人になってしまった場合は、自分で自分の"安全基地"になるか。

また周りに回避型や不安型の愛着スタイルを持った人がいたらどう対応したら良いのかという内容が書かれている。


私もここに書いてある回避型、不安型の愛着スタイルというのがすごくあてはまってしっくりきた。

衣食住にはそんなに困らず学校も普通に卒業して、周りからも普通の人と見られていても、見えない根深い生きづらさを感じる。

本当に言われたことをやっているだけなら問題に気づかなかったと思うけど、社会に出て自ら人とコミニュケーションを取りながら仕事を進めたりといったことが想像以上に難しかった。

DNAとは別の問題でこの特性は遺伝してしまうと思う。自分の子供が出来たら同じ思いはさせたくない。

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Posted by ブクログ 2020年11月22日

まず、「絆が希薄な人」と間近に接してみた者として…
本書をはじめ岡田先生の著書に唯一決定的に欠けているのは、安全基地となる者の条件、努力、精進を求めるばかりで、本人の自助努力も必要だという点にはほとんど言及されていないことだと思う。すべては安全基地がないせい、安全基地となる者が未熟なせい、といった印...続きを読む象を与えるが、最後はやはり『天は自ら助くる者を助く』ではないだろうか。
結局、愛着障害が重症であればあるほど、安全基地の存在だけで改善できるわけではない。本人の「変わりたい」「救われたい」という意志がなければ、救ってあげることなど誰にも出来ないのだと痛感する。

とはいえ、岡田先生の著書は手当たり次第すべて読んできたので、他の著書でも主張されている事との一貫性はよくわかる。子育て中の方、これから親になる方には是非、読み込んで活かしていただきたい。

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Posted by ブクログ 2023年03月29日

何か救いを求めてこの本を手に取ったが、私自身にはあまり響かなかった。
けど、色々な人の事例がたくさん挙げられていて、回避性愛着障害の原因やその表れ方を知るにはとても良かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年03月02日

自分は当てはまらなそうだし近くにもそれらしき人がいないのでどんなものかと思っていたけど理解が深まり興味深く読めた。少し冗長にも感じるけど…
子供は肌身離さず一緒にいるべきで現代の託児所などは回避型になる傾向がある。との話やドイツは自立を早く促すことから他と比べて倍くらい回避型の傾向にある話などは腑に...続きを読む落ちたものの完全な安定型になるのはほぼ無理では?とも思ったしそれがなるべき姿なのかも疑問に思った。著者はそうあるべきのようなニュアンスで書かれていた。

私は家庭に恵まれて育ったけれど娯楽が大好きで映画や読書や音楽にのめり込む。文明が発達すれば好きなものも増えるわけで人と接する時間は減るのは何をしても避けられない。それを絆が薄いから危機である。と言われても腑に落ちない。

回避型との結婚がうまくいく、いかない組み合わせの話はTwitterなどのネットでよく見る話だなと思った。

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Posted by ブクログ 2022年07月24日

「回避性愛着障害」ってどうして知ったんだったかな? 他の光文社新書を読んだとき、巻末の紹介を読んで思い当たったんだったかな? 愛着形成がいまひとつなために、深いつき合いをついつい避けてしまうような性向のことをいう。
読んでみて、何だか男性の多くが回避性愛着障害なんじゃないかな(もともと男は承認を求め...続きを読むるとか、愛着障害っぽいけどさ)。そしてそれでも何とかやっていけるように、世のなかが回避性愛着障害の男性に生きやすいようになっていたようにも思う。要はあまやかされていたということ。でもそれはもう昔の話。とはいえ、この本も例に挙がっているのからは何となく男性ばかりイメージしてしまう。女性にも回避性愛着障害の人いるだろうけど、そういう人まで視点が行き届いていない感じ。
ともかく自分に似ている気がして読んでみたらやっぱりかなりのシンクロ。何で自分ってこうなんだろうということや、人とのつき合いのあれこれを振り返って腑に落ちることが多かった。
何かこういうふうに解説されると腑に落ちるし、説明がついて、ある意味、落ち着いた感じ。他のいろんな障害についても同じようなことがいわれてて「そういうものなのかもね……」くらいの印象だったけど、自分が当てはまってみると説明がつくとか自覚できるってことだけでも大事なんだと思える。
 これからもこんな面倒くさい自分をコントロールしながらつき合っていくのだろう。「自分、回避性愛着障害ですから」といい意味で開き直って生きていこう。

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Posted by ブクログ 2022年02月27日

導入として、分かりやすくて良いと思った。
ただ掘り下げるとなると不十分な内容だと思う。

様々な人物のエピソードが散りばめられているが、そんなにすんなり上手くいくのかな?と思ってしまった。

最後の章では人が生きていく上で必要な心構えが散りばめられていたと思う。
ただ、そこまでして人間が生存していか...続きを読むなくてはならない理由ってなんだろうとも思っている。

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Posted by ブクログ 2022年01月05日

第6章回避の克服、第7章愛着の修復が参考になるかな
悪い点には寛容で、良い点に目を注ぎ、その人の気持ちに寄り添う
問題の改善にあまり囚われず、愛着の改善に努めることが重要

マインドフルネス、ACT(アクセプタンスコミットメント·セラピー)、調べてみよう

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Posted by ブクログ 2019年05月18日

微妙。もっと実践的な内容かと期待したのに。著名人のエピソードがやたら出てくるけど蘊蓄としか感じない。調査、とか研究、と書かれててもエビデンスが示されないことも多く、借り物感が強い。残念。

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