北方謙三のレビュー一覧
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ネタバレ終わったぁ,ほっとしたぁ~ホラズムの掃討戦も終わり,通ったことのない道の脇で気になったのは黒水城だった。アウラガに落ち着くことなく,東に海を見に行き,副官であるソルタホーンが知らせてきたのは,帝国各地で叛乱が起きる兆しで,どうやらホラズムの太后が残した砂金で,アウラガを臨める黒水城の主ウキが盟主らしい。金出身の公主の子だと言うが,どうやらマルガーシを担ぎ出そうとしているのだ。チンギスも四子のトルイと甥のボロルタイだけを帯同した。長い押し合いから,一気に衝突し,チンギスは脇腹を抉られながら,剣を握るマルガーシの右手を飛ばしていた。春先の衝突で,チンギスは首を差し出したが,馬から落ちたのはマルガー
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「老犬シリーズ」完結編。老いぼれ犬高樹良文の最期(?)。これぞ俺の愛した80年代ハードボイルド。そこここに北方節があって「ああ、かっこいい……」、それにシリーズそれほど間を置かずに読んでおり名前に、経緯に記憶があるので「ああ、たまらん……」 そういう箇所に付箋をつけていたら,都合25箇所に。ああよかった。十年くらいしたら、また三部作通し読みしよう。
老いぼれ犬の登場する作品、再読しようかな。それにこのシリーズも、十年くらいしたら、また三部作通し読みしよう。
それにしても、北方氏の小説は冒頭からもう北方節。
「息。/闇の中で聞こえるのは、それだけだった。」(『傷痕』)
「赤。/闇の中で -
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めちゃくちゃ面白かった。そしてアツい。
何回か目が潤んだけど、ラストの四郎の話は普通に泣いてた。
こういう歴史ものはアツいね。壮大な物語を魅せられました。あっぱれ。
初北方謙三だったんだけど、歴史小説の語り手は斯く様に在れ、と学んだ。
作者は一切顔を見せずに、ひたすらに語り手に徹する。
語彙も地に足のついたものでありながら、淀みない筆致で全く読む上で苦にならない。物語の臨場感を圧倒的な筆力で書き上げていて震えた。
戦場でのせめぎ合いもさることながら、登場人物ひとりひとりへのカメラワークと展開の仕方にとんでもなく長けていて全く冗長でない。一つ一つのエピソードが一個たりとも無駄でなく、血の通った物