北方謙三のレビュー一覧

  • 史記 武帝紀(六)

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    李陵と蘇武がそれぞれの場所で己の道を定め生きるあたりから漢王国の内部で渦巻く巫蠱の話まで。
    桑弘羊と劉徹の関係がまた少し近づいた一冊。桑弘羊と司馬遷の目を通して見る劉徹は、暴君なのに憎めない。どこか、悲しくなる。そんな六巻。

    在位が長くなる帝ゆえの、苦しみ……ではないのか?なんとも言えない、辛さ。そういうのを私は感じた。
    天の子は孤独。人ではないから。なんでも思い通りになるが、それは漢の中だけの話。何というか、悲しい。漢の武帝の話は初めて読むんだけど北方謙三氏ならではの、哀愁感がたまらなく良い。

    匈奴の家族と過ごす李陵が優しく、それがまたツライ。
    蘇武だけは前巻から引き続き力強く生きている

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    2025年08月27日
  • 史記 武帝紀(五)

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    李陵が五千の歩兵部隊で匈奴と戦いたいと帝に訴えるところから中書令となった司馬遷が帝の言動を記録している場面まで(あらすじ難しい)

    後半の主軸メンバーがそれぞれの場所で動き出す一冊。司馬遷編は読むのがツライし蘇武編は引き込まれる。

    匈奴側がとにかく面白い。漢側が政治的に腐っているので、匈奴側の真っ当な感じが読んでいて気持ち良い。匈奴側は残された史実が少ないらしいので、ほぼ北方謙三氏の創作なんだろうけど、これがめちゃくちゃ面白い。キャラがいいんだよなぁ。好き。
    漢側は……もう、ツライ。劉徹の暴君っぷりが……

    桑弘羊も倒れるし、司馬遷も李陵も理不尽な目に遭うし。在位が長くなるとやっぱりあかんの

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    2025年08月25日
  • 史記 武帝紀(四)

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    司馬遷の日常から蘇武のピンチまで(あらすじが雑になってきたな)

    全七巻の真ん中だからか、人の出入りが激しい。消えゆくものたちの無念さと新しい出会いの力強さ。とりあえず叫びたい……衛青ィィィ!!
    あ、頭屠の嫁取りは良き。匈奴側が良すぎる

    李陵がしっかりと成長していて嬉しく感じていたから、第二十章の蘇武にはハラハラした。二人とも、あんなに小さかったのになぁ。
    朱咸と柯賀が大宛で幸せに暮らしていたのも嬉しい。すっかり大宛の民になっている。良かったなぁ。朱咸のあのセリフにはゾクリとした。ほんまそう。→

    244ページの「天の子に、して貰ったのだ。そうとしか、俺には思えん」のセリフで変わってくれるの

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    2025年08月24日
  • 風の聖衣 挑戦シリーズ3

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    南米ペルーの高山地帯、ケチュア族の村に、「老犬トレー」のメロディーに引き寄せられて三人の日本人が邂逅する。それぞれの思い、それぞれの闘い。インディオの誇り。死んで行った者達への思い。己の中の牙。己の中の恐れ。獣。『檻』『牙』、ちゃんと予習してから読んで正解。

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    2025年08月22日
  • 岳飛伝 十四 撃撞の章

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    吹毛剣が、梁山泊の生きた伝説の手で胡土児の元に届けられます。

    胡土児は吹毛剣を手に入れた事で北方に移動させられます。


    そして、岳飛と秦容はそれぞれの軍を率いて南宋を進軍していきます。

    ここで、ふと思ったのが岳飛の進軍の仕方です。
    宋江と晁蓋がかつて、何万を超えたら挙兵するかの議論をしていましたが、岳飛は全くそれに満たない兵力で挙兵し破竹の勢いで勝ち進む!

    かつての梁山泊に晁蓋や林冲、花栄、秦明、呼延灼達が揃っている時に散り散りで挙兵していたら・・・
    とは思ったものの、童貫健在で各個撃破されていたか!?
    それとも南宋に不満を持つ義勇の民が立ち上がり兵力ではなくムーブメントが中華をのみこ

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    2025年08月21日
  • 史記 武帝紀(三)

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    幼き李陵が登場、李広のプライベートが垣間見れる十一章から匈奴の単于が交代する十五章まで。

    一人、また一人と去るものもあれば、新たに登場するものもいる。
    幼き李陵と蘇武が参戦してほっこり。李広はめちゃくちゃいいお爺ちゃんやし、衛青も良

    個人的に北方三国志から読んできた私が驚いたのがあの方の退場……そんなあっさり……うそやん?となった。
    劉徹も巻末では40歳を超え、人生後半戦。帝ならではの虚しさもあるんよなぁ、としんみりしたり。
    匈奴側のも、荒くれ者だけじゃない面が見えてきて、こちらにも感情移入して情緒が忙しい(笑)

    次巻からは李陵と司馬遷が中心になりそうで、それはそれで楽しみすぎるー!!

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    2025年08月21日
  • 史記 武帝紀(二)

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    衛青の甥、霍去病参戦。月氏国からの道程でまたも匈奴に捉えられる張騫。匈奴側では新しい王が誕生して漢VS匈奴の構図はさらに複雑になり……武帝の望みがまた一つ叶う北方版「史記」第二巻!

    霍去病と桑弘羊の絡みが大好き!!→

    いぶし銀の李広将軍もいいし、司馬遷ー!!司馬遷が参戦したんだが?!え?「史記」って司馬遷が書いたんじゃなかったっけ?本人登場するんだ!という驚き。
    匈奴側はまぁまぁ怖い感じに仕上がってきたよね……まぁ、奪う側だもんなぁ。しかしまぁ、だいぶんえげつないな……時代ッ!!→
    公孫弘などのキャラが悪役らしくてとても良いよね。いるいる〜みたいな(笑)
    ただ、劉徹が少しずつやばーい感じを

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    2025年08月19日
  • 破軍の星

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    北方南北朝物二作目。若き陸奥守北畠顕家の物語。はじめはゆるゆる物語が進むが、足利直義が登場するあたりから俄然面白くなる。それぞれの武将の思惑が交錯し、ダイナミックな物語展開。主人公顕家もさることながら、足利尊氏・直義兄弟がなんとも魅力的なことよ。京を舞台とした、尊氏軍対陸奥守軍の戦闘の迫力。そして明かされる、安家利通の夢。泣ける。果たしてそれが顕家の……。そして再度の上洛。ああ、結末が分かっているだけに、終盤読み進めるのがつらい。

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    2025年08月22日
  • 史記 武帝紀(一)

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    前漢の時代、武帝劉徹は北の国境を脅かす匈奴を討伐するために動き始める。抜群の戦センスを持つ衛青、西にある月氏国へと旅立つ張騫など魅力的なキャラクターが活躍する中国歴史書「史記」の中の「武帝」の部分を北方謙三氏が味付けした歴史小説第1巻

    がァァァァァァ!!!めちゃくちゃおもしろいー!!中国史知識皆無!史記とは?武帝って誰?レベルの私が貪るように読めてしまう北方謙三氏のリーダビリティよ!!出てくるキャラがとにかく魅力的で最高!キャラ小説として全力で推したい!!(落ち着け)
    三国志と違い、帝がいるからこその面白さも→

    あるんよね。いわゆる後宮問題とか!!面白すぎる〜!!
    衛青や張騫がかっこいいの

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    2025年08月17日
  • 牙

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    挑戦シリーズ3『風の聖衣』再読のために、こちらも再読。石本一幸19歳。ふとしたことがきっかけで、己の皮を脱ぎ(脱がされ)、獣の正体を現し、牙をむき出す物語。石本の肉体が感じる痛み、暴力が痛いほどに感じられる。本作の老いぼれ犬高樹はそれほど嫌な存在ではない。石本と高樹のやりとりが面白い。そして、そこここに見られる北方節。本作では高樹が石本に掛けた台詞、「ひと晩で、髪が白くなるやつがいる、おまえは、心の髪を白くしちまったようだね、石本」。たまらないね。さて石本、そして村沢がどんな男になって水野竜一と対峙するのか!

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    2025年08月06日
  • 冬の狼 挑戦シリーズ2

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    水野竜一が三年ぶりに帰ってきた。そして再び、誇りを確かめ、男としての筋を通そうとする男達と共に闘いを始める。三〇年ほどの時を経て再読。自分が年を取っている分感受性が鈍り、楽しめなかったら面白く読めなかったらどうしようと思いながら頁を開いたが、全くの杞憂。冒頭から全編北方節、これぞ俺の愛したハードボイルド! そこここに痺れる文章があり、泣ける泣ける(ギイさんが死んでしまう)。こちらが人生経験多少増えている分、深く味わえたのではないかと思う。まだ生きていれば、高樹刑事に「刑事として出会った中で最も歯応えがあった男は?」と、そのランキングを訊いてみたい気になった。しかし「挑戦シリーズ」、まだ三冊も残

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    2025年07月29日
  • チンギス紀 四 遠雷

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    盟友ジャムカとの本格的な共闘から始まった第4巻はイェスゲイ暗殺の真相が見えてきたところで幕。
    同時にいくつものプロットが動いており、全く飽きることがない。
    巻を重ねるごとに登場人物が増えていくが、明らかな敵役でも剣技・乗馬術や潔さなどの魅力を備えている。今のところ何の魅力も感じないのは本巻で大敗を喫するセングム、そしてサチャ・ベキくらいおらず、並大抵の業ではないと思う。
    次巻は玄翁との戦い、イェスゲイの仇討ちの進展を楽しみに読み進めたい。

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    2025年07月27日
  • チンギス紀 十 星芒

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    物語も後半に入り、戦いの場は西夏、そして金国へ。新たにホラズム・シャー国なるのも出てきて、これからの展開が気になります。
    ジンとナルスの活躍が楽しみ!

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    2025年07月25日
  • チンギス紀 三 虹暈

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    精鋭を率いる玄翁が姿を現す第3巻。
    後に大帝国を築くテムジンが最終的に敗れることはないはずだが、麾下に加わりそうもない無敵の人物をどう倒させるつもりなのか?
    予備知識なしで読んでいるので、玄翁の正体が明かされるのが非常に楽しみだ。

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    2025年07月18日
  • チンギス紀 二 鳴動

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    テムジンの麾下に人が集い始める第2巻。
    槍の達人ジェルメに続き、無双の射手クビライ・ノヤンが加入。そして、盟友ジャムカとの邂逅。
    挙げればきりがないが、この巻で1人に絞るなら敢えて女性、テムジンの許嫁ボルテを選びたい。ボルテ登場の描写は簡潔だが、胸を打つ。
    これは英雄の物語だが、志と戦だけではない。純粋な愛の形までさらりと書いてある。凄い。

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    2025年07月19日
  • チンギス紀 一 火眼

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    巨匠の作品だから覚悟して手に取ったが、予想通り面白すぎてやめられない。間違いなく全巻読むことになると思う。
    第1巻は少年テムジンの出奔から青年としての帰還までが描かれており、フォーマットはいわゆる「ヒーローズ・ジャーニー」。大河小説の冒頭だけれども、本巻だけでも十分に読む価値がある。
    最初から才気溢れる人物として描かれているテムジンだが、才気だけで英雄になれるわけではない。人との出会い、会うべき人に巡り会う運が英雄を英雄たらしめるのだ、という作者の声が聞こえる流石の導入だ。

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    2025年07月20日
  • 鬼哭の剣 〈新装版〉 日向景一郎シリーズ : 4

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    「日向景一郎シリーズ」四巻目。今回は凄まじいビルドゥングスロマン。15歳になった日向森之助の初体験から恋、同年代の少年との交流(心温まるではない)、兄景一郎への複雑な思い、柳生との対決、剣客としての成長が描かれる。あの気色悪い子供だった森之助がとうとう内面を、人間味をもって現れる。しかし、景一郎や多三郎はなんでこんなに無造作に森之助に勝手な命を下すのだろう。可哀相やんけ。それにしても、北方謙三が生み出した人物の中で日向景一郎が最もハードボイルドな存在だ。自分これまで北方ハードボイルドでエンターテインメント小説に目覚め、北方『三国志』を深く愛して、なんとなく史実に基づかない剣豪を描いた時代小説な

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    2025年07月04日
  • チンギス紀 九 日輪

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    物語も中間点に到達し、テムジンがいよいよチンギス・カンになる!
    ジャムカ軍との戦闘シーンも読みごたえあり、一気に読んじゃった感じです。
    後半の展開も楽しみになります。

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    2025年06月26日
  • チンギス紀 八 杳冥

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    ネタバレ

    折り返しの巻として、まさに物語の核となる巻だった。当初のうちは、進み具合がゆっくりめだけど、その分じっくりと書かれているので、いつ大きなスケール展開となるか期待していたが、まさにこの巻は充実した内容でとても読んでて感激した。ストーリー展開はなるべくしてそうなる展開ではあるが、物語の起伏に伴う感情の高ぶりがとてもうまい。負けたり老いたりで退場する人も多く、新たな展開に楽しみ(なんとか毎月の文庫刊行に合わせてる)。

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    2025年06月20日
  • 絶影の剣 〈新装版〉 日向景一郎シリーズ : 3

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    「日向景一郎シリーズ」第三弾。今度は北方流冒険小説! 
    貧村の民達が圧倒的に強い権力に抗う、そしてそれを助ける形のヒーローの物語であり、かつまた寡黙な超絶に強い男と、それを倒そうとする何人かの凄腕の男達の闘い。これは挑戦シリーズにも通じる図式。そして最後は壊れてしまった医師の孤独な闘い。それぞれ男。たまらん!

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    2025年06月15日