北方謙三のレビュー一覧
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トクチャルは死んだ。一度、口に出して呟いた。
戦場で、死んだのだ。自分の長子ではあるが、ひとりの兵として死んだ。数えきれないほどの、兵の死のひとつである。
二刻ほど、ジョチはひとりでいた。
それから大きな部屋へ行き、将校を集めろと従者に命じた。(320p)
1巻まるまるホラズム国との戦いである。一進一退。驚くほど何も進まなかった。その間、後衛のチンギス弟カサルが病死し、チンギス息子ジョチの息子トクチャルが戦死し、無敵だった遊撃隊隊長ムカリが、ジャムカ息子マルガーシと一騎討ちして亡くなった。亡くなった漢たちは、それぞれに戦う意味、生きる意味、死ぬ意味を探していた。見つかったのかどうかは -
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ネタバレ・劉備、曹操からの独立を決め徐州ゲット!からの秒で奪われる。敗因は曹操が抱く敵対心を読みきれていなかったことかなぁ。関羽が唆された時はハラハラしたけど、戻ってきてくれて良かった。次は劉表をどう攻略していくかが実物。
・曹操vs袁紹の戦い。それにしても曹操は本当にギリギリの戦いが多い。絶体絶命に陥って力を発揮しきれるのは覇者として強いよな。鄒氏を倒したのもびっくりしたな。曹操の間者と孫権の間者、どっちがより優秀なのか気になる。
・個人的には袁紹ってそんなに悪いことしたかなぁという印象だったので残念ではあるが、臣下の話を聞けなくなったら終わりなんだなと思った。
・それにしても孫策ゥ...お前って奴 -
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ネタバレ
・牧だった劉焉を継ぐ劉璋 vs 五斗米道の国を作りたい張衛(益州)
・曹操と呂布を戦わせる作戦を思いつく劉備(徐州)。さすが徳の将軍...言い方悪いが曹操の懐にも呂布の懐にもつけ込めるのすごい。
・曹操、呂布との戦いを目の前にしつつ、劉備を味方にしたいけど力ありすぎて怖いかもと思い始める。
・呂布、赤兎との別れ。表が怖い人って裏返すと良い人だったりするんだよな。最期までかっこいい漢だったよ...あまりに辛い。成玄固、赤兎を頼む。どうか穏やかに暮らしてくれ。
・袁術と絶縁した孫策と周瑜。揚州を固めるため徐々に動き出す。
・袁紹 vs 公孫瓚(幽州を賭けて)
・曹操、袁紹と戦う前に朝廷の鼠(?) -
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奥付け 1988年 10月25日 第1刷
一体何年眠らせていたのだろう。そして何のタイミングで、積読本の山の中から現れて読むことになったのだろう。
ついこの間読んだ、「ババガヤの夜」にまるで導かれたような気がする。「ババガヤ」が今のハードボイルドなら「渇きの街」は40年前のハードボイルド。
典型的なクライムノベルでおり、バイオレンス小説である。しかし圧倒的に「ババガヤ」の方が新しく、「渇きの街」は古臭い。
悪く言えば陳腐であるのだ。男と女の関係ひとつっても。でも、そこが良い。殊に私世代の人間にとっては。
北方謙三のいい読者ではない私だが、この初期のハードボイルド作家の北方も、今の時代 -
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藤原純友という人をとても魅力的に描いていると思う。
小説として、とても読みやすかったし面白かった。
最終章というかエピローグの部分は、夢か現か幻か。
純友の現実なのか幻想なのか。
生き延びて大陸に渡っているとしたらそれはそれで夢があるけど、幻想のようにも受け取れる。
純友の後に伊予の国司として着任した紀淑人は紀長谷雄の息子で、なんとなくそんなイメージ(応天の門の長谷雄から)でちょっと笑えた。
将門の元には道真の息子がついており、時代は繋がっているなぁと改めて思う。
小野好古は案外良い人かも。
北方謙三というだけで、ちょっと構えて読み始めたけど、上下巻通してとても楽しく読めた。
他の作品も -
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マルガーシの父親のジャムカは、戦ではチンギス・カンを上回っていたかもしれない、とテムル・メルクは考えていた。
草原の戦を分析すればするほど、ジャムカという武将の凄味はわかった。
ただ、チンギス・カンと較べて、ジャムカには足りないものが間違いなくあった。
国を作りあげていく力だ。それは軍を作りあげる力とも同じだった。
(略)
チンギス・カンが、何度かぎりぎりのところまで追いつめられたのは、ジャムカの精鋭の力だったのだろう。
しかし闘うたびに、チンギス・カンの軍は堅固になり、ジャムカの軍は精鋭だけになっていった、とテムル・メリクには見えた。
「戦は、強さだけで決まるものではないな。なに