井沢元彦のレビュー一覧

  • 疫病の日本史

    Posted by ブクログ

     新型コロナのおかげですっかり感染症まわりの一般書が増えたが、本書は歴史家が語る一冊。天然痘、梅毒、インフルエンザ、結核……と日本を襲ってきた疫病がどんな影響を与え、歴史を動かしてきたかを記している。

     平清盛のマラリア説はこれまでによく目にしたのだが、歴史的な人物と感染症という切り口はなかなか興味深い。中でも黒田官兵衛の梅毒説はインパクトがあった(詳しくは本書で)。

     今回、日本で新型コロナウイルスが感染爆発しなかった要因「ファクターX」の一つとして、「マスク着用や毎日の入浴などの高い衛生意識」が候補にあがっていたが、本書によれば昔はそうでもなかったようだ。

     中世だと「京都の貴族たち

    0
    2020年09月29日
  • 英傑の日本史 激闘織田軍団編 織田秀信・織田秀勝・織田有楽斎

    購入済み

    井沢さんのはよく読む

    井沢さんの歴史観も司馬遼太郎のそれと並んで面白い時がある。もちろんおかしな帰結点もあるが他方で切り込みが矯激な面も逸楽。

    0
    2020年07月19日
  • 逆説の日本史13 近世展開編/江戸文化と鎖国の謎

    Posted by ブクログ

    本巻では、元禄時代にさしかかるまでの江戸幕府の鎖国政策、武断政治から文治政治への変遷、さらに茶道、歌舞伎、儒教などの文化史があつかわれています。

    本巻があつかう江戸時代初期において朱子学が支配体制を正当化するイデオロギーの役割を果たしたという見方は、丸山眞男の『日本政治思想史研究』(東京大学出版会、1952年)でも採用されていますが、こうした見方については尾藤正英が『日本封建思想史研究』(青木書店、1961年)においてつとに批判しており、朱子学がじっさいの政治にどのような影響をあたえていたのかということは、もうすこし慎重に判断するべきではないかと思います。

    また著者は、「儒教は、こうした慰

    0
    2020年06月18日
  • 逆説の日本史12 近世暁光編/天下泰平と家康の謎

    Posted by ブクログ

    この巻では、関ケ原の戦いから豊臣滅亡までの経緯と、家康によって江戸幕府の礎石がどのようにつくられたのかということがテーマになっています。

    前巻とおなじく、天下を取るためにはたんに戦いに勝利するだけでなく、支配をどのように正当化するのかということが大きな問題になるという点についてのわかりやすい説明がなされています。基本的に著者の立場は英雄史観なので、シリーズのどの巻もおもしろく読めるのですが、戦国大名たちの武力による戦いよりも権謀術数や政治工作などにおける彼らの英雄ぶりが語られていて、手練れの推理小説作家でもある著者にはお手のものなのかもしれませんが、おもしろく読むことができました。

    0
    2020年06月17日
  • 逆説の日本史11 戦国乱世編/朝鮮出兵と秀吉の謎

    Posted by ブクログ

    本書のテーマは信長の二本統一事業を引き継いだ秀吉です。前半は、本能寺の変以降、秀吉が天下人となるために、みずからの政治的支配の正当性をどのように裏づけようとしてきたのかということがくわしく語られています。また後半は、秀吉の朝鮮出兵のねらいを、現代のイデオロギーにもとづく恣意的な評価から自由な立場に立って見なおすという試みがなされています。

    秀吉の朝鮮出兵にイエズス会の動向を関連づけるという著者の見方はあまりにも意外で、まだその妥当性を判断しがたいように感じています。もう一つ気になったのは、著者が儒教思想について、歴史を歪曲する原因としかみなしていない点でしょうか。もちろん歴史的事実を追求する

    0
    2020年06月14日
  • 逆説の日本史10 戦国覇王編/天下布武と信長の謎

    Posted by ブクログ

    本巻では、織田信長の天下統一の企図にせまる試みがなされています。

    著者は、下部構造が上部構造を決定するというマルクス主義史学を批判しており、そのために英雄史観的な歴史の見方が色濃く出ています。とくに本巻では、著者の信長への愛が押し出されており、歴史的な事実の評価に現代の常識を持ち込んではならないとつねづね主張する著者のほうが、信長に時代を超越した壮大なヴィジョンをあたえてしまっているようにも思えます。

    とはいうものの、著者の熱い語り口が読者をぐいぐい引っ張り込んでいく魅力をもっていることは事実です。とにかくたのしんで読むことのできる内容でした。

    0
    2020年06月12日
  • 逆説の日本史8 中世混沌編/室町文化と一揆の謎

    Posted by ブクログ

    本巻では、応仁の乱から山城の国一揆および加賀の一向一揆までの歴史と、能を中心とする室町文化について説明がなされています。

    本書のような読みやすい日本史の解説本のばあい、無責任極まる室町幕府八代将軍の足利義政と、恐妻の日野富子というキャラクターに焦点があたってしまいますが、本書では政治的混乱を生み出した背景についてもかなり立ち入ってていねいに説明がなされており、興味深く読みました。

    将棋をモノポリーにたとえるなど、著者の連想が大きく飛躍しているように感じられるところもありますが、それも含めてこのシリーズのおもしろさなのではないかと思います。

    0
    2020年06月11日
  • 逆説の日本史1 古代黎明編/封印された「倭」の謎

    購入済み

    毀誉褒貶が激しいかもしれないが

    井沢氏の歴史ものは時折歴史の専門家以上の分析力を膾炙しているようだ。ただ結論に対しては毀誉褒貶が激しいようだが、大人の読者であれば今回の書のように確実に真相の解明と思われる個所を知識として習得するだけでも十分な価値があるのではないかと思っているのだが。

    0
    2020年03月07日
  • GEN 『源氏物語』秘録

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    源氏物語多作者説を軸に、南朝伝説をからめ、さらに太平洋戦争発端を絡めた物語。
    学生時代の角川書店創業者を主人公に、柳田国男、折口信夫等が出てきて、タイトルから平安朝を中心に展開するかと思いきや、足利幕府、南北朝、さらにアメリカのスパイだのが出てきて、真珠湾攻撃に至るという予想外の展開だった。
    ただ、「なんておう」の末裔が現当主と孫娘だけという時点で詰んでるやん!と思ったのと、「なんておう」家に伝わる「本物」三種の神器云々に、いやいや、そのうち二種は形代でっせと思いつつも、まぁ小説やしなと読んでいく途中で金田一耕介が不必要に登場したため、最終的な読後感想が、角川書店の創業⚪⚪年記念作品ですか?に

    0
    2019年10月27日
  • 逆説の日本史9 戦国野望編/鉄砲伝来と倭寇の謎

    Posted by ブクログ

    この巻では、沖縄の歴史をひもとき、倭寇の正しい姿を解説し、さらに中国の冊封体制と種子島の鉄砲伝来との関係について説明するところからはじまっています。著者は、現代の日本人にとってこれらの史実がもつ意味を正しく認識することがむずかしいといい、シドニー五輪で柔道の篠原信一がいわゆる「世紀の大誤審」により金メダルを逃した事件に言及することで、現代の国際社会において日本人が心に留めておかなければならない教訓を読み取ろうとしています。

    後半は、毛利元就、武田信玄、織田信長という三人の戦国武将がとりあげられます。「戦国大名はだれもが天下統一をめざしていた」という理解は、じつは信長によってその偉業が成し遂げ

    0
    2019年10月18日
  • 新装版 猿丸幻視行

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    百人一首に登場する猿丸大夫だか、その歌に隠された謎を解き明かす。特にどんでん返しはないが、あー、暗号ってそういう風に作られているのかー、とか、ちょっとした知識欲を満たしてくれる本だ。
    現代から薬を使って過去にタイムスリップする設定だが、その設定はほんとに必要な設定だったのかは?だ。

    0
    2019年10月07日
  • 逆説の日本史6 中世神風編/鎌倉仏教と元冦の謎

    Posted by ブクログ

    逆説シリーズもようやく6巻を終えた。
    鎌倉幕府〜室町に入る前までの時代を描いており、この辺は色んな人が出てくるからややこしい。

    後醍醐のカリスマ性というか、独裁性というものをヒシヒシと感じたけれど、それでも市民(武士を含む)に支持されないと政策は成功しない。

    これは面白くて、結局、大衆というかユーザーというか、の理解が得られないものは失敗するんだなと。

    そういうのは昔も今も変わらないなと。

    0
    2019年08月05日
  • 逆説の日本史22 明治維新編/西南戦争と大久保暗殺の謎

    Posted by ブクログ

    前巻でも書いたように思うが、本編では井沢節はトーンダウン気味。やはり、資料が多い近世は通説に寄りがちなのかもしれない。
    一方、本編終了後の過去の話題の修正編では、井沢節が見られる。
    言霊信仰、怨霊信仰がこの人の説の通底なので、その影響が少なくなったと見られる近代では、新説が出にくいのかもしれない。

    0
    2019年06月16日
  • 逆説の日本史22 明治維新編/西南戦争と大久保暗殺の謎

    Posted by ブクログ

    先日の記事で、このシリーズに一貫して貫かれている「言霊信仰」「怨霊鎮魂説」について、歴史学者呉座勇一が痛烈に批判をしていた。
    歴史書としてみるから「資料軽視」として批判したくなるので、フィクションとして考えればそれほど目くじらたてることもないと思う。
    実際(特に天皇や朝廷は迷信深かったので)そういった要素もあっただろうし、しかし実際の政治(特に武士)はリアリズムだから、それほど大きな影響はなかっただろうというのが現実だろう。

    0
    2019年06月15日
  • 言霊II――なぜ日本人は、事実を見たがらないのか

    購入済み

    まあまあ

    面白い観点です頑張って、言霊 というほどかな?と言う印象です

    0
    2019年05月23日
  • 逆説の日本史19 幕末年代史編2/井伊直弼と尊王攘夷の謎

    Posted by ブクログ

    ★★★2019年1月レビュー★★★

    『逆説の日本史19』は、島津斉彬の死や安政の大獄など。
    この時代、佐幕の大物2人は孝明天皇と井伊直弼であると筆者は説く。井伊直弼は、開国を貫いた点は評価できる。しかし惜しむらくは井伊の頭には、「幕府」があって「日本」は無かった。
    また、この辺りから孝明天皇の影に見え始めた岩倉具視。
    まだ水戸藩も存在感がある。
    ここから長州がどう出てくるか、20巻も楽しみだ。

    0
    2019年01月28日
  • 伝説の日本史 第1巻~神代・奈良・平安時代 「怨霊信仰」が伝説を生んだ~

    Posted by ブクログ

    日本の歴史として認定されていない事柄を伝説から推測する本。
    第1巻は卑弥呼の時代から鎌倉時代の前までで、章立ては人物ごとになっている。
    現実的なスタンスで突飛な伝説の謎を解き明かしていくので面白い。
    例えば菅原道真は敗者なのに何故神様となって太宰府天満宮に祭られているのか。などなど。
    歴史のタブーにも触れる内容になっており、抵抗がある人もいるかも知れません。
    日本史に詳しいととても楽しめそうです。
    日本史好きにおススメです。

    0
    2019年01月16日
  • 逆説の日本史1 古代黎明編/封印された「倭」の謎

    Posted by ブクログ

    歴史学者ではない作家が書いた歴史の本。大胆な仮説を展開していく。いろいろな見方を提供してくれて面白い本ではある。だが批判的に読まないで信じてしまうと日本史の知識が偏ると思う。

    0
    2018年12月28日
  • 学校では教えてくれない日本史の授業

    Posted by ブクログ

    ただ事実を知るのではなく、物事が起きた経緯を根拠を交えて書かれており読んでいて面白かった。

    しかし、どれだけ恨んでいるのか知らないが、歴史学者を批判する内容を繰り返し書いていて、途中から「何回同じ事言うんだ」と笑ってしまった。

    0
    2018年11月23日
  • 真説「日本武将列伝」

    Posted by ブクログ

    作者が作者なので、もう少し突拍子も無い論が出てくるかと思えば、割合普通な武将紹介に落ち着いていますね。
    ちょっと枚数が少なかったのでしょうかね?(^^;
    まぁ、それでも有名な武将のエピソードが紹介されているのには代わりはないわけでして、興味を持ち始めたぐらいの人には良いかな。

    0
    2018年11月12日