あらすじ
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日本文化の構造的欠陥を糺す!
本書では、近現代史考察するための序論として「近現代史を歪める人々」と題した1章を冒頭に特別に設け、日本民族が抱える最大の問題の一つである「バカトップ問題」について考察しています。
最高の教育を受け 優秀な成績を収めながら、一番肝心な常識がわかっていないエリートがなぜか組織のトップになってしまい、その組織を滅亡に導く……古くは、大日本帝国を破滅させた陸軍参謀本部、そして戦後は、「常識に欠け、きわめて傲慢」な点で旧陸軍と酷似した朝日新聞社が犯してきた罪について厳しく断罪します。
また、歴史教科書などではあまり詳しく触れられることが少ない「琉球処分」についても解説。沖縄はいかにして大日本帝国に編入されたのか? 朱子学を通して琉球史を概観することができます。
さらに、明治政府が行なった「宗教の整備」について、全国を吹き荒れた「廃仏毀釈」の凄まじさ――あの奈良・興福寺の五重塔さえもスクラップにして売り払われる寸前だった――に焦点を当て、宗教史にも造詣が深い著者ならではの独自の解釈を盛り込んでいます。
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Posted by ブクログ
史料重視主義や宗教観点の欠如を批判する作者による通史シリーズ。今作から近現代編。区切り方としては順当かと思われる。
さて今作ではその区切りとして近現代史を歪める組織である人や組織についての批判から開始。筆が進むのかリフレインに食傷してしまうが分かりやすい説明。大日本帝国軍部と朝日新聞の共通点など言及されないと気付かなかった。
琉球王国や廃仏毀釈についても作者の思想が強く反映されている。朱子学についてはここまで害悪化を指摘されると逆に元の本が気になってきた。世界と伍するための神道という発想はさすが。
Posted by ブクログ
「逆説の日本史」は井沢元彦が一貫した観点から日本史全体を丁寧に解説してくれています。これだけ自分の頭で考え、綿密に自分の言葉でしつこいくらいにわかりやすく語ってくれる歴史書は他にありません。ただ、彼はその主張を逆説の日本史で書いているだけでは物足りないのか、様々な別の本を次々に出しています。もう逆説の日本史は30年間描き続けているのに、まだ終わりません。
もう明治維新後の話になっていますので、さすがにそろそろ完結までのストーリーは見えているのかと思いますが、単行本は25巻で「日英同盟」ですから最終的に28巻くらいまで行きそうですね。
単行本を買いたいのを抑えて、文庫本が出るまで買わないようにしているのですが、やっと23巻が文庫化されたので読みました。
さて、この23巻ですが、最初に「近現代史を歪める人々」という章で、朝日新聞や岩波書店の批判が200ページ以上続きますので少し辟易します。まあ、言いたいことはよくわかるのですが、もっとさらっと書くべきだろうな。
その後の琉球処分と廃仏毀釈については、もうこの本を読まないと本当のことがわからないと思います。
井沢元彦の本はもう50冊以上読みましたが、彼の解説を読まないと本当のことがわからない。そこが彼の凄さですね。でも少し寄り道しすぎで、しつこ過ぎ?ですね。