あらすじ
新しいリベラルな豊臣秀吉像!日本史の常識を覆す全日本人必読の新・日本史!
戦国乱世の三大英傑のひとり、世に“鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス”とその人性を表される豊臣秀吉とはいかなる人物であったか? その虚像と実像を解き明かし、信長亡き後、最大のライバルであった徳川家康をいかに屈服させたかをはじめ、秀吉の天下乗っ取りの大戦略に迫る。とりわけ、秀吉の海外への野望について、歴史用語としての「朝鮮征伐」が教科書から抹殺された事由を説き、戦後教育の歪みを衝く衝撃の問題提起編。
目次
第1章 豊臣秀吉、その虚像と実像編
第2章 織田つぶしの権謀術数編
第3章 対決、徳川家康編
第4章 豊臣の平和編
第5章 太閤の外征編
年表
※お使いの端末によっては、図の一部が読みづらい場合がございます。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
時代区分は秀吉時代。彼の内政と外政について書かれている。彼の持論補強の為に世界史まで持ち出してるゆえに、短い期間とは思えないほど多くのページを費やしているが、成功していると思う。繰り返し読む巻の一つとなると思う。
Posted by ブクログ
秀吉、この日本史上最大の英雄が行った政策の真の意味を窺い知れる。
宗教政策、軍事政策とも信長、秀吉、家康の3人を流れのなかで見ていかないと、その意味を理解することはできない。
唐入り、その文禄の役と慶長の役の意味目的の違いと、
そもそも唐入り自体の当時の世界史的情勢からの視点に納得。
Posted by ブクログ
まるで腫れ物に触るかのような扱いに、いい加減嫌気がさしていたときだったので、全くスッキリいたしました。
どんな理由だとしても「秀吉は挑戦に攻め込み、そして破れた」ということだけでいいじゃないですか!他になにが一体問題なんですか?
唐入り関係、むしろ韓国、朝鮮に関わる人は(もちろん中国も)もう一度根本から考え直して欲しいです。
Posted by ブクログ
ただただ面白いの一言につきる。
日本史の好きな時代はという質問があったとすると、幕末や戦国時代などといった答えは多くあるだろうが、古代という人はほとんどいないのではないだろうか。
教科書にしても年数的には非常に長いのにページ数にすると非常に短い古代史を分からないことも多いが、それが故に古典や試料、当時の時代背景などを基に分析している。
日本における日本書紀、古事記から考えられる日本の成り立ち、オオクニヌシからアマテラスへの国譲り見られる神話の作られ方
日本が『和(わ)』とよばれるわけ。
未だに位置が特定されていない邪馬台国の九州有力説。
天皇子孫が朝鮮半島出身とする仮説から導かれる白村江の戦いの見方
などなど知らない話が多くて惹き込まれました。神話を単なる作り話とみるのではなく、そのような話が作られるのには何か史実があり、それを権力者の都合のよいように作ったとする見方というのは自分には非常に面白いと思いました。
有名な本なので今更ですが、歴史が好きな人、また特に嫌いだった人にもおススメの面白い本です。井沢さんが一人ですべてを書いているというのも歴史の流れに一貫性があり、面白いでしょう。
Posted by ブクログ
井沢氏は一貫して歴史学者の罪を批判し続けている。
説としては納得できないものもあるが、概して井沢氏の説に賛成だ。
今回は秀吉。六本指など衝撃的なものもあったが、脈々と現在まで禍根を残している文禄慶長の役は印象深い。儒教.・朱子学にどっぷり洗脳され両班が贅沢三昧、中国には子分体質の事大主義。嘘は日常茶飯事の韓国への痛烈な批判が多くのページを割いていた。
Posted by ブクログ
末位から関白まで上り詰めた豊臣秀吉こそ下克上の象徴であるにも関わらず、織田信長や徳川家康に比べると些か劣る印象を持っていた。しかし本書では一冊を秀吉に充て、彼の人たらしの「大悪人」としての天才性を取り上げる。
自分の身分を心得、巧みに織田家や徳川家を排除する様は天才謀略家と言えよう。第5章では「朝鮮征伐」をスペインを代表したカトリック教への抵抗を目的とした明制圧とする説も面白い。
第1章 豊臣秀吉、その虚像と実像編
第2章 秀吉、天下乗っ取りの大戦略1
第3章 秀吉、天下乗っ取りの大戦略2
第4章 秀吉の天下統一経営1
第5章 秀吉の天下統一経営2
Posted by ブクログ
秀吉の統一への過程と、朝鮮出兵に関する部分が対象。
朝鮮出兵を悪と一方的にみなす歴史観への疑問と、歴史をねつ造する朱子学(儒教)の性質を非常によく理解できる。
今の南北朝鮮はまさにそう、ねつ造という事に何の罪悪感も持たない連中と正当な歴史議論はそもそも出来ないのだ。
Posted by ブクログ
ご本人とその政治的主張は非常にクセがあり(マイルドに言って)、好き嫌いが別れそうですが、彼の通史は本当に面白い。「怨霊信仰+コトダマ+ケガレ忌避+和の精神」という日本人の宗教観をベースに古代史から現代までを新たな視点で考察しています。粗い・甘い箇所もあるけど掛け値なしに面白く、目から鱗。考えさせられます。
Posted by ブクログ
子供の頃最初に読んだ歴史関係の本が、太閤記だったような気がする。ボクの記憶に残る最古の大河ドラマは、平幹二郎が斎藤道三を、松坂慶子が濃姫を演じた国盗り物語だった。当時の松坂慶子が子供心にもとてつもなく綺麗だったのを覚えている。さて、本書は、秀吉の生涯をなぞりながら、信長の滅亡、小牧・長久手の戦、朝鮮出兵を描く。出世魚のように変わっていった秀吉の姓の背景や、そこに関わる藤原家や天皇家との暗闘が面白い。朝鮮出兵についても、ボクらは日本史・世界史の授業では「秀吉の領土的な野心」とのみ教わるが、井沢の推理・考察は、若干異なる。歴史上にIFは存在しないが、信長が本能寺で死ななければ、彼は少なくとも朝鮮の併合は成功していたのかもしれない… と思った。韓国の方、ごめんなさい。
Posted by ブクログ
朝鮮出兵と秀吉の謎
・豊臣秀吉、その虚像と実像編―歴史学会がタブー視する「差別」構造
・秀吉、天下乗っ取りの大戦略Ⅰ
織田つぶしの権謀術数編―いかにして「権力の正統性」を確保し たか
・秀吉、天下乗っ取りの大戦略Ⅱ
対決、徳川家康編―最大のライバルを屈服させた「人質」作戦
・秀吉の天下統一経営Ⅰ
豊臣の平和編―宗教、貨幣、単位を統一した専制君主の国内政 策
・秀吉の天下統一経営Ⅱ
太閤の外征編―朝鮮征伐にみる日本人の贖罪史観
Posted by ブクログ
朝鮮攻めと太平洋戦争は似ている。それは情報の軽視すること。戦争においては、その民族の最大の弱点が露呈する。
という最後のところが響きます。
秀吉はウルトラCをぶちかまして天下をとるわけですが、ただの農民の出自で低く見られた存在が、周囲を納得させるのにどれほど苦労したか。どれほど金をばら撒いたか。もし元が大名であったなら、もっと楽に天下を取れたのに。そう考えると、空前絶後の一代記もまた切ないものになる。
Posted by ブクログ
本書のテーマは信長の二本統一事業を引き継いだ秀吉です。前半は、本能寺の変以降、秀吉が天下人となるために、みずからの政治的支配の正当性をどのように裏づけようとしてきたのかということがくわしく語られています。また後半は、秀吉の朝鮮出兵のねらいを、現代のイデオロギーにもとづく恣意的な評価から自由な立場に立って見なおすという試みがなされています。
秀吉の朝鮮出兵にイエズス会の動向を関連づけるという著者の見方はあまりにも意外で、まだその妥当性を判断しがたいように感じています。もう一つ気になったのは、著者が儒教思想について、歴史を歪曲する原因としかみなしていない点でしょうか。もちろん歴史的事実を追求するうえで障害になることが多いのもたしかではありますが、そこにも一種の「思想戦」が存在していたこともまた歴史上の事実であり、それに目をふさぐのも現代的な価値評価を歴史に持ち込むことではないかと感じます。
Posted by ブクログ
豊臣秀吉と言う人物にスポットを当ててその生涯と、秀吉がなし得たこと、なし得なかったこと、信長や家康との関係、などについて分かりやすく解説されている。
Posted by ブクログ
秀吉の話が中心。
現代の歴史学への批判というのが、逆説の日本史シリーズではよく見られる。
今回は特にその記述が多く感じた。
ちょっとくどいような。。。
もちろん大事なことだから繰り返しているんでしょうけど。
(逆説の日本史10から続けて読んだからそう感じるのかも)
世に言う秀吉の朝鮮侵略の認識が大きく変わった。
(著者は、朝鮮侵略という表現には異を唱えている。)
今までの私の認識は、現代の価値観+結果論に大きく影響されたものだということに気づいた。
歴史を本気で学ぼうとしたら、当事者の視点が欠かせないのだろう。
歴史が好きな人間として、どういった姿勢で歴史に望めばよいのかということも考えさせられる一冊だった。
Posted by ブクログ
学校の教科書では教えてくれないようなお話で面白かった。
ただ3分の1ぐらいは今の歴史学者に対する批判となっていたのでこれはこれで別の本だったら面白くなるとおもうが、余分かな。
Posted by ブクログ
久々の3連休に加え金曜日は子どもの運動会で年休もらっていて4連休だったのだけど、梅雨に台風にで予定崩れて、家でゴロゴロ競馬見ながら本読んで、歴史というのは物語としても一級品だけどに、今回は結構スッスッと読んじゃった。
相変わらず知らないことが多くてタメになりますが、それ以上に、信長−秀吉−家康というセットで歴史を見ることやスペインの無敵艦隊の敗北がある意味日本の歴史に大きな影響を及ぼしていることや「間違いだらけの少年H」の話など、後半の外征にまつわる展開が興味深い。
これらをどう解釈するか、鵜呑みにせずに自分でも勉強することが必要なのだろうけど、最近の朝鮮半島にまつわる話題においてこういう論があることも知っておいてもいいんじゃないかと。