【感想・ネタバレ】逆説の日本史4 中世鳴動編/ケガレ思想と差別の謎のレビュー

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Posted by ブクログ 2014年12月04日

第4弾。藤原摂関家とはどのような性質なのか。その本質は天皇家の寄生虫である。このひと言で全てを理解できてしまうほど、明快で的確な指摘である。律令制度が禁止していた土地の個人所有を荘園によって骨抜きにし、個人所有の土地を守るために武装集団が必要となり、やがてその武装集団が公家政治を脅かす存在となってい...続きを読むく。その武装集団の頂点として平家が誕生し、平家が政治の実権を握っていく。この時代のキーワードは墾田永年私財法から始まる、土地の個人所有になるだろう。

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Posted by ブクログ 2014年08月29日

逆説の日本史シリーズは、「著者独特の3つくらいの視点を持って日本史を解釈し直す」、という部分がとても面白いと思っています。

今のところ自分は、この巻が一番インパクトを受けました。
著者が提示する【ケガレ思想】(ケガレについては他の人の発表もあります)が平安時代に最も大きい影響を及ぼしていたとの内容...続きを読むです。
この【ケガレ思想】という日本人の行動原理とも言うべき思想は、現代日本人の行動に照らしてみてもあっていることが多いと思います。
この考え方を知って、日本人の行動や考え方について気づき・納得させられることがとても多かったです。

【ケガレ思想】と【日本人の行動】の関係、とても大きな衝撃でした。

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Posted by ブクログ 2012年07月25日

平和とは、むなしい言葉。戦争の無い状態。暴力団まがいの手練手管を要する。綺麗なものではない。家康の豊臣滅亡させた例。日本は歴史から何も学んでいない。歴史から何も学ばない国である事が歴史から分かる。頂点に至った時のグランドデザインがないからだ。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

「六歌仙」と「源氏物語」の謎、推理小説のようでとても面白かったー 平安時代はやっぱりくそみそに言われるなあ… 穢れ思想うんぬんについては顔面に水ぶっかけられたようなそんな 目が覚める思いです。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

日本人の精神性の本質。
自分の中に見いだせるか?ケガレ忌避思想
差別を生む、世界でも稀な理由とは?

ハマります

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Posted by ブクログ 2019年05月09日

第4巻では、3巻に引く続いての言霊信仰と新しく怨霊信仰が取り上げられている。

本を読めば読むほど、昔の天皇家は継承のために殺し合いまでしてたんだなと思うし、それに伴って祟りを強く怖がるのだなぁと感じる。

4巻まで来ると、日本人の根底に流れる文化、言霊信仰、怨霊信仰、そして和の重要性。を歴史自体か...続きを読むらも感じられるし、自分の生活がいかに影響を受けているのかを実感する。

4巻では憲法9条があるから平和だ!と唱える人たちを言霊信仰の象徴であるとして批判するが、よくよく考えてみればその通りである。

綺麗事で済まされる世界じゃない。

そりゃ、誰だって戦争して殺し合いたいなんて事はない。けど、自国民のことを考えれば、守らなければいけないものがある。

それを他国に任せたりして、もし守られなかったらどうするの?っていう事だ。別に侵略されても良いというのであれば良いけれど、そうじゃないならそのままじゃいけないのだ。

自分も昔、綺麗事で飾っていた時代もある。

世界平和、貧困のない世界など理想を掲げることは本当に大事だ。理想が無ければ、向かう方向が分からないから、そもそも前進できない。

が、その中でどのように折り合いをつけるのかがポイントだ。理想に近づこうとしたからこそ、上手い折り合いがつく。

その折り合いを現実に即した形で考えないといけない。

なんども言うが、誰も戦争はしたくない。でも、守りたいなら守らないといけない。

誰も泥棒に入って欲しいと思わない。でも窓の鍵は閉める。そう言うことなんだ。

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Posted by ブクログ 2019年03月16日

時々読んでみるかなぁ、と思出すわけだけど、毎回、おおうっ、と膝を打つわけですよ。ともかく日本人ならではの感覚がうまいこと説明されてて、気にいる人もいれば気に入らない人もいるだろうけど、納得させようとぐいぐい迫ってくる。
といっても納得させられるのは、自分がそもそもアンチ穢思想であって、いや、まぁ多分...続きを読むだけど、落ちたものは3秒経っても食べるし、汚れてないのに上着を洗濯しないし、まぁケチなんかもしれんけど。こういう話題は知恵袋あたりじゃ盛り上がるネタだもんなぁ。
そんなこんなでたまに読んでも脳にシワが増える感がたまらんのです。後は、天皇の世代交代とか話が全然ついて行けないので、そこが面倒なのをどうにかしたい。やっぱないとダメなん?

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Posted by ブクログ 2016年07月13日

軍隊が公式上はない日本。それは平安時代も同様だった。その軍隊の不在が武士を世を生み出した。これからの日本は…




 平安時代編。藤原政権の最盛期。しかし藤原は一人勝ちじゃあなあったんだな。というのが良くわかる。藤原氏も苦労して地位を独占していたんだ。そして当然恨みを買って、地位を脅かされたり、後...続きを読む半には天皇の逆襲を食らって、院政というシステムが始まってしまう。

 後三条天皇という一見知名度の低い天皇が歴史の転換期に活躍したのが良くわかる。後三条天皇にすごく興味を引かれる話だった。

 小説が蔑称だというのは目からうろこ。そうなんだよね。なんで「小さい説」なのか全然イメージできていなかった。


 武士が生まれた理由は、改めて詳しく学べたって感じがした。後三条天皇の政策のおかげで源氏が復権していたというのもとても良い歴史知識だった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年03月24日

古今和歌集から、摂関政治・武士の成立・院政・源平騒乱まで。いつもの怨霊信仰や、ケガレ思想を軸に歴史解釈が展開されます。

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Posted by ブクログ 2013年02月27日

ご本人とその政治的主張は非常にクセがあり(マイルドに言って)、好き嫌いが別れそうですが、彼の通史は本当に面白い。「怨霊信仰+コトダマ+ケガレ忌避+和の精神」という日本人の宗教観をベースに古代史から現代までを新たな視点で考察しています。粗い・甘い箇所もあるけど掛け値なしに面白く、目から鱗。考えさせられ...続きを読むます。

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Posted by ブクログ 2011年11月06日

ケガレ思想と差別の謎

・『古今和歌集』と六歌仙編―”怨霊化”を危険視された政争の敗者
・藤原摂関政治の興亡Ⅰ
 良房と天皇家編―平安中期の政治をめぐる血の抗争
・藤原摂関政治の興亡Ⅱ
 『源氏物語』と菅原道真編―ライバル一族を主人公にした謎
・藤原摂関政治の興亡Ⅲ
 「反逆者」平将門編―初めて武士...続きを読む政権の論理を示した男
・院政と崇徳上皇編―法的根拠なき統治システムの功罪
・武士はなぜ生まれたのか編―「差別」を生み出したケガレ忌避信仰
・平清盛と平氏政権編―「平家滅亡」に見る日本民族の弱点

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Posted by ブクログ 2011年08月30日

歴史の真実なんてわかりっこない。だって、あんた見たの?って聞かれたら返事できないじゃん。僕達が学校で習った歴史だって、いろいろな文献やら、史跡やらから「恐らく確からしいもの」を抽出しただけじゃん。

だから、こういうのもありだと、大いに思う。

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Posted by ブクログ 2011年02月28日

藤原道長ただのボンボン。超ワンマンな極悪非道な奴。
五代前の良房からせっせと作ってきた藤原包囲網という権力をなんの苦労もなく受け継いだ。

そんなふざけた藤原政権に立ち向かった田舎っぺ平将門。
以後100年かけて平清盛政権へと向かう。

本書が紀伝体で書かれているため、正直年表的な感覚は乏しいが、時...続きを読む代の流れはよくわかる。

平氏と源氏。天皇と上皇。
学生の頃は編年体で学び、なんとも合点のいかなかった人間関係が、おぼろげながらつかめた。

なぜ、武士が生まれたのか?
今では納得。

そして、ぴょーんと現代に飛んで、自衛隊という存在の仕方にも、合点がいった。

やっぱ日本人は何年経っても日本人。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

逆説の日本史第4巻!!遂に武士・侍・もののふ(くどい!)が登場します♪
「源氏物語」「竹取物語」に隠された意外な事実!!とても面白かった。自分は、日本史の授業は、現代史を小学生の頃からしっかり教えた方が良いと思っていた。「大宝律令」や「大化の改新」よりも、近代日本史を教える方がより身になると考えてい...続きを読むたが、このシリーズを読んでその考えが変わった。この本を読むうちに“歴史は繰り返す”と云う言葉が脳裏に浮かんで消えないのである。
平安時代が、今の日本の状況と酷似している事。何故、日本人は軍隊を毛嫌いするのか?憲法第9条で軍隊を放棄しておきながら軍事力(自衛隊)を有し、しかも自衛隊法と云う法律まである矛盾。平安時代でも同じ事がおこっていた!!そして軍隊を毛嫌いし、部落差別をする日本人のケガレ思想に大いに納得した第4巻であった。
軍隊を放棄した平安時代がホントに平和な日本であったか…逆であった事実。国民・国家を守るもの=軍隊がなかった平安日本で、人々は武器を持ち自分で自分を守らなければならなかった…それが、武士の始まりであった。

軍隊を排除した平安時代のあとに、誰の時代が来たか!平安時代を今の日本と捉えると…。歴史は繰り返すのか

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月26日

①古今和歌集=鎮魂という話
②③④藤原摂関政治について源氏物語や平将門の話に絡めて書いてあり、面白かった。 藤原氏が栄華を極めた時代に源氏メインの世界最古の物語ができたことと平将門が近代でも怨霊として恐れられてたことは面白い
⑤荘園と院政の成り立ち
⑥武士とケガレ
⑦平氏と平家物語 あたりも...続きを読む興味ある話題。
全体的に 今までより章が細かく読みやすかったけど、思想強めの他者(歴史学者、護憲派)批判が随所にありすぎてつかれた(笑) そういうのをあとがきにまとめてくれたら読みやすくなると個人的には思いました。

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Posted by ブクログ 2022年02月07日

歴史を独自の観点で紐解くシリーズの4弾目は平安時代の藤原摂関政治の背景や源氏平氏、武士の成り立ちや部落差別など、昔に学校の授業で出てきたなぁとか思いながら読んでた。家系のつながりが難しい笑 あと白河上皇がえげつない。

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Posted by ブクログ 2017年02月09日

今回の”ケガレ”論をもとにした九条改正論。なーんか納得いかない感じ。いや、そもそも日本史とは論点がずれてる気がするけども。

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Posted by ブクログ 2015年01月17日

藤原氏の摂関政治から、武士の台頭する院政期までを扱っています。

著者は、藤原氏の政治上のライヴァルであった源氏を主人公にした『源氏物語』にも、怨霊の鎮撫という理由があったのではないかという主張をおこなっています。また、武士による政権が確立するまでの紆余曲折に、ケガレ思想が影を落としているという、興...続きを読む味深い視点からの考察が展開されています。

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Posted by ブクログ 2013年06月08日

ケガレ思想が、今の日本人の差別意識に影響してるのは、理解できる。それゆえに、自衛隊(軍隊)も忌避してるという、著者の論法は、少し強引。

歴史を学び、分析する事が、今の日本を理解する上で大事なのはよく分かるが・・・

それでも、このシリーズは面白い。
川村氏の解説もいい。

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Posted by ブクログ 2013年04月21日

僕のような亜歴史好き(?)にとって、平安時代の特に後期って、とても退屈な時代なんだよね。
早く源平の合戦に入ってほしい。できるならばそのへんも端折って、血沸き肉躍る戦国時代を熱く厚く語ってほしい。

と、興味も知識もなかったので、逆に本書で提示される新事実(とされるもの)はとても心が惹かれて、「おお...続きを読む、この辺の時代もやるじゃねーか」と、ちょっと蒙を開かれた思い。
さすがは「逆説」である。

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Posted by ブクログ 2013年02月27日

考え方そのものには同調できる部分あれど、ちょっと冗長。冗長ゆえにもう一度は読み直さないとわかりにくいかな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年10月28日

この第4巻では主に平安時代における内容となっており、「藤原摂関政治の興亡」と副題されている章からも分かるように、これまでの藤原氏によって支配されていた政治体制から武士による支配への変革期にあたる時代である。
源氏物語が書かれたのもこの時代であるが、本書の中ではその存在自体が奇跡であると述べられている...続きを読む。11世紀にこれほどまでの長編小説が編まれたこと自体が他国に類を見ないそうだ。
巻の中盤からは日本人のケガレ思想と差別の謎について興味深い考察がなされている。日本人が軍隊保持を嫌うのは大戦による反省だけからではなく、太古からあるケガレ思想によるものであるという説明に共感してしまう。

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Posted by ブクログ 2011年08月04日

平安の刀伊の入寇というものを初めて知りました。政治への(今につながる)危機感も分かりました。・・・が、少々くどい。歴史の話を読みたいの。現代の憲法批判は同意する点もあるけど、別著書でして、と思うくらいくどすぎ。途中、何の本を読んでいるか分からなくなりそうでした。ただ源氏物語の謎がいくらか解けたり、穢...続きを読む多に関してよく分かったり、そのあたりはとても興味深かったです

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Posted by ブクログ 2010年06月25日

武士とケガレについて,そして,差別の根源もケガレからきているということを本章では主に物語っている。
日本人にとって平和とは最も大切なものである。ゆえに最もキレイでなければならない。ケガレ=悪,清浄なもの=善と考えているのが日本であり,和信仰の信徒でもあるので平和は最高の善であると考えている。
平和は...続きを読むキレイなものなのでケガレとは一切関係がない,ケガレに少しでも触れればキレイではなくなるのだから。このため,軍隊が平和を創造することはあり得ないと考える。軍隊は死のケガレに触れるからである。ケガレに触れた時点でそれは本物の正しい平和ではなくなると考えているのだ。

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