【感想・ネタバレ】逆説の日本史25 明治風雲編 日英同盟と黄禍論の謎のレビュー

あらすじ

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日本国民は大英帝国との同盟に狂喜乱舞した。

歴史ノンフィクションの金字塔『逆説の日本史』。第25巻では、まず西洋近代化の流れのなかで進んだ文学、国語、唱歌に関する「文化大改革」について幅広く考察する。初代文部大臣・森有礼が推し進めた「日本語を廃止し、英語を国語化する」という驚くべきアイデアはなぜ生まれ、そして闇に葬られたのか? また、明治政府が「唱歌」に込めた、隠された意図とは何だったのか?
続いて、明治になって急速に進んだ演劇と芸術の変革についての分析。とくに、川上音二郎が実践者となった「演劇改良運動」、そして彼の妻「マダム貞奴」に代表される女優の復活について焦点を当てながら論考を進めてゆく。
さらに、誇り高き大英帝国が「栄光ある孤立」を捨てて極東の小国・日本と同盟を結んだ「真意」とその影響について検討。この時期ヨーロッパを席巻した「黄禍論」についての解説を加えながら、明治政府が「日露開戦やむなし」に傾いていったプロセスを解き明かす。

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Posted by ブクログ

 内容は日英同盟後の日露戦争あたりの内容。ただし前半は明治維新以降の文化(言葉や演劇、歌など)の歴史が詳しく書かれており興味深くもあり、かなり長いとも思った。後半はやはりロシアと日本の関係を思い出すには十分な内容。現在の日本は平和を推進する国として抗戦的な考えは一切受け入れられないが19世紀初頭は全く違った。欧米はアジア人を下に見ていたし、植民地にし放題だった。またアジアで力を合わせて対抗しようにも当時の中国、朝鮮は朱子学に毒され近代化できず全く頼りにならない。そんな中ロシアはルール度外視で露骨に侵略を続け日本に迫った。これに対して外堀として満州を内堀として朝鮮を手に入れた日本は侵略というより自衛戦争と言える。当時の日本人もそれが正しいと考えた。とはいえその後の日中戦争や太平洋戦争への拡大は日本人特有の怨霊信仰、それまでに死んでいった英霊たちへの供養という強迫観念に縛られた要因もあるだろう。ともかく現在ウクライナに侵攻したロシアは日露戦争時代からそういう抗戦的な国であったし、平和を叫ぶ欧米諸国は帝国主義時代には人間とは思えない所業を各地で繰り返していた。そういう事実を知らない若者や死んでいった先人を思い憲法9条を過度に誇示する戦争経験者たちは今一度現実を直視すべきでは無いだろうか。やはり日本人は怨霊、言霊信仰などの影響で旧日本軍時代と変わらず論理的思考が停止していると思う。

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2023年06月30日

Posted by ブクログ

 この巻は、第一章が「日本語改造計画の悲喜劇」で当時日本語はやめて英語にしようとか、ローマ字で書こうとかの動きがあったこと。第2章で「演劇そして芸術一般の変革」として日本の演芸に女優が再登場したことなどが書かれている。どうもこの文化史というのが私は苦手でとても興味深いことが書かれているのだが、読むのが結構キツかった。第3章の「ロシア帝国の横暴と満州」は本当に面白かった。ここのところがわからないとなぜ日本が国力10倍のロシアと戦争をしたのかがわからない。そもそもなぜロシアが清帝国の領土を跨いでシベリア鉄道を敷設できたのかがわからない。日本が支配した満州鉄道がどこの部分だったのかも知らなかった。この著者のこのシリーズでは、耳にタコができるくらい日本の歴史学の3大欠陥(日本史の呪術的側面の無視ないし軽視、滑稽とも言うべき資料至上主義、権威主義)批判が何回も出てくるのだが、その批判精神があるからこのシリーズを書き続けているのだろう。トータルで数百万部売れているのだからすごい本である。

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2023年03月23日

シリーズ作品レビュー

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