井沢元彦のレビュー一覧
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新年(2017)になって最初に読破した大部の本(300頁超)は、逆説の日本史シリーズでお馴染みの、井沢元彦氏の書かれた「逆説の世界史2」です。
この本のテーマは「一神教のタブーと民族差別」です、私の受け取ったメッセージは、元々は同じ神を信じている、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教が、経済発展にどのように貢献・障害となったのか、です。
世界の主要三宗教の違いを解説した本をある程度読んできましたが、なぜ、キリスト教国が近代になって、イスラム教国に対して有利になったのか、逆に言えば絶大な力を持って世界を制覇していたイスラム社会(オスマン帝国)が、なぜ西欧諸国に圧倒されることになったか、私なりの解 -
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第7巻では、南北朝の動乱から足利義満、義教の治世が扱われています。
著者は、政治的な非道を貫けなかった尊氏が、けっきょくは政治的な混乱を招き多くの人びとを苦しめることになったことを指摘して、政治的な業績と道義的な観点からの評価とを切り離し、冷静に評価をするべきだという主張を繰り返しおこなっています。
ただ、こうした著者のような歴史の見方は、倫理についての歴史的相対主義に陥るか、あるいは倫理的評価を経験的なレヴェルから引き離してしまう形式主義を招いてしまうということにも、気を配っておきたいように思います。もちろん社会や歴史についての考察は、特定の価値や政治的イデオロギーへのコミットと関わりな -
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第6巻では、鎌倉新仏教の成立と、元寇から鎌倉幕府の滅亡、建武の親政までの歴史が扱われています。
著者はこれまで、現代の「民主主義」の常識で過去の出来事の意味を解釈することの誤りを繰り返し指摘していますが、鎌倉新仏教と天台本覚思想を結び付けている著者自身が、そうした誤りに陥っているのではないか、という疑いがあります。ただこの点については、著者があくまで宗教の歴史的な意義だけを考察する立場を取っており、信仰の立場からそれぞれの宗教を論じているわけではないということに留意するならば、むしろ正しい主張ではないかと思います。たとえば著者は、親鸞に対する蓮如や、道元に対する螢山の役割を高く評価しています -
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本作の中に、ペリーが突然来たわけではないのに、日本人のほとんどが突然来たと思っている、という作者の見解が書かれている。
作者の指摘通り、自分もそう思っていたので、勉強になった。こういう気づきがこの本を読む醍醐味だと思う。
ただ、毎巻思うのが作者の主張が強いこと、なんでも言霊に結びつけようとすることに、少し辟易する。
例えばあとがきに原発事故が日本らしい言霊文化の結果、と書かれているが、世界中の原発も安全対策が不完全なまま、運転されており、日本特有のものではないと思ったり。
幕末の外国への対策が後手に回るのも、儒教文化以前の集団心理の結果だと思えたり。
主張が強い分、反論したくなる点が多い。 -
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今回は、鎌倉幕府の成立から御成敗式目の制定までが扱われています。
平安時代以降の中央の土地をめぐる政策に不満を抱き続けてきた武士たちが、自分たちで政権を作ろうとしたのが幕府だったとする見方が、本書の全体を貫いています。戦術の天才だった源義経は、武士による政権を作るために努力していた兄・頼朝の意図を理解せず、そのために頼朝に討たれることになったとされます。さらに同じ観点から、北条氏による源実朝殺害に至るまでの鎌倉時代初期の歴史の流れが解説されています。
一方、北条泰時が制定した「御成敗式目」は、武士の「道理」を実現するものでした。著者はそこに、現代にまで続く日本人の「自然」理解を読み取ろうと