あらすじ
歴史の中で誰が本当の英雄なのかを見極めるポイントは、「その時代においては何が常識で、何が非常識なのか」見極めることです。戦国レースのツートップ、織田信長も毛利元就も当時の人々にとっては非常識な人でした。今、私たちが彼らにそれほどの非常識さを感じないのは、彼らが非常識なことを行い、日本人の価値観を作り替えてしまったからなのです。歴史から真実を汲み取るためには、今の自分たちの価値観や感覚で史料をみるのではなく、当時の人の感覚で見ることです。――本文より抜粋道鏡、平将門、足利尊氏、彼らは日本三悪人とされた人物たちです。しかし、現在ではその評価は大きく変わっています。このように正史は常に正しいと思っていると、歴史の真実にたどり着くことはできません。むしろ正史の矛盾を追及していくことこそ真相への近道だと著者は語ります。歴史を学ぶだけでなく、自分で考え推理する力を養う特別授業。天智天皇から毛利元就まで、「間違いだらけの人物像」を覆す!
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Posted by ブクログ
この、どこまでが通説でどこからが異説なのか、異説の中でもどこからが筆者独自説なのかよくわからない感じ、小説『QED』シリーズとまったく同じ読後感。
あっちは小説だからいいけどさあ。「だと思います」多過ぎ。それを踏まえて、怪しくない情報をメモ。
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古代エジプトやキリスト教が目指すのは「復活」。だから遺体を保存した。
一方、仏教が目指すのは「解脱」、すなわち六道輪廻から抜け出して"復活しなくなること"。したがって遺体の保存に執着せず荼毘に付す(火葬)。
古代日本の場合、死=ケガレによって汚染されたものを古墳に閉じ込める、という思想。
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天皇が早世した場合、中継ぎとして皇后が皇位を受け継ぐ可能性がある。そのため、皇后は皇族でなければならないとされていた。
しかし、藤原不比等の娘、光明子(聖武天皇の妻)は皇族でないにも関わらず「皇后」となった。
これに先立ち、絶対反対派筆頭の「長屋王」は藤原四兄弟の陰謀で殺された。
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清和天皇の孫・経基王が臣籍降下して源経基となった。これが源頼朝ら清和源氏のルーツ。この源基経は平将門を冤罪で陥れようとした人物。
基経の息子・満仲が武士のはじまりとされる。
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「前九年の役」「後三年の役」…陸奥で反乱を起こした安倍氏を源頼義が鎮圧。
「役」というのは本来外国との戦争を意味する。つまり当時、陸奥は外国とみなされた。