井沢元彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
鎖国を、三代家光の時代に、なしくずし的に成立されたことを幕末には「祖法」として敬ってしまった。成立に至る過程や、初代家康の外交政策などは忘れられ、観念としての祖法を守り続ける思考停止。
これは、平和憲法を祖法として敬う我々に酷似している。
世界情勢を理解せず、偶然を勝手に日本の力と勘違いし、祖法を神聖なものとしてしまう思考停止。変わるのは黒船や原爆などの外圧があるときだけ。納得!
というスケールの大きい日本人論。
また、二章では、大阪攻めからずっと浪人対策という観点から述べる。国政爺、天草一揆、由井正雪の乱と。急な戦後で仕事のなくなる食い詰め浪人をどうするかという政治問題 -
Posted by ブクログ
司馬遼太郎の「封建社会では恨みは世襲する」というワード。
関ヶ原の後の処罰により、薩摩、長州、土佐が恨みをもち続け、力を蓄え続け、徳川幕府を滅ぼすに至る。でも、家康は薩摩らを潰すまではできなかったわけで。自分ができなかったことをその先の世代に託したのもしれないが、それも忘れ勝者はおごり、260年かけて弱くなっていくのが切ない。
しかし、潜在的な脅威である天皇家の封印は見事。家康は脅威も対策も全部わかっていたのかもしれない。井沢元彦は徳川家康を「危機管理の天才」と呼ぶ。吾妻鏡を読み、鎌倉幕府の滅び方から学ぶ天才。血縁のスペアを作り、武家諸法度で大名を縛り、朱子学で下剋上思想を潰す。
だが、朱子学