【感想・ネタバレ】新装版 猿丸幻視行のレビュー

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Posted by ブクログ 2021年05月30日

古文、日本史に興味がある人は始めの百ページをちょっとレクチャーと思って我慢(^^) 読み進むと、おー!凄い世界へ。
最後まで引き込まれてしまいました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月13日

柿本人麻呂の和歌が好きなので本書を手に取った。
(ほとんど)折口信夫が主人公で、友達の柿本といろは歌の暗号の謎を解くのがおもしろい。和歌の文字数の制限がある上に意味も通して、さらに沓冠などの言葉遊びも入れるなんですごい。そんなジャンルがあるんですね!

だんだん因習のある村が登場して不吉な雰囲気を出...続きを読むすのが上手いので、読んでいてぞくぞくした。面白いのでこの辺りから一気に読めてしまった。

物語は折口の視点で完結しているので、なぜ主人公を折口にせず現代の香坂の視点が無理やり用意されたのか疑問だったが、解説で論説の話に触れられたので納得した。
香坂の金沢にいる母の旧姓は猿丸で、猿丸額も引き継いでおり、折口の事も知っていたけど柿本悦子と血の繋がりがあるのかしら?本人?
事件の真相は理解できたけど、考え方の違いでせっかくの血筋と口伝を絶やさなくてもよかったんじゃないかなあとは思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年11月13日

第26回江戸川乱歩賞受賞作品。
導入部のタイムスリップ設定と終盤の殺人事件はメインパートのための物語の装置なのだ。(前者の理由はあとがきに書いてある)
どれほどタイムスリップがチープなSFみたいだろうと、殺人事件がとってつけたように起ころうと、そんなのどうでもよくなるくらいメインパートが放つ歴史のロ...続きを読むマンと暗号解読が素晴らしく面白かった。
ジョセフィン・テイの「時の娘」が好きな人におすすめ。

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Posted by ブクログ 2023年01月17日

江戸川乱歩賞の中でも特に傑作ときいて。
柿本人麻呂の言い伝えを解く折口信夫。古典と和歌とパズルの切り口は、正面から切り開く正統派ミステリだった。
3分の2は信夫視点だったけど、現代から夢として信夫をトレースする主人公は不要だったのでは。
その構図がしっくりこないので星マイナス1。

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Posted by ブクログ 2019年08月30日

タイムトラベル専門書店の店長である藤岡みなみさんにお勧めしていただいた一冊。
分野的に疎いところもあり、読書スピードは上がりませんでしたが、逆になかなか濃密な読書時間になりました。

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Posted by ブクログ 2018年12月28日

著者26歳のときの作品らしいが、その膨大な知識量と流麗な文体に驚いた。
『インセプション』みたく入れ子構造になっているのだが、それが少し煩雑で余計に感じた(必要性は解説で理解したが、ほかに回避策はなかったものか)。
物理トリックは後付け感が強く蛇足だったかなと。

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Posted by ブクログ 2017年03月22日

柿本人麿と猿丸太夫を同一人物とする、梅原猛の説を題材にした歴史ミステリ小説です。

主人公の香坂明は、民俗学を専攻している大学院生です。彼の書いた「碩学折口信夫の足跡」という論文に関心を持った製薬会社の研究員がやってくるところから、物語は始まります。

好きな夢を見られる薬を開発していた製薬会社の研...続きを読む究員・泉田卓司は、過去の人間の意識に同化するR試薬を開発します。薬のモニターを探していた彼は、明ならば高い確率で民俗学者・折口信夫の意識に同化することができると考え、彼にモニターになってくれないかと依頼します。じつは明は、猿丸太夫の子孫であり、猿丸一族に伝わる暗号「猿丸額」を説くことを夢見ていました。彼はかねてから、優れた直観力を持つ折口信夫ならば、この謎を解くことができるのではないかと考えており、R試薬のモニターとなって折口信夫の意識に入り込むことになります。

こうして、物語の舞台は折口信夫の謎解きへと移ります。友人で猿丸宗家の息子である柿本英作から「猿丸額」の謎を教えられた信夫は、優れた頭脳で謎を解き明かしていきます。しかし、あと一歩のところで解決が得られず、やがて彼を残して柿本は地元の猿丸の里へと帰っていきます。その後しばらくして、柿本の妹の悦子とともに、猿丸太夫を祀る祭を見ることになった信夫は、柿本が首を吊って死んでしまうという事件に遭遇します。その死に方は、2年前に柿本の父が死んだのと同じ手口でした。

薬によって過去の「幻視」体験が得られるというSF的な設定が、優れた直観力で古代を「幻視」する折口信夫の眼差しに重ね合わされていて、おもしろく読みました。また「解説」にもあるように、折口自身が猿丸の里によそからやってきた「まれびと」となり、「異人殺し」の事件に巻き込まれるという仕掛けも見事です。

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Posted by ブクログ 2016年10月16日

おそらく初めて読むジャンルであろう歴史ミステリー?作品。
折口信夫という名前は初めて聞いたが、柿本人麻呂はもちろん、宇合など少しマニアックな知識も日本史で学んだことを思い出して、物語とは別のところで楽しめた。また肝心の謎解き部分でも、歌の意味やそれにまつわるしがらみなどを紐解いていく過程おいて、歌人...続きを読むの技術がどれほど優れているかを味わうことができた。
ただ、薬を飲んでタイムスリップをするという要素が必要だったのかは少し疑問に思った。単に初めから折口信夫が主人公の物語にしてもよかったのではないだろうか。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

伊呂波耳本反止
千利奴流呼和加
余多連曾津禰那
良牟有為乃於久
耶万計不己衣天
阿佐伎喩女彌之
恵比毛勢須

これ読めた人いますか?
万葉仮名です。
現在にの仮名をふると・・・。

いろはにほへと
ちりぬるをわか
よたれそつねな
らむうゐのおく
やまけふこえて
あさきゆ...続きを読むめみし
ゑひもせす

そう、ご存知いろは歌です。
これを踏まえてあらすじを・・・。

大学院に通ってる香坂明は、自分の書いた猿丸大夫伝説の論文を斜め読みしていた。
突然、製薬会社の研究員が現れ新薬の助言が欲しいと車で訪ねて来た。
いぶかりながらも研究所に行きそこで新薬は過去幻視効果がある薬品だと聞く。
そして薬を飲むと彼は民俗学の巨人・折口信夫の若き日の中に入ったのだった。

猿丸一族に伝わる猿丸額・人丸額を見せられた、折口信夫。
「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき」百人一首のも登場する伝説の歌人・猿丸大夫が読んだ歌に秘められた謎。
それは、柿本人麻呂=猿丸大夫説の証明になるのだろうか?
折口信夫が、いろは歌・猿丸額・藤枯歌の隠された謎を追のだが・・・。

第26回江戸川乱歩賞受賞作の歴史ミステリーです。(ちびっとSF)
非常に難解です。
猿丸大夫って誰?
俺の場合そこからですから、難しかったです。
百人一首・万葉集・日本書紀・続日本記などなど千年も昔の本から導き出される解答は非常に面白かったです。(知識が無くてもなんとかですが・・・)
難しいけど面白かった本です。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

SFチックな設定で主人公は折口信夫と同化する。
いろは歌 をもとに「猿丸=柿本人麻呂」節を折口の視点で解明していく展開が面白い。

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Posted by ブクログ 2024年02月08日

いろは歌の奥深さに驚かされました。一つの歌にいろんな意味・仕掛けを込めていた昔の歌人の頭の中を見てみたい。

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Posted by ブクログ 2019年10月07日

百人一首に登場する猿丸大夫だか、その歌に隠された謎を解き明かす。特にどんでん返しはないが、あー、暗号ってそういう風に作られているのかー、とか、ちょっとした知識欲を満たしてくれる本だ。
現代から薬を使って過去にタイムスリップする設定だが、その設定はほんとに必要な設定だったのかは?だ。

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Posted by ブクログ 2017年10月20日

『邪馬台国の秘密』や『時の娘』の系統のいわゆる歴史ミステリーです。猿丸太夫=柿本人麻呂説をベースに展開する物語。この手の史実研究踏まえた創作作品大好きなので面白かった。
主人公の片割れに若き日の折口信夫を持ってきたところが面白い。前半のいろは歌に含まれた諸々の考察から暗号解読までの盛り上がり、後半は...続きを読む歴史書の記載にまつわる考察と盛り沢山で満足。

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Posted by ブクログ 2014年08月05日

歴史に関する自説を絡めようと頑張り過ぎで、ミステリーが弱くなった感が否めない。別冊「逆説の日本史」的に読むと楽しい。柿本人麻呂論や殺人事件、物語設定は面白い。そこに暗号解読までぶっ込んで、ごった煮にしすぎだと思った。

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Posted by ブクログ 2014年01月31日

ううん、冗長すぎる。というか梅原信者か?頭をよく使って、楽しい読書とはいえるのだが、謎解きと物語があんまり寄り添ってないので、別々の、歴史ミステリー本と、小説を読まされている感じ。

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Posted by ブクログ 2013年03月10日

納得できる所と??な所が半々くらい?

高校の古典で最初からつまづいた私には、
説明が小難しくて理解しづらいところもあったけど、
百人一首やいろは歌の謎はやはり心踊ります。

後半くらいで事件が起こりますが、最初に事件ありきで
話が展開して行く方が、入りやすい気がしました。

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Posted by ブクログ 2010年12月03日

民俗学の研究をしている主人公がタイムスリップ(!)して、
なおかつ、折口信夫に憑依する(!)というすごい設定!
まずはその設定のB級感が味わい深い。

ただ、それだけではなく、
エンターテイメント、ミステリーとしての質も高く、楽しめる。
読み始めると、早く先が読みたくて仕方ない。
最終ページまでノン...続きを読むストップで読んでしまった。

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